「夢を叶えるにはねぇ、君達。
変化を恐れてはいけない! 自分から逃げてはいけない!!
今こそ宣言しよう……私こそが、ウルトラマンだ!!」
『ウルトラマンオーブダーク!』
「銀河の光が我も呼ぶ!
我が名はウルトラマンオーブダーク……ノワールブラックシュバルツゥゥ!!!」
データ
身長 | 50m(※) |
---|---|
体重 | 5万t(※) |
最大飛行速度 | マッハ8.4 |
最大走力 | マッハ2.9 |
水中潜航速度 | マッハ2.4 |
地中進行速度 | マッハ2.4 |
最大ジャンプ力 | 790m |
腕力 | 8万6千t |
握力 | 6万6千t |
※オーブオリジンと同じ数値
概要
『ウルトラマンR/B』第8話「世界中がオレを待っている」より登場。
ウルトラマンオーブと酷似した容姿を持つ戦士で、アイゼンテックの社長である愛染マコト……の、体を乗っ取った寄生生命体チェレーザがオーブオリジンのルーブクリスタルを悪用して変身した。
「ウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツ」を自称している。
外見はオーブオリジンとほぼ同じだが、カラーリングが黒を基調にしたものとなり、目やカラータイマーなど発光部分も赤くなっているのが特徴。
見た目こそ禍々しいが、言動は愛染に憑依しているチェレーザのそれであるため、変身時のポーズで手でハートを作ったり、ウルトラマンブルをひっぱたいた後に「何か付いた」とぼやきながら手を近くの池で洗ったり、高笑いしている途中で盛大にむせて咳き込んだりとコミカルな挙動が多い。
情報初公開時は謎めいた存在として扱われていただけに、このギャップに衝撃を受けた視聴者も少なからずいただろう。ただ、ウルトラマンフェスティバル2018のライブステージで先行登場した際は、声や仕草が明らかに愛染のそれだったので、ファンには正体がバレバレだったとか。
他のウルトラ戦士の力を利用するフュージョンアップは使わないようだが、姿を変えないままオーブオリジン、バーンマイト、スペシウムゼペリオン、サンダーブレスターの技をダーク化させて使用可能。これら4形態以外のフュージョンアップの技を使えるかは不明。
また、第8話ではロッソやブルに先んじて変身したにもかかわらず、2人と違い戦闘終了後もカラータイマーが点滅しておらず、変身時間に制限がない模様であり、ここら辺は制限時間があるのか明確でないオーブオリジン基準というべきか。ただ、第9話で倒される直前には、映像ではわかりにくいことに加えその映像も2秒程度しかないがタイマーが点滅しており、エネルギー切れ自体はある様子。
一応、悪のウルトラマンだからか怪獣としての扱いを受けており、ソフビは「ウルトラヒーローシリーズ」枠ではなく「ウルトラ怪獣シリーズ」枠からの発売になっている他、公式サイトでも宇宙人・怪獣の紹介欄にて紹介されている。
更に『ウルトラマンフュージョンファイト!』でも宇宙人・怪獣扱いとなり、当然、宇宙人・怪獣たちと組み合わせるとキズナボーナス「怪獣達の饗宴」が発生する。
しつこくウルトラマンを自称し続け、独自のウルトラマンの定義を熱弁しながらも自らはそれを満たさず、挙句の果てに公式で怪獣扱いとは何とも皮肉である。
とは言え、紛れもない本物のウルトラマンの力を使って変身している(ルーブクリスタルやルーブジャイロは後に惑星O-50由来と判明したため、出所も同じともとれる)ので、立ち位置的にはイーヴィルティガやテラノイドに近い(両者と違って暴走しなかった分まだマシだったとも言える。まあこの二人とは違った意味で大暴走している訳だが)。
このような少々複雑な経緯もあってか、ファンの間では悪のウルトラマンか、ウルトラマンの姿を真似た悪の戦士かで解釈が分かれている。
あるいはそのどちらにも属せない半端者であり、心の底から「ウルトラマン」になり切れず、誰かに害を為す事しか出来ない存在に終わってしまったとも言える。前述の公式怪獣扱いの件はその事実を如実に表している。
