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蛭川光彦

ひるかわみつひこ

『ウルトラマンメビウス』の登場人物にして、ウルトラシリーズ屈指の問題人物。
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「触るなぁ! 化け物ッ!」

「……俺は見たぞ、お前の正体を……黙ってるつもりはないからな」

GUYSクルー、ヒビノ・ミライです!……もちろんGUYSの連中もグルですよ 奴の正体を知りながらずっと隠してたんです!」

※注意

このキャラクターは、その所業故にアンチが非常に多く、時折過剰なキャラヘイト表現や、「似たような人物」など本来の記事内容の趣旨からズレた書き込みが行われる事があり、それが原因となって編集合戦へと発展する事も多々あります。

原則中立性のある記事を保つ為、そして無益な編集合戦及び、演者への風評被害を防ぐ為にも、悪意を含んだ書き込みは極力控えるよう、お願い致します

概要

データ

本名:蛭川光彦(ヒルカワ・ミツヒコ)
職業:ジャーナリスト(フリーランス)
役者:加藤厚成


ウルトラシリーズにはウルトラマン第23話『故郷は地球』や、帰ってきたウルトラマン第33話『怪獣使いと少年』等、時として人間側の過失や人間の持つ醜さ等を表現し、批判している話が少なからず存在し『A』、『80』等の作品でも、人間が持つ負の感情=マイナスエネルギーがテーマとなったり、怪獣出現に大きな影響を与える話が存在する。
だが、その中でもこのヒルカワは、マイナスエネルギーをそのまま具現化させた、地球人の悪しき一面のみを象徴したシリーズの中でもかなり特異な存在である。

劇中では終始あまりにも身勝手且つ、人として最低な行動ばかり採り続け、主人公達(そして視聴者)の苛立ちを募らせた上、ウルトラシリーズにおいては珍しく最後の最後まで一切改心する描写はなく、挙句の果てに(一応、申し訳程度に断罪を示唆させる描写はあるものの)敵怪人・怪獣のような決定的な制裁は受けないままフェードアウトすると、非常に後味の悪すぎる退場の仕方をした。
この事実から、全国の視聴者……もとい子供達や往年のウルトラシリーズファンの諸兄方から、悉く怒りや反感を買い、中には『ウルトラシリーズ史上最低最悪な地球人』と評する意見も上がり、遂には演じた役者本人でさえも否定的な意見を出した

放送終了から十数年が経過した現在でも、ネット上で『日本の特撮作品における最も悪名高い地球人』の1人として、必ず名前が上がる程に(文字通り悪い意味で)名悪役となった。

人物像

先述したとおり、性格は陰湿、狡猾、自分本位、傲慢、傲岸不遜、陰険、強欲、不誠実、不作法、無慈悲、恩知らずなどと、人間のあらゆるマイナスエネルギーが凝り固まったかのような、外道の中の外道

平時は飄々としながらも、どこか粘着さを感じさせる軽薄且つ陰湿な態度と慇懃無礼な口調で話すが、想定外な状況下に立たされるなどして冷静さを失うと、激情に任せた粗暴な口ぶりに豹変し、同時に自己中心且つ周囲への冷酷非情、無配慮な振る舞いも増長する。

そんな悪辣さは仕事上でもフルに発揮されており、ゴシップスキャンダルなどの他人の粗を探ったり、不幸にさせるような記事を常に追い求め、根も葉もない話から記事を捏造したり、相手の心境や事情を顧みない強引な突撃取材は勿論、他人の弱みにつけ込んで利用したり、果ては盗撮等の卑劣な手段を使うのも辞さない、典型的な悪徳記者
だが、その一方でジャーナリストとしてのスキル自体は決して悪くはないと、正に『才能の無駄遣い』言葉を悪い意味で体現している。
もっとも、人間性が壊滅的な奴に限って、仕事面では有能だったりするのは、この手のフィクションにおいてはある種のお約束だったりするが……。

何故か「GUYS」に対し、慢侮の念を含めた過剰なまでに批判的な見解を示しており、劇中では専ら彼らの評判や信頼を下落させる為の粗探しに余念が無い。
また、GUYSが地球防衛組織と言う立場上、下手に民間人に対して暴力等の強行手段を採れないのを逆手に取って、GUYSメンバーを真っ向から好き放題に挑発する等、自身が民間人(にして報道関係者)である立場を最大限に悪用する一面も。

