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「長官! 我々は遂にウルトラマン以上の兵器を造り出したのかもしれません!」


「見なさい! これがアイツの正体よ…撃てぇっ!」


演:林摩耶


概要編集

第21話から登場。

地球防衛軍日本支部・作戦部長として、新たにストレイジに派遣された女性軍人。

後にストレイジに代わって創設された新組織・第一特殊空挺機甲群では群司令(群における隊長に相応)に就任する。36歳。漢字表記は「結城 真依」。


フレームがレンズの上下に付いた眼鏡が特徴。

第23話にてクリヤマ長官から「ユウキ君」と呼ばれ、24話では直接指示を受けていた事から、彼より下の立場である事が窺える(超全集によると、クリヤマの元部下だったらしく、正気の頃のクリヤマから『次代の司令部を担う人材』と評価されていた)。


軍人らしく常に敬語で話すが、その実態は悪い意味で典型的なマニュアル人間であり、良くも悪くも所属先のGAFJに非常に忠実で、上層部の命令や見解を絶対視する他、命令違反や独断行為を起こした者であろうとも有能とあらば再度抜擢するなど、GAFJの実益の為なら私情を挟まない行動や判断も見せる反面、その傘下組織にして実働部隊であるストレイジに対しては身分を問わず高圧的に接す。また、人命を左右する重要な決断を、シミュレーションの結果だけで判別したり、現場からの意見には一切耳を貸さない等、全体的に融通が全く利かない。


一応(正気の頃のクリヤマと同様に)地球防衛をウルトラマンに依存している現状を憂い、「ウルトラマンがいつまでも地球人の味方でいるという確証がない」との考えから、地球人だけで地球を守ろうとする信念を抱いている節も見せるが、その為に劇中では『より強大な未知なる力を習得する』事に傾倒しており、作戦によって生じた周囲への被害は愚か、命の危機に晒された部下すら蔑ろに扱ったり、防衛軍としての本分である筈の『怪獣・侵略者への対処』さえ疎かにしても、新たな戦力を得る事を優先としてしまう等、傍から見れば本末転倒ともとれる言動も見受けられる。


動向編集

第21話編集

初登場。

多くの部下を引き連れてストレイジの基地を訪れると、イナバ・コジロー達整備班を押しのけて強引にD4特空機3号キングジョーストレイジカスタムに搭載してしまう。

その後、試験射撃無しでいきなりD4レイを実戦投入が決まった際には、イナバから

「たとえペダニウムで出来た砲身でもなぁ、D4レイを撃ったらそんなもんもたねぇんだよ!」

と意見されるも、

「シミュレーションでは十分に耐えられるという結果が出ています」

と一蹴。

そんな信憑性のない確信に納得のいかないストレイジ整備班員達から怒りを買う事になり(普段は温厚なイナバですら激昂するあまり「そりゃ誰が保証してんだよ!?」と言葉を荒らげながら、ユウキの胸倉を掴んでいる。)、ユウキを護衛するGAFJ隊員達と一触即発の状況になるが、パイロットのナカシマ・ヨウコが出撃を了承したお陰で、半ば無理矢理にその場は収まった。


その後はどこか不穏な様子のクリヤマ長官の傍らに常に就いて、戦況を観察していた。

宇宙凶険怪獣ケルビムとの戦いで窮地に追いやられるキングジョーに対し、D4レイの使用を催促するクリヤマ長官に便乗し、「住民の避難は完了しています! 今、D4レイを撃てば戦略的に被害最小限にする事ができるのよ!」と、ヘビクラ隊長に高圧的に進言する。

それでも頑なにD4レイの使用を阻止しようとするヘビクラだったが、結局クリヤマ長官のゴリ押しでD4レイは発射されてしまう。


その結果はイナバが懸念していた通りのものだった(詳しくは異次元壊滅兵器D4を参照)が、それによって引き起こされた被害には目もくれず、次元崩壊をゼスティウム光線で食い止めたウルトラマンゼットの力に心底惚れたかのように「ウルトラマンのあの力があれば…」と不穏な一言を呟きながら、不気味に目を輝かせていた


同話でストレイジが解散されて以降、彼女が後任組織第一特殊空挺機甲群の群司令(司令部作戦部長兼任)に就任し、基地を完全に掌握する。


第22話編集

彼女の目論見通り、地球防衛軍はウルトラマン同等、あるいはそれ以上の防衛戦力を我がものとすべく、『人造ウルトラマン』とも言うべき、ウルトラマンを模した新たな特空機の開発に着手していた。

