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WRC

わーるどらりーちゃんぴおんしっぷ

FIA 世界ラリー選手権(FIA World Rally Championship,略称:WRC)は、封鎖された公道で自動車によるタイムアタックを行い、速さを競う"ラリー"の最高峰。
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概要

1973年創設。国際自動車連盟(FIA)が主催する世界選手権としては、F1に次ぐ歴史と伝統を持つ。伝統の開幕戦『ラリー・モンテカルロ』に限れば、F1より長い歴史がある。
欧州を中心に世界各国で年間13戦程度のレース(イベント)を開催する。
ラリーについては当該記事を参照。

崖っぷちや夜の凍結した山道、民家の密集する細い道などを、先が見えなくてもナビゲーターの指示だけを頼りに380馬力のモンスターマシンをぶっ飛ばす様はエキサイティング極まりなく、F1ドライバーは頭のネジが飛んでいるが、WRCドライバーは元々頭のネジが無い」という言葉があるほどクレイジーな競技である。
また往年のグループB時代の熱狂や、グループA時代の日本車無双時代などは、自動車ファンならよく知らずとも噂で聞いたことはお有りだろう。

日本車メーカーが数多くの成功を収めており、トヨタスバル三菱が年間総合チャンピオン、日産マツダはイベントでの総合優勝、スズキは下位クラス(ジュニアWRC)チャンピオンの実績がそれぞれある。
ただし日本での開催は2019年末現在までで僅か6回と少ないため、人気ではF1に譲る。
2020年現在はTOYOTA GAZOO Racingがワークス参戦している。

頭文字D』を筆頭とする公道バトル系の漫画・アニメでは"WRC"は強キャラやチートマシンの代名詞で、特にランエボインプがその代表選手として猛威を振るうのがお決まりのパターンである。また『ガッデム』『SS』などWRCそのものを描いた作品も複数存在する。

開催地

基本的には欧州での開催が多いが、雪あり土砂あり夜道ありの伝統の開幕戦ラリー・モンテカルロ(モナコ)、"1000個のコーナー"と形容されるツール・ド・コルス(フランス・コルシカ島)、軍基地を含め舗装路がメインのラリー・ドイチェランド(ドイツ)など同じ欧州でも個性あるイベントが詰め込まれている。

また欧州以外では高地でオーバーヒート対策が強いられるラリー・メキシコ、ゾウやキリンのいる野生溢れる情緒で日本車勢が大活躍したサファリラリーなどがある。日本でも2004年から2010年までラリー・ジャパンが北海道で開催された。

こうした各国の異なった情景を見ながら観光気分が味わえるのも、WRCの魅力の一つである。

1990年代中頃までは年間8~10戦程度であったが、開催数の増加を望むFIAの意向により、2004年には全16戦にまで増えた。
しかしこれでは他のモータースポーツよりもオフ期間が少ないから開催を減らしてほしいと参加者側から問題提起され、それでも開催したい各国のオーガナイザーを説得するために、2009年シーズンより年間12戦のローテーション制を取る事となり、2009年、2010年の2年間で合計24のイベントが開催される事となった。
これにより一時的に、伝統のモンテカルロが開幕戦にならないどころか、WRCから外れてしまった年が存在する。

2020年現在は年間13戦で、毎年モンテカルロが開幕戦になるように戻されている。
サファリラリーは2002年にWRCから一時姿を消していたが、復帰が確定している(2020年の予定だったがCOVID-19騒動により、実際の開催は2021年となる)。
またラリージャパンはトヨタの働きかけもあって、2021年に愛知県で復活する予定である(こちらも2020年に開催するつもりであったがやはりCOVID-19の影響で延期となった)。

クラス分け

WRCのクラス分けは長い歴史の中で何度か誕生と消滅を繰り返している。下記は2020年現在のものである。

WRC

WRCの頂点に位置するクラス。時代によってマシンの姿は大きく異なる(後述)が、いずれもモンスターマシン揃いであった。
現在の使用車両である『WRカー』は大衆車のハッチバックを大幅に改造し、最大380馬力/425Nmの1.6Lターボエンジンとフルタイム4WDで武装しているこれまたバケモノである。

