「僕は本当の勇者になりたいんだ!」
演:杉浦太陽(『ウルトラギャラクシーファイト』シリーズなどではウルトラマンコスモスの声も兼任)/東海孝之助(少年時代)
概要
ウルトラマンコスモスと一体化し、コスモプラックを掲げて変身するチームEYES隊員。1990年生まれ。少年時代のコスモスとの出会いを機に、真の勇者を目指している。
旧名は五十畑ムサシ。実父を亡くしており、現在の姓は警察官の継父(義父)に由来する。
亡くなった父の遺志を継ぎ宇宙飛行士を目指し、地球防衛組織SRCにて勤務していたが、カオスヘッダー襲来の際にEYESに転属となった。事件解決後は後述の通り宇宙飛行士になる夢を叶えている。
性格は明るく、若干天然なところもあるが心優しい好青年。しかし、よく言えば純粋で理想主義なところがあるために目先の被害にだけ目が向き、裏で見えない被害には無頓着な面がある(諸々の事情で精神不安定だったとはいえ、「少し電気や水道が止まったくらいで怪獣保護を諦めるなんて馬鹿げてる」と暴言を吐いたことも)。
目先のことに囚われやすいため、怪獣被害の本質とその被害者には疎く、独善的ともいえる部分がある。この部分は「正反対だからこそお互いに良い影響を与えられる」というヒウラキャップの狙いでフブキ隊員と春風コンビを組むことによって、彼から「現実をしっかり見据えて行動する」というスタンスを学び大きな影響を受けた。
また、例え怪獣であっても、インキュラスやラグストーンなどの悪意を持って命を奪おうとする者に対しては、命を守るために倒そうとしている。
中盤では、進化を続けるカオスヘッダーから怪獣を助けるためには力が必要と考えて強さを追い求めるようになるが、エリガルを救えなかった一件で強さと優しさの板挟みとなり葛藤。その隙をカオスヘッダー・メビュートに突かれて敗北、ムサシの身を案じたコスモスの判断でコスモスと分離してしまう。ムサシはコスモスに見放されたと思い込んでいたものの、それでもコスモスに光を与えようと奮闘して皆既日食の光と仲間たちの勇気を胸に再びコスモスと一体化し、エクリプスモードの覚醒につながった。
終盤ではEYESやコスモスすらカオスヘッダーを殲滅することを考えていた中で、一人カオスヘッダーとも解り合える可能性を模索し、それに成功。最終回(第65話)ではコスモスから真の勇者と称された。
劇中での活躍
第1話の8年前、ムサシの子供時代を描いた劇場版第1作『THE FIRST CONTACT』でコスモスとの最初の出会いが描かれた。2001年、地球にやって来たコスモスと出会い、バルタン星人との戦いを目撃する。
2009年、ムサシはカオスヘッダーを追って再び地球に飛来したコスモスと一体化し、チームEYESに入隊。人類の平和を守るために戦い続けた。そして、最大の敵・カオスダークネスと和解を成し遂げた後、コスモスと分離した。
2012年、劇場版第2作『THE BLUE PLANET』ではSRC宇宙開発センターに移籍。その後も地球怪獣を他の惑星に移住させるネオユートピア計画に参加していた。
その後の客演
本編終了後のムサシの客演は多く、TVシリーズのムサシの客演はアスカ・シンに並んで3回、別世界のムサシがウルトラ銀河伝説に(コスモスには変身しない)、ムサシの姿では登場しないもののウルトラギャラクシーファイト大いなる陰謀ではムサシ役の杉浦氏がコスモスの声を担当しているためムサシと一体化していると思われるため、杉浦氏の客演としては計5回となり、ウルトラマンダイナのつるの剛士氏に次いで多い。ちなみにその客演ほとんどでつるの氏と共演している。
『ウルトラ銀河伝説』
M78ワールドのZAPに所属するクルーとして登場。大決戦!超ウルトラ8兄弟と同様本編とは別次元の存在であり、コスモスには変身しないが、カットされたシーンではコスモスとの関係性を匂わせる台詞が存在したという。
ハイパーホビーに掲載されたレイとボスの中の人へのインタビューによると、裏設定では2期の直後に拘束されたレイを救ったらしい。
『ウルトラマンサーガ』
ある日、遊星ジュランに現れた謎の巨大円盤(後にバット星人のものと判明)と遭遇。その時に再びコスモスと一体化を果たし、ウルトラマンダイナ=アスカ・シンに導かれバット星人に支配された別宇宙の地球フューチャーアースに向かう。
フューチャーアースでウルトラマンゼロ=タイガ・ノゾムやチームUとともにバット星人の怪獣軍団やハイパーゼットンと戦い、最後はタイガ、アスカ、ムサシの諦めない心が一つになってウルトラマンサーガに変身し、ハイパーゼットンを倒した。戦いが終わった後、遊星ジュランへ帰還した。
