「ルルイエ・ク・ライラー…」
ユナ「ルルイエ・ク・ライラー………『希望』と、『光』…?」
「ははははは……ハッハッハッハッハッハッ!!」
マルゥル「ウルトラマン、トリガー…?」
ユナ「違う、光じゃない!トリガーとは何か違う!」
「コレが、私の身体……はっはっは…ハッハッハッハッハッハッ…ハァッ!!」
「私こそ、希望…真の『光』だ!!」
概要
『ウルトラマントリガー』の劇場版『エピソードZ』に登場した、通称・影の巨人。
トリガーの別側面という扱いだったトリガーダークとは異なり、シズマ・ユナ曰く「トリガーとは何か違う」との事。
ソフビのタグの紹介文によると、「ウルトラマントリガーに戦いを挑む、誤った心を持つ者が光となった巨人」らしいが…。
予告では、「影を継ぐ最悪の巨人」として紹介されており、ゼットとトリガーダークの前に後光の演出付きで立ちはだかっている。
データ
身長: | 54m |
---|---|
体重: | 4万4千t |
CV: | ??? |
デザイン: | 脇 貴彦 |
スーツアクター: | 桑原義樹 |
必殺技・能力
純粋なウルトラマンの光を媒介にしてるため光線などはどれも非常に強力だが、それらに頼らない単純な身体能力も高い。
トリガーとの1対1の格闘では終始圧倒しており、トリガーダークやゼットとの共闘する事でようやく互角に持ち込めていた。
- イーヴィルシュート
技名はフュージョンファイトで判明。
イーヴィルティガのイーヴィルショットと同じ構えで放つが、あちらが紫がかった黒い光線であるのに対し、こちらは青みがかっている黒になっている。
- イーヴィルスラッシュ
右腕から放つ紫色の光弾。
イーヴィルティガのイーヴィルビームと同じ構えで放つ技で、一撃でトリガーを吹っ飛ばすほどの高い威力を誇る。
- 電撃(正式名称不明)
闇の力を解放し、胸から赤黒い電撃を放つ技。
ゼット、トリガー、トリガーダークの3人を吹き飛ばした。
また、闇の力を解放する際には目が黒く染まり、体から黒いオーラが放出され、更に変身者の声にノイズのようなものが混ざる。
- イーヴィルシールド
身体の前面に展開する紫色の丸型シールド。
ナースデッセイ号のマキシマ・ナースキャノンとGUTSファルコンの銃撃を防ぎ切った。
- エネルギー吸収(正式名称不明)
ウルトラマンから光のエネルギーを吸収する能力。
満身創痍のトリガーからエネルギーを奪い取り、後一歩のところまで追い詰めた。
正体(ネタバレ注意)
「私は『光』……私が全人類を導く、『ウルトラマン』だ!!」
正体を明かしたトキオカ・リュウイチことザビルが、エンシェントスパークレンスで変身した姿。
同胞であるはずのライラー達を生贄にしてトリガーのGUTSスパークレンスとGUTSハイパーキーの光を流用する事で変身した姿であり、イーヴィルティガのような容姿が似ていた別の巨人ではない。
言うなればトリガーの光によって生み出されたコピー、すなわちトリガーの影とも言うべき巨人である。
これもまたイグニスの変身したトリガーダークと同じく、トリガーの一部が独り歩きしたものとも言えるだろう。
この辺りはイーヴィルティガとの最も大きな違いと言える。
また、インナースペースそのものは劣勢になって闇の力を解放するまでは、トリガーのものとほぼ同じ神々しい明るいものであり、真の意味で闇の巨人に分類されるかは断言出来ない(元になっているのが純粋なウルトラマンのエネルギーなので当たり前と言えば当たり前なのだが)。
どちらかといえば邪悪な人間のエゴによって生み出された原典のイーヴィルティガや感情が先走るあまり心を持たない兵器に成り下がってしまったテラノイドに近いアナザーウルトラマンとも言える。
ただ、劇中での邪悪な戦い方と負の感情に呑まれたとしか思えない激情を露わにした振る舞いは闇の巨人そのものであり、かつてトリガーことケンゴへの執心でメガロゾーアと化して暴走したカルミラと大差無い皮肉な有様となっていた。
ちなみに、本来のザビルはユザレと同じく青い瞳をしており、イーヴィルトリガーの目が青いのはその面影が残っているという解釈も出来る。
公式サイドからの扱いは他の悪トラマン同様に怪獣扱いの模様(後述)。
劇中での活躍
変身後はセレブロが寄生したゼットと共にイグニス=トリガーダークを追い詰め、バトルモードのナースデッセイ号をジャイアントスイングでGUTSファルコンと衝突させつつ地上に叩きつけて共に機能停止に追い込む。
