真木舜一
まきしゅんいち
宇宙からやってきた赤い発光体に触れたことでデュナミストとなった男。
航空自衛隊所属のF-15Jパイロットだったが、病弱で余命が一年もない息子の継夢に寄り添うために退官を決意する。最終階級は二等空尉。
「死んで……たまるか。俺はまだ死ぬわけにはいかないんだ!」
ラストフライトの日に、同僚の倉島剛一尉とスクランブル出撃した際、赤い発光体と衝突し墜落した。奇跡的に生還し、民間の航空会社にてセスナパイロットとして第二の人生を歩み始めた矢先に、米軍と自衛隊が連携してできた特務機関BCSTに身柄を拘束される。自身を囮にしたザ・ワン抹殺作戦に際してザ・ワンから攻撃を受け、ウルトラマンとして覚醒した。
「俺はもう自衛官じゃない……家族の為に戦闘機を降りた、ある意味軟弱な、その辺にゴロゴロいる人間なんだよ!その俺がなんで!なんであんな化け物と戦わなきゃならないんだ、何故だ!」
「ボクはだいじょうぶだから、おしごといって」
「ボク、がんばってびょうきなおす。そしたら、こんどこそパパがそうじゅうするひこうきにのせてね。やくそくしてくれる?」
「どんなに酷い喧嘩をした朝も、空を飛ぶ日だけは必ず笑顔で送り出してきた……ずっと、それだけは守ってきたから」
「いってらっしゃい……気を付けて」
ウルトラマンとしての最初の戦いを終えた直後は、当然のことだが怪獣と戦う恐怖や自分が異形のものとなってしまった恐怖には勝てず、更にウルトラマンの力によって継夢の病状悪化を察知したことで、車両を奪ってBSCTの下から脱走する。監視任務に就いていた倉島にも助けられ、家族との再会を果たしたが、そこで病気と闘っている継夢に「おしごと」に行って、と言われたことで、一人の父親として戦うことを決意し、妻の蓉子に見送られて死地へ向かう。
新宿の地下にて、ザ・ワンと対面。一体化した人間の姿を悪用したザ・ワンの卑劣な行いに怒りを爆発させ、再びウルトラマンに変身。戦いの舞台を地上へ移す。ザ・ワンが壊したビルの下敷きになりそうだった親子をジュネッスに二段変身して救うと、今度は飛行能力を開花させ、追ってきたザ・ワンと超音速で展開する苛烈で美しい空中戦を繰り広げる。
「これ以上の戦いに、真木の肉体が耐え切れない」
「俺が死んだら、君はどうなる?」
「恐らく、真木と一緒に、消滅するだろう……」
「じゃあ、この悪魔は?駄目だ……ここで墜ちるなんて、駄目だ。俺には守らなきゃならない約束がある」
「こいつを倒すこと……それが俺の、ラストミッションなんだ!」
「真木いいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」
エネルギーの限界とザ・ワンの攻撃によって一度は墜落しかけるも、息子との約束と家族への想いによってなんとか持ち直し、駆けつけたF-15Jの飛行隊――倉島ら元同僚と連携してザ・ワンを地上に落とすと、必殺技「エボルレイ・シュトローム」を放ってザ・ワンの息の根を止めた。
「真木、私は使命を果たすため君の命を……」
「いいんだ。今やっと解ったよ。君と出会ったことは、きっと運命だった、って」
「運命?」
「俺達戦闘機乗りは、自分の乗る機体を選ぶことができない。もし乗った戦闘機が故障すれば、どんなに腕が良くても命を落とすことになる」
「でも俺達は、それを運命だと受け入れ空を飛んできた。君と出会って、俺は最高のフライトができた。だから、後悔は、ない」
「本当に、後悔は、無いか?」
「ただ、一つだけ……息子との約束が守れなかったことが……一緒に空を飛んでやれなかったことが……」
ウルトラマンと分離する際、悔いを残していることをウルトラマンが察したため、死ぬはずだった所をまたも生還し、継夢と交わした「飛行機に乗せてあげる」約束を無事果たした。