前回から3日しか経っていないにもかかわらず早くもそのボディを完成させており、あとは主装備としてD4レイを搭載するのみ。

最大の欠点である「次元崩壊の制御」の為に前話で目を着けていたゼスティウム光線のデータを手に入れるべく、ゼットとセブンガーがバロッサ星人三代目と戦う現場へ名も無き自分の部下(演:岩田栄慶をキングジョーSCで出撃させる。

だが、今回の出撃は端からゼットの光線の分析を主目的にキングジョーを出撃させており、本来迎撃対象とする筈のバロッサ星人への対処を指示するといった場面は(少なくとも劇中では)見受けられなかった。


戦いの最中、乱入してきたジャグラスジャグラーの変身するトライキングにキングジョーが盾にされ、ゼスティウム光線の直撃した事でそのデータを取得。

部下は無事脱出できたものの、彼や操縦者がいなくなって街中に無造作に捨て置かれたキングジョーを心配する様子は勿論、バロッサ星人への警戒すら微塵も見せずデータ取得に執心。取得したデータの解析に夢中になっていた。

幸いにもヨウコの機転でオオタ・ユカが放置されたコアシップに乗り込み、レッグキャリアーを遠隔操作する事でセブンガーがバロッサ星人を撃破する形で、この事態は結果的に勝利へと繋がった。


一方ユウキはこの戦いの最中、ベリアロクもあったとは言え(と言っても、気難しいそれを焚き付けられただけ十分凄いが)引退機であるセブンガーを操り、上述の機転をも発揮してバロッサ星人を倒したヨウコの実力に目を着けると、彼女を実戦投入の目処が立った新型特空機のパイロット候補に抜擢。


かくして、特空機4号『ウルトロイドゼロ』が完成する。


第23話編集

ストレイジの解散とその後継組織である、第一特殊空挺機甲群の設立を伝える記者会見の席にて、新たな防衛戦力としてウルトロイドゼロの完成を発表。

「ウルトラマンと同等のパワーを持つこのウルトロイドゼロは、D4レイを完璧にコントロールできる」と得意満面に述べていた。


次々に出現するデマーガゴメスパゴスにD4レイを撃つように命じるクリヤマ長官に対し「使用に問題ありません」と淡々と説明し、彼の煽りを助長させる。

追い詰められたヨウコはD4レイを使用、デマーガ達を殲滅するが反動とエネルギーの逆流でウルトロイドゼロが機能停止し、操縦していたヨウコも気絶してしまう事態に終わったと、客観的に見れば実戦投入させるのはまだまだ時期尚早の初陣結果となった。



しかし、ユウキはそれらの問題点に触れず、D4レイによる次元崩壊が起こらなかった結果にばかり着目

「『ウルトロイドゼロ』がウルトラマンをも超える超兵器として成功した」と喜び、上述の台詞(一段目)を叫びながらはしゃいでいた。……隣でそれを嘲るかのように「カレカレータ」と呟くクリヤマ長官に潜んだ邪悪な生命体の存在、そして全てがその手の内でいいように泳がされている事に気付かず……


第24話編集

ウルトロイドゼロの初陣の後、クリヤマ長官からヘビクラが正体を顕にする瞬間を撮影した映像を見せられ、彼が宇宙人である事やウルトロイドゼロを強奪しようと画策していた事と、「元ストレイジのメンバーも宇宙人が成り代わっている可能性がある」として、彼らが妙な動きをする場合は武器の使用も許可すると告げられ、了承する。


その後、クリヤマ長官に寄生していたセレブロがヨウコに乗り移り、ウルトロイドゼロを強奪して基地から脱走した際には驚きを隠しきれず、通信で必死に制止しようと呼びかけるが当然ヨウコ(セレブロ)が応えず、そのまま通信を切られてしまう。



そして…自身が『ウルトラマンを超える超兵器』と絶賛していたウルトロイドゼロは皮肉にも『ウルトラマンを凌ぐ圧倒的な力を有した最強最悪の悪魔』へと変貌する事となる……。


最終話編集

ストレイジ基地奪還を目論むヘビクラ(ジャグラー)達の前に立ち塞がる。

前話で告げられたセレブロのミスリードに引っ掛かったユウキは、ヨウコ(セレブロ)による「『ウルトロイドゼロ奪取』がヘビクラの首謀」によるものと誤認し、ハルキの説得に耳を貸そうとせず、無抵抗の姿勢を見せているストレイジ一行に対し『敵性宇宙人とその共謀者』として、警備隊隊長のタケカワ以下部下達に発砲を命じる。


