「ウルトラマン……。あの巨人を見た時、何故かその名前が……」
概要
人から人へと受け継がれながら、その輝きを増していく神秘の光の巨人。自らが選んだ適能者=デュナミストと一体化している。変身直後のアンファンスから、第二形態のジュネッスへ二段変身し、デュナミストによってジュネッスの姿や戦闘スタイルが変わる(ただし『ウルトラマンX』の公式サイトでは赤いジュネッスとジュネッスブルーの二択であるかのようなニュアンスになっている。今後スーツの都合で新たなジュネッスを出すのが難しいからだと考えられる)。飛行時はこれまでのウルトラマンのように腕を前に伸ばすのではなく、後ろに伸ばした姿勢で飛行するのも特徴(稀に前に伸ばすこともある)。
ネクサスが自ら話すことは決してなく、デュナミストが生きる気力を取り戻すのを見届けると分離する(その際にデュナミストは無意識に次期デュナミストを選んでいるらしい)。そして強い心を持ちながらも影を抱え、ともに戦いながら本来の力を取り戻していく。
両腕に備わったアームドネクサスはジュネッスへのモードチェンジや必殺技発動に使われるほか、肉弾戦でも側面のエルボーカッターで敵を切り裂き、敵の攻撃を受け止めることが可能。
また、ジュネッスの必殺技は敵を分子レベルで分解、消滅させる効果がある。
行動の指針としては、本編中では生きる意味を見失った者、生き急ぎ過ぎる者、復讐に生きた者を適能者に選んでいる。「生きる意味に揺れる人間」たちであり、そういった意味では「生きる希望を見つけるまでの仮宿」としての生きがいを与えているとも見える。その内容があの過酷な闘いの日々だったりするため、「スパルタ」と評されることもしばしば。もっともこれらはあくまでファンの考察であり(そもそも次期適能者は前適能者が無意識に選ぶという設定が存在する)、(メタフィールドの負荷が全て適能者頼りといった部分はあるが)本編のネクサスはノアが弱体化した状態であるとも言えるため万全のサポートができなかったことや、ネクサスの世界観そのものがハードモードすぎるだけと言った事情もある。実際Xで客演した際には変身者はそこまでボロボロにならなかった。そもそもスパルタという意味では、自分本位な理由での変身を拒否したうえで理由を一切教えなかった文明監視官のほうが明らかにスパルタである。
また、力を授けた相手に対しても極力介入を避け、力の使用についても(たとえ憎しみや復讐が目的でも)自己判断で使わせているあたり、適能者の自主性を尊重している部分も大きい。また、適能者やナオにもテレパスで積極的に助言を与えており、ネクサス変身時の装備も含めてサポートに関して言えばウルトラ戦士の中でも随一である。
2024年11月7日に行われた尊哉の部屋でのアベユーイチ監督の発言によると、ネクサスとデュナミストは完全に分離はせず、デュナミスト達との経験がネクサスの中に残るという。(最終回や『ギャラファイ』での描写がその最たる例。)
本編中では終始一貫して「ウルトラマン」とのみ呼称されており、「ネクサス」の名は最終回において一度だけ出てくるのみ。
形態
アンファンス
- 身長:49メートル
- 体重:4万トン
ネクサスの基本形態。基本カラーは銀。ウルトラマンにしては珍しくカラータイマーを持たないが、Y字型のエナジーコアがカラータイマーの役目を果たす。基本的にはすぐジュネッスにモードチェンジするため、この姿のまま最後まで戦うことは少ない。
必殺技は腕を十字に組んで放つクロスレイ・シュトロームなど。アンファンスの技はジュネッスでも使用できる。
ジュネッス
- 身長:49メートル
- 体重:4万4000トン
姫矢准が変身する第二形態(本編以降の客演では他のデュナミストが変身)。基本カラーは赤。胸にはカラータイマーに相当するコアゲージが現れる。フェーズシフトウェーブによって戦闘用不連続時空間メタフィールドを展開することで、周りの世界に被害を与えたりすることなく、本来の力を発揮して戦える。ただし、形成できる時間は3分間のみであり、これを過ぎるとデュナミストは死亡してしまう。
必殺技は腕をL字型に組んで放つ必殺光線オーバーレイ・シュトロームなど。
ジュネッスブルー
- 身長:49メートル
- 体重:4万2000トン
