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蛭川光彦

ひるかわみつひこ

『ウルトラマンメビウス』の登場人物にして、ウルトラシリーズ屈指の問題人物。
目次 [非表示]

「……俺は見たぞ、お前の正体を……黙ってるつもりはないからな」


※注意

このキャラクターは、その所業故にアンチが非常に多く、時折過剰なキャラヘイト表現や、「似たような人物」など本来の記事内容の趣旨からズレた書き込みが行われる事があり、それが原因となって編集合戦へと発展する事も多々あります。

原則中立性のある記事を保つ為、そして無益な編集合戦及び、演者への風評被害を防ぐ為にも、悪意を含んだ書き込みは極力控えるよう、お願い致します


データ

本名蛭川光彦(ヒルカワ・ミツヒコ)
職業ジャーナリストフリーランス
役者加藤厚成

概要

ウルトラシリーズにはウルトラマン第23話故郷は地球や、帰ってきたウルトラマン第33話怪獣使いと少年等、時として人間側の過失や人間の持つ醜さ等を表現し、批判している話が少なからず存在しウルトラマンAウルトラマン80等の作品でも、人間が持つ負の感情=マイナスエネルギーがテーマとなったり、怪獣出現に大きな影響を与える話が存在する。

だが、その中でもこの蛭川光彦という男は、マイナスエネルギーを凝縮させた、地球人の悪しき一面の象徴ともいえるシリーズの中でもかなり特異な存在である。


劇中では終始人として最低な行動ばかりとっていたことで、主人公達(そして視聴者)の苛立ちを募らせた上、ウルトラシリーズにおいては珍しく最後の最後まで一切改心する描写はなく、挙句の果てに(一応、申し訳程度に断罪を示唆させる描写はあるものの)敵怪人・怪獣のような決定的な制裁は受けないままフェードアウトするという、非常に後味の悪すぎる退場の仕方をした。


この事実から、全国の視聴者……もとい子供達や往年のウルトラシリーズファンの諸兄方から、悉く怒りや反感を買い、中には『ウルトラシリーズ史上最低最悪な地球人』と評する意見も上がり、遂には演じた役者本人でさえも否定的な意見を出すなど、瞬く間にシリーズ随一のヘイトタンクとしてその悪名を刻むこととなった。


人物像

先述したとおり、陰湿、狡猾、自分本位、傲慢、強欲、不誠実、不作法、無慈悲、恩知らずなどと、人間のあらゆるマイナスエネルギーが凝り固まったかのような最低な性格の持ち主で、平時は飄々としながらも、どこか粘着さを感じさせる軽薄且つ陰険な薄ら笑いを崩さす、誰に対しても慇懃無礼な口調で話しかけるが、想定外な状況下に立たされるなどして冷静さを失うと、激情に任せた粗暴な口ぶりに豹変し、保身の為なら暴力殺人さえも厭わないなど、本質は文字通りの鬼畜生。


そんな悪辣な人間性は仕事上でもフルに発揮されており、ゴシップスキャンダルなどの他人の粗を探ったり、不幸にさせるような記事を常に追い求め、根も葉もない話から記事を捏造したり、相手の心境や事情を顧みない強引な突撃取材は勿論、他人の弱みにつけ込んで利用したり、果ては盗撮等の卑劣な手段を使うのも辞さない、典型的な悪徳記者

だが、その一方でジャーナリストとしてのスキル自体は決して悪くはないと、正に『才能の無駄遣い』言葉を悪い意味で体現している。

もっとも、人間性が壊滅的な奴に限って、仕事面では有能だったりするのは、この手のフィクションにおいてはある種のお約束だったりするが……。


何故か「GUYS」に対し、慢侮の念を含めた過剰なまでに批判的な見解を示しており、劇中では専ら彼らの評判や信頼を下落させる為の粗探しに余念が無い。

また、GUYSが地球防衛組織と言う立場上、下手に民間人に対して暴力等の強行手段を採れないのを逆手に取って、GUYSメンバーを真っ向から好き放題に挑発する等、自身が民間人(にして報道関係者)である立場を最大限に悪用する一面も。