ちなみに、この場面では敵性宇宙人であるヘビクラへの敵愾心に加え、切り札であるウルトロイドゼロが強奪された挙げ句、悪用され世界各地に甚大な被害をもたらす最悪の事態となり、防衛軍の面目が丸潰れとなった上に、本来指揮する立場にあるクリヤマ長官すら入院中で不在等と、八方塞がりの状況を前に相当焦りや苛立ちを募らせていたのか、口調が荒む程に気性が乱れ、冷静な判断が全く出来ない状態にあった


“丸腰”であるハルキ達を撃つことに躊躇するタケカワに痺れを切らし、自ら発砲するも魔人態に変身したジャグラーに銃弾を蛇心剣で弾かれる(狙ったのが宇宙人の確信があるヘビクラのみだったのは、「最低限の良識が働いた」のかは不明)。

直に異星人としての姿を目の当たりにし、ジャグラーへの敵愾心が頂点に達したユウキは上述の命令(二段目)を激情を顕にしながら叫び、タケカワ達と共に一斉射撃するも全て弾かれた上、そのまま峰打ちでタケカワ達共々あっさり気絶させられてしまった。


直後、ジャグラーは気絶したユウキを抱えながら、人間態に戻り「丸腰じゃなくて悪かったな……」と皮肉を呟いていた。


この場面を最後にフェードアウト(ユウキ達を無力化したストレイジの面々はそのまま彼女らをその場に放置したまま基地へと乗り込んでデストルドス対策にかかっていた。また、ヘビクラは「本部の連中が(基地へ)殺到する可能性もある」とユウキの仲間が報復を仕掛けてくる懸念を口にしていたものの、結局その後、防衛軍上層部や第一特殊空挺機甲群の残党等がストレイジの作戦を邪魔しに介入してくる等の事態は起こらなかった)しており、その後については不明であるが、戦いの後、一連の事件の主犯としてセレブロが確保された事で真実が白日の下に曝され、彼女に「敵性」と疑われていたストレイジも無事救出されたヨウコ含め、容疑が晴れて再結成されている。


また、結果的にユウキ達へ直接クーデター(と見られる行動)を起こした(事件後に失踪したヘビクラ=ジャグラー以外の)ストレイジメンバーが、その後特に処分を受けた様子もなかった事から、ユウキもまた今回の騒動の責任を負わされてストレイジに干渉できる立場ではなくなった可能性が窺える。


余談編集

彼女を筆頭とするZ終盤におけるGAFJ・第一特殊空挺機甲群の対応、挙動はZのオープニングテーマの「ご唱和ください我の名を!」の歌詞の中にも含まれていた『正義の心振りかざして牙を剥くヤツ』そのものと評価でき、ウルトラマンゼロからも『ウルトラマンクロニクルZ』において、『ハルキ達ストレイジの意志を無視して、強さだけを求めようとした連中』と評されている(彼やその宿敵の『力を得ることに執心するあまり道を踏み外す』経験を踏まえれば、無理もない評価である)。


超全集によるとたびたび組織の命令に反する行動を取るストレイジの現状に、不満を抱く防衛軍関係者の1人だったようで、劇中で見せたストレイジの面々に対する態度もそのせいであったらしい。

加えて、かつての自分の上司であるクリヤマの権威の下、そうした不満も宥められてしまい、事実上黙殺されていたと扱いだった。

その溜まりに溜まった不満が、クリヤマに憑依したセレブロによって最悪な方向に爆発させられた結果、本編の非人道的な暴挙に至ってしまった。


この事実や上述の「軍人としてクリヤマから高い評価を受けていた」等の事実を踏まえて本編を見返してみると、劇中の行動は「敬愛するクリヤマ」に自分の才能や軍人としての信念を認められたい1点では一貫しているようでもある(現にD4レイやウルトロイドゼロが完成した際、真っ先に「彼」に向かって喜びようを見せている)。


確かに彼女の劇中での行いは決して褒められる様なものではないが、客観的に見れば現場への密かな不平不満、上司への承認欲求等の人間なら誰しもが抱くであろう本能的な一面を付け込まれる形で「彼」=セレブロによって良いように弄ばれてしまった事態になり、結果的にトラブルメーカー・憎まれ役となってしまった彼女もまた、文明自滅ゲームの被害者の1人であると見える(憑依されていたクリヤマらと異なり、自らの意志で動き文明自滅ゲームの片棒を担がされてしまったと意味では、防衛軍における最大の被害者とすら言えるかもしれない)。


演じる林氏はウルトラシリーズ初出演だが、円谷製作作品全体で見て見ると「怪奇大作戦 ミステリー・ファイル」第2話に出演した前歴がある。ちなみに田口清隆監督回である。


劇中で彼女が使用した拳銃は、田口監督曰くSFP9(現実の陸上自衛隊において、2020年度から20式小銃と共に新規採用が始まった最新鋭の9mm拳銃)であり、同じくGAFJの警備部の装備として登場した20式小銃共々、本作を日本のテレビドラマにおける初登場作品にしたい田口監督の意向で、急遽登場させる事となった。


演者の林女史は、過去の円谷プロ作品である『怪奇大作戦ミステリー・ファイル』にも出演経験があり、ウルトラシリーズへの出演は本作が初となる。


関連タグ編集

ウルトラマンZ GAFJ 第一特殊空挺機甲群 タカ派


共通点のある他作品のキャラクター編集

ウルトラシリーズ編集

高倉司令官ブリューワー将軍カジ参謀西条武官神山政紀:過去にウルトラシリーズに登場したタカ派の防衛組織の人間。『欠陥だらけの試作兵器を強引に実戦投入(高倉)』したり、『目先の目的だけに囚われ、思慮の足りない命令や作戦を実行(ブリューワー)』する、『敵対した宇宙人の置き土産を自分達の戦力に加えよう(カジ、西条)』としたり、『人類には過ぎたる超兵器を盲信した(神山)』末に、いずれもとんでもない事態を引き起こしてームの足を引っ張る事態となった。


ゴンドウ・キハチ:先述のウルトラシリーズのタカ派の中でも、ユウキ同様に禁断の人造ウルトラマンに手を出してしまった人物。そしてその顛末はやはりユウキが造ったウルトロイドゼロと同じような事となってしまった。しかし、彼自身は真剣に人類の未来を考えて行動しており、自らが招いた事態を前に自分なりの贖罪をすべく、最終的にウルトラマンの為にその命を投げ打った姿勢から、この手のキャラクターの中では珍しく視聴者からの理解や好意的な意見が多い。


松永要一郎:地球防衛の熱意は強い反面、その為には手段を厭わない防衛組織の重役(こちらは長官)繋がり。ウルトラマンの力を軍事目的に利用しようとしたのは上述のゴンドウや神山、そしてユウキと同様だが、彼は一線を越える前に主人公達の活躍で阻止され、ウルトロイドゼロやテラノイドに相当する様な人造ウルトラマンやウルトラマンの能力を模した人類の手に余る威力の兵器などの開発までには至らなかった。


イルマ・メグミミズキシノブ西条凪橘さゆり:過去にウルトラシリーズに登場した、防衛組織の女性エリート繋がり。いずれも隊長、副隊長クラスの役職持ちである。イルマ、ミズキ、橘はユウキとは逆に良識派で、西条もタカ派な気質こそあるが、ユウキほど冷徹ではない。また、イルマは怪獣災害に対する防衛チームの重要性の方向を見誤った者や、上層部がウルトラマンの力を利用しようとした際には難色を示していた。そして、西条、橘の2人は実際にウルトラマンの力を手にした事がある


久里虫太郎蛭川光彦戸井ゆきお九条レント田崎修:過去にウルトラシリーズに登場した、ウルトラマンのメインヴィラン達によってそれぞれ内に秘めたを突かれ、巧みな誘導によって踊らされ、悪事や策謀の片棒を担がされた地球人達。


石刈アリエ黒幕に操られている(こちらはクリヤマの様に憑依されていた)という事に気づかぬまま、自分の意志でその悪事の片棒を活がされた不運な地球人の女性。


サロメ星人ウルトラマンを模したロボットを運用していた異星人。こちらは侵略者であるが、そのうちの1人がユウキと同じくウルトラマンゼロの模造品を利用したが、制御が出来ずに自滅の憂き目に遭った。


ナナセ・ヒマリZの次回作に登場した防衛チームの女性隊員。メガネをかけた外見や、知的な雰囲気、自らが運用する兵器に関わるとテンションが上がる点が似ているが、性格はユウキの様なタカ派ではない。


シゲナガ・マキZの次々回作に登場した平和の為の方向性を間違えてしまった防衛組織関係者の女性だが、こちらは科学者。また、ウルトラマンを兵器にしようとしたユウキとは反対に、彼女は怪獣を兵器にしようとした

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