概要
1992年から2016年まで販売。 通称はランエボ。
その成り立ちから当初の正式名称は「ランサー○○(GSRまたはRS)エボリューション」で、GSRとRSのエボリューションモデルという位置付けであった(ただしエボではないGSRも存在していた)。
人気と知名度を確立した事もあり、VII以降は正式名称も「ランサーエボリューション」となる。
Xでは日本向けのランサーセダンが「ギャランフォルティス」と名乗っていた為、事実上の独立車種となっていた。
ちなみに日本国内でのランサーの名前自体は、ランエボ以外に日産ADのOEMモデルである「ランサーカーゴ」にも残っていた。
世界ラリー選手権(WRC)を想定した開発として2,000cc直列4気筒のハイパワーターボエンジンと4WDシステムを搭載し、細かく限定生産した販売車であった(最終型であるXのみ通常のカタログモデル)。
基本的にセダンであるが、2005年のIX販売時にはステーションワゴンベースのランサーエボリューションワゴンが登場。
またパワートレインや足まわりを改良した「MR」(Mitsubishi Racing)という名のついた熟成モデルも登場した。
英国では2009年に、最高403馬力を叩き出す歴代最強のスーパーマシンとして「ランサーエボリューションX FQ-400」が発売。
ちなみにFQとは、「ファッキンクイック(くそ速い)」の略である。
ランエボはパジェロと並んで三菱自動車の看板車種となり、『頭文字D』、『湾岸ミッドナイト』、『ワイルド・スピード』、『TAXi』などの作品にも登場。
特に頭文字Dでの須藤京一の強気な発言と、それに見合ったラリー仕様の強力な走行性能から「峠の王者」とも称されるようになった。
ラリーでの活躍
90年代のグループA規定時代のWRCではトヨタ・セリカ、スバル・インプレッサと共にその名を残している。
三菱は1996~1999年にドライバーズタイトルを4連覇しているが、これは全てフィンランド人ドライバーのトミ・マキネンによるものである。三菱はその功績を讃え、ランエボ6で限定生産車「トミ・マキネン・エディション」を発売している。
1998年に新規定の「WRカー」が施行されてからも、三菱はグループA規定で戦闘力を保った。
同時期に三菱はダカールラリーでも優勝の常連となっており、ランエボとパジェロはまさに「ラリーの三菱」を象徴するウェポンであった。
00年代前半で本社の経営の傾きやWRカー規定への移行の失敗などが重なり、WRCでの活動は撤退となってしまうが、市販車をベースとする下位カテゴリのPWRC(プロダクションカーラリー世界選手権)では2012年の閉幕までインプレッサと覇を競った。
2015年に生産が終了して以降も、地域ラリーでは長らく往年の三菱遣いたちによって用いられ、一線級の戦闘力を維持していた。
関連イラスト
・エボⅠ
・エボⅡ
・エボⅢ
・エボⅣ
・エボⅤ
・エボⅥ
・エボⅥ トミ・マキネン・エディション
・エボⅦ
・エボⅦ GT-A
・エボⅧ
・エボⅨ
・エボⅩ
・エボワゴン