「諦めるな!!」
「絆…NEXUS!」
演:川久保拓司
概要
本編の主人公。明るく前向きな心優しい青年。年齢24歳。身長は180cmと歴代主人公の中でも高身長。一人称は普段は「僕」だが、母親との会話では「俺」になっている。
元は警視庁のレスキュー隊に所属。幼少時代に川で溺れていたところを「諦めるな」の言葉とともに自分を助けてくれた人物(正体は後述)に影響を受けて人の命を守ることへの熱意を抱きレスキュー隊に就いていたが、その時のトラウマが原因でレスキュー隊の仕事を思うようにこなせなかった。
第1話にてTLTの実働部隊・ナイトレイダーの隊員に選抜される。本部へ向かう途中でペドレオンに襲われたところを、突如現れたウルトラマンネクサス(この際に変身していたのが2代目デュナミストの姫矢准)に救われ、これがきっかけでそれまで知らなかったスペースビーストの存在を知ることとなる。
ナイトレイダーとしての過酷な戦いの中で傷つき迷いながらもビーストの脅威から人々を守るために戦うが、当初はまだ隊員として未熟だったがゆえに失敗も多く、孤門自身も思い悩んでいた。また一般人の救出よりビーストの殲滅を優先したり、組織やビーストの存在を隠蔽するために目撃者の記憶を消去するといったTLTの方針にも賛同できず、他の隊員(特に副隊長の西条凪)との衝突も度々あった。
斎田リコという恋人がいたが、実は彼女は物語開始の半年前、孤門と初めて出会ったその日の夜に家族もろとも溝呂木に命を奪われたうえ、闇の巨人ダークファウストに変えられており、最終的に孤門をノスフェルの攻撃から庇って消滅してしまう。
これによって心に傷を負った孤門は、リコと初めて出会った動物園でリコと同じ名前を持つ山邑理子という少女と出会うが、孤門の心をより追い詰めようとする溝呂木によって理子の両親さえもノスフェルに命を奪われた挙げ句その遺体はビーストヒューマンに変えられ、理子はノスフェルの体内に取り込まれて人質にされてしまう。理子が取り込まれていることを知らずにノスフェルを攻撃した孤門は理子に重傷を負わせてしまい、ダークメフィストのテレパシーによって、脳裏に理子を体内に取り込んだノスフェルを倒そうとする孤門の姿の映像を送られてしまった理子の兄・薫から強く非難されてしまう。
この一件がトラウマになった孤門は復活したノスフェルに引き金を引くことを躊躇してしまい、石堀光彦を危険に晒して一時はナイトレイダーを離れてしまった。
しかし、生前のリコが渡してくれたお守りガンバルクイナくんと、姫矢の言葉によって心の闇を振り切った孤門は自らの手でノスフェルにトドメを刺し、ナイトレイダーに復帰した。
これ以降は様々な経験を通じて逞しく成長してゆき、姫矢に導かれると同時にお互いに良き理解者となり、3代目デュナミストである千樹憐に対しては姫矢の時とは逆に良き兄貴分として接し、支えとなる。
考え方の違いから衝突が激しかった凪とは戦いを通じてお互いに理解を示すようになり、次第にかけがえのないパートナーとなった。
ウルトラマンに変身せず、ウルトラマンとビーストの中で成長していく主人公という新たな主人公像を築いた。
総合的な人物評価
当初は様々な過酷な体験への恐怖や苦悩に追い詰められていたが、リコの死を乗り越え、最後まで戦い抜くことを決意しデュナミストを支え続けた。
孤門の思想や信念は結果的に凪や姫矢を初めとする多くの人物に強い影響を与えており、特に序盤は衝突しながらも最終的には良きパートナーとなった凪との関係にそれが強く反映されている。
そして、最終話(ep37)で憎しみに呑まれて闇に消えかける凪を「諦めるな!!」の言葉とともに激励するまでに成長し、凪から光を受け継いでついにネクサスに変身した。このとき、姫矢のジュネッスから憐のジュネッスブルーを経て、ネクサスの本来の姿である伝説の巨人ウルトラマンノアに変身し、見事最強の敵ダークザギを撃破。1年後もナイトレイダーの隊員として戦い続けている。
これらの展開からも、様々な困難を乗り越え、諦めない強さを身に付けたことが大きな評価となり、「まさに主人公」と好評を受けている。
余談
苗字の表記は「孤門(「孤独」の孤)」だが、「弧門(「括弧」の弧)」や「狐門(きつね)」などと、よく間違えられる。