更には長年に渡って、幾度も地球を怪獣や侵略者の脅威から守ってきてくれたウルトラマン達に対しても、その恩義を一切感じる様子はなく、『異星人である』だけで差別意識を抱いている
その偏見ぶりは彼等を宇宙人と排他的な呼び方をするばかりか、面と向かって化け物と侮蔑する等、完全に怪獣や侵略者達と同列の存在に考えた挙げ句「アイツら(=ウルトラマン)が居るから地球が怪獣や宇宙人に狙われるんだ!」と疫病神であるかの様に吐き捨てる始末(※1)。

このような人物像故に、出会った人物のほぼ全員から強い忌避感を抱かれ、特に彼の為に散々迷惑を被ったり、窮地に立たされる羽目になったGUYSメンバーからはハイエナ」「人間のクズと嫌悪され、遂にはウルトラシリーズ随一の陰険さを持つ異次元人ヤプールをもってして下等な人間」と酷評せしめた程である(※2)。

※1……蛭川の様に直接ウルトラマン(の変身者)に対して悪態を吐いた例は初めてであったものの、事実としてウルトラマンをはじめとした善良な異星人に対しても、地球人が過剰に警戒したり拒絶的な態度を示す場面は、ウルトラシリーズ全体を見ても決して珍しい話ではない。
また、ウルトラシリーズのこれまでの作品の中で、侵略宇宙人や怪獣の進撃・破壊活動ひいてはウルトラマンとの交戦の過程(巻き添え)で地球人の犠牲者が出たケースも少なくない点や、中には最初からウルトラマンとの交戦や抹殺目的に、地球に来訪した宇宙人もいたのもまた事実であり、そうなると蛭川のように「ウルトラマンが地球にいるせいで侵略者が襲来してきた」と(お門違いな方向に)認識する人達が現れても無理はないだろう。
ただし、宇宙人や怪獣の存在や侵略・破壊に関して(基本的に)ウルトラマン達は一切関係ないので「ウルトラマンがいるから怪獣や宇宙人が来るんだ!」と決めつけるのは、たとえそれらの事実を把握していない・知識不足からくるものだったとしても、あまりに一方的で筋の通っていない暴論に過ぎず、端的には八つ当たり言いがかりもいいところである。

※2……「下等な人間“達”」ではなく「下等な」「人間」扱いなので上位種を気取っているヤプールにとって、下等生物である人間の中でも蛭川が特に“気質・品性などのいずれもが下劣な人間”と認識・断定している事実になる。元々『A』の頃から幾度となく人間を見下す発言を繰り返してきたヤプールであったが、意外にも個人を指してその手の発言をした場面はほとんどなく、たびたび自分が利用してきた悪人達の醜い様を目の当たりにしても、大抵は「人間」と言う種全体を指す形で見下していた。
その事実からも、個人で「下等」呼ばわりされた蛭川は、ヤプールの観点から見ても人間の中でも『あまりに異質』と捉えられる程、並外れて醜悪な人間性であったと如実に示している。

来歴

登場以前

GUYS入隊前のイカルガ・ジョージのバッシング記事(更に後述する蛭川初登場時のジョージの言葉を推測するに、その記事も実際には虚構記事であったと思われる)を書いており、この頃から既にジョージは彼に嫌悪感を持っていた模様。

ちなみにジョージが主役となった第19話でも、彼をバッシングする内容のゴシップ雑誌の記事が登場しているが、恐らくはこれも蛭川が書いたものと思われる。

初登場時

初登場の第28話ではGUYSのアマガイ・コノミの幼なじみで、傷害事件を起こして芸能界から干され気味になっていた俳優スザキ・ジュンと結託(実際は前述したスザキの事情を把握し、その弱みを突く形で半ば無理矢理協力させた)し、スザキの友人と偽ってコノミに接触する。

いち早くその正体に気付いたジョージを中心とした、GUYSメンバー達から詰問されるも、本人は開き直るような態度を見せただけでなく、スザキがコノミを騙していたと知り、激昂してスザキに殴りかかろうとしたアイハラ・リュウや、ウルトラマンメビウス=ヒビノ・ミライの様子をカメラで盗撮。
それを使ってバッシング記事を捏ち上げるのを企んで、逃亡した。だがその後、自分の過ちを悟ったスザキに、盗撮した写真のデータをGUYSに引き渡されてしまい、目論見は失敗に終わる。

