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概要編集

ウルトラマンオーブ』に登場する世界を滅ぼすと言われる怪獣たちの総称で、物語を通しての敵勢力


遥か昔に突如地球に現れ、世界を滅ぼそうと破壊の限りを尽くしていたが、事態を察知して結集した光の巨人ウルトラマンたちとの壮絶な戦いの末にすべての魔王獣が封印されたとされる(これを「魔王獣戦役」という)。

しかし、現代になってジャグラスジャグラーの手によって復活を遂げて再び破壊活動を開始し、オーブクレナイ・ガイが地球を訪れるきっかけとなった。


「世界を滅ぼす」という設定通り、通常の怪獣たちより格上の存在であり、破壊活動の規模も街で暴れるだけでなく、地球規模で異常気象を誘発させたり、広範囲の建造物を一気に崩落させて大地に大穴を開けたりと途轍もないスケールを誇っており、生物というよりかはむしろ「人類の理解と知識の範疇を超えた“自然災害”そのもの」に近い描写がなされている(作中ではリアリティを与え過ぎないようにという配慮なのか特に言及されていないが、被害の状況を見る限りでは、間違いなく一度の破壊活動で夥しい数の犠牲者を出しているものと思われる)。

そのため、地球の一生物として多少なりとも人類との共存の可能性を模索できた前作『X』に登場する怪獣たちとは異なり、人類とは共存不可能な邪悪な存在としての側面が強調されている。


こうした設定は商品展開にも表れており、ソフビはいずれもウルトラ怪獣オーブシリーズよりも大柄な、ウルトラ怪獣DXからの発売になっている(ウルトラ怪獣DXは中ボスやラスボスといった極めて強力な怪獣がラインナップされることが多い)。


なお、第4話で6体全てが倒されたが、ジャグラーやガイの発言によると、魔王獣たちを束ねる更に強大な敵:大魔王獣マガオロチが存在する。6体の魔王獣の封印が解かれることにより出現するのがマガオロチであり、6体すべてが撃破された今それはもう叶わない事がガイのセリフから読み取れるが、“黒き王”=ウルトラマンベリアルと魔王獣カードの力を使うことで復活させることができるらしく、ジャグラーと惑星侵略連合が激しいカードの争奪戦を繰り広げることとなった。

また、後にマガオロチはまだ幼体に過ぎなかったことが判明、真の姿である超大魔王獣マガタノオロチとしての姿を現し、地球を危機に陥れることになる。


特徴編集

外見上の共通点として、頭頂部に赤い結晶体のような部位:マガクリスタルが存在している(ゼッパンドンを除く)。この部位は魔王獣が能力を行使する際に発光するほか、絶命すると同時にマガクリスタルが明滅する描写があることから、魔王獣の生命活動と深い関わりのある部位であると思われる。また、封印に使われているウルトラ戦士の力もここに宿っており、魔王獣との闘いに勝利することで、オーブはこのマガクリスタルの破片から魔王獣の封印に使われている歴代ウルトラ戦士の力をウルトラフュージョンカードという形で入手しており、同様にジャグラーも倒された魔王獣の力をダークリングを通して怪獣カードとして入手している。


このため、オーブ、ジャグラーのいずれにおいても魔王獣は戦力強化のためにも避けては通れない存在という一面も持っていると言える。


エピソード10構想で語られた所によれば、オーブリングは魔王獣に対抗できる唯一のアイテムとされており、実際劇中で魔王獣のほとんどは歴代ウルトラ戦士の力を使って倒されている。


魔王獣の外見は様々で、大きく分けてマガバッサーやマガジャッパのような完全新規の怪獣と、マガゼットンやマガグランドキングのような既存の怪獣の亜種の2種類に大別される(後者は今のところ過去作でラスボス怪獣たちで占められているという共通点があるが、過去に出現したオリジナルの怪獣とどういった関係にある存在なのかは不明)。