更には長年に渡って、幾度も地球を怪獣や侵略者の脅威から守ってきてくれたウルトラマン達に対しても、その恩義を一切感じる様子はなく、『異星人である』だけで差別意識を抱いている

その偏見ぶりは彼等を宇宙人と排他的な呼び方をするばかりか、面と向かって化け物と侮蔑する等、完全に怪獣や侵略者達と同列の存在に考えた挙げ句「アイツら(=ウルトラマン)が居るから地球が怪獣や宇宙人に狙われるんだ!」と疫病神であるかの様に吐き捨てる始末(※1)。

このような人物像故に、出会った人物のほぼ全員から強い忌避感を抱かれ、特に彼の為に散々迷惑を被ったり、窮地に立たされる羽目になったGUYSメンバーからはハイエナ」「人間のクズと嫌悪され、遂にはウルトラシリーズ随一の陰険さを持つ異次元人ヤプールをもってして下等な人間」と酷評せしめた程である(※2)。


※1……蛭川の様に直接ウルトラマン(の変身者)に対して悪態を吐いた例は初めてであったものの、事実としてウルトラマンをはじめとした善良な異星人に対しても、地球人が過剰に警戒したり拒絶的な態度を示す場面は、ウルトラシリーズ全体を見ても決して珍しい話ではない

また、ウルトラシリーズのこれまでの作品の中で、侵略宇宙人や怪獣の進撃・破壊活動ひいてはウルトラマンとの交戦の過程(巻き添え)で地球人の犠牲者が出たケースも少なくない点や、中には最初からウルトラマンとの交戦や抹殺目的に、地球に来訪した宇宙人もいたのもまた事実であり、そうなると蛭川のように「ウルトラマンが地球にいるせいで侵略者が襲来してきた」と(お門違いな方向に)認識する人達が現れても無理はないだろう。

実際、一概に比べられるものでもないが、ウルトラマンサーガの主人公タイガ・ノゾム幼い頃、住んでいた町が怪獣の襲撃に遭った時、ウルトラマンに両親を救ってもらえなかったという過去から、ウルトラマンの存在に否定的な考え方を持っていた

ただし、宇宙人や怪獣の存在や侵略・破壊に関して(基本的に)ウルトラマン達は一切関係ないので「ウルトラマンがいるから怪獣や宇宙人が来るんだ!」と決めつけるのは、たとえそれらの事実を把握していない・知識不足からくるものだったとしても、あまりに一方的で筋の通っていない暴論に過ぎず、端的には八つ当たり言いがかりもいいところである。後にメビウスの弟弟子の時代において蛭川の暴論に当てはまるウルトラマンが実際に現れる事になったが、勿論これは異例中の異例である。


※2……「下等な人間“達”」ではなく「下等な」「人間」扱いなので上位種を気取っているヤプールにとって、下等生物である人間の中でも蛭川が特に“気質・品性などのいずれもが下劣な人間”と認識・断定している事実になる。元々『A』の頃から幾度となく人間を見下す発言を繰り返してきたヤプールであったが、意外にも個人を指してその手の発言をした場面はほとんどなく、たびたび自分が利用してきた悪人達の醜い様を目の当たりにしても、大抵は「人間共」「人間達」等と種全体を指す形で見下していた。その事実からも、個人で「下等」呼ばわりされた蛭川は、ヤプールの観点から見ても人間の中でも『あまりに異質』と捉えられる程、並外れて醜悪な人間性であったと如実に示している。


来歴

登場以前

GUYS入隊前のイカルガ・ジョージのバッシング記事(更に後述する蛭川初登場時のジョージの言葉を推測するに、その記事も実際には虚構記事であったと思われる)を書いており、この頃から既にジョージは彼に嫌悪感を持っていた模様。