使用アイテム
使用する武器。形状はオーブカリバーと同様だが、全体的に黒を基調としたカラーリングに変更されているほか、属性を示すマークが「炎」「氷」「岩」「嵐」に変化している。
- ルーブクリスタルコレクションケース
厳密にはオーブダークのアイテムではないが記載。
愛染マコトの所有するアイテム。11枚のルーブクリスタルを収納できるパネルで、中心部の5個分がオーブカリバーと似たデザインとなっている。
『R/B』第5話にて収納されていたクリスタルは、上記カリバーのものと同じ「炎」「氷」「岩」「嵐」だった他、中心部にはオーブオリジンのクリスタルがはめ込まれていた。
変身シークエンス
アイテムを動かす動作こそR/B寄りだが、変身シークエンスは宇宙を思わせる背景のインナースペースで黒タイツ姿の愛染が変身への手順を踏むという、本家オーブの変身シーンのこれでもかと言わんばかりの盛大なパロディとなっている。
- オーブオリジンクリスタルをジャイロにセットし、カメラ目線で3回グリップを引く
- オーブリングNEOが出現
- リングのスイッチを下部にスライドさせ、ボタンを押す
- 「絆の力、おかりします!」の掛け声とともにオーブスラッシャーに似た動作でリングを頭上へ掲げる
- フュージョンアップのように、左右と前面にアップのオーブリングNEOが映って愛染を覆い隠す。この際変身音が流れるのだが、それはオーブニカやオーブオリジンの変身音をオーケストラ風にアレンジしたかのような、どこか神々しくも禍々しい曲調となっている。
- 『ウルトラマンオーブダーク!』の音声とともにぐんぐんカット。オーブが手のひらで輪を作るようにハートマークを作ったのち、右手を挙げる。ぐんぐんカットの傾き自体はオーブオリジンよりもスペシウムゼペリオンなどの方が近い
※なお第10,11話では1の動作は省略されている。
必殺技
- ダークオリジウム光線
オーブリングNEOを、ボタンを押した後にAZジャイロと合体させ、レバーを3回引いて発動。
発射の要領は本家オリジウム光線とほぼ同じだが、ロッソとブルの合体技ファイヤートルネードを押し返すほどの威力を持つ。
やはり発射直前にハートマークを作るが、見方によってはオリジウム光線発射時に現れる円が歪んでいるとも取ることができる。
なお本家はオリジウム光線を無言で放つため、「オリジウム光線」という名前が作中で使われたのは何気に初めて。
オーブリングNEOのボタンを押して発動。
こちらも要領は本家と全く同じ。既に限界を迎えていたとはいえ、ロッソとブルを纏めて変身解除させるほどの威力を誇る。
- ダークスペリオン光線
劇中未使用。
- ダークゼットシウム光線
劇中未使用。
- エネルギー注入
ホロボロスに対して使用。掌から特殊なエネルギーを流し込み、相手の活動を停止させる。
自身が召喚した怪獣以外には効果がない。
オーブダークカリバーで発動するもの
発動時には本家と同様にインナースペースでカリバーを操作する愛染とオーブダークの姿が映し出される。
- オーブダークロックカリバー
岩のエレメントで発動。
地面にカリバーを突き刺して爆発を起こし、大量の岩を雨のように降り注がせる。
奇しくも本物が本編中で最初に発動した技は、(回想シーンを除くと)これの元となったものであった。
- オーブダークインフェルノカリバー
炎のエレメントで発動。
炎の輪を描き相手に向けて放つ。元の技にそれなりに似ているが、炎の輪が火の玉になって相手を拘束しない点、直接切りつける動作が無い点で異なる。
- オーブダークアイスカリバー
氷のエレメントで発動。
カリバーを地面に突き刺し、地を凍らせながら走る冷気を放つ。更にカリバーを振るうことで氷を飛ばすこともできる。
- オーブダークタイフーンカリバー
嵐のエレメントで発動。劇中未使用。
- オーブダークエクセレントカリバー