再登場時

第43話で再び登場。街で海洋学者ジングウジ・アヤと遊びに来ていたミライを偶然発見し、第28話での一件を根に持っていたのか、今度こそGUYSを貶める為のスキャンダルのネタを仕入れようと、彼に強引かつ厭味な取材を試みる。その時はアヤの毅然とした応対によって退けられたが、その後もしつこくミライやアヤに付きまとう。
しかし、その最中突然現れたメビウスキラーを前にして驚愕し、アヤを突き飛ばして真っ先に逃亡。
なんとかメビウスキラーが倒されると、体力を激しく消耗しアヤに介抱されていたミライのところへ戻り、更に厭味な言い回しでミライを詰問しようとした(勿論、前述の愚行についての謝罪も無し)。
 
だが、そこへ現れたヤプールによって、ミライやアヤと共に異次元に拉致されてしまう。

そこから続く第44話では、異次元に広がる荒廃した街を見て絶望感からパニックを起こし、宥めようとしたミライに対して「(こんな目に遭ったのは)お前のせいだ!」と八つ当たり。それでも虫の治まらない彼はなんとミライに手を上げ、一方的に甚振りだす始末。

そこへ現れたヤプールに人質にされそうになったところを、ミライに助けられるが、直後にヤプールから「あの男(=ミライ)を殺せば、お前だけは助けてやるぞ」の誘惑に呆気なく乗せられ、今しがた助けられた恩も忘れ、ヤプールから提供された光線銃でミライを射殺しようとしたのである

極めつけは光線銃を撃たれたミライが、自分と傍らにいたアヤを守ろうと生身のまま発動させたシールド技「メビウスディフェンサークル」で、発射した光線を跳ね返しのを見て、彼がウルトラマン=宇宙人であると知った蛭川は、上記したセリフ(1段目)を罵って拒絶した。

そんなあまりに理不尽で身勝手過ぎる蛭川の暴挙は、歴代ウルトラ戦士の中でも特に地球に対し、深い敬愛心を抱いていたミライをも激しく幻滅させる事態となり、それまで地球人に悪い感情を抱かなかった彼に、僅かながらも初めて嫌悪感・失望の念を抱かせた

これらは全て、ヤプールが過去にエースとの戦いでも、たびたび利用してきた手であった人間のエゴを利用した、ウルトラマンを心理面から追い詰める作戦であり、ヤプールは端から蛭川にミライが殺せるとは期待しておらず、本当の狙いはミライに蛭川の醜悪な言動を見せつけ、地球人に対して失望させた上で仲間への引き込みであった。

それでもミライは完全に屈さず、彼を受け入れ支えるのを選んだアヤを信じ、Aからも激励を受けてヤプールの誘いを退ける。
そしてメビウスに変身してヤプールを倒し、アヤや蛭川も助け出されたが、この時も蛭川は微塵の反省も悪びれる様子も見せず、ミライに向かって不吉な笑みを浮かべながら上記2段目のセリフにもある「黙ってるつもりはないからな」と口にし、意味深な言葉を残しつつ去っていった。

この一連の事件はミライにとって初めて、自分の善意や優しさが尽く踏みにじられる衝撃的な出来事となり、同時に蛭川のようなウルトラマンに対し敵意同然の感情を抱く、悪しき地球人も居るとする、当たり前ながらも大きな教訓を学ぶ機会となった。
そんなミライに対し、A=北斗星司は地球人への敬愛心を失わない様に、かつて自分が地球を去る際に子供達に残した、あの名言を語り、激励するのだった。


優しさを失わないでくれ。弱い者をいたわり、互いに助け合い、どこの国の人達とも友達 になろうとする気持ちを失わないでくれ。たとえその気持ちが何百回裏切られようと。それが私の……変わらぬ願いだ

本編終盤時

第44話終盤に残した言葉の通り、最終三部作の序章である第48話にて、蛭川は週刊誌に「GUYSに宇宙人が潜伏」の記事を公表。ミライの正体をマスコミに暴露すると、恩を仇で返す行動を平然とやってのける。
更に自らワイドショーに出演して、上記のセリフ(3段目)を宣言して、ミライとGUYS双方を非難し世間に動揺を走らせ、GUYSやメビウスの信頼を失墜させようとする。