千樹憐が変身するジュネッスで、基本カラーは青。基本的な能力こそジュネッスと同じだが、右腕のアームドネクサスがアローアームドネクサスに変化しており、光の弓を形成して放つアローレイ・シュトロームや、光の剣を形成して敵を切り裂くシュトロームソードなど従来のウルトラマンにはないタイプの必殺技を持つ。設定上はジュネッスの技も使用可能だが、披露することはなかった。
ウルトラマンノア
- 身長:55メートル(ノアイージス含む)
- 体重:5万5000トン
ネクサスのウルティメイトファイナルスタイル(究極最終形態)であり、本来の姿でもある。劇中では数々のデュナミストと絆を紡いだ孤門一輝が発現してみせた。劇中では放送短縮の影響もあって最終話(ep37)のみの活躍だったが、本来の予定ではネクサスの最終形態としてもう1クールほど活躍する予定だったらしい。小説「再臨〜ドリームス〜」では直接この姿に変身している他、ゲーム「HEROES'VS」ではFinish技を放つ際にジュネッスからこの形態に変化している。ウルトラマンフェスティバルでも本編で登場して以降はネクサスの最終形態としてたまに変身して活躍している(2005年や2009年あたり)。
ジュネッスブルーと異なりこれまでのネクサスの技を使えるという設定はないが、ノア・インフェルノやライトニング・ノアなど数々の強力な必殺技を持つ。また、背中のノアイージスにより自身への負担も大きいが、ノア3大究極技というものも設定上存在する。ただし、これの使用が原因でノアの姿を維持できなくなってしまった。
アイテム
デュナミストは防衛チームであるナイトレイダーと別行動である関係上、変身アイテム以外のアイテムも与えられている。
エボルトラスター
ネクサスの変身アイテム。鞘に収まった短剣のような形状をしており、本体を鞘から抜くことで変身する。鞘に収めた状態ではビースト振動波を捉えてビーストを探知する機能も持つ。
ブラストショット
デュナミストが使用する小型銃。強力な真空衝撃波動弾を発射し、小型のビーストならば一撃で仕留められる威力を持つ。
ストーンフリューゲル
デュナミストがブラストショットで召喚する石柩。普段は謎の遺跡内で石碑のように安置されており、夢の中でこれに触れた人間がデュナミストとなる。召喚されると白い飛行体に変化し、デュナミストは中に入ることで疲れや傷を癒すことができる。
ゲスト出演・後作への影響
ネクサス自体は客演数自体があまり多い部類ではないものの、『ウルトラマン列伝』で一部のエピソードが編集の上で放送されたりしたこともある。本人が登場した作品は◎表記とする。本人は登場していないもののイメージやアイテムが登場した作品は△表記とする。
『ウルトラマンメビウス』△
世界観が異なるために本人も本人の力も回想を含めて一切登場していないのだが、ザムシャーのエピソードにてどういうわけかトリヤマ補佐官がプライベートで、まだ赤ん坊である孫の前でウルトラマンの指人形を手に満面の笑顔を見せる回想シーンが存在しており、その指人形が本来ならその地球に現れたことのないはずのネクサスのアンファンスのものであった。ちなみに、これ以外のものを含めても『メビウス』は意外にもネクサスネタが少なくない。まあメビウスのテーマがネクサスの『絆』から『友情』になっていることもあるのかもしれない。
『決戦!ウルトラ10勇士!!』◎
「光は絆だ。誰かへ受け継がれ再び輝く…!」
平成ウルトラマンが一堂に会するお祭りムービーで、ネクサスも登場する(アンファンスとジュネッスのみ)。ネクサスが客演するのはこれが初である。
公式サイトでは、ウルトラマンノアがエタルガーとの戦いでエネルギーを消費してしまい弱体化したのではないかと推測されている。
本編開始時には既にエタルガーに敗れ去っており、コスモスが封印された直後に時空城にアンファンスの姿でエナジーコアが点滅した状態で他の平成ウルトラマンともども幽閉されていることが判明したが、UPGと春野ムサシの尽力によって解放される。そして他の戦士と共にウルトラフュージョンブレスに力を託す。
時空城へ突入した際にはダークメフィスト(エタルダミー)と戦い、激闘の末にこれを撃破。最後は他の戦士とともにクロスオーバーフォーメーションを発動、必殺光線の発動により時空城を破壊。 その後、ウルトラマンゼロや他のウルトラ戦士たちとともにヒカルたちに別れを告げた後、元の世界へと帰還していった。