なお、完全新規の怪獣に元となる怪獣が存在するのかは長い間不明だったが、田口監督によると一応存在はしているとのことで、後にグエバッサー/ライバッサー/ヒナバッサーマジャッパが登場している。

ウルトラマントリガーにはメツオロチが登場したが、こちらがマガオロチの元になった怪獣かどうかは不明。


正体編集

『ウルトラマンオーブ超全集』によると、その正体は、地球に寄生した大魔王獣マガオロチのエネルギーが地球のエレメントと結びつき誕生した、謂わば「大魔王獣の子供達」であり、同時に「歪められた地球の分身」。


その性質上、地球の環境に与える影響が大きく、魔王獣戦役でウルトラマン達が殺害ではなく封印と言う形に留めたのも、魔王獣が失われる事で当時の不安定な地球環境に大きな影響を及ぼしてしまうのを避けるためであったとされている。


事実、元となった怪獣の出自は全てが宇宙であり、文字通り地球生まれの宇宙怪獣ということになる。



一覧編集

存在するのは全部で9体。それぞれ四大元素に光と闇を加えた6種の属性が割り振られているが、マガオロチとマガタノオロチは「」という少々特殊なカテゴリーに分類されている(これは、完全体であるマガタノオロチがすべての魔王獣の能力を行使できるためと考えられる)。


魔王獣の名前は、ゼッパンドンを除いて必ず最初に「マガ」という接頭語が付き、別名もマガオロチ,マガタノオロチ,ゼッパンドンを除いて「○(属性名)ノ魔王獣」というものになっているという法則性がある。


※話数は初登場したエピソードのみを記載。


話数別名名称元になった怪獣対応カード
1光ノ魔王獣 マガゼットンノ魔王獣マガゼットンゼットンウルトラマン
1風ノ魔王獣 マガバッサーノ魔王獣マガバッサーグエバッサーウルトラマンメビウス
2土ノ魔王獣  マガグランドキングノ魔王獣マガグランドキンググランドキングウルトラマンタロウ
3水ノ魔王獣 マガジャッパノ魔王獣マガジャッパマジャッパウルトラマンジャック
4火ノ魔王獣 マガパンドンノ魔王獣マガパンドンパンドンウルトラマンゼロ
4无题ノ魔王獣マガタノゾーア ガタノゾーアウルトラマンティガ
11大魔王獣 マガオロチ大魔王獣マガオロチメツオロチ?ゾフィー
16合体魔王獣 ゼッパンドン合体魔王獣ゼッパンドンゼットン、パンドン、マガオロチ(なし)
24超大魔王獣 マガタノオロチ超大魔王獣マガタノオロチマガオロチ(なし)
UGFTAC作品募集中邪悪大魔王獣ゴーデスマガオロチマガオロチ、ゴーデス(なし)

現時点での映像作品ではカードとしてのみ登場、ゲームや超全集の記事内で活躍。




引き起こした災い編集

マガタノゾーア :土地を痩せさせて人の心を蝕み、文明滅亡の兆しを見せた。

マガゼットン:太陽光線に異常を発生させ、各地に眠っていた怪獣を呼び覚ました。

マガバッサー:世界各地に巨大な台風や竜巻を発生させ、地上のものを宙へと巻き上げた。

マガグランドキング:地盤沈下を引き起こし、建造物を次々と地中へ沈めて倒壊させた。

マガジャッパ:水源に入り込み、強烈な悪臭を撒き散らすことで水を使いものにならなくした。

マガパンドン:全身を巨大な火球と化し、周囲の気温を急上昇させたり無数の火球を降らせた。

マガタノオロチ:上記の災いを同時に引き起こしたほか、地球のエネルギーを吸い取った。


余談編集

最初から中ボスクラスの怪獣を出すという想定で設定づけられている。また、子どもたちへのわかりやすさを意図して属性が明確化されている。


新規怪獣のデザインは、監督の田口清隆氏が関わっていたドラマ版『MM9』で怪獣デザインを務めた楠健吾氏が手掛けている。


過去の魔王獣出現について記された古書「太平風土記」は、前作『ウルトラマンX』第1話でもデマーガ出現について記録している書物として登場しているが、同一の物かは不明。なお、太平風土記の絵は越知靖氏が手掛けている。


