「勇気ある戦い」
「あけてくれ!」
データ
別名 | 超大魔王獣 |
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身長 | 77m |
体重 | 8万8千トン |
出現地 | 東京タワー |
概要
『ウルトラマンオーブ』第24話「逆襲の超大魔王獣」、第25話「さすらいの太陽」に登場する最強の魔王獣で、本作のラスボス。
第12話でウルトラマンオーブに倒されたマガオロチは実は幼体に過ぎず、地底に命を託しており(本編第12話冒頭で活動を停止していたのはそのため)、地球そのものを蛹にして完全体になる。それがマガタノオロチである。
なお、劇中の描写を見る限りこのことは魔王獣の情報に精通していたジャグラーですら当初は知らなかったと思われ、魔王獣をすべて倒したと思っていたガイはもちろん、ジャグラーにとっても(嬉しい)誤算と言える存在である。
しかしながら一部の宇宙人はこのことをある程度予期していたようで、第5話にてゼットン星人マドックは地球について「この腐りかけた星に侵略する価値があると思っているのか?」とガイやSSPの面々を前に言い放っている。
また、第22話で地球で密かに暮らしていたり侵略の為に潜伏していた宇宙人たちが我先にと他の惑星へと逃げだしていた元凶でもある。さらに、第23話においては、ジャグラーが完全体となる前のこれの闇の力を利用して巨大化、彼自身の力も相まってオーブを圧倒する強さを見せている。
8つの地脈が交わる東京の聖地、すなわち東京タワーに出現した。
『太平風土記』には「天の雷に似たる矢、悪しき気を持ちて、オロチ蘇らせたり」と記述されている。その挿絵には東京タワー同様の塔が描かれており、最終話にて将来マガオロチが復活することを予見して書かれたものであることが推測されている。
王道スタイルの怪獣の姿をしていたマガオロチと比べると、無数の触手に覆われ、蛇のように伸びたマガオロチの首が複数巻きついた丸っこい身体に巨大な口が覗くワニのような顔が付いているという、かなりグロテスクな姿をしている。
早い話が、マガオロチの胸部にあった顔のような部分がそのまま頭となって飛び出し、それに合わせて体が肥大化したイメージ。
魔王獣に共通するマガクリスタルは額の位置(マガオロチ時代の頭がある所)から突き出ている。
能力
- 東京タワー上空で異常な嵐が観測される
- 周辺のビルが沈下する
- 地下の用水路の水から強烈な臭気
- 12月にもかかわらず真夏並みの気温を記録
- 怪獣が3体も同時に出現
- 怪獣や宇宙人、一部の人間が滅亡の兆しを感じ取り次々に逃亡
といった具合に、出現前はこれまでに地球に現れたすべての魔王獣と同じ怪奇現象が起きている。
攻撃手段として、マガ迅雷の強化版であるマガタノ迅雷を放つことができる。同時に広範囲を攻撃可能なマガ迅雷に対し、一方向への攻撃により特化しているようである。これとは別にマガ迅雷も使用可能なようで、劇中では広範囲の破壊にマガ迅雷、オーブとの戦闘にマガタノ迅雷、という具合に使い分けを行っていた(ただし、両者を同時に使用している場面もあり、このことから両者を同一とする見方もある)。また他にも、マガ触手、マガ光弾、マガ嵐、マガ穿孔、マガ臭気、マガ火球といった具合に、すべての魔王獣の攻撃技も行使できるうえ、さらにその威力も他の魔王獣と比べ格段に上がっている描写がある。
この他、小さな頭部のついたマガオロチの尻尾のような器官で相手の身体に噛み付いてマガタノ迅雷を直接浴びせるなどの攻撃を行う。親と同じく知能も高いようで、オーブとの戦闘では、
- 飛び蹴りに対して、マガ穿孔で勢いを相殺したうえで足先にでなく上半身にマガタノ迅雷を浴びせて撃ち落とす
- やや不利と判断するや間をとって状況を打開
- マガ火球で距離を十分に取ったうえで一瞬の隙を逃さずマガ穿孔を発射
というように、単なる攻撃本能では説明がつかない芸当をいくつもやってのけている。
また「星の全てを食い尽くす」というジャグラーの言葉通り、劇中ではビル、竜巻に乗って飛んできた瓦礫を食らい、果てはオーブスプリームカリバーまでもをその巨大な口で吸収した。
オーブやジャグラーどころか反射された自らの攻撃すらもことごとく弾き返してしまう程に強固な外皮で覆われているが、地中深くで成長していた時に御神木が生えていた場所の地下に存在していた部分のみがエネルギーを十分吸収できずに不完全なままとなっており、そこが唯一の弱点となっている。