ちなみにジョージが主役となった第19話でも、彼を中傷する内容のゴシップ雑誌の記事が登場しているが、恐らくはこれも蛭川が書いたものと思われる。


初登場時

初登場の第28話ではGUYSのアマガイ・コノミの幼なじみで、傷害事件を起こして芸能界から干され気味になっていた俳優スザキ・ジュンと結託(実際は前述したスザキの事情を把握し、その弱みを突く形で半ば無理矢理協力させた)し、スザキの友人と偽ってコノミに接触する。


いち早くその正体に気付いたジョージを中心とした、GUYSメンバー達から詰問されるも、本人は開き直るような態度を見せただけでなく、スザキがコノミを騙していたと知り、激昂してスザキに殴りかかろうとしたアイハラ・リュウや、ウルトラマンメビウス=ヒビノ・ミライの様子をカメラで盗撮。

それを使ってバッシング記事を捏ち上げるのを企んで、逃亡した。だがその後、自分の過ちを悟ったスザキに、盗撮した写真のデータをGUYSに引き渡されてしまい、目論見は失敗に終わる。


再登場時

第43話で再び登場。街で海洋学者ジングウジ・アヤと遊びに来ていたミライを偶然発見し、第28話での一件を根に持っていたのか、前回の借りを返そうとするかの如く今度こそGUYSを貶める為のスキャンダルのネタを仕入れようと、彼に強引かつ厭味な取材を試みる。その時はアヤの毅然とした応対によって退けられたが、その後もしつこくミライやアヤに付きまとう。

しかし、その最中突然現れたメビウスキラーを前にして驚愕し、アヤを突き飛ばして真っ先に逃亡。

なんとかメビウスキラーが倒されると、体力を激しく消耗しアヤに介抱されていたミライのところへ戻り、更に厭味な言い回しでミライを詰問しようとした(勿論、前述の愚行についての謝罪も無し)。

 

だが、そこへ現れたヤプールによって、ミライやアヤと共に異次元に拉致されてしまう。


こいつのせいだ!GUYSがだらしねぇから地球は滅んだ!全部貴様の責任だ‼︎


そこから続く第44話では、異次元に広がる荒廃した街を見て、絶望感から自分が今いる場所が『壊滅状態に陥った地球』であると誤解して発狂。宥めようとしたミライに対して殴りかかり、上述の罵声を浴びせながら八つ当たり。それでも虫の治まらない彼はなんとミライを何度も足蹴にし、唾を吐きかけるなど一方的に甚振りだす始末。

さらに止めに入ったアヤを突き飛ばすなど暴挙の限りを尽くすが、人間に対する失望の念が芽生えたミライから睨まれると途端に怖気づいて「防衛チームのくせに民間人に手を出す気か?」と自分が今しがた行った事を棚に上げた上で、自分の立場を盾に保身を図ろうとするが、先のメビウスキラーとの戦いで消耗し切ったミライがその場に崩れ落ちると介抱するアヤ共々「足手纏いだ」と見捨てて、無闇に出口を探して場を離れようとした事が仇となり、そこへ現れたヤプール人間態に捕らえられ、人質にされそうになる。


風船で首を絞められるなどヤプールから甚振られるが、傷ついた身体をおして立ち上がったミライの手で助けられるが、直後にヤプールから光線銃を差し出されながら、最早十八番ともいえる悪魔の如き唆しを仕掛けられる…


ヤプール「命が惜しいか?だったらチャンスをやろう。 この銃であの男を撃て! そうしたらお前の命だけは助けてやろう」


ヒルカワ「ほ…ほんとですか?」


ヤプール「約束しよう。ハハハハハ!」


そして我が身可愛さからそれに呆気なく乗せられたヒルカワは、今しがた助けられた恩も忘れ、ヤプールから提供された光線銃を手に取ると、躊躇いなく、ミライを射殺しようとした

極めつけは光線銃を撃たれたミライが、自分と傍らにいたアヤを守ろうと生身のまま発動させたシールド技「メビウスディフェンサークル」で、発射した光線を跳ね返し、持っていた光線銃を破壊したのを見て、彼がウルトラマン=宇宙人であると知った蛭川は…