このクラスのみ最終SSは"パワーステージ"と称され、総合順位とは別に、この1SSの順位にボーナスポイントが与えられる。

2020年からはトヨタ、Mスポーツ・フォードヒュンダイがマニュファクチャラーとして参戦する。

WRC2

WRCの直下カテゴリ。プライベーターに販売することを前提に開発された、ラリー2(旧称グループR5)で争われる。ラリー2は大衆車を4WD+1.6Lターボに魔改造するというコンセプトはWRカーと同じであるが、最高出力は280馬力に抑えられており、コストが安いためメーカー・チーム双方から人気が高い。

WRC2は後述のWRC3とは異なり、ワークスチームが大手を振って参戦することが可能なプロフェッショナル向けのクラスである。現在はシュコダ、フォード、シトロエン、ヒュンダイなどが参戦している。

WRC3

ラリー2車両のアマチュア/プライベーター部門。しかし明らかにセミワークスと思われるチームも普通に参加している。WRC2との違いは、チーム部門が存在しないことくらいである。

JWRC

WRCの育成カテゴリ。28歳以上のドライバーは出場できない。現在はFIAが指定する、グループRの二輪駆動車1車種のみが参戦できる。2020年現在の指定車種はフォードのフィエスタ・ラリー4(旧R2)。

使用車両の歴史と変遷

この項目では使用された車両の形式に関して簡単に解説する。詳細はWikipediaを参照のこと。

WRC草創期からグループB時代(1973年 - 1986年)

創設から1980年代初頭までは、グループ2とグループ4という規定で競技が行われていた。 各メーカーは、市販車を強化した特別仕様車を販売し、その車両をベースに競技用車両を開発していた。グループ4の市販車の生産義務台数が「連続する24ヶ月間に400台」と少ないことを利用し、ランチアラリーのためだけに開発したスペシャルモデル、ランチア・ストラトスは代表的存在である。

当時のラリーカーはほとんどが2WD・自然吸気エンジンであったが、1981年に4WDとターボエンジンを採用したアウディ・クワトロが登場してWRCを席巻し、その後のラリーカーの方向性を決定づけた。

1983年に有名なグループB規定が登場。これは連続した12ヶ月間に20台の競技用車両を含む200台を生産すればよいというもので、名目上は「より幅広いメーカーの参戦を促す」ものだったが、実際はより高性能なラリー専用車の製作が可能となった。これにより600馬力ものモンスターマシンが現れるなどして性能は劇的に向上したが、安全装備やドライバー・電子制御の技術がその進化に追いつかず、多くの事故と犠牲者を生み出すこととなり、廃止へと追い込まれた。

グループA時代(1987年 - 2001年)

1987年に世界選手権はグループA規定に移行。ベース車両は継続した12ヶ月間に5,000台(1993年から2,500台)以上の生産を義務づけられたほか、さまざまな改造規制が加えられ、ラリー車は市販車に近いものとなった。しかしマシンの能力は落ちるどころか、年を追うごとに上がっていき、3年後にはグループBのマシンを凌駕する速さを身につけることとなる。
WRCで勝利するためにはフルタイム4WDと2,000ccのターボエンジンはもはや必須の装備であったが、そのような高性能かつ高価なスポーツ車両を市販車として量産し、採算を取れるメーカーは少なく、参戦メーカー数は一気に減少。ランチアはいち早く小型車デルタをベースにラリー車を製作してグループAに対応し、グループA時代を牽引していくことになる。
しかし、そのランチアに対し真っ向から勝負を挑んだのが日本車勢である。日本の自動車市場は4WDスポーツ車が順調に売れる世界的に見て珍しい市場であり、日本車メーカーはこぞって高性能な4WDスポーツ車を販売し、1990年代中盤には欧州車メーカーに代わり、トヨタスバル三菱がWRCを席巻した。

WRカー時代(1997年 - 2010年)

欧州車メーカーがいなくなったことへの不満から、連続する12ヶ月間で25,000台生産された大衆車を大幅に改造する"WRカー"が誕生。これで再び欧州車メーカーが相次いでWRCに参戦し、メーカー数が増加してWRCは一時的に活況を呈することとなる。
しかし繁栄は長くは続かず、度重なる仕様変更、WRカーの開発費用および車両価格の高騰、またレース自体のイベント数の増加による負担増などの諸要因により徐々に撤退するメーカーが増え、さらに2007年のリーマンショックに端を発する不況での自動車会社の経営不振がトドメとなり、2009年の時点でメーカー単位で正式に参戦しているのはシトロエンフォードの2社のみとなってしまった。