当初、水の魔王獣は、タッコングの予定だったが、着ぐるみが倉庫の中に現存していなかった。また、タッコングの着ぐるみは元々大きいため保管に向いておらず、加えて放送当時のソフビ人形の売上もあまりよくなかった過去もあって商品化の予定もないため、マガジャッパに変更された。


怪獣の中でも極めて危険な部類に入る存在であり、かつて光の国の歴戦の戦士も鎮圧に動員されるという経緯があったにもかかわらず、後年登場したウルトラマンゼットは魔王獣のことを一切知らずとある人物が変身したゼッパンドンを目にしても実際に戦闘するまではその脅威の度合いを認識できていなかった節がある(もっとも、彼は光の国でもあまり真面目に勉強をしてこなかったようなので、授業で教わったことを単に覚えていなかっただけという可能性もあるが)。


魔王獣を封印した歴代ウルトラマンは超全集での記載から、光の国出身のウルトラマンはM78ワールドから来訪した存在だと目されるが、マガタノゾーアを封印したウルトラマンティガは一体どこから来た存在なのかは不明である。『劇場版ウルトラマンXきたぞ!われらのウルトラマン』のようにオーブ世界にティガが存在していたのか、ダイゴの変身するネオフロンティアスペースのティガが何らかの形で呼ばれたのかなど仮説はいくらでも考えられるが、どれも推測の域を出ない。


ウルトラギャラクシーファイト大いなる陰謀」ではウルトラマンマックスがマガオロチがゾフィーの手で地球に封印されていた事を知っていた為、M78星雲から来訪したウルトラマン達はM78ワールド出身である事がほぼ確定的となった。同時に、当作品の描写から、少なくとも魔王獣戦役は『THE ORIGIN SAGA』より前に起こった出来事である事が推察される。


ウルトラ怪獣擬人化計画編集

マガバッサーさんセンシティブな作品

『オーブ』を代表する怪獣であるためか、円谷公認のプロジェクト「ウルトラ怪獣擬人化計画」でマガバッサーマガジャッパがラインナップ入りを果たしている。世界を滅ぼすとされる魔王獣たちが可愛らしい少女に擬人化された姿は、色々な意味で必見である。


なお、平成ウルトラマンのいわゆる“第2期シリーズ”(『コスモス』以降の作品)の怪獣のラインナップ入りは、(昭和からの再登場組を除けば)魔王獣が初の快挙であった。


デザインは、『デュエル・マスターズ』や『パズル&ドラゴンズ』のキャラクターデザインでお馴染みのNINNIN氏が手掛けている。NINNIN氏の擬人化計画への参加は今回が初であり、著名デザイナーのまさかの参加は大きな話題となった。

ちなみに、魔王獣のデザインを手がけた楠健吾氏は、NINNIN氏がtwitter上で告知をした当初は特に反応を示しておらず、自分のキャラクターが擬人化されていたことをまったく知らなかった模様。


怪獣娘〜ウルトラ怪獣擬人化計画〜編集

誰もまだ知らないふたりのポテンシャル

なんとマガバッサーとマガジャッパの2体が新キャラクターとして登場(恐らく、同時期にテレビ東京で放送されている『ウルトラマンオーブ THE CHRONICLE』との連動および宣伝の一環と思われる)。


本作では、純粋に怪獣の特性を受け継いだ人間少女怪獣娘)という設定になっており、さらに2人とも組織の新人見習いであるなど、怪獣の中でも格上の存在として扱われていた原典とは奇しくも正反対の立ち位置になっている。また、2話でのやり取りから