「触るなぁ! 化け物ッ!」


恐怖に腰を抜かした情けない男は、震える声でミライを罵倒し、拒絶したのだ。


そんなあまりに理不尽で身勝手過ぎる蛭川の暴挙は、歴代ウルトラ戦士の中でも特に地球に対し、深い敬愛心を抱いていたミライをも激しく幻滅させる事態となり、上述したようにそれまで地球人に悪い感情を抱かなかった彼に、僅かながらも初めて嫌悪感・失望の念を抱かせた。


これらは全て、ヤプールが過去にエースとの戦いでも、度々利用してきた手であった人間のエゴを利用した、ウルトラマンを心理面から追い詰める作戦であり、ヤプールは端から蛭川にミライが殺せるとは期待しておらず、本当の狙いはミライに蛭川の醜悪な言動を見せつけ、地球人に対して失望させた上で仲間への引き込む事であった。


それでもミライは完全に屈さず、彼を受け入れ支えるのを選んだアヤを信じ、ウルトラマンエースからも激励を受けてヤプールの誘いを退ける。

そしてメビウスに変身してヤプールを倒し、アヤや蛭川も助け出されたが、この時も蛭川は微塵の反省も悪びれる様子も見せず、ミライに向かって不吉な笑みを浮かべながら上記二段目のセリフにもある「黙ってるつもりはないからな」と口にし、意味深な言葉を残しつつ去っていった。


劇場版ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』において、ミライはハヤタ・シン/初代ウルトラマンから「我々ウルトラマンは、決して神ではない。どんなに頑張ろうと救えない命もあれば、届かない想いもある」と諭されていたが、ミライ/メビウスの純粋で健気な善意を幾度も目の当たりにしながらも、最後まで彼の頑張りはおろか、自分の愚かさや過ちさえも認めようとしなかった蛭川は、まさしくハヤタが口にした『届かない想い』の象徴であり、ミライにしてみれば、初めて自分の善意や優しさが尽く踏みにじられてしまうという衝撃的な出来事となった。

同時に地球人の誰しもが自分達ウルトラマンに対して友好的であるとは限らず、蛭川のようなウルトラマンに対し敵意同然の感情を抱く、悪しき地球人も居るとする、当たり前ながらも大きな教訓を学んだミライに対し、北斗星司/エースは地球人への敬愛心を失わない様に、かつて自分が地球を去る際に子供達に残した、あの名言を語り、激励するのだった。


優しさを失わないでくれ。弱い者をいたわり、互いに助け合い、どこの国の人達とも友達 になろうとする気持ちを失わないでくれ。たとえその気持ちが**何百回裏切られようと**。それが私の……変わらぬ願いだ



ちなみに、この一件から間髪入れることなく、ミライは次なる刺客の奸計に嵌って、地球人の醜さを更に痛感させられることとなってしまう…


本編終盤時

第44話終盤に残した言葉の通り、最終三部作の序章である第48話にて、蛭川は週刊誌に「GUYSに宇宙人が潜伏」の記事を公表。ミライの正体をマスコミに暴露すると、恩を仇で返す行動を平然とやってのける。

更に自らワイドショーに出演し、番組司会者のキャスターからメビウスの正体を問われるや、


GUYSクルー、ヒビノ・ミライです!……もちろんGUYSの連中もグルですよ 奴の正体を知りながらずっと隠してたんです!」


などと得意満面で語り、ミライとGUYS双方を非難し世間に動揺を走らせ、GUYSやメビウスの信頼を失墜させようとする。


更に不運が重なり、この時の地球は侵略の為に迫りつつあったエンペラ星人から「メビウスを差し出せ」の要求を受けている最中であり、この公表は結果的にミライを地球追放の危機に立たせ、日本政府から身柄を拘束されそうになる事態となった。