S2000 WRC(第二次WRカー)時代(2011年 - )

WRカーは不況期の自動車メーカーたちにはコストが重く、新規ワークスの参入はほぼ絶望的であった。そこで長い紆余曲折を経て、ボディ補強など最低限の改造のみで競技車両を製作するという低コスト路線のスーパー2000規定をベースに、1.6Lターボ+4WDで武装する新たなWRカー規定が誕生した(S2000 WRC)。

これも一時はメーカー数を増やすことに成功するものの、地味だったためファンからの人気低下が懸念された。そこで2017年からは派手なウィングを装着し、馬力も30上げて「現代のグループB」と形容されるような迫力あるマシンとなっている。

ラリー1規定(2022年? - )

自動車メーカーたちが電動化技術の開発と宣伝に躍起になっている状況を鑑みて、低コストなラリー2(S2000の子孫にあたる)をベースに、共通のハイブリッドシステムを組み込む新たな規定が導入される予定。
またこの規定からパイプフレームの、事実上プロトタイプカーのようなマシンも参戦できることになっている。

テレビ放送

ヨーロッパ圏内において絶大な人気を誇るこのカーレースはテレビ放送も盛んに行われている。また、FIAとしてもテレビ放送から得られる収入は無視できないものとなり、スーパーSSなどテレビ放送向けにイベントを組んでいる。
ラジオ放送(競馬じゃないんだから)も行われており、日本でもインターネット経由で聞くことが出来る。日本においては2009年にはJ SPORTS(CS放送局)が全クラス完全放送を行っており、いくつかのラウンドでスーパーSSのライブ中継を放送している。

また、BS放送局であるBS日テレでもダイジェストで放送していたが、スバルのWRC撤
退によるスポンサー撤退により2008年12月25日で放送を終了。しかし2019年4月から放送を再開している。
地上波ではテレビ東京系列でダイジェスト放送が行われたことがあるが、2006年のラリージャパンに関しては、テレビ東京系列局がない地域の日本テレビ系列局(ほか)でも放送された。
その他のテレビ局に関しては日本におけるこのスポーツの人気上報道は消極的であり、それは日本で開催されたラリージャパンも例外でなく、2004年の初開催以降、ラリージャパン開催時期でも地上波テレビ局ではニュース番組でも殆ど触れられることはなく、過去にWRCの放送経験があるテレビ東京系列の他は日本テレビ系列やNHKで多少触れられた程度である。
その後トヨタが再参戦を果たした2017年と、その翌年の2018年には、テレビ朝日名古屋テレビで、「地球の走り方 世界ラリー応援宣言」という紹介番組が放送されていた。なお、件の番組はTVerを通じて関東地方と東海3県以外の地域でも視聴することが出来た。さらにはラリーをテーマとした映画「OVERDRIVE」に絡んだ、この番組の番外編的番組が、2018年5月下旬から6月上旬にかけて逐次テレビ朝系列(24)局ばかりかTBS系列局約3局、日本テレビ系列局約2局、フジテレビ系列局約3局でも放送されている。

参加するには

もしあなたがWRCで勝ちたいなら、それなりの支援と育成をメーカーから受ける必要があるだろう。
具体的には国内でのトヨタの若手ドライバー育成プログラムに合格するか、欧州のラリーで活躍して、欧州系自動車メーカーの目に止まるかである。フォーミュラカーのようにF1〜F4までの綺麗なピラミッド構造が整備されているわけではないため、良く言えば自由だが悪く言えば明確な道筋が無く、かなりのリスクを伴うのは間違いない。

しかし"参加するだけ"ならば個人レベルでも簡単にできるのが、この世界選手権の大きな魅力の一つである。
競技ライセンス(国際C級レース除外)を取得し、規定に合致した車両(地域選手権のものでも可)を用意し、抽選に通れば賞典外で出場することが可能となる。安全装備を備えただけのお買い物で、WRCのスーパースターたちの轍をナゾって走ることができるのである。

関連項目

自動車 モータースポーツ ラリー(モータースポーツ) レース

参考

Wikipedia世界ラリー選手権

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