更に不運が重なり、この時の地球は侵略の為に迫りつつあったエンペラ星人から「メビウスを差し出せ」の要求を受けている最中であり、この公表は結果的にミライを地球追放の危機に立たせ、日本政府から身柄を拘束されそうになる事態となった。
しかし、GUYS隊長にして総監のサコミズ・シンゴの世界に向けた演説(その最中にも、「我々、地球人の皆がウルトラマンへ声援を送るだけでも、彼らにとっては大きな助力になる(意訳)」と必死で訴えかけるサコミズの力説に対して、蛭川は「声援して勝てれば苦労しないぜ!」と頭から嘲笑いながら茶々を入れるが、即座に同席していた番組司会者から「静かに!」と一喝されてしまった)によって、人類はミライの引渡しを拒否する意向を示し、エンペラ星人を前に団結力を強くし、GUYSやウルトラマンをより強い信頼を向けるようになるという、蛭川の意図とは真逆な展開と進んでしまった。
それは結果的に、蛭川の暴露が人類とウルトラマンの絆を絶対的なものへと昇華させるひとつのきっかけになったと同時に、人々が「守る」と決意したメビウスの事を散々批判していた蛭川自身の面目が潰れるという、痛烈なしっぺ返しへと繋がった事を意味していた。

そして、GUYSやメビウスへの激励の声が飛び交い、ワイドショーも応援番組へと様変わる中、蛭川はただ一人、目論見が外れた現状に動揺と焦りを感じさせる表情で呆然とする様を最後に物語から退場した。

その後、彼の顛末は続編はおろか、超全集などにおいても語られる事はなかったが、エンペラ星人を倒し地球最大の危機を救った事からウルトラマンやGUYSの名声や信頼が不動のものとなったであろう(実際、メビウスをはじめとするウルトラマン達の偉業は人類が宇宙へと進出する遙か未来にまでしっかり地球人の間で語り継がれていった)その後の地球の時勢の中では、あの捻くれ曲がった思想を根幹から改めでもしない限りは、報道関係者として第一線で生きていくのは難しいであろうし、メビウスやGUYSを記事だけでなくテレビ番組において堂々とこき下ろしていた以上、少なくとも一連の戦いを通して急増したであろう彼らの支持者達からは、後々まで後ろ指を指され続けたであろう事は想像に難くない。

考察

蛭川の役名の裏設定

ヒルカワ役の加藤厚成氏は『ウルトラマンネクサス』にて元凶のダークザギ石堀光彦隊員を演じていた。
ヒルカワの名前の「光彦」もこのキャラを意識したものである。

“ウルトラシリーズ史上最悪の地球人”は何故生まれたのか?

メビウス劇場版『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』において、ハヤタ・シン/初代ウルトラマンが「我々ウルトラマンは、決して神ではない。どんなに頑張ろうと救えない命もあれば、届かない想いもある」とミライを諭す場面があったが、ミライ/メビウスの純粋で健気な善意を幾度も目の当たりにしながらも最後まで、彼やGUYSを認めず、貶める事ばかりに徹した蛭川は、まさしくハヤタが言った『届かない想い』の象徴ともいえる。
しかしながら、何故に彼はそれほどまでに人間としての善性を失くし、ウルトラマンや防衛チームを徹底的に拒絶し続ける様になったのか…?

などのように「元々は悪人ではなかったが、何らかの理由で歪み、捻くれてしまったのでは?」と考察するファンも多いようだ。

また、メビウス当時は若い世代(20代後半~30代前半と思われる)であったと事実を鑑みて、怪獣頻出期の情勢をよく知らない世代故に、〈ウルトラマン〉や〈防衛チーム〉の実態をちゃんと理解しておらず、『そのブランド名だけで世間から人気を集めているおめでたい連中』と捉えていたとする意見もある。

勿論、これらの推測が仮に事実だったとしても、悪事や理不尽な言動を行ってもいい理由にはならないし、劇中で見せていた『スクープネタや報酬(の金銭)への醜い執着心』や『他人の善意を容易く踏みにじり、自らの保身や名誉の為ならば、容赦なく他者を心身共に傷つけるのを厭わなかった姿勢』から、先天性の情性欠陥者=端から愛さえ知らずに育ったモンスターであった可能性も、残念ながら十二分に考えられる。

ウルトラシリーズにおける“報道の自由”とは……?

蛭川の様な捏造紛いの悪質な取材は論外であるが、かく言うGUYSも人類の手に余る程の超科学を戦力としている実状を『機密』扱いにしていた上、それを運用する途上で一歩間違えたら、後々重大な事態に繋がっていた可能性もあった不始末を引き起こし、あまつさえそれを上層部(……っというよりはほぼこの人)の都合で隠蔽等に走ったりしたエピソードがある等、決して潔白であるとは断言し切れない部分もある為、彼の様に防衛組織の裏事情を独自に探ろうと考え、多少ダーティな行動を執る報道関係者が現れる状況自体は決しておかしな話ではない。そうした社会的秩序・正義に基づく追及は、ある程度必要な点は留意すべきであろう。

