概要
世界規模の巨大財団「シズマ財団」の創設者シズマ・ミツクニおよび世界各国政府の支援によって設立された地球平和同盟組織。TPUという呼称は「Terrestrial Peaceable Union」(テレストリアル・ピーサブル・ユニオン)の略。
ミツクニが財団による古代遺跡の調査中に闇の勢力の復活が近づいている事と、デスドラゴによる初の怪獣災害が発生した事を機に、世界各国の政府に働きかけバックアップを受けて、発足に繋がった。防衛組織・GUTS-SELECTはその中でも選りすぐりのメンバーを集めたチームである。本部は日本にあり、北米、パリ、シドニーといった各国に支部が存在する。また、公にしていないだけで、実は多くの宇宙人がスカウトされている。そのため宇宙人関連の相談には柔軟に対応している場面が見られる。
『エピソードZ』から7年後の『ウルトラマンデッカー』の時代では、怪獣災害が途絶えた事もあって宇宙開発に力を入れることになり、初代GUTS-SELECTのメンバーも含めた主要な人員の多くが宇宙へ出ていたが、これが仇となり、新たに襲来した宇宙浮遊物体スフィアによって宇宙との交信が遮断され、戦力も壊滅状態に陥ってしまった。
これに伴い、対スフィア部隊として新生GUTS-SELECTが再編成される。
また、本作では同時期に地球に襲来した宇宙人がスフィアの影響で脱出不可となった宇宙人達(通称:スフィア難民)への保護も活動の1つとなっており宇宙難民たちには生活の保護を与える代わりに様々な協力を促してもらう。
尚、初代GUTS-SELECTは複数のウルトラ戦士達と接触し、ウルトラマンに関する様々な情報(普段は人間に共生、或いは擬態して活動等)を得ているが、TPU内でそれらの事実を知っているのは初代GUTS-SELECTを含めた極一部の者達のみ。また、『デッカー』の時代では7年というブランク期間に加え、この世界に現れる巨人がウルトラマンだけでなく、悪の勢力もいた上、最後に確認されていたウルトラマンが敵であった事例も踏まえてか、7年振りに出現した新たなウルトラマンであるデッカーに対し「本当に味方なのか?」と懐疑的な意見もあった。
後のマザースフィアザウルスとの決戦の際に、2代目GUTS-SELECTのメンバーも、カナタとケンゴから秘密を打ち明けられ、「ウルトラマンの変身」に関する情報を知る事となったが、一般隊員には相変わらず伏せたままであり、どういう手段でウルトラマン達と共同戦線を張れたのか疑問視されている。
スタンス的にはネオフロンティアスペースにおける『TPC』に近いのだが、ミツクニの出自からそれもある意味当然であった。
TPCとの違いは、あちらが元々は戦争や環境問題の解決を目的に作られた国連をバックにした政治家や科学者の声を背景にした組織なのに対して、こちらは成立の背景に財団が関わっている企業の存在(ミツクニの意向)を背景にした、最初から地球防衛を目的に作られた組織という違いがある(TPCは怪獣の復活後に武装している)。
この為『デッカー』のスフィアにおける動乱により問題が表面化した「GUTS-SELECTの軍縮」及び「ライドメカの自動操縦方式の依存」もある意味平和が続いていた中では避けられない体制の変化であった。更に怪獣や侵略者の対処の継続だけでなく暴走した科学者の対応や危険な技術に手を出す企業の対処など、TPUの組織的に考えれば「財団が関わって生まれた組織が一個人の科学者や企業に干渉する」という客観的に見れば平和のためとはいえグレーな対処もせざるを得ない状況など、TPCとはまた違った問題を抱えている。
組織のロゴは、配色に『ウルトラマンティガ』時代、形状に『ウルトラマンダイナ』時代のTPCのそれを取り入れたようなデザインが特徴。