その後、アキトと祭壇の結界を破りGUTSスパークレンスとキーを取り戻したケンゴはトリガーに変身するものの、余裕綽々な立ち振舞いでそれを圧倒する。
しかし、駆け付けたタツミ・セイヤ隊長の喝によって再起したGUTS-SELECTの面々とイグニスの協力により、トリガーがセレブロに寄生されていたゼットの正気を取り戻す事に成功すると、3対1の状況に追い込まれ、一転して劣勢を強いられる事となる。
そこへセレブロが寄生したライラーイブラの体を使いデストルドスに変身して加勢した事で再び形勢が逆転し、トリガーのエネルギーを吸収して追い詰めるも、ユナの最後のユザレの力でグリッタートリガーエタニティに変身され、ゼット・デルタライズクローとトリガーダークによってセレブロが変身したデストルドスを撃破されてしまう。
追い詰められたイーヴィルトリガーはさらに闇の力を解放し、トリガーの5、6倍ほどのサイズにまで巨大化。
しかし歴戦のウルトラマン3人に翻弄された末、イーヴィルシュートを放つも彼らのバリアに防がれ、最後は彼らのゼスティウム光線、ダークゼペリオン光線、グリッターゼペリオン光線の合体光線の前に力及ばず撃破された。
全ての戦いが終わった後、ザビルは自身のエネルギーを使い果たし、闇を消し去られたために正気に戻ったのか、ユザレの笑顔を思い浮かべつつ最期は憑き物が取れたかのような顔をして、光となって消滅した。
容姿
デザインのベースはトリガー・マルチタイプだが、カラーリングは『ウルトラマンティガ』に登場したイーヴィルティガそのもの。
目付きは釣り目に見えるよう黒く縁取られているという違いがある。また、普段は青い目をしているが、必殺技を発動する際などに目から光が失われ真っ黒になる演出がある。
また、口角がわずかに吊り上がっているため、不敵な笑みを浮かべているようにも見えるイーヴィルティガに対し、イーヴィルトリガーは口角が上がっていないため、無表情で思考が読めない不気味さも感じられる。
よく見るとティガとデザインがかなり異なるイーヴィルティガに対して、細部を除いてフォルムがトリガーと同じ(トリガーを純粋に悪役にしたような容姿)という点が元ネタとの差異である。
その後の登場
TAMASHII NATIONSスペシャル配信:ウルトラマントリガー編
アブソリュートタルタロスの手により復活。
イーヴィルティガへのオマージュとして「タンホイザー序曲」をバックにグリッタートリガーエタニティと戦ったが、並行同位体ゼロ、ゼット、デッカー、グリッタートリガーエタニティの合体光線を浴びて倒された。ちなみにステージではあるが、エピソードZからの再登場は次作に登場する前作ラスボス怪獣なみの速さである。このバトルステージは同配信にて出演してた坂本監督が監修しており、坂本監督演出のイーヴィルはこれが初である。
ウルトラマンニュージェネレーションスターズ
第22話に直接の登場は無いもののウルトラマンゼロが人工知能エディオムにウルトラマンの絆を教える際に、2人のトリガーとゼットとの最終決戦の映像が使われておりその際ゼロからは偽りの光の巨人と呼ばれている。
立体化
2022年3月5日に「ウルトラ怪獣シリーズ EX イーヴィルトリガー」としてソフビが発売。
塗装は比較的原作に沿ってはいるものの、胸のラインの一部、プロテクターの塗装が簡略化あるいは単色化されている。
2022年11月には「S.H.Figuarts」版が登場。
こちらは原作のカラーリングを最も忠実に再現している立体化であり、劇中さながらのアクションも楽しめる仕様となっている。
その他
バトルスピリッツ
本家を差し置いて『コラボブースター ウルトラマン 受け継がれる光』 にて登場(CB22-019)。
他の闇の巨人に倣い紫属性となっているが、オリジナルのトリガーが新世代ウルトラマンであった為か、赤属性も兼ねる。
召喚時に相手の全てのスピリットのコア1つずつをコアシュートする効果と自分のデッキを上から5枚除外した上で相手のスピリット全てのコア2個ずつをコアシュートする効果を選択して発動できる。
アタック時には最もコストの低い相手スピリットを破壊でき、さらに自分のデッキが10枚以下の時は相手の手札を破棄できる強力な効果を持つ。
