根来甚蔵
ねごろじんぞう
「姫矢、お前をそこまで駆り立てるものは何だ?お前は一体、何と戦っているんだ?」
フリージャーナリストで、姫矢准とは付き合いが長い。強い正義感の持ち主だが、姫矢から情報を得るために彼を尾行して自宅に不法侵入するなど、目的を達成するためにかなり強引な手段を取ることもある。その危うさを危惧され、一部の新聞社からは出禁になっていた模様(episode 25参照)。
ジャーナリストならではの勘を働かせ、世間で起こる不可解な事件と、その現場に必ず姫矢がいることを突き止め、独自に調査を進める。episode 20にて、カメラマンの保呂草が撮影したゴルゴレムの写真からスペースビーストの存在を知り、捕食されてしまった彼の意思を継いで世間に真実を公表することを誓う。
唯一掲載を許可してくれた毎朝スポーツに写真を託し、無事翌日の朝刊の一面に使用されたが、他の新聞はこぞって河童や恐竜の目撃情報といった与太記事を掲載していたため、写真の信憑性が薄れてしまった。憤慨していたところをメモリーポリス(M・P)に発見され、記憶を消されかけるも逃走し、謎の集団に匿われる。
彼らは表向きは「世界UFO研究所」としてUFOや未確認生物などの与太話を世間に流しながらも、実はビーストの存在を認知しており、秘密裏に研究を進めていた。彼らから情報を得て東京の地下を探索している最中にクトゥーラの触手に襲われるも駆け付けた姫矢に救出され、「もう誰の死も見たくない」と悲壮な決意を固める姫矢に対し記事冒頭の言葉を投げかける。直後、「宿命です」の答えと共にウルトラマンネクサスに変身した彼の姿をカメラに収めるが、ダークメフィストとの最終決戦の直後、現れたM・Pによって記憶を消されてしまった。
episode 25では同じく記憶を消された佐久田恵と共に、姿を消した姫矢へ思いを馳せた。
なおepisode 16ではTLTの情報を聞き出すため孤門に接触している。この時の孤門は自身の恋人を殺したビーストに囚われていた少女をそうと知らず攻撃してしまいその兄から責められた事によるトラウマとそのせいで仲間を危険に晒した自責からTLTを脱走し丁度M・Pに追われていた最中であり、「自分も組織を抜け出し連中に追われている」という嘘で自身の隠れ家に招き入れ、M・Pが記憶を消す存在だという事実を掴んだ。
彼にとってはただの情報源でしかなかっただろうが、すでに戦意を失い寧ろ記憶を消されてしまった方が楽だったと打ち明けた孤門に、
『ふざけんな!記憶を消されてしまうということはどういうことか分かるか⁉︎
今まで生きてきた証を、全て失ってしまうんだぞ!
誰にも、他人の人生を奪う権利はないんだ!』
と本気で言い放った。
その後孤門は現れた溝呂木眞也からの誘惑に自力で打ち勝ち、ナイトレイダーと合流。「これ以上誰かを悲しませない」ためにノスフェルをネクサスと共に撃退する。そしてのちにウルトラマンとして黒幕を倒すことを考えると、彼は期せずして彼の知らないところで、青いまま腐ってしまうかもしれなかった果実を英雄にした立役者の一人だったと言えるかもしれない。
演者の大河内氏は『忍者戦隊カクレンジャー』や『超力戦隊オーレンジャー』に出演しており、ウルトラシリーズへの出演は初である。