声優は代役が担当しているものの、上記の台詞やアームドネクサスによるジュネッスへの変身、さらに劇中でエタルダミーとして現れたのがダークメフィストであることから、ファンの間ではこのネクサスに変身していたのは姫矢だとも推測されているが、詳細は不明。
一方で列伝では姫矢とメフィストの戦い以降も光が受け継がれていることが、Youtubeの紹介動画ではノアまで覚醒したことが語られていることなどから、時間軸はネクサス本編が完結した後(さらに言えばベリ銀でゼロにイージスを授けた後)であることは確実なようだ。
ネクサスで監督を務めたアベユーイチ氏は「弧門から光がどう受け継がれたかは想像に任せる」と明言を避けている。
『ウルトラマンX』◎
「絆__NEXUS」
「ウルトラマン、ネクサス…」
第20話「絆 -Unite-」に登場。映像作品としては2度目のゲスト出演となった。より詳しい解説はリンク先を参照。
これによってネクサスのサイバーカードが登場した。ただし、使用は劇場版へ持ち越される。
『きたぞ!われらのウルトラマン』◎
前作でも共演したティガ、マックス、ゼロ、ギンガ、ビクトリーと共に2016年3月公開の『ウルトラマンX』の劇場作品に3度目のゲスト出演が決定。劇場版への出演はこれで2度目。 映画『ULTRAMAN』のオマージュ元ともいえる初代ウルトラマンとも初共演を果たすことになった。
今作ではアンファンスは登場せずジュネッスのみ。『10勇士』同様、適能者が誰なのか(もしくは適能者がいるのか)は不明。
劇中では、他のウルトラマンとともにサイバーカードによって召還され、エジプトのカイロでツルギデマーガの1体と戦い撃破した。終盤に他の戦士たちと合流している。
『ウルトラマンZ』△
本編では、ネクサス(アンファンス)のウルトラメダルが登場。第1話でゲネガーグが飲み込み、地球で倒された際に散らばったメダルの一つで、地球防衛軍に回収され、第9話にて紆余曲折を経て、ゼットとハルキの手に渡る。
第9話「未確認物資護送指令」にて、地球防衛軍が回収していたウルトラメダルの1枚として登場、ゼットライザーにコスモスメダルとメビウスメダルと組み合わせることで、天空から電撃を降らせる必殺技:ライトニングジェネレードが使用できる。ネクサスの力を宿した新規アイテムが劇中に登場するのは『X』に登場したサイバーカード以来となる。
『ウルトラギャラクシーファイト運命の衝突』◎
ウルトラマンノアが現れるという伝説が伝わる惑星バベルに出現。
ノアを狙うティターンの悪意に反応して暴走状態に陥っており、敵味方見境なく排除しようとしてティターンもろともリブットもメタフィールド内に捕らえるが…その後の詳細はウルトラマンノアを参照。
なお、本作のネクサスのデュナミストは不明であるどころか、デュナミストがいるのかすら不明(メタ的に言うと、変身者を出せないという都合があるのだが)。
また、おそらく音声ミスによりジュネッスとジュネッスブルーの掛け声が入れ替わってしまっている。
伝説として語り継がれるノアと異なり、ネクサスは名前と素顔はウルトラマンたちの間でもあまり広く知られていない模様で、ウルトラフォースのリーダーにして参謀であるチャックのみが反応し、何気に初めて直接名前を呼ばれた。
同作で登場した他のウルトラマン達と異なり、ノアが基本無言な事も合わせてか放送当時のオリジナルキャストや代役は一切用意されず、終始掛け声のみの出番となった。
この事情は作劇方針だったらしく、『運命の衝突』のスピンオフ作品『ULTRAMANREGULOS』に先がけて配信された特番番組『濱田龍臣のウルトラEYE特別版』にて渋谷浩康氏の監修の元、喋らないウルトラマンとして登場した事が語られた。
本編外、他媒体での登場
『超時空のアドベンチャー』
いわゆるゲスト出演に留まっているが、ノスフェルと対決中のネクサスとナイトレイダーが登場。直前にコスモスペースを訪れていたチャリジャをして相当風変わりなウルトラマンと防衛組織と言及されており、ノスフェル編という『ネクサス』中でも屈指の過酷な部分だったこともあってか怪獣バイヤーの彼にすら心配されていた(一応ノスフェルと対決している辺りなので、時系列的には本編のEp11~16頃と思われるが)。