ウルトラシリーズで名前(というか苗字)を間違えられやすい主人公の上位であり、公式でも、公式サイトに「弧門」と間違えている箇所がある他、スーパーフェスティバル87の特撮アーカイブで販売されたサインボードでも同様の誤字があった。
上記のように文字が似ているため間違いに気づきにくいこともあり、単語登録が可能であれば登録したほうが無難である。
孤門は最初からデュナミストの資質を備えており、ep3でネクサスを見てウルトラマンと呼んだのはそのためだった(5年前の記憶が蘇ったわけではない)。
幼少期に川で溺れていた孤門を助けた人物は、放送短縮の影響などもあり劇中で掘り下げられなかったため、その正体は公式HPにも詳細は記載されなかった(孤門自身はこの人物のことを宇宙人と思っていた)。
後に関連書籍に掲載された情報によると、それは孤門自身である。最終話でレーテの闇に捕らわれた凪を救出すべく闇の奔流の中に自ら飛び込んだ際、過去の記憶とシンクロし、さらにレーテ内の高エネルギーにより時間軸にズレが生じていたため、凪と同時に過去の自分自身の手を同時に掴むことになり、その命を救うことになった。
演じた川久保氏は、後に『ウルトラマンX』のネクサス登場回にて、橘さゆり副隊長の夫:橘祥吾の役で特別出演している。
娘とともにカナダに在住して医師をしているという設定で、突如出現して娘たちを襲っていたベムラーと、それを倒すために飛来した、妻さゆりの変身したネクサスの戦いを目撃。その際、ネクサスとわずかだがアイコンタクトを交わし、何かを悟ったような表情を見せていた。
なお、アベユーイチ監督はこのシーンについて「祥吾は孤門ではないが、ネクサスは彼を見て何か思うところがあったかもしれない」とコメントしており、川久保氏も「"ネクサスと再会した孤門"をイメージしながら演じていた」と述べている。
また、当初の段階では祥吾役に川久保氏を起用する予定はなかったが、「せっかくネクサスがゲストなんだし、孤門も呼ぼう」という制作スタッフからの発案で急遽オファーをかけ、その時には撮影開始直前のギリギリのタイミングだったため、スタッフ側もダメ元なオファーだったにもかかわらず川久保氏側から即OKの返答がきたことで出演が実現したという。
主人公を演じた川久保氏は大卒のため、平成ウルトラマンシリーズの主人公で大卒なのは初であり、昭和生まれでは唯一である。
『ネクサス』本編から3年後の世界を描いた短編小説『再臨-ドリームス-』では、凪からナイトレイダー副隊長の座を受け継いでいるほか、まだ誰かに光を受け渡しておらずエボルトラスターを持っている。
新宿で再開した凪と飲み交わしていたところ、新たなる闇の巨人ダークルシフェルが出現。凪と2人でノアに再び変身し、ダークルシフェルに立ち向かった。
ちなみに、平成ウルトラマンの主人公で後に客演していないのは、孤門以外だと次作の主人公トウマ・カイトのみである(カイトはマックスと分離し、マックスが『X』に客演した際はカイトの姿を借りており、カイト本人ではない)。
その一方で、川久保氏は平成ウルトラマンの主演としてはカイト役の青山草太氏同様、当時の役としての客演ではないが、他のテレビシリーズに客演した数少ない俳優の1人である。本編終了後に別の役で客演した過去作の主演俳優も、平成では上記2名のみである。
他には、礼堂ヒカル役の根岸拓哉氏、ショウ役の宇治清高氏、朝倉リク役の濱田龍臣氏も後のテレビシリーズに客演しているが、彼らは当時の役のままの出演である。
関連タグ
ヒビノ・ミライ:アンノウンハンドと演者が同じキャラによって不幸な目に遭った主人公。
工藤ヒロユキ:悪のウルトラマンに変身する人物によって精神攻撃を受ける、毎回女性上司に叱責される点が共通する主人公。不遇な扱いだけを見れば、ある意味「令和版の孤門」とも言える。
宮下アキ:後続のウルトラシリーズ作品における主人公。他のキャラクターとの関係やその結末が孤門と少し似ている。
鹿目まどか:魔法少女まどか☆マギカの主人公で、彼女も同じくTV本編では最終回で遂に変身した。(だがこちらの場合、本編内での別の時間軸では既に変身はしている。)