また、過去の防衛チームも


など、世間に知られたら確実に非難に晒される事間違いなしなブラックな失態・失策を犯したケースがある等、過去の防衛チームも一概に潔白とは評せない部分がある。

更にはメビウスの後年のウルトラシリーズ各作品では……
のように、蛭川が嗅ぎつけていれば、間違いなく格好のバッシングネタとされているであろうスキャンダルを抱えたり、不祥事や大失態を起こしてしまったウルトラマンや防衛チームが次々に登場しており、もしもそれらの作品に蛭川(または彼のようにウルトラマンや防衛チームに対し、否定的な報道関係者)が登場していたら、劇中におけるメビウスやGUYS以上に、ウルトラマンとその仲間達が社会的に窮地に追い込まれていた可能性が高かった事態は想像に難くない。

それを考慮すれば、蛭川が登場したのがシリーズ全体の中でも、比較的にウルトラマンや防衛チームの落ち度・失態が少ない『メビウス』であったのは「不幸中の幸い」と捉える視聴者もいる。
あるいは防衛チーム側の失策・失態を減らしてしまった(当初の脚本ではトリヤマ補佐官がその役回りに就く予定だったが、制作側の方針転換でよりコメディリリーフ的な役回りに設定が変更され、当初の予定よりも失策・失態を犯す回数が減らされた)ため、蛭川の様な状況を悪い方に回す憎まれ役が必要となってしまい、その全てを彼に押し付けてしまったがために、ヤプールすらドン引きする程の『下等な人間』が誕生してしまったとも評せる。
そのような意味では彼も被害者ではある(同情はしないし、されないだろうが……)

物語における蛭川の“裏”の役回り

また、その人柄や言動は別において、結果論で言えば、メビウス最終章序盤の大一番の立役者の1人として貢献する形となった他、蛭川の存在があってこそ、ミライ=メビウスはウルトラマンとして更に大きな成長を遂げられたと評する意見もある。

第43、44話におけるヤプール戦、それに続く45話でのデスレム戦は何れもストーリーの根幹に『“地球人の持つ美しさと醜さ”』=単純な勧善懲悪を否定する、ウルトラシリーズにおいて初期から続く伝統的かつ重要なテーマが含まれている。
また、ヤプール戦で助言を贈ってもらったエース、デスレム戦で共闘したジャックの双方共に、現役時代に地球人の悪意狂気を目の当たりにし、それによって引き起こされた危機的状況に何度も立ち向かったウルトラマンである。
そんな彼らからの助言……そして、蛭川をはじめとする一部の地球人達が見せる、怪獣や侵略者達をも凌駕する程に醜悪で恐ろしい一面と、それに相対するGUYSメンバーやアヤなどの良識ある地球人達が持つ優しさ、絆に触れたメビウスは改めて地球、そして地球人を守る意味を再認識していくに至った。

蛭川本人にとっては不愉快極まりないかも知れないが、彼は(ある意味)メビウスにとっては貴重な反面教師的な存在になったとも評価できなくもない……。

蛭川の“勝ち逃げ”……?

劇中では明かされていないものの、エンペラ星人を打倒した後、ミライがGUYSに留まる事なくそのまま地球を去ったのは、『蛭川の暴露によって自分の正体が世間一般に知られてしまった』為と考える意見もあり、それが事実であるとすれば、最終的に蛭川自身の一番の狙いであった『GUYS、ウルトラマンの社会的名誉失墜』こそ失敗に終わったものの、考えようによってはウルトラマンメビウスを地球から追い出すのには成功した扱いになる。
そこへ先述した通り、蛭川自身の明確な断罪描写がなかった(退場後に前途多難な道を歩むのは想像に難しくないものの)も併せて、一種の勝ち逃げであると捉えた視聴者も少なからずおり、蛭川が一層ヘイトを集めるようになった原因の1つに数えられている。

更に言えば、エースも本編最終回において、ヤプールの罠に嵌められ、やむなく皆の前で正体を明かす羽目になり、その後の戦いには勝利しながらも、それ以上地球に留まれなくなり、光の国へ帰還せざるを得なくなった過去を抱えている。

余談

蛭川を演じた加藤厚成氏は、メビウス放映終了後に自身のブログで蛭川を話題に上げ、「役者として演じる上ではインパクトのあった人物だった」としながらも、一連の悪行に関して「男はおろか人間としても風上におけない最低野郎」と評するなど、演じながらもその一連の行動には相当な不快感を抱いていた様子。