活躍
- 第24話
出現の前兆として、デマーガ・ゴメス・テレスドンがエネルギーを吸収され地上に出現すると同時に死亡、ほぼ同時期に地球を去るUFOが日本各地で目撃され、第8話で登場したラゴン親子とグビラが共に日本近海から逃亡。さらには前述の通り12月なのにも関わらず真夏並みの気温を観測するなどの異常事態が相次いで発生していた。
ビートル隊日本支部に囚われたジャグラーの言葉通り、地球そのものをサナギに成長し、それに伴い前述の異常現象が東京タワーを中心に続々と発生しだしたため、成長し切る前に倒すことを決めたビートル隊により、切り札といえるスパイナーR1ミサイルを用いた攻撃が行われるものの、逆にその熱エネルギーを吸収。ついに完全体となって東京タワー上空に発生した黒雲を介して出現した。
一見するとミサイル攻撃がなければ出現は阻止できたように取れなくもないが、出現前の時点ですでに地球の中心核より高温になるほどの膨大なエネルギーを吸収しており、このまま放置していた場合、「地球そのものをサナギとし完全体となる」「星のすべてを喰らい尽くす」という言葉通り、いずれ地球そのものを喰らいすべてのエネルギーを吸収して出現、地球を文字通り死の星に変えていた可能性が極めて高く、さらなる惨劇を招いたであろうことは想像に難くない。どちらにせよ、太古の昔に親であるマガオロチが地球を訪れた時点で、この怪獣の出現はすでに不可避であったものと思われる。
なお、ジャグラーはすべて予見したうえでビートル隊に攻撃を促しており、ガイに問い詰められた際「滅びゆく人間どもに真実を教えただけ」と語っている。
出現すると様々な攻撃を四方八方に放って都市部を破壊し、あらゆるものを捕食。オーブ・サンダーブレスターとの戦闘でも然したるダメージを受けた様子は無く、オーブオリジンが放ったオーブスプリームカリバーを吸収し、至近距離からマガタノ迅雷を食らわせ続け、カラータイマーにマガ穿孔を命中させて変身解除に追い込み、一度はオーブを敗退させた(なおこの時、オーブすら食べようとする仕草を見せている)。
- 第25話
オーブを敗退させた後、ビートル隊の総攻撃をものともせずに逆にこれを蹂躙、東京都心に壊滅的な被害を与えていく。
再び立ち上がったオーブや、彼の援護のために変身・巨大化したジャグラー魔人態の2人を相手に尚も互角以上に戦い、これを圧倒するが、日本太平風土記を解析した松戸シンにより、御神木の生えていた場所の直下に位置していた部分(喉)のあたりが弱点であることを突き止められてしまう。
それを聞いた一徹の報告を受けたビートル隊の菅沼長官の命令により、ゼットビートルによる一斉攻撃が行われて弱点部分が露出してしまい、そこへオーブオリジンとジャグラーのパンチを受けて大ダメージを受ける。
それでも、ジャグラーを触手で絡めとって応戦するも、逆にジャグラーに抑え込まれて動きを封じられてしまい、最後は全てのウルトラフュージョンカードから実体化したウルトラマンの力を借りたオーブスプリームカリバー オリジウムギャラクシスを弱点部位に浴びせられたことで大爆発を起こし、遂に倒された。爆発の直前、体から八岐大蛇そのものの様なオーラを発していた(『闇のオーラが八つに分裂する』という描写自体は、第23話でのジャグラー巨大化の際にも見られたが、こちらは数十メートルサイズかつ顔まで確認できるほど強烈であった)。
ママ
この個体の親であるマガオロチが登場した第11話のサブタイトル「大変!ママが来た」とは、放送当初はナオミの母親である夢野圭子の来襲の事だと思われていたが、実はマガタノオロチの母親であるマガオロチの登場という意味も含めたダブルミーニングであったことが窺える。
また第12話で圭子が森の土に花の種を植えた際に言った「大地は命を待っている」もこれを予見するものであったと考えられる。
ウルトラヒーローズEXPO2017バトルステージ
テレビ本編と同じ個体が復活。ただし、テレビ本編のように目立った弱点などは設定されていない。
新たに噛んだ相手を隷属化させ、倒しても蘇るリビングデッドとして操る厄介な能力を会得し、一度はオーブを食らい、ジャグラーやカミーラを隷属化させた。