『邪悪なる暗黒破壊神ダークザギ』(CB01-031)のアタック時効果で発動を早めることができるが、自滅の恐れのあるリスキーな効果である。
『ウルトラマンフュージョンファイト!』
『BEYOND GENERATIONS』03弾から参戦。必殺技は原作と同じ「イーヴィルシュート」である。
また、本家イーヴィルティガと組むとキズナボーナス「影を継ぐもの」が発生する。
GUTSハイパーキー
劇中での誕生経緯から(劇中のアイテムとしての)GUTSハイパーキーは存在しない。
ただし、玩具展開においては『ガッツスパークレンス MEMORIAL EDITION』に付属する「ウルトラマントリガー マルチタイプキーver.2」のシールを貼り替え、「イーヴィルトリガーモード」の音声に切り替える事でイーヴィルトリガーキーが作成可能となっている。
「イーヴィルトリガーキー」のイラストはイーヴィルトリガーがイーヴィルシュートを撃つ所が描かれており、通し番号はトリガーやトリガーダークのキーとも異なる「n-01」。
恐らくは「ウルトラマントリガー マルチタイプキー」の通し番号の頭文字を逆さにしたものだと思われる。
ただし、先述したように本体のカラーリング自体はトリガーと全く同じである。
余談
ウルトラマントレギア以来3年ぶりとなる「劇場版で初登場の悪のウルトラマン」であり、令和作品としては初となる。
イーヴィルトリガーの登場自体は『トリガー』の情報公開時からファンの間でたびたび予想されており、劇場版が発表される以前に想像で描かれた作品も少なくなかった。主要キャストの面々もファンの感想を見ていく中でファンがイーヴィルの存在を予想していた事を認知していた模様。
これが最古のイラストであり、アーマーの色や体のラインが違うだけでデザインはだいたい合っていた。
キャッチコピーはティガの『光を継ぐもの』から『光を繋ぐもの』へ変化したトリガーとは異なり、『影を繋ぐもの』ではなく原典と同じく『影を継ぐもの』である。
スーツはイベント用のトリガーのスーツを転用したもの。また、当初はイーヴィルティガのスーツをべ-スにする案もあった。
上述の通り、最後は巨大化して襲いかかってきたのだが、ある意味グリッターティガを彷彿させる物があり、容姿の変化のみだったトリガーのグリッター形態の代わりに「超巨大ウルトラマン」の立ち位置を担ったと思えなくもない。
立ち位置
エピソードZの監督を担当した武居氏はメイキングのインタビューにてイーヴィルを演出するにあたって、『セレブロに乗っ取られたZのような悪役ではなく、あくまでザビルが目指そうとしたウルトラマンと光である』と語っている。
戦闘面も原作のティガとイーヴィルティガの戦いを意識したものとなっており、悪役というより強者に見えるような雰囲気にしつつ、元のイーヴィルとは別キャラにしたいという意図からさりげなくイーヴィルに見えるように演出されており、完全な悪役と言うよりはダークヒーローのような立ち位置となっている。
デザインもトリガーのスーツの色替えが初期案にあったが、顔の目が青になっているのを見て「これだ!」となりそれならばとスーツを本家に寄せてしまおうと語っており、実際に劇中で登場したイーヴィルのデザインにして正解だったと語っている。
レギュラー陣のキャストからもかっこいいと好評であり、ザビル役の中村氏は当初はトキオカ隊長を演じるとしか知らされておらず、イーヴィルへ変身することを知らされると感激していた。また中村氏はイーヴィルについても少し言及しており、「イーヴィルティガはティガなんだけど、アナザー感が強いというか、けどイーヴィルトリガーはすげぇウルトラマンだぁ」と語っている。
トリガーとの戦いにて崩れたビルの一部をぶつけて攻撃するシーンは、武居監督によると撮影に使われている石膏ビルの一部が残っていたから出来たと語っている。
関連タグ
イーヴィルティガ:元ネタである事は間違いないが、設定的な関係性はほとんどない。
ウルトラマンオーブダーク:光の巨人の力を悪用して生み出された紛い物の巨人繋がり。誕生経緯や変身者が「ウルトラマン」を自称するなど、トリガーダークよりこちらの方が似通っている部分が多い。
仮面ライダークロスギーツ:映画のメインヴィランが主人公から奪った力を悪用して変身したコピーヒーロー繋がり。最終的に超巨大化して暴れ回るも、力を取り戻した主人公の前に敗れ去る点も同じ。