しかし、GUYS隊長にして総監のサコミズ・シンゴの世界に向けた演説(その最中にも、「我々、地球人の皆がウルトラマンへ声援を送るだけでも、彼らにとっては大きな助力になる(意訳)」と必死で訴えかけるサコミズの力説に対して、蛭川は「声援して勝てれば苦労しないぜ!」と頭から嘲笑いながら茶々を入れるが、即座に同席していた女性司会者から「静かに!」と一喝されてしまい、羞恥に顔を歪めながらそっぽを向いてしまった)によって、人類はミライの引渡しを拒否する意向を示し、エンペラ星人を前に団結力を強化。そしてGUYSやウルトラマンへの信頼はより強固なものとなるいう、蛭川の意図とは真逆な展開と進んでしまった。

それは結果的に、自身の暴露が人類とウルトラマンの絆を絶対的なものへと昇華させるひとつのきっかけになったという、蛭川にとっては皮肉極まる結果へと繋がった事を意味していた。


そして、GUYSやメビウスへの激励の声が飛び交い、ワイドショーも応援番組へと様変わる中、蛭川は周囲からガン無視され、目論見が外れた状況を前にして、ただ一人困惑と焦りを感じさせる表情で呆然となる様を最後に物語から退場した。


その後、設定上では『第48話の一件でジャーナリストとしてのメンツが潰れ、社会的に失脚した』とされているが、その顛末は続編はおろか、超全集などにおいても語られる事はなかった。

しかし、メビウスやGUYSを記事だけでなくテレビ番組において顔出しで堂々とこき下ろしていた以上、エンペラ星人を倒し、地球最大の危機を救う英雄となったウルトラマン、そしてGUYSの名声や信頼が不動のものとなったその後の地球の時勢(実際、メビウスをはじめとするウルトラマン達の偉業は人類が宇宙へと進出する遙か未来にまでしっかり地球人の間で語り継がれていった)においては、あの戦いを経て急増したであろう彼らの支持者達から後ろ指を指されたり、(後述する暴走した一部のファンのように過激な者達から)吊し上げられる等、相当肩身の狭い人生を強いられたであろうことは想像に難くない。


余談

蛭川の最終登場回である第48話、49話にはウルトラマンネクサス平木詩織役として出演し、加藤氏とも共演していた五藤圭子氏、メビウスを応援する親子の母親役としてゲスト出演しており、報道特番司会役には『ネクサス』の斎田リコの母親の斎田典子役の元井須美子氏がゲスト出演している。


役柄に対する反響、演者への風評被害

蛭川を演じた加藤厚成氏は、「メビウス」放映終了後に自身のブログでヒルカワを話題に上げ、「役者として演じる上ではインパクトのあった人物だった」としながらも、その人物像や一連の悪行について「男はおろか人間としても風上におけない最低野郎!」「結局自分じゃ何できない小物」 と痛烈に批判しており、演じながらも相当な不快感を抱いていた様子。


また、「メビウス」放送後は番組をリアルタイムで視聴していた甥から嫌われてしまい、機嫌を取るのに苦労したというエピソードや、他の親族や子持ちの友人達からも「人としてどうなの?」「信じられない」「ムカついた」「最低」等と口々に罵倒された旨も明かしている。

だが、これはそれ程までに加藤氏の演技が卓越していた証であり、視聴者だけでなく素の自分を知っている筈の身内さえも、そのように錯覚させてしまう程に見事な演技力を持っている点は、俳優としては非常に名誉あることである。


その為、純粋に加藤氏の迫真の怪演を高く評価する声も当時から多くあり、後年に加藤氏が仮面ライダーシリーズの仮面ライダーゼロワン天津一京の役でゲスト出演した際に、公式ホームページで『光の国からやってきた珠玉のヴィラン』と敬称されるなど、加藤氏を語る上でその手腕を評価するきっかけの一つとなった今回の役であったが、やはりその劇中の所業(特にミライに八つ当たりで散々痛めつけた上に彼を殺害しようとした上、「化け物」呼ばわりした第44話の暴挙)に加え、女性キャスターに叱責され赤っ恥をかく以外に明確な制裁が下らなかった故に、それ以上に過激なファン・視聴者を中心に「本物のクズ」「殺意が湧いた」「絶対許さない」 等のヘイトの声が集まる事態にもなってしまう。