観客たちとガイが『フュージョンアップ』した事で、なんと5人のオーブが実体化。隷属化させた怪獣軍団を全て蹴散らされる。更に駆けつけたギンガとエックスがオーブに力を与えた事でライトニングアタッカーが誕生、正気に戻ったジャグラーとのタッグに徐々に追い詰められ、合体光線を浴びてようやく爆散した。
ウルトラギャラクシーファイト大いなる陰謀
直接は登場していないが、第1章Episode 2におけるパワードの台詞の中で、「孵化したマガオロチがマックスの中で育ったゴーデス細胞を吸収したら、マガタノオロチにまで一気に成長する」(ので阻止しなくてはならない)と)言う形で触れられている。
なお、本作は『オーブ』本編以前の時系列と推測される。どうやら惑星O-50では知られていなかっただけで、光の国ではマガタノオロチの存在は既知の情報だったようだ(魔王獣戦役にM78ワールドのウルトラ戦士も参戦していたことを考えれば詳細を知っていても不自然ではないだろう)。
ただスーツが既に改造されていた都合なのか、実際にゴーデス細胞を取り込んだマガオロチは角からマガ穿孔らしきものを放つなどスペックこそマガタノオロチ相応に上がったものの劇中で姿を変えることはなかった。
成長しなくともパワードは「最悪」と評していたため、実力はマガタノオロチと遜色ないものと思われる。
バトルスピリッツでは
コラボブースター第四弾『ウルトラヒーロー大集結』にて分身に当たる魔王獣を引っさげて登場(闇の魔王獣?知らない子ですね。)。
赤属性のスピリットで元ネタのヤマタノオロチを踏襲し古竜、宇宙怪獣であるという点から星竜の二つの系統を併せ持つ。
コストは9と大型のスピリットであるが、Lv.2からの効果でアタックステップ時にトラッシュにある魔王獣の名を持つカードのアタック時効果を得るという劇中の能力を再現した凶悪な効果を持つ。
尚、この他にマガタノオロチの必殺技であるマガタノ迅雷、『オーブ』第24話の登場シーンを再現したタワーに集まる邪悪がカード化している。
また、コラボブースター第三弾『怪獣王ノ咆哮』にて元ネタを同じくする魔王八岐大蛇も参戦しているために同じデッキに入れて共闘させたり、対戦させる事も可能である。
余談
ソフビは本編に先駆けて11月5日に発売されている。
デザインを担当した品田冬樹氏によると、食う事、噛みつく事に特化したデザインだという。
八岐大蛇をモチーフにしているため、8本の首が伸びたデザインも検討されたが、ありがちなデザインであり着ぐるみでの表現も限界があることから、全身に8つの顔がある形状となった。
また最終稿のデザインは着ぐるみのデザインとは異なりより怪獣らしい姿になっていた。しかし特徴的な胸の口を動かすには手を入れて動かす必要があり、最終稿の姿だと口を動かせなくなるため現在の両腕が無い姿に変更したとのこと。
最終回で使用されたロケ地は『ウルトラマン』第32話、『帰ってきたウルトラマン』第14話、最終回、『ウルトラマンA』第18話、『ウルトラマンタロウ』最終回、『ウルトラマンレオ』第4話、『ウルトラマンコスモスVSウルトラマンジャスティスTHE FINAL BATTLE』、『ウルトラマンマックス』のDASHの基地などで多く使用されたお台場晴海埠頭である。
出身地は前述の通り東京タワーである。かの怪獣王をはじめ、幾度も怪獣に壊され巣にされた東京タワーだが、怪獣の「出身地」となるのは珍しい。しかも今回は最後まで壊れなかった。
スーツは後にゲネガーグへと改造された模様。
これにより元はラスボスだった怪獣が最初の敵に生まれ変わるという非常に数奇な運命を辿ることになった。
メイキングにおける田口監督曰く『もののけ姫』のタタリ神をイメージしているとのこと。
関連項目
ウルトラマンオーブ ウルトラ怪獣 魔王獣 ラスボス(ウルトラシリーズ)
イズマエル:過去に出現した同族の能力をすべて行使できる最強の怪獣繋がり。
ボガール:ウルトラ戦士すらも食べようとした悪食怪獣繋がり。
ウーラー:3年後の作品に登場した同じく悪食系のラスボス。グロテスクな見た目が若干似ているという声も。
ギバルーガ:寄生という形だがこちらも地球を内側から食らっており、それから地上へ姿を現した。さまざまな怪奇現象を起こす力も持つ。
魔王ヤマタノオロチ:恐らく元ネタ。
クラヤミノオロチ:同じくヤマタノオロチモチーフの怪獣。
タタリ神:触手のようなものに覆われた姿が似ている繋がり。上記で書いた通り田口監督によれば実際に意識していたとのこと。
グリーザ→マガタノオロチ→ウルトラマンベリアルアトロシアス