また、メビウス放送後は番組を視聴していた甥から嫌われてしまい、他の親族や子持ちの友人達からも「ムカついた」「最低」等と苦言や皮肉を呈された旨も明かしている。

だが、この事態はそれほどまでに加藤氏の演技が卓越していた証であり、視聴者だけでなく素の自分を知っている筈の身内さえも、そのように錯覚させてしまう程に見事な演技力を持っている点は、俳優としては非常に名誉ある事態である。

その為、純粋に加藤氏の迫真の怪演を高く評価する声も当時から多くあり、後年に加藤氏が仮面ライダーシリーズゲスト出演した際に、公式ホームページで『ウルトラシリーズの珠玉のヴィラン』と敬称されるなど、加藤氏を語る上で良くも悪くもその手腕を評価するポイントの1つとなった今回の役であったが、やはりその劇中の所業と顛末故に、それ以上に過激なファン・視聴者を中心とした本物のヘイトの声が集まる事態にもなってしまう。

また上述にもある通り、『ネクサス』において物語の黒幕ダークザギ/石堀光彦を演じていた経緯もあってか、メビウス出演から後年『大怪獣バトルNEO』においてペダン星人ダイルを演じるまでの間「出演する度にウルトラマンを苦しめている下等生物」「ウルトラシリーズ疫病神」等と一部の視聴者から悪印象を抱かれ、『大怪獣バトルNEO』において、ダイルが非業の最期を遂げる形で退場した際には、蛭川の悪行とそれ相応の報いを受けなかった事実への憤懣を抱え続けていた視聴者の一部からは、ダイルを蛭川に置き換えて、無理矢理に溜飲を下げようとされた上、中でも更に心無い者達からは「メビウスを虐めた報い」「やっと天罰が下った」「死んで当然」「ざまあみろヒルカワwww」等の、あてつけ同然の揶揄・嘲笑コメントを、まるで憂さ晴らしや八つ当たりのように、当時加藤氏が運営していたブログや、番組公式ホームページの感想板などに多数送りつけられてしまう風評被害に遭った。

また、2022年現在、蛭川(を演じた加藤氏)のように、特撮をはじめとするテレビドラマの劇中で一定以上のヘイトを集めたり、納得のいかない形で退場する役を演じた俳優・女優が後々になって別の作品に出演した際に、視聴者からかつて演じた役のイメージをしつこく重ねられて叩かれたり、別作品で悲惨な仕打ちを受けるなどすると「○○(視聴者から反感を買った作品)の時の天罰」などとあてつけな感想を寄せられる事例に対し、一部のネット民の間で『ヒルカワ症候群』と命名されている。

ちなみに、蛭川が明確な制裁を受けないまま退場した理由については……

  • 単純に割り当てる尺が無かった為、割愛した。
  • 『この後、彼がどのような目に遭うかは各視聴者の想像に任せる』の意図だった。
  • 『ウルトラマンメビウス』という作品がテレビドラマ=マスメディア上で発表する作品である以上、悪人であってもマスコミ関係者を酷い目に遭わせるわけにはいかなかった(ただし、マスコミが別のタイプのマスコミを批判するのは、珍しくはないが)
等諸説存在する。

また、『大怪獣バトルNEO』の初期脚本ではダイルは改心せずに悪役のまま退場する予定だったが、演者に決定した加藤氏が上述の風評被害に遭っている事情を知ったスタッフの配慮によって、設定を変更した裏話がある。
それが功を奏してか、ダイル退場に際しては、上述の誹謗中傷だけでなく「加藤さんを見る印象が変わった」「中の人がヒルカワとは思えないくらい良い役だった」等と好意的な感想も多数寄せられており、未だに蛭川のイメージを引きずっていた視聴者達の中にも、認識を改めた者が少なからずいる為、イメージ改善は一定の効果を果たせた模様。

蛭川の最終登場回である第48話、49話には『ネクサス』に平木詩織役として出演し、加藤氏とも共演していた五藤圭子氏、メビウスを応援する親子の母親役としてゲスト出演しており、報道特番司会役には『ネクサス』の斎田リコの母親の斎田典子役の元井須美子氏がゲスト出演している。

最後に……

言うまでもないが、非人道的な悪行を重ねたのは『蛭川光彦』なる架空のキャラクターであり、それらの悪行もあくまで「演技」で、演じた加藤氏自身は元から何も悪くなく、微塵の非もない
劇中における蛭川の卑劣な言動があまりにリアル過ぎたり、稼いだヘイトに相応するだけの『制裁』が描写されなかった事態に納得がいかず、義憤を募らせられないのは致し方ないものの、その捌け口として演者である加藤氏を攻撃して憂さを晴らそうとするのは、本質的に蛭川と同レベルの愚行を犯しているに等しく、結局は同じ穴の狢に過ぎない