4つのエレメントを用いて発動。劇中未使用。
- カリバースラッシャー
カリバーを振るって光輪を放つ技。
切断力は強烈の一言に尽き、鉄塔を数本切り倒してなお有り余る威力でロッソにダメージを与えている。
『ウルトラ怪獣バトルブリーダーズ』ではこれが通常攻撃となっている。
総合的な戦闘力
コピーとはいえオーブの強力な技の数々を使えることや、変身するチェレーザ自身がウルトラマンを目指して日頃から研究と鍛錬を積んできただけあって実力は相当に高く、一度はロッソ・ブルを遥かに上回るパワーやスピード、反応速度で彼らを完封した。
しかし、以降はウルトラマンとしての自覚を強めた彼らが日々成長を重ねた(ブルが単独でオーブダークに食らいついていけるようになった等)ことや、より強力な怪獣を操る存在の登場により、パワーインフレにやや取り残され気味になる。
活躍
第8話「世界中がオレを待っている」
クワトロMの汗染みTシャツの納品という名目で呼び出した湊兄弟にウルトラ通信簿を渡し、彼らの前で正体を明かすと同時に変身。
さらにその直後、いきなり変身していない兄弟に対してオーブダークロックカリバーを見舞い、「お前らはウルトラマンにふさわしくない」と主張。「野球にかまけて出動が遅れたな?」「同級生といい雰囲気になるとか、ちょっといい話なんかいらないんだよ!!」「知り合いのことで2週間もグズグズ悩みやがって!」と痛烈に批判。
オリジナルのオーブも散々悩み抜いたのを知らないのか、それを含めての批判なのか…。
現れたロッソとブルに対しても「デザインが気に入らん!なんだぁ、その猫耳ぃ!」「名乗りの最中と変身の途中で攻撃するのは言語道断!ルール違反なんだぞぉ‼︎」などと、メタ発言丸出しの説教をしながら戦いを繰り広げる…というか半ば一方的に彼らを蹂躙する。
主張に関して基本的に反論の余地は無かった(そもそも作中の登場人物はそれまでのウルトラマンを知らない)が、「最近のウルトラマンはベラベラ喋りすぎだ。神秘性がなくなる」という発言に対しては「お前の方が喋りすぎだろ!」とその場でブルに突っ込まれている(ただし後に人前に現れた際は、ロッソとブルが現れるなりして感情的にならない限りは主張通りに私語を控えている)。
これらのオーブダークの主張は、近年の作風に対して古参のファンがよく口にすると言われる非難や愚痴…言葉を選ばずに言えば面倒くさい懐古厨のクレームそのものであり、共感する視聴者も少なくはなかったという。
しかし、その主張は公平性を欠いた主観に過ぎず、しかもそんな主張をよりにもよって一連の事件の首謀者自身がウルトラマンを名乗りながらウルトラマンの姿を借りて行うというのは、もはやツッコミが追い付かないレベルの凶行である。
しかも、神秘性という意味では先代の力を受け継いだカツミとイサミがコミカルなだけであり、ウルトラマン自体は謎も多く一言も話さないためかなり神秘性の高い部類である。
これについてはチェレーザの記事も参照。
ちなみに、「世界中がオレを待っている」というサブタイトルは「オーブの祈り」の歌詞のパロディだが、愛染(チェレーザ)の一人称は「私」であり、「オレ」と言うのはどちらかと言えばガイや湊兄弟である。
第9話「ウルトラマンの名のもとに」
攻撃時に周囲の建築物や自然を巻き添えで破壊するなど、ウルトラマンを自称する割にはあまりに乱暴なバトルスタイルで兄弟をほぼ一方的に痛めつけ、「ノーヒットノーランのボロ負け、コールドゲーム」とカツミに言わしめたほどの敗北に追い込む。そして、圧倒的な実力差を見せつけたことに満足したらしく、愛染の姿に戻って引き上げた。
その後、墜落しそうだったセスナ機を救ったことで、綾香市民の注目を一気に掻っ攫う。
さらに後日、今度は相馬美代子という幼女が手離してしまった風船を取ってあげたことで再び話題となるが、美代子がそれより前に愛染からオーブダークの人形を貰っていたことを思い出した湊兄弟によって、自分がヒーローになるべく事件をでっちあげていたことに気付かれ、変身した姿で直々にアイゼンテック本社ビルに来た彼らを迎え撃つ。