――ボクは、ひこうきにのるおとうさんがだいすきです。ボクもおとなになったら、おとうさんみたいなパイロットになって、そらをとんでみたいです。それが、ボクのゆめです―― まき つぐむ
- 真木の所属している部隊については、事故の報告の時に「第7航空団第204飛行隊」と言っているシーンがある(04年当時、第204飛行隊は現在の第9航空団ではなく第7航空団隷下だった)空自関連のシーンの撮影場所は勿論関東圏防空の要である百里基地であり、イーグルの垂直尾翼に描かれた白頭鷲のエンブレムもバッチリ映っている。
- 真木は七歳の頃、親戚の家に遊びに行った時にたまたま空自の基地の近くで戦闘機を目撃し、パイロットとなることを決意したのだが、それを語る時に回想としてF-104J スターファイターが登場している。日の丸スターファイターがウルトラマンと同じ配色であること、マルヨンの飛行隊として創設された第204飛行隊、等々シンクロする部分が多いことまで見越してこの機体が選ばれたのだろうか。
- 真木自身はパイロットとなることを志したきっかけである夏の空を飛ぶ戦闘機の姿を「まるで“銀色の流星”のようだった」と称しており、作中において“銀色の流星”は真木の大空への夢や真木や同僚の倉島らF-15戦闘機パイロット「イーグルドライバー」の誇りの象徴のようにも取れる描写がなされている。『ウルトラマン』第1話「ウルトラ作戦第一号」のリメイク作である『ULTRAMAN』においてそれぞれウルトラマン・ザ・ネクストが「初代ウルトラマン」、ビースト・ザ・ワンが”悪魔のような怪獣”「ベムラー」に当たるならば、イーグルドライバーの誇りの象徴たる“銀色の流星”を“胸につけてる マークは流星”「科学特捜隊の流星のエンブレム」に見立て、「人々を守る使命を胸に怪獣に立ち向かう者達の象徴」とする一種のオマージュだったのかもしれない。
- 彼がその後如何にして次のデュナミストである姫矢准へと光を受け継いだのかは不明だが、『ULTRAMAN』のコミカライズ『ウルトラマンTHENEXT』の最終回にて姫矢と思われる男がウルトラマンについて報道している街頭ニュースを見ているというシーンと、これから新たな戦いが始まるという地の文が綴られていた。
- 『ウルトラマンネクサス』最終話においては最終決戦の中ついに光を受け継いだ主人公、孤門一輝がウルトラマンに変身しかつてその生き様を見届けてきたデュナミスト達の激励の言葉と共に彼らを象徴する固有の姿へと姿を変えていく展開が描かれたが、最後には人々が「新宿大災害」として情報操作されていた『ULTRAMAN』におけるザ・ネクストが人々を守るため戦った姿を思い出すと共にウルトラマンノアの姿へと変じている。他のデュナミストとは異なり真木と孤門との直接の面識は描かれていないものの、白銀に輝き背中に翼を持つノアの姿は真木の“銀色の流星”を象徴する姿とも取れるのかもしれない。
- 真木を演じた別所哲也氏と有働貴文を演じた大澄賢也氏は、いずれも静岡県出身である。
コメント
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シン・ウルトラマンのヒットの中で、空前の映画『ULTRAMAN』ブームになっているそうなので初投稿です。 こ↑れ↓(https://www.youtube.com/watch?v=EqSjbBXWYDg)を聴きながらお楽しみ下さい。 ――飛べる……俺は、この空を、飛べる!―― 銀色の流星…舞い降りる。 高度3万フィート! 6.5G! 極限の一戦!! テレビじゃ見られないもう一人のウルトラマンが帰ってきた! 君も、この壮絶な空中戦を見逃すな! あの頃少年だったあなたに贈る---1,615文字pixiv小説作品