そればかりか、「ダークザギも嫌いになった」「ダークザギのソフビ全部捨てた」等、全く関係のない別作品のキャラクターや、「『メビウス』に唯一難点を挙げるとすれば下等生物ヒルカワの存在」「ウルトラシリーズの汚点」「ヒルカワが憎たらしすぎるので初見以来、44話は二度と観ていない」「ヤプールとの決戦とエースの登場シーン以外は早送りで見てる」「蛭川さえ出てこなければ、作中最高の一話になっていたのに…」等、『メビウス』そのものや第44話の評価にも少なからず影響が及ぶ事となってしまった(それでも、ダークザギは後のシリーズやステージショーなどに敵役として登場するなど、シリーズの中でも人気の悪役である事に変わりなく、第44話も北斗と南の再会やあの名言の再現など、特にA視聴者にとっては、心に刺さる演出が多数含まれており、蛭川の暴挙に対する批判を含めても、全エピソードの中でも上位に入る人気を維持している)。


また、エンペラ星人を打倒した後、ミライがGUYSに留まらずにそのまま地球を去った理由について、一部の視聴者からは『第48話で蛭川がミライの正体を暴露した事によって、地球に留まる事ができなくなってしまったから』だと考察する声もあり、それが事実であるとすれば、蛭川自身の一番の狙いであった『GUYS、ウルトラマンの社会的名誉失墜』こそ失敗に終わったものの、考えようによってはウルトラマンメビウスを地球から追い出すのには成功したと捉える事もできる為、事実上の勝ち逃げであると受け取った視聴者も少なからずおり、蛭川がよりヘイトを集めるようになった原因の1つにもなっている。


また上述にもある通り、『ネクサス』において物語の黒幕ダークザギ/石堀光彦を演じていた経緯もあってか、メビウス出演から後年『大怪獣バトルNEO』においてペダン星人ダイルを演じるまでの間、「出演する度にウルトラマンや防衛チームを苦しめている」と一部の視聴者から悪印象を抱かれ、劇中でのヤプールから罵倒されたように「下等」呼ばわりされたり、 「ウルトラシリーズの"疫病神"」「こういうクズの役しかできない」「悪役専門俳優」などのレッテルを貼られてしまう。

その後、『大怪獣バトルNEO』において、ダイルが非業の最期を遂げる形で退場した際には、ヒルカワの悪行とそれ相応の報いを受けなかった為にメビウス視聴以降憤懣を抱え続けていた視聴者の一部から、ダイルをヒルカワに置き換えて無理矢理に溜飲を下げようとされた上、中でも更に心無い者達からは「メビウスを虐めた報い」「あの時(44話)の仕返し」「天罰」「やっと死んでくれた」「当然の報い」「ざまあみろヒルカワ!」「中身がヒルカワだから感動しなかった」等の、ダイルの死を喜ぶ揶揄・嘲笑コメントを、まるで憂さ晴らしや八つ当たりのように、当時加藤氏が運営していたブログや番組公式ホームページの感想板などに多数送りつけられた。


現在では当時と比べ沈静化しているものの、X(旧Twitter)では「ウルトラシリーズ/特撮のクズすぎる悪役」として話題に上がることが多く、リアルタイムで視聴したファンからは「名前すら呼びたくない」「ウルトラシリーズの諸悪の根源」とその存在を激しく嫌悪する意見や、「ヒルカワのイメージが強すぎて今後、味方で出てこられても仲間と思えない」「中の人も好きになれない」「加藤にはもうウルトラシリーズに出ないでほしい」という加藤氏の再出演を拒む声も上がり、中には「デスレムの回のクズ市民がヒルカワをリンチする展開がほしかった」という暴力による制裁を望む声や、シン・ゴジラに加藤氏が一瞬だが出演していたことを受けて、「シン・ウルトラマンに出てたら許さなかった(※)」 という過激なコメントは未だに僅かだが寄せられている。


