概要
ハッチバック車をベースに専用のチューニングを施し、スポーツカー相当の運動性能を持たせた車両。
主に高出力のエンジンや強化された足回り、専用設計の外装部品を装備しており、量販車とは区別されている。
但し明確な定義は存在しないため、何をもってホットハッチと呼ぶかは人によって分かれる。
その出自ゆえ駆動形式はFFがメインで、FRを信奉する車好きからは敬遠されることが多いものの、後部座席の居住性や荷室空間が広いため、家庭を持つお父さんも選びやすいのが大きな魅力である。
またFFは低ミュー(μ、摩擦)路面でFRより速く走ることができるため、モータースポーツのカテゴリによってはホットハッチの方が好んで用いられることもある。
一般的なホットハッチの起源は初代フォルクスワーゲン・ゴルフGTIとされており、軽いボディに1.6L直4SOHCエンジンを載せ、足回りを強化したハイパフォーマンスマシンとなっていた。
このため欧州において人気が根強く、日本のホットハッチも欧州を意識したパッケージングである事が多い。
なお、日本のホットハッチの起源は1974年に発売された初代ホンダ・シビックRSとされている。
自動車メーカー側としても、大衆車をベースにすることで設計コストを抑えられるというメリットがあり、1990年代までは日本でも多くのコンパクトカーや軽自動車でホットハッチに相当するスポーツグレードが用意されていた。
2000年代以降はスポーツカー不振や車種整理の影響を受けて減少したが、実用性とスポーツ性の両立や、何より価格が手ごろである事から一定の需要を維持しており、現在に至るまで支持の厚いジャンルである。
フィットRSやマーチNISMOのようなライトチューンから、インプレッサWRX STI(GRB)やGRヤリスのようにラリーに勝つためだけにゼロから設計された過激なモデルまで存在する。