愛染「私は人々が求めてるモノを与えただけだ。人々にはヒーローが必要なんだよ。闇を砕き、光を与えてくれる存在が!」
兄弟に罪を糾弾されても悪びれずに開き直り、あまつさえ説明するふりをして不意打ちをかました。
最初は前回と同様に兄弟を圧倒したが、特訓によって力をつけた2人の猛攻に次第に押されていく。起死回生のダークストビュームダイナマイトもロッソグランドによって無力化され、その隙を突いたブルの新技・ブリンガーフラッシュを食らい爆発四散。
見せかけだけのヒーローとして称賛されるためでなく、悲鳴を上げる人たちのために戦う覚悟を決めた兄弟により、「ウルトラマンの名のもとに」倒された。
イサミ「愛染さん…確かにあんたは天才だ。…けど、これは二度と使わせない!」
その後、オーブリングNEOを湊兄弟に奪われ、愛染は喉から手が出るほど欲し、ようやく手に入れたウルトラマンの力を早くも手放す羽目になったが……。
第10話「湊家の休日」
「『負け犬の歯ぎしり』。ヒーローは、遅れてやってくるんだよ♪」
自ら差し向けたホロボロスに兄弟が敗れた後、オーブリングNEOを奪還すると、大仰なポエム(以下参照)と共に再変身を果たし、ホロボロスに立ち塞がったところで物語は次回へと移行する。
前回の次回予告で姿が映されていたため、復活自体は予想されていた。
ウルトラマン
それは正義を愛し、悪と闘う
この地球を守る唯一無二の存在
絶望の中、人々の祈りの声が聞こえる
求めている
負けても尚立ち上がる 完全無欠のヒーローを
「──その存在こそ私、愛染マコトだ」
散々ウルトラマンの名を汚す愚行を繰り返しておきながら、このようなポエムとか格言っぽい何かを堂々と言ってのけるあたり、全く反省の色を示していないのが火を見るより明らかである。
第11話「アイゼン狂騒曲」
ホロボロスに対して、ウルトラ通信簿に記された数々のルールを律儀に守りながら(一部例外あり)激闘を繰り広げた。
懸命に戦う姿に心を打たれた人々の声援を受けた所で手からエネルギーを送り込んで活動を止めると、ダークオリジウム光線を浴びせて勝利。
そして「戦闘終了後は速やかにその場を立ち去る」「変身解除後は爽やかに手を振りながら帰ってくる」もきっちり守り、周囲からの「どこ行ってたんだ」的な質問に対する弁解までもしてみせるという、尋常でないウルトラマン(の変身者)へのこだわりを見せた。
多少コミカルながら、追いつめられて(しかも「カリバーを失って丸腰になる」というこれまたある種の原作リスペクトも含む)も必死に立ち向かい、人々の声援を受けて逆転するその姿は、自作自演という事実に目をつぶれば確かにウルトラマンっぽくはあるのだが、わざわざ戦いの余波で街が壊れる演出(途中「怪獣をビルに向かって思いっきり投げ飛ばす」というやや見覚えのある演出もあった)まで再現したことは余計に湊兄弟の反発を買う結果となる。
しかし、ルーブ兄弟が敵わなかった相手に勝利してみせた事実は大きく、第9話の出来事の真相など知る由もない人々を扇動し、湊兄弟は彼の欺瞞を訴えるものの誰にも信じてもらえず、「真のウルトラマン」として認めさせ人気を確実なものとした(後日行われた「ロッソとブルかオーブダークのどちらが好きか」という街頭インタビューにて彼らに圧勝した)。
その後「真のウルトラマンの伝説」を広めるために脚本(本家本元のタイトルロゴを丸パクりしたものが表紙に描かれている)まで用意して、ベゼルブを召喚して綾香市に差し向ける。
すぐさまオーブダークへ変身し、またも自作自演の戦い(本人曰く「第3話 ウルトラマン日和」)を始めようとしたところでロッソとブルに妨害され、先にベゼルブを倒されてしまう。
結果、自らの脚本を台無しにされたことにガチ凹みしてその場に崩れ落ち、何度も大地を叩くという本気で悔しがる姿を見せる。これにはロッソも「そんなにか…」と若干引きながらも同情した。