※……一部のファンからこのような声が上がった。ちなみに、シン・ゴジラにおける加藤氏は至って善良な役を演じている。


一方で、「改めて見ると役者ってすごいなと思う」と加藤氏の演技を賞賛する声や、「なぜヒルカワが制裁を受けなかったのに加藤さんが叩かれなければならないのか」「役は嫌いだけど演じた人が誹謗中傷に遭っているのを知って複雑な心境になった」という、ファンの暴走を嘆く声も散見される。


また、2024年現在、加藤氏のように、特撮をはじめとするテレビドラマの劇中で一定以上のヘイトを集めたり、納得のいかない形で退場する役を演じた俳優・女優が後々になって別の作品に出演した際に、視聴者からかつて演じた役のイメージをしつこく重ねられて叩かれたり、別作品で悲惨な目に遭ったりするのに対して「○○(視聴者から反感を買った作品)の時の天罰」などとあてつけな感想を寄せられる事例に対し、一部のネット民の間で『ヒルカワ症候群』と命名されている。

なお、後年加藤氏が某刑事ドラマにゲスト出演した際にも、加藤氏が演じた人物が殺人の濡れ衣を着せられ逮捕されたことに「ヒルカワが逮捕された」との感想が一瞬だが寄せられた。


ちなみに、ヒルカワが明確な制裁を受けないまま退場した理由については……


  • 単純に割り当てる尺が無かった為、割愛した。
  • 『この後、彼がどのような目に遭うかは各視聴者の想像に任せる』の意図だった。
  • 『ウルトラマンメビウス』という作品がテレビドラマ=マスメディア上で発表する作品である以上、悪人であってもマスコミ関係者を酷い目に遭わせるわけにはいかなかった(ただし、マスコミが別のタイプのマスコミを批判するのは、珍しくはないが)

等諸説存在する。

また、『大怪獣バトルNEO』の初期脚本ではダイルは改心せずに悪役のまま退場する予定だったが、演者に決定した加藤氏が上述の風評被害に遭っている事情を知ったスタッフの配慮によって、設定を変更した裏話がある。


それが功を奏してか、ダイル退場に際しては、上述の誹謗中傷だけでなく「加藤さんを見る印象が変わった」「中の人がヒルカワとは思えないくらい良い役だった」等と好意的な感想も多数寄せられており、未だに蛭川のイメージを引きずっていた視聴者達の中にも、認識を改めた者が少なからずいる為、イメージ改善は一定の効果を果たせた模様。


最後に…

言うまでもないが、非人道的な悪行を重ねたのは『蛭川光彦』なる架空のキャラクターであり、それらの悪行もあくまで「演技」で、演じた加藤氏自身は元から何も悪くなく、微塵の非もない

劇中における蛭川の卑劣な言動があまりにリアル過ぎたり、稼いだヘイトに相応するだけの『制裁』が描写されなかった事態に納得がいかず、義憤を蓄積させてしまう事は致し方ないものの、その捌け口として演者である加藤氏を攻撃して憂さを晴らそうとするのは、本質的に蛭川と同レベルもしくはそれ以上の愚行を犯しているに等しく、結局は同じ穴の狢に過ぎない


同時にそれは「役者自身を見ていない」、「役と演者は違う」とファンから批判されることにもなるので、役者自身がその役を大事にしていた、もしくは毛嫌いしていたとしても、(繰り返しになるが)演者と役はあくまでも別の存在であるということは忘れてはならないし、それをできずに批判されても言い返すことはできない。実際にトラブルでも起こさない限り、どんなに醜い役を演じても罪はないし、逆に人気や評価の高い人物を演じていてもそこでイメージを固まってしまえばかえって演じていた俳優を苦しめかねないのだ。