他のウルトラマンとは良くも悪くも大きく異なるダークな世界観であったことから、チャリジャには「きっと子供には人気は出ないな。怪獣以外にも苦戦を強いられなきゃいいが」と若干メタな視点で皮肉られている。これは著者の長谷川圭一氏が『ネクサス』のシリーズ構成担当であることや、放送当時の『ネクサス』が諸々の理由で芳しい評価を受けていなかったというある種の自虐とも取れる。
『ウルトラマンヒットソングヒストリー ニューヒーロー編』
謎の異空間で敵と戦うゼロを救援に現れた平成ウルトラマンの1人として登場。
敵から放たれた光弾をクロスレイ・シュトロームで撃ち落とした。しかし、エフェクトがオーバーレイ・シュトロームのものになっている。
『フュージョンファイト』
「受け継がれてゆく魂の絆!!」
本編では登場しないが、ゲーム「ウルトラフュージョンファイト」第3弾にてネクサス(ジュネッス)が登場。初代ウルトラマンとフュージョンアップすることで、スペシウムシュトロームに変身可能。
「超えるぜ、極限!」
本編では登場しないが、玩具のみでネクサス(ジュネッス)のウルトラカプセルが登場。
データカードダス『フュージョンファイト』カプセルユーゴー第6弾では、ウルティメイトゼロカプセルと併用することで、ジード・ノアクティブサクシードにフュージョンライズする。
加えて、劇中未使用だが『フュージョンファイト』にてジードの新形態としてジャック、コスモス、ネクサス(アンファンス)のメダルを組み合わせることで、テトライトクロスにウルトラフュージョンできる。
『ウルトラマンZ』ボイスドラマ
ボイスドラマ第5回「ウルトラマンと太古の歴史」において、アナザースペースにおけるバラージの盾に纏わるエピソードを話した際、究極形態であるノアの名がゼロの口から語られた。
なお、ゼットも「ウルトラマンキング級に伝説のお方」として名前のみならノアのことを知っており、ゼロがノアと遭遇しその力をウルティメイトブレスレットという形で授けられたことを知った際には非常に驚いていた。
余談
- デザイン画では、「ネクスト」という名称もあった。
- テレビ作品のウルトラマンとしては初めて、スーツの覗き穴が目の上部分になっている(キャラクターとしてはウルトラマンレジェンドが初)。
- 歴代で初めて、胴体に埋め込まれている大きなカラータイマー(エナジーコア)を採用している。以降の一部のウルトラマンにも、胴体埋め込み式のカラータイマーが採用されている。
- デザインモチーフとして、「和」が掲げられている。今までのウルトラマンとは明らかに異なる頭部は武士の兜を、ジュネッス形態は陣羽織を、全身の黒いラインは筆文字を、変身アイテムのエボルトラスターは日本刀を、それぞれ取り入れている。
- 変身バンクや使用技には水のイメージが取り入れられている。
- 代表的なテーマ曲としてはデュナミストとの邂逅シーンや提供部分で流れた「ネクサス -Encounter-」、戦闘シーンで流れる「ネクサス -Heroic-」の二つ。劇中未使用のテーマソング「Fight The Future~ウルトラマンネクサスのテーマ~」は両曲をアレンジして歌詞を付けたもの。
- 姫矢准役を演じた桐島優介は当時28(1月6日までは27)歳で、千樹憐を務めた内山眞人は放送当時18歳。つまりネクサスの変身者を演じた2人は、当時のテレビシリーズにおいて主役ウルトラマンに変身する俳優として歴代最年長、最年少記録を更新したことになる。(なお、現在の主役ウルトラマンに変身する俳優の最年長はヒルマ・ゲント役の蕨野友也(35歳)、最年少は礼堂ヒカルを演じた根岸拓哉(17歳)に更新されている。)
- 2022年に行われた「全ウルトラマン大投票」のウルトラヒーロー部門では第8位にランクインした。『X』での客演や「運命の衝突」での活躍、そして昨今の再評価などが後押ししたのだろうか。
関連イラスト
関連タグ
ウルトラマンネクサス デュナミスト ウルトラ10勇士 ウルトラ戦士 巨大ヒーロー
外部リンク
公式
YouTube「ウルトラマン公式 ULTRAMAN OFFICIAL by TSUBURAYA PROD.」
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