そして案の定逆ギレして2人を「ニセウルトラマン」呼ばわりしながら襲いかかるも「お前が偽者だろ」と言い返され、そのまま死闘が再開される……かと思いきや、ブルがオーブダークにコブラツイストを仕掛け、動けないオーブダークの頭をロッソが弄り倒すという小学生のケンカのような取っ組み合いが始まってしまった。
そんな両者の間に再びホロボロスが現れ、戦いの決着は次回に持ち越されることに。「劣勢になったのでホロボロスを出したのではないか」と疑いの目を向けられるも、本当に身に覚えがなかったので素直に否定した。
第12話「俺たちの守るべきもの」
「皆の期待を受けてこそヒーロー…!よーし、任せておきなさい‼︎」
再び現れたホロボロスに怯える住人を見て、勇ましくも先陣を切ってオーブダークカリバーを叩きつけ、立て続けにエネルギーを送り込んで以前と同じように制御を試みた。
しかしホロボロスは既に制御下になく、圧倒的な力で為す術もなく叩きのめされ、強力な爪の一撃で胴を貫かれ、インナースペースの愛染が悶絶しながら目や口から閃光を放出、オーブダークは紫色の光の血を噴き出しながら内部から崩壊するように爆散した(皮肉にも本家のオーブも胴体を貫かれて倒された事がある)。
オーブリングNEOは湊アサヒの手に渡り、愛染は全身包帯だらけになりながらも生存、因果応報のダメージを負った。
この少し後に、変身者である愛染(チェレーザ)が物語から退場してしまったため、結果的にこれがオーブダークの最後の登場となってしまった。
オーブダークの残した影響
上述するとおり、オーブダークの真相…即ち愛染(というかチェレーザ)の悪行が世間に明かされないまま退場したため、傍から見ればウルトラマン同士がくだらない内輪揉めを起こしたに過ぎず、その結果、ウルトラマンは怪獣のような実害はなくとも半ばトラブルメーカーだとでも言わんばかりに、それまでそれなりに英雄視されて好評だった世間から冷ややかな目で見られるハメになり、街頭インタビューで「ウルトラマンにはうんざり」と辟易しているコメントを投げかけた一般人がいたり、劇場版でもジードが登場した際には「この街、ウルトラマンが多すぎませんか?」と呆れた様子でぼやく一般人がいる(万一に、ルーブの世界にウルトラマンを叩く事に執心するマスコミでもいたら、さらに面倒な事になっていたであろう)。更には、政府関係者へのインタビューでは、ウルトラマンに街に払う損害賠償を払う身にもなってくれと怒りをぶつけている。
結果的にだがチェレーザの行いは、後日談である劇場版に至るまで、自分が憧れたウルトラマンの面目やブランド名に泥を塗ってしまったといっても否定しきれないほどに、世間からのウルトラマンに対する評判を悪化させただけという、マッチポンプとしては大失敗としか言いようのない本末転倒な結果となり、しかもその弊害を直接食らったのは張本人ではなく、ロッソ=カツミとブル=イサミなので、彼らにとっては迷惑極まりない話である。
これまでのウルトラシリーズでも、最後までウルトラマンが作中の世間全体からあまり受け入れてもらった感じが強く出なかった作品はなかっただろう。しかも劇場版にてダメ押しと言わんばかりに、青い仮面のウルトラマンも現れて綾香市を荒らすという事態も………直接描写されてはいなかったが、この後、ルーブの世界における地球でのウルトラマンの評判が、更に悪化している可能性が高く、先程書かれてあるウルトラマンを叩く事に執心するマスコミや政治家。ウルトラマンを危険視し、ヘイトスピーチを行う集団。最悪ウルトラマンを廃絶するための法律や軍隊などが生まれてしまっている可能性が高い。
最初は防衛組織側から人類の敵と認識されていたネオスやネクサス(ザ・ネクスト時含む)、そして復讐のために周囲を顧みていなかったヒカリでさえ、最終的に人類からの信頼を勝ち取っていたため、現在の綾香市はこの世界でのウルトラマンである湊兄妹はおろか、あちこちの並行世界にいる全てのウルトラマンにとって肩身が狭い状況に。