そして、誰もが劇中におけるメビウス=ミライのような『どんなに虐げられようとも相手を思いやるだけの余裕のある寛大な包容力』があるとは限らず、投げかけられた言葉の内容によっては、深く傷つけられ、下手をすると追い込まれた果てに最悪事態に繋がってしまう可能性だってある。

上述の事情を踏まえ、くれぐれも一時の感情に任せた義憤や、鬱屈した気分を紛らわせる為などの軽率な動機だけで、悪役とその演者とを混合し、演者の尊厳を傷付けるような、ネタ・冗談の範囲を逸脱する程の過激な暴言・悪口雑言は慎むべきである事実を今一度頭に置いて欲しい。


更にウルトラシリーズでは度々、人間側の正義の暴走や、科学・兵器競争のいたちごっこを警鐘・揶揄がしばしばあり、特にウルトラセブンではモロボシ・ダンが、これを「血を吐きながら続ける悲しいマラソン」と例えたエピソードはつとに有名であるが、『GUYS、ウルトラマンに対する理不尽な偏見から彼らを虐げ、陥れんとした蛭川←この悪辣な仕打ちを行った蛭川(を演じた加藤氏)をメビウス達に代わって懲らしめる為に貶しめようと理不尽なあてつけや誹謗を繰り返す視聴者』の構図もまた、趣旨こそ異なるものの、根本的に見れば同じ血を吐きながら続ける悲しいマラソンなのかも知れない……

関連タグ

ウルトラマンメビウス 円谷プロ
吐き気を催す邪悪 小悪党 マスゴミ 人間のクズ 獅子身中の虫 外道 卑劣漢 汚物 胸糞 風評被害 黒い円谷
脚本の被害者(ある意味ではあるが) 売国奴
 
ヤプール:自身を利用してきた相手だが、先述したとおり、そのあまりの性根の悪さには流石のヤプールでさえも下等種と見下している人間の中でも、特に下等な奴と認識してドン引きしていた。

石堀光彦ペダン星人ダイル:ウルトラシリーズにおいて加藤氏が演じたキャラクター。詳細は各項目先を参照

天津一京ウルトラシリーズと並ぶ日本を代表する特撮ヒーロー作品において加藤氏が演じたキャラクター。ちなみに彼の息子の演者演じた役の所業とそれに相応する報いを長らく受けなかった事から視聴者から憂さ晴らしの風評被害を受けるという加藤氏と同じ様な目に遭っていた。

トリヤマ・ジュウキチ:同じくそのキャラの濃さから、『メビウス』の作中において大きな存在感を示した準レギュラーキャラ。ただし彼は蛭川とは真逆で、所謂『愛すべき馬鹿』として注目されている。

ウルトラマントレギア:上述にもあるとおり、実際にその暗躍が原因で複数の次元の地球怪獣を襲来させたウルトラマン。少々こじつけかもしれないが、蛭川の宣った屁理屈を現実にしてしまったと言えなくもない。

他作品における類似キャラクター

※注意 記事内容の過密化、脱線を防ぐ為、この項目に追記するのはウルトラシリーズの登場人物だけにしてください。

ドルズ星人マウンテンピーナッツ外星人第0号メフィラス:それぞれ劇中の悪行の非道さに反し、明確な断罪の描写が劇中で描かれなかった敵役達。
特にドルズ星人とマウンテンピーナッツは蛭川同様にファンから多大なヘイトを買っており、マウンテンピーナッツに至っては蛭川同様に『民間人』故に、防衛チームもウルトラマンも迂闊に手を出せない非常に厄介な存在である。

ハルザキ・カナタ:『アンデレスホリゾント』と(設定こそ異なるものの)『アーマードダークネス』に登場したGUYSの新人隊員。アンデレスホリゾントでは、当初は訳あって(蛭川の様な)ウルトラマンを含む宇宙人に対して強い偏見や敵意を抱いている人物であった。

久里虫太郎:『ウルトラマンA』に登場した劇画作家で、こちらもヤプールの甘言に唆される形で手先となった地球人。ヤプールが蛭川を誘惑する際に扮した人間態は彼の姿をモチーフにしている(演者も同じ)。

高倉司令官:『ウルトラマンA』に登場した防衛組織の高官。
防衛軍の人間とは思えない程に身勝手且つ無責任な言動から、一部のウルトラシリーズファンの間では「蛭川に次いで最低な地球人」「シリーズ屈指の救いようのないタカ派」と評されている。