(ティガ時代のTPC)
(ダイナ時代のTPC)
部署
- GUTS-SELECT
『トリガー』での活躍は「GUTS-SELECT」の記事を、『デッカー』での活躍は「新生GUTS-SELECT」の記事を、それぞれ参照。
- 技術部・特務3課
『トリガー』の本編開始時より少し前に新設された課。GUTS-SELECT着任前にメトロン星人マルゥルが在籍していた部署でもある。
新型戦闘艇(後のナースデッセイ号)の開発を担当されているが、オフィスはごく限られたスペースしかなく、支給品はテーブル一卓のみという冷遇ぶりで、閑職に近い扱いを受けている。
テーブル以外の備品は課長のホッタが他部署から廃品等を譲り受けたもので、彼の業務用ノートパソコンも『トリガー』の世界では既に時代遅れの代物であるという。
マルゥルによってオフィスのど真ん中に卓袱台が設置された(ホッタ曰く「ジャパニーズオールドスタイル」)。
- 技術部・2課
- 広報部・特務3課
- 捜査部・科学班
- 整備部
- 経理部
- 警備部
- 人事部
- 情報局
『エピソードZ』でタツミが所属していた部署。原点のTPC情報局と同様の組織かは不明。捜査機関のような役割を担っている模様。ライラーの追跡調査を行っている。『デッカー』ではカイザキ・サワの口から恩師であるシゲナガ・マキの危険な怪獣兵器の研究、開発を支援したスポンサーや研究データを、確保した事が本人へ告げられる。
- 内部調査局
『デッカー』で登場。こちらも捜査機関のような役割を担っている模様だが、操作の範囲・対象は主に組織内に限定される模様。
- 怪獣研究室
カイザキが以前、所属していた部署。室長であるシゲナガを筆頭に純粋に『怪獣の生命力』の謎を研究する為の部署だったが、怪獣の危険性を恐れたシゲナガが怪獣兵器の研究を行い、カイザキはそれを報告して、シゲナガはその任を解かれた。その後、カイザキが室長となる。
- 宇宙開拓チーム
トリガーとGUTS-SELECTの最後の戦いから数年後、本格的に宇宙開拓の事業に乗り出しており、劇中の描写では火星で活動をしているが、スフィア襲来の影響で火星から1歩も動けてない状態でスフィアとの戦いに身を投じている。
スフィアとの戦いが終わると少しずつだが再開しており、GUTS-SELECTの旗艦であるナースデッセイ号を護衛艦として量産化配備されることが決まっており、初代から使われていた船も約10年にわたる戦いから戦列を離れ護衛艦としての任に着く。
施設
- 訓練校
『デッカー』の時代ではムラホシ・タイジが校長を務めていた。
宇宙開発課、怪獣対策課があったが、前者はスフィアの襲来に伴い訓練が中止となり、後者へ編入されることとなった。
- 医療施設
デッカー第9話でムラホシの口から明言されており、宇宙人も受け入れている模様。
体調が悪化したグレゴール人グレースが入院する事になった。
- TPU第一演習場
新型兵器テラフェイザーの、起動実験が行われる。
- TPU月面基地
シズマ財団とTPUの宇宙開拓の前線基地としてかつて運営されていたが、現在は廃棄され、スフィアの巣窟と化していた。警備用ロボとして、ゾンボーグ兵が配備されているが、ほとんど停止している。
見た目はスーパーGUTSのグランドームによく似ている。
理由は不明だが、基地周辺にはギャラクトロンMK2を始め複数のロボット怪獣も、倒れている。
- 怪獣予知対策センター
スフィア戦役から1年後、新生GUTS-SELECT副隊長カイザキ・サワをセンター長に置きカイザキの持つ怪獣知識を生かして怪獣災害を未然に防ぎ人命と怪獣の命を両方守るために新設された。
所属人物
- GUTS-SELECT