もしチェレーザが地球へ戻ってきたとしたら、彼はこの光景を見て何を思うのだろうか。
ただ一つ救いがあるとすれば、チェレーザの身勝手な企みのために何年もの間肉体を乗っ取られ、何も知らないまま意識を取り戻した愛染マコト本人が、世間からの誹謗中傷等にさらされることはなかったことだろう。
ちなみに、これだけインパクトのある活動を行っていたにもかかわらず、オーブダークは一度もオープニングに登場する事はなかった。
ライブステージでの活躍
ウルトラマンフェスティバル2018
第2部で登場。
せっかく事件が解決したと思ったら唐突に乱入。ウルトラ6兄弟の活躍に感激する一方で湊兄弟に難癖を付け始め、自分の偉大さを知らしめるべく、AZジャイロでバルタン星人を合成し、リベンジオブバルタンを生み出すが、そこへティガが石像から復活。ウルトラ6兄弟、ジードを加えた戦士たちと戦う為、リベンジオブバルタン共々前線に出るが、インテグレートスパーク、フレイムアクアハイブリッドシュート、ワイドショット、ゼペリオン光線、スペシウム光線、M87光線の一斉掃射に敗れた…が、オーブダークの方は生きており、どこかへ去っていった(口ぶりから察するにオーブリングNEOの試運転の為に現れたようだ。)ちなみにティガに対しても「かっこいい」と評し、湊兄弟に言葉遣いを注意している辺り、オーブ以外の先輩ウルトラマンも尊敬している様子。
ウルトラヒーローズEXPO2019
ある理由で復活を遂げ、再び兄弟に挑戦する。改心している様子は見受けられないようである。
ちなみにこのエピソードでは、チェレーザの憧れとなった本物のウルトラマンオーブも登場し、TVでは実現しなかった両者の競演が果たされた(憧れの存在を前にチェレーザも思わず恐縮しヘコヘコしていた)。
ウルトラヒーローズEXPO ウルトラマンゼット
バット星人の手によって蘇った再生怪獣として登場。
セリフは一切なく、ジャグラスジャグラーと特空機2号ウインダムと戦い、レーザーショットで爆散した。
なお、ジャグラーとの対決はこれと初となるものの、特に掛け合いはなかった。
NEW GENERATION THE LIVE ウルトラマンデッカー編 STAGE3『希望の光に導かれ』
デッカー世界でGUTS-SELECTから逃亡しカナタに捕まるも、スフィアトリガーの事件にどさくさに紛れて逃亡していたセミ人間の科学力で蘇える。
声優もオリジナルキャストである深水氏が演じている。
湊兄弟に関する記憶を保持しており、かつてウルトラ戦士に敗れたバロッサ星人やマグマ星人達を引き連れてルーザーズを結成。
湊兄弟やトリガー、デッカーを誘き出すためにグリージョとカルミラを誘拐、闇を溜め込んだダークゲートからジードダークネス、エックスダークネス、ダークメフィスト、ダークファウスト、宇宙恐魔人ゼットといった闇の巨人達を呼び出して四大ウルトラマンの殲滅を目論んだ。
自らも湊兄弟にリベンジを挑むが、グリージョが合流してグルーブに合体変身。
二体のダークネス諸共にグルービング光線を受け、トリガーらの活躍もあって闇の巨人軍団は全滅。
最後の悪あがきとしてダークゲートに集まった闇の力を纏ってナイトファングに変貌。
高い戦闘力でデッカー達を圧倒し、ダークゲートに放り込まれたHANE2を救うために飛び込んだデッカーを変身解除まで追い込むが、観客から受け取った光でパワーアップしたグリッターとダイナミックに敵わず、「何故だ!なぜお前たちばかりが新しい力を手にする!」と叫ぶも「過去にとらわれ未来を見ようとしないお前に新しい力は与えられない!」と正論で返されケンゴ達の未来へ進んでいく覚悟がこもったグリッターゼペリオン光線とダイミュード光線に敗れた。
NEW GENERATION THE LIVE ウルトラマンデッカー編 STAGE5『彼方への光』