西条武官:『ウルトラマンコスモス』に登場した防衛組織の高官。
主人公の属する防衛チームを見下すような暴言を吐くだけでなく、その防衛チームやウルトラマンの努力を不意にするような重大な失態を何度か重ねているのにも関わらず、改心はおろか反省もしない為、一部のウルトラシリーズファンの間では上述の高倉に次いで最低な防衛組織の人間と評されている。

アトウ博士:『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』に登場した防衛組織の科学者。個人的な私怨から人間を超越した存在を偏見視し、終始無礼な態度をとっていた上に、命を救われたにも関わらず主人公の異能力を密告して窮地に陥らせるきっかけを作るという恩を仇で返す行為を平然とやってのけた。

神山政紀:『ウルトラマンギンガS』に登場した防衛組織の高官。
蛭川程偏ってはいないがウルトラマンを否定的に見ている他、その変身者達に対して銃口を向けるなどの暴挙を働いた。それでも最後の最後に自分の愚かさを反省し、悔いていた事から、蛭川や上述の高倉、西条達よりはまだマシといえる。

カルロス黒崎:『劇場版ウルトラマンX』に登場したWebTVタレント。
蛭川同様、己の私利私欲の為に怪獣が絡む大騒動の当事者となったマスメディア関係者。
それでも蛭川と違って根っからの悪人ではなく、ウルトラマンに対する偏見も抱いてはいない。

石刈アリエ:『ウルトラマンジード』に登場したノンフィクションライター。
蛭川の様に自らの意志でウルトラマンの敵対者に加担している操觚者であったが、彼女は特にウルトラマン側を貶めるような記事や書籍は執筆していない。また、物語の終盤で蛭川とは(ある意味)何もかも逆のポジションのキャラクターであることが判明した(どっちかというと加藤氏が過去に演じていたあのお方に近い)。

今里光:『ウルトラマンタイガ』に登場したベンチャー企業社長。
地上波放送では蛭川以来、久々に登場した名前付きの悪辣な地球人であるが、劇中では(過失であるが)2人の人間を死に追いやるという蛭川以上の悪行を犯している。その為、ファンからは「(事故とはいえ)実際に人を死なせているだけ、蛭川以上のクズ」と評する声が相次いだという。蛭川と違い、護衛に就いていた人物に殴られる形ではっきりとした制裁されている。

田崎修:『ウルトラマンタイガ』に登場した主人公の所属組織の試験採用者。
こちらも宇宙人に対して半ば一方的な憎悪を抱き、主人公の敵対者に唆されて、無抵抗の宇宙人に対して身勝手な暴論を吐いたり、暴力を振るうなどしたが、こちらはそうなってしまったのにはそれなりの理由があった為、蛭川よりは同情する余地がある。最終的には自身の身勝手さを反省し、迫害した宇宙人に頭を下げて謝罪した事で無事和解している。

ユウキ・マイ:『ウルトラマンZ』に登場した防衛組織の幹部。
蛭川程露悪的ではないものの、性格や言動に問題点が多々あり、そんな人間性を突かれる形で主人公の敵対者の策略に利用される事となった。蛭川同様に最終的な顛末をはっきりさせずに退場している。

ヒュドラム:『ウルトラマントリガー』に登場したウルトラマンのメインヴィランの一人。
平時は狡猾な性格だが想定外の事態に陥るなどして感情が昂ぶると残忍且つ凶暴な振る舞いを見せる点が共通する他、最後の対決時には蛭川同様に声援を糧に力を振るうウルトラマンの底力を否定する言動を見せていた。尚、彼の場合は自分を過信した計画倒れの野望の為に暗躍していて、多くの人々を巻き込む傍迷惑な悪事を働くも、それによって人生を狂わされた人物達の多くがウルトラマンと肩を並べて戦える程の戦士に成長し、単にヒュドラムを打ち負かしたばかりか、後々の戦いでも大きく活躍する事になるなど、ある意味、蛭川以上に皮肉な結果をもたらしてしまっている。

外星人第2号ザラブ:『シン・ウルトラマン』に登場した宇宙人。
こちらは変身者が変身する様子を撮影した映像をネットに流すやり方を駆使して、ウルトラマンの正体を世間に暴露してしまった。

バズド星人アガムス:『ウルトラマンデッカー』に登場する宇宙人。
蛭川とは反対に、こちらはウルトラマン地球人に対して筋違いな敵意と憎悪を懐いており、自らの目的の為にヤプールと手を組んでしまう。

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