実際にそうした視聴者サイドによる一方的な役者のイメージ固定が原因で取り返しのつかない結末に至ってしまった実例も少なからず存在するどころか、他ならぬメビウス/ミライ役の五十嵐隼士氏さえも、後年芸能界を引退した理由のひとつとして『メビウスのイメージが固定され、俳優”五十嵐隼士”として見てもらえない事が多かった』為であったと打ち明けるなど、その弊害を被った一人であった。


上述の事情を踏まえ、くれぐれも一時の感情に任せた義憤や、鬱屈した気分を紛らわせる為などの軽率な動機だけで、悪役とその演者とを混合し、尊厳を傷付けるような、ネタ・冗談の範囲を逸脱する程の過激な暴言・悪口雑言は勿論のこと、善悪問わず特定の番組で演じたキャラクターのイメージを一方的に固定して、執拗に演者に対して、その人物のイメージを押し付けるような真似も、慎むべきである事実を今一度頭に置いて欲しい。


関連タグ

ウルトラマンメビウス 円谷プロダクション

黒い円谷 風評被害


脚本の被害者:蛭川自身は擁護の余地のない悪党だが、演者の加藤氏はまさにそれといえる。


ペンは剣よりも強し:コイツの厄介さを象徴している様な格言である。


ヤプール:自身を利用してきた相手だが、先述したとおり、そのあまりの性根の悪さには流石のヤプールでさえも下等種と見下している人間の中でも、特に下等な奴と認識してドン引きしていた。ちなみにヤプールもまた、メビウスを地球から追い出す遠因になったヒルカワ同様に、エースとの戦いで本命の作戦こそ失敗すれども、それと引き換えにエースの正体を暴露させ、結果的に彼を地球から追放する事に成功している


石堀光彦ペダン星人ダイル:ウルトラシリーズにおいて加藤氏が演じたキャラクター。ヒルカワの名前の「光彦」は石堀のフルネームを意識したものという説がある。


天津一京ウルトラシリーズと並ぶ日本を代表する特撮ヒーロー作品において加藤氏が演じたキャラクター。


久里虫太郎:同じく抱え持った負の心を付け入られる形でヤプールの走狗となった地球人。ヤプールが異次元で蛭川と接触した際に扮した人間態は彼の姿を模したものである。


高倉司令官西条武官:いずれも『ウルトラシリーズにおける最低な地球人』を挙げる際に蛭川と共に名前がよく上がる人物達。


アトウ博士:蛭川同様に特定の存在に対するヘイト意識が強く、『恩知らず』の悪名で名高いウルトラシリーズの登場人物であるが、蛭川と違って、その様な人間性が形成されたバックヤードが僅かながら劇中で触れられている。


今里光:『令和のヒルカワ』の異名を持つウルトラシリーズの最低な一般人。こちらは(事故とはいえ)人を実際に死なせている為、「ヒルカワよりも悪質」と評す声も少なくない。奇しくも彼が登場した作品の主役ウルトラマンはメビウスの弟弟子である。なお、コイツもまた自身の悪行を反省する事はなかったが、ヒルカワと異なり自身の警護に就いていた人物にぶん殴られて制裁を受けており、その後社会的に立場を失ったであろう描写がなされている。


アイカワ・リュウジ:自己中心的な上に見下している相手に対して慇懃無礼かつ粘着質な言動で詰る人間性が蛭川を彷彿させたウルトラシリーズの一般人だが、これでも蛭川に比べたらまだ可愛いものである。なお、コイツもヒルカワと異なり最終的に自分のそれまでの言動や素行のツケが回ってくる形で上司からの評判が失墜するという制裁を受けていた。


吉岡毅志(超時空のアドベンチャー)ウルトラシリーズの小説作品に登場した一般人。ヒーローを演じていた俳優の宿命としてヒーローのイメージが固定されて子供たちの憧れを背負うこととなり、しばらく演じられる役が制限されてしまった。こじつけかもしれないが、加藤氏が受けていた風評被害と似たような(内容的には対極した)事例と言える。

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