モネラ星人により意志を持たない再生怪獣枠としてウルトラマンディナスとウルトラマンダイナと交戦するが、宇宙の英雄であるダイナも知らない正体不明のウルトラマンの乱入を受け必殺技を使われずに格闘技で倒された。
ゲームでは
『なりキッズパーク ウルトラマンR/B』
ボスとして登場。攻撃は岩の投擲というウルトラマンらしからぬもの。
劇中ではなぞのウルトラマン扱いされているが、正体はバレバレである。
『ウルトラ怪獣バトルブリーダーズ』
2020年2月19日以降に実装された星3レアリティの技属性ユニット。でも弱点は何故か風。
必殺技は『ダークオリジウム光線』であり、固有スキルとして3ターン目の自分フェイズ開始時まで防御力と回避率が、3ターン目開始時に必殺技威力がウルトラアップする(加えてSPが最大までアップし、相手の反撃スキル発動を封印する)『ヒーローの美学』を持つ。言わずもがな、ウルトラマンの活動時間に則ったネタである。
列伝シリーズにて
恒例たる列伝シリーズでも、特集などで登場した事はある。
しかも2024年放送の『ウルトラマンニュージェネレーションスターズ(2024)』の第16話『ニセモノのオーケストラ』という、ニセモノのウルトラマン及びそれにまつわるエピソードの特集でも、本キャラクターは登場している。しかも本番組の主役の一人のオオタ・ユカからも、名前のオーブダーク以降は黒黒黒という点を愚痴のごとく指摘されてしまっている。お前もかユカ。
とはいえ、ニセモノの特集回で取り上げられたので、つまりはついには公式からもニセモノ認定された、という事にもなると思われる。
更には「ヘビクラ隊長が見たらなんて言うんだろう」、ネーミング方式から「何かイグニスが変身するトリガーダークに似ている」と同類として扱う等ファンの代弁をするかのようなコメントまでユカはしている。
このエピソードにはスペシウムゼペリオンに酷似したニセウルトラマンオーブも登場していた。
余談
オーブダークの存在については情報解禁当初、何らかの要因で本物のウルトラマンオーブが闇落ちしてしまった姿なのではないかという疑惑もあった。結局、正体は別物だったのだが。
デザインはウルトラマンオーブ・オリジン・ザ・ファーストの色違いであり、スーツもオリジン・ザ・ファーストの改造(リペイント)と考えられていたが、そのオリジン・ザ・ファーストは、その後に開かれた『ウルトラヒーローズEXPO ニュージェネレーションワールド2023』のウルトラショットでサプライズ登場を果たしているため、新造されたか、もしくは予備のスーツを改造したのだと思われる。
作中で本物のオーブが登場する事は最後までなかったが、その後『ウルトラギャラクシーファイトニュージェネレーションヒーローズ』にてようやくロッソ・ブルと対面を果たすことになった。
湊兄弟にとっては、オーブダークのイメージがあまりに強すぎたためか、オーブと対面した際には愛染のトレードマークであった手でハートマークを作るポーズを取りながら確認するという一幕があった(オーブ本人は特に気にしていなかったが)。
尚、オーブダークのスーツは同作に登場するオーブダークネスへと改造された可能性が高い。
後に明かされた惑星O-50の実態により、チェレーザが多数の被害者を出してまでその力を得たのは『尊い犠牲があるのは当然』と割りきっていたからかも知れない。
だが、その結果が『ヒーローごっこ』というのはよりタチが悪いと言える。
また、初登場回を担当した辻本貴則監督はインタビューで「自分オーブを見てないのに、よく自分にこの回を振ったなあ円谷さん」と困惑したが、振られた以上は自分も愛染並の思いでオーブをリスペクトした演出を心がけたと語っている。
関連タグ
ジャグラスジャグラー:かつてオーブの光を手にしようとしたが拒まれたせいで闇に堕ちた男。『フュージョンファイト』ではオーブダークと組ませるとキズナボーナス「ウルトラマンになりたい!」が発生する。ファンの間でも、彼らの対面を期待する声が多い。