余談だが、これ以降の客演では一貫して青いジャージ姿で登場している。当初はEYESの制服での出演も検討されていたが、それはお流れとなったため、3人の中で唯一隊員服以外での登場となっており、唯一スーパーGUTSとは無縁な人物でもある。なお、オフショットにそのスーパーGUTSの服を着ている写真が存在するほか、スーパーGUTSのキャストの数人がコスモスの映画に出演しているため、絡みは一切ないものの一応再共演となっている。
『決戦!ウルトラ10勇士!!』
遊星ジュランにてエタルガーの襲撃を受け応戦するも破れ、コスモスの封印直前に分離させられた。
ウルトラマンギンガ達の宇宙にたどり着いた後、エタルガーを追ってきたウルトラマンゼロとともに、ヒカル(ウルトラマンギンガ)とショウ(ウルトラマンビクトリー)にある特訓を課す。
その後はUPGと共にウルトラ戦士の救出に向かう。UPGの面々がエタルイマージュという幻覚を浴びせられ苦しむなか1人でアレーナとの肉弾戦に奮闘し、彼らがそれを乗り越えるまでの時間を稼ぐ。
救出後は再びコスモスと一体化し、再びエタルガーと対峙。ムサシの存在が要となるエクリプスモードが大きな役割を果たす。
戦いが終わった後は、アレーナを帰すため惑星ザントへと向かった。
ちなみに、主役のギンガやビクトリー以外のウルトラマンの変身者で本作に客演したのは彼のみである。また、ゼロに久しぶりにあいさつされていることから、サーガの後日談と思われる。
本作ではコスモスと分離した状態で激しい肉弾戦を行い、アレーナとも互角に戦っているため、ムサシ自身の身体能力も本編時に比べ大幅に上がっていることがうかがえる。なお、このアクションシーンは吹替なしであり、杉浦氏がすべて行っている。ちなみにこのころから杉浦氏は筋肉トレーニングを行っており、アクションを行えたのもその影響があったからかもしれない。
『ウルトラマンオーブ THE_ORIGIN_SAGA』
『コスモス』本編と同一人物。
アスカからの協力要請を受け、王立惑星カノンに向かうことになり、戦うことなく平和を保とうとするアマテの思いに共鳴する。
アスカと知り合いのため、少なくとも時系列は『サーガ』後と思われる。
この他、『ウルトラギャラクシーファイト大いなる陰謀』でも、ムサシは登場しないものの、上記の通りムサシ役の杉浦氏がコスモスの声を担当、また、喋り方がムサシのものであったため、本作でもコスモスと一体化していると見ていいだろう。
なお、この戦場となった惑星フィートがM78ワールドである場合、8兄弟ですら実現しなかった同じ世界に歴史上2人のムサシが現れたこととなる。
その他本編外
ウルトラマンプレミアステージ2
劇場版第3作を経たムサシが登場。最初はチームEYESのユニフォームを着ていたが、途中から劇場版第3作と同じ衣装になっている。
M78星雲からのウルトラサインを受けてM78スペースに来訪し、憎しみに囚われた宇宙人少年ニコの説得を試みた。囚われたウルトラマンとウルトラセブンを救うべく、命の谷へ飛び込み、マグマの中に消えたかに思われたが、フロスエナジーの力により無事であり、見事ハヤタとダンの救助に成功する。
アパテーの「飛んでいる火にいる名古屋の味噌カツ!食ってやる!食ってやる!」という言い回しに対し、「お前には食わせん!心正しきもののみ許されるひつまぶしーッ!!」と返すコミカルなシーンも。
余談
杉浦氏は『コスモス』に強い思い入れがあり、自身の代表作として『コスモス』をよく挙げており、その際にはスペシウム光線などのウルトラマンのポーズをとることも多い。
一体化型のウルトラマンでは、客演時には本編後も一体化したままか、分離後はウルトラマン本人が一体化していた人間に擬態するという形で登場しているが、ムサシの場合は、客演時に再び一体化するというかなり珍しいケースである。また、客演時に分離するというのも非常に珍しい例である。
放送時期が独立し、前後連続放送された作品がなかった『コスモス』だが、杉浦氏は共演の多い『ウルトラマンダイナ』の主役つるの剛士氏や、『ウルトラマンガイア』の主役・吉岡毅志氏と準主役・高野八誠氏と交友があり、実際に4人全員が『ORIGINN_SAGA』で共演した他、この4人はシリーズでのイベント出演も多い。
関連項目
マドカ・ダイゴ、トウマ・カイト:ムサシ同様にヒロインと結ばれ、後に子供や孫が登場した主人公。彼らはムサシと異なり、他の一体化方ウルトラマン同様、客演には一切登場せず、当然一切変身していない。
大空大地:彼と同じく怪獣との共存を望む、ウルトラ戦士への変身者。礼堂ヒカルを通して、ムサシが実現させた怪獣との共存は彼に伝わることとなる。
オオトモ博士:こちらも怪獣との共存を望む人物であるが、根本的な思想がある意味ムサシとは似て非なるものであったために社会から認められず、最終的に破滅的な末路を辿ってしまった。
歴代ウルトラマンの主人公系譜