SUBARU(旧・富士重工)の生産する乗用車。レオーネの後継車種であるレガシィとコンパクトカーのジャスティの間を埋めるべく開発された。車格は2代目までは小型セダン/ハッチバックという位置付けであったが、3代目からボディサイズが拡大されミドルセダン/ハッチバックに車格がクラスアップしている。
軽自動車の生産から撤退したスバルの主軸を担う基幹車種。
初代の発売開始は1992年。現行モデルは5代目(2016年~)になり1代あたりのライフスパンが日本車にしては長めなのが特徴。
初代ならびに2代目はステーションワゴンにスポーツを取り入れた、いわば「スポーツワゴン」の概念を作った車として知られる。現行モデルは5ドアハッチバックと4ドアセダンのボディタイプを持つ(但しセダンでは車体にはインプレッサの文字は入っていない。)。
WRXモデル
インプレッサと言えば、スバル直属のチューニング子会社である「STI」のチューニングが施された、「WRX STI」モデルが特に有名。買ってそのままサーキットやラリーへ、なんてことも出来る代物である。
- タイプRA
2代目モデルから設定されたSTI SpecCは、先代から100kg近く増えた重量を改善するとともに、ランエボVII RSに対抗するべく窓ガラス等を軽量型に交換、オイル容量の増大、パワーウインドウやエアコン等快適装備のオプション化等、通常モデルとは異なった競技ベース車も存在する。ドイツ・ニュルブルクリンク北コースで量産車としては異例の8分切りを成し遂げた事も記憶に新しい。
ちなみにSpecCの「C」はCompetition(競争・競技)から来ている。まさに「公式が病気」なのである。
ラリーの出場実績も豊富なため、三菱ランサーエボリューションとは同じクラスで常にしのぎを削り合っている。もちろんそれは競技に限らず、販売上でも同様である。
高い戦闘能力を持ちながら「普通のインプレッサ」譲りの高い実用性も持ち、走行特性は素直で、車内も広く乗り心地が良い上にお値段もお手頃(GT-Rの半額~2/3程度、そしてクラウン比であれば変わらない、下手したら安い)。このことから高速隊のパトカーには最適な車種であるといえる。実際に埼玉県警や栃木県警の高速隊や三重県警が採用している。また海外でもフランス国家憲兵隊などが採用している。
おそらくこいつが配備されることの恐ろしさを知るのは、他でもない走り屋たちであろう。
GC8型クーペは頭文字Dの藤原文太の愛車でもある。
ちなみに、2014年現在は”WRX S4”および”WRX STI”となりインプレッサとは車体も含めて完全な別モデルとなった(設計自体は4代目インプレッサがベース)。が、それでも伝統的にインプレッサと呼ばれるのはやはり長年培った歴史のためだろう。
WRX STiの限定モデル
主にSTIから発売されるコンプリートカー。実を言うと有名なブルーカラーは初代では限定車のみの設定だったりする。
- Sシリーズ
S201はド派手なエアロを備え、S202はSpecCをさらに過激にチューンと方向性を探っていた感があったが、S203からはトップモデルに相応しく、性能に加えて上質さが重視されるようになった。
長らく日本専売だったが、S209は初めて北米専売となる。
- V-リミテッド
初代のブルー(ソニックブルー・マイカ)は基本的にこれ。
WRC撤退後は(NBRで優勝した年でも)発売されなくなってしまった。
- 22B
400台限定で500万円と当時としては強気な価格だった(価格設定では相当揉めたらしい)が、たった2日で完売した。
当然ながら未だに大人気で、海外のオークションで1000万円ということもあった。
その他のモデル
出荷台数の大半を占めるのはWRXではない「普通のインプレッサ」である。いずれのモデルもスポーツ走行を充分に堪能できるポテンシャルを持ち、また安全性や快適性など実用車としての完成度も非常に高いとされる。
- スポーツ
- セダン
- レア車たち
- リトナ
切り札を持たずにコケたマツダエチュード同様に企画面で迷走が強く、最初からそれで出せばよかったのでは・・・?
ちなみに勘違いされがちだが、WRカーのベース車はタイプRではなくこちらである。
- グラベルEX
- カサブランカ
- TYPE EURO
- サーブ・9-2X
派生車種
- XV
初代に存在したオフロードグレード「グラベルEX」を髣髴とさせるスタイリングで、レガシィ・アウトバック以来のクロスオーバーSUVとしてデビュー。最低地上高は200mmとやや高めだが、全高は1,550mmに収められていたりと初代フォレスターにも通ずる風貌をしている。カタログなどでは「インプレッサ」を冠さない「スバル・XV」を名乗る。
本当にグラベルEXは生まれるのが早すぎたのである。
- フォレスター
日本市場のニーズに応じて開発された、レガシィツーリングワゴンの後継車種とされているが実質的には前述のスポーツワゴンの後継車種と見方が強う。WRX STIはこの4代目インプレッサ(初代G4)の設計をベースにしている。