詳細は上記同様「GUTS-SELECT」「新生GUTS-SELECT」を参照。
- 技術部・2課
- 村上※
- 広報部・特務3課
- マグマ星人(CV:外島孝一)
- 捜査部・科学班
- ギギ(CV:村上ヨウ)
- 整備部
- 経理部
- ピット星人ピト子(CV:大谷美紀)
- 警備部
- ゼットン星人(CV:岸哲生)
- 内部調査局
- メトロン星人ナイゲル(CV:甲斐田裕子)
- 食堂
- ペダン星人
- ピット星人ユウコ(cv:中村守里)
- 訓練校怪獣対策課
- 人事部
- 岡本 ※…名前のみ登場。
メカニック
- 自動迎撃システム
二本の砲塔から速射砲を発射する大型砲台。
火星では防壁を突破したゴルバーに攻撃するも破壊される。
地球ではエネルギー兵器と相性が悪いメツオロチへのGUTS-SELECTとTPU地上部隊による実弾攻撃に投入され攻撃を行うが、こちらも反撃で破壊される。
『デッカー』の時代でも運用されているようで、対怪獣災害モデル都市のコミエシティに無人攻撃砲台として多数配備されており、ムラホシへの嫌疑で新生GUTS-SELECTが出動出来ない中、コミエシティに迫るゴメス(S)への攻撃を行うが効果がなく、破壊される。
しかし、22話ではバズド星人アガムスが呼び寄せたチャンドラーに対して新生GUTS-SELECTの支援射撃を行い、有効打を決める。
モチーフは原点のウルトラマンティガに登場するTPCの赤外線式自動地雷と思われる。
プロップはウルトラマンメビウスに登場するGUYSのシルバーシャークGの流用。
- ドローン
『ウルトラマンZ』に登場したドローンと同形機。主に輸送任務を行う。
第8話ではダダのハッキングで市街地に墜落し、爆発炎上していた。
第17話では、対メツオロチ戦の為にGUTSファルコンに搭載する旧式の大型ミサイルの輸送を行った。
- 人工衛星ソル
『エピソードZ』にて登場するTPU保有の人工衛星。本来は太陽光をエネルギーに変換して、地上へ送る事が目的。
エタニティコアの中で消滅の危機に瀕しているマナカ・ケンゴを救出する為に、そのエネルギーを神器で増幅して、ユナに宿るユザレの力でケンゴをコアから助ける為に使用される。ソルを選んだ人物が目論んだシナリオ通りに事が進んでいるとは誰一人、知らずに……
- TPU輸送機
ウルトラマンデッカー第11話にて、テラフェイザーの輸送機として登場。第一演習場への輸送中にガゾートに遭遇する(その後は不明)。
プロップはTPC1の流用
- 警備ロボ ゾンボーグ兵
ウルトラマンデッカー第19話にて、TPU月面基地に配備されていた警備用ロボ。
余談
特務3課の部屋に置いてある小物は、過去にウルトラマンR/Bで使われていた物が使われている。「愛染マコトがオーブオリジンクリスタルを製造する際に使用した装置」、「アイゼンテック社の地下にあった次元転送装置」、「湊ミオが逃亡の際にルーブジャイロを収納していた容器」、「美剣サキが使っていたアイゼンテック社製の医療機器」等。
ロケ地は平成ウルトラマンで数多くの舞台になったお台場フジテレビ湾岸スタジオの最寄り駅のテレコムセンター駅周辺である。
ヤザキ・テルミの名前の由来はホリイ隊員の妻である「エザキ・ミチル」ではないかと推測される。
訓練校の中間成績表に乗せられているアスミ・カナタキリノ・イチカリュウモン・ソウマ以外の生徒たちの名前はウルトラマンデッカーの監督に参加している辻本貴則田口清隆越知靖デッカーメイン監督の武居正能の名前が使われている。
関連タグ
ウルトラマントリガー ウルトラマンデッカー GUTS-SELECT TPC 新世代TD
AIB:シリーズ五作前に登場する、組織内に従来作品では悪役の傾向にあった宇宙人達が善玉として所属している防衛組織。