概要
2000年に初登場した小型ハッチバック車。
スズキの世界戦略車であり、欧州やアジアで高い評価を得ている。
初代、2代目はジュニアWRC(以下JWRC)に参戦しており、初代の途中に追加された派生車スイフトスポーツがFFホットハッチとして高い評価を得ている。
参戦車はハンガリーで製造されていた欧州向けモデルがベースとなっており、ベースカーは1,600ccエンジンが積まれる等、日本市場とは異なる仕様となっていた。
3代目以降はJWRCの規則が変わった(ワンメイク化された)事により参戦していないものの、全日本ラリー選手権ではFF部門の常連である。
歴代モデル
初代(HT51S系)
2000年1月発売。
欧州市場ではまだカルタスが販売されていたため、この代のみイグニスという名称である。
ワゴンRプラスのプラットフォームとKeiのサイドパネルやドアを流用しており、廉価グレードでは約80万円程度であった。
2004年に2代目にモデルチェンジされるが、2003年発売のスイフトスポーツは2005年まで、廉価グレードの「SE-Z」は2006年まで継続販売。
スイフトスポーツは、2004年にはJWRC参戦3年目にして初となるドライバーズチャンピオンを輩出した。
2代目(ZC11S系)
2004年11月発売。
2代目は新設計のプラットフォームを取り入れてボディー剛性を強化し、足回りも再設計して走行性能を重視している。
外装デザインではエスクードと共にグッドデザイン賞を受賞。
ボディは日本では5ドアのみの設定で、欧州では3ドアも用意された。
海外市場でもカルタスの生産が終了したため、ZC11S系から名称がスイフトに統一された。
2010年にスイフトをベースにしたハイブリッドカー、「スイフト・レンジエクステンダー」が発表。
一般販売はされずに実験車として自治体などに貸し出された。
またスイフトスポーツも2011年までにドライバーズチャンピオンを2度輩出している。
3代目(ZC72S系)
2010年9月発売。
鼻先が丸くなり、全長とホイールベースを少し拡大しながらプラットフォームも軽量・高剛性化。
2010年度カー・オブ・ザ・イヤーを受賞。
2011年8月にアイドリングストップ機能が搭載されたモデルを追加し、2013年にはエネチャージ(減速エネルギー回生システム)仕様車も追加された。
2011年12月にスイフトスポーツ発売。
先代までオプション設定されていたレカロシートは廃止された。
4代目(ZC83S系)
2017年1月発売。
全長は先代よりわずかに小さくなり、フロントマスクのデザインが一新された。
ホイールベースはわずかに拡大。
「運転支援システム」としてレーダーブレーキサポート、先行車発進お知らせ機能、追従型クルーズコントロールなどを内包する「セーフティパッケージ」を設定している。
実は全幅については、日本仕様は海外仕様よりも4センチほど狭くなっており、1.7メートルを切っている。これは日本の道路事情が他の国に比べるとあまりよろしくなく、それ故に幅の広い(1.7メートルを超える)普通乗用車に抵抗感を覚える人間が少なからずいる、という事情がある。
2017年7月には本格的なハイブリッド仕様車が設定。
同年9月にはスイフトスポーツが追加される。
2020年5月に安全装備を拡充させる一方で、1,000ccターボ仕様車を廃止した。
2022年9月には本格的なハイブリッド仕様車も廃止されている。
5代目(ZCEDS系)
2023年10月26日から11月5日にかけて開催された第1回トーキョー・モビリティーショウにおいて「スイフト・コンセプト」の名称で発表された。
同年11月4日にプレサイトを立ち上げた。さらに同年12月6日に正式発表、13日から日本市場で販売されている。欧州市場では2024年4月から、インド市場では同年5月から、それぞれ投入されている。
エンジンをこれまでの4気筒エンジンから新開発の3気筒エンジンに切り替えられた(排気量は1200ccのまま据え置き)。
マイルドハイブリッド車のほかノンハイブリッド車も用意されるが、マイルドハイブリッド車にはMTの設定がなされている(基本はCVT)。なお、マイルドハイブリッド車のMT仕様は2024年1月に追加発売された。
また、日本仕様については引き続き全幅は1.7メートルを切っている。
スズキの自社生産乗用車として、初の電動パーキングブレーキが装着された(スズキとしては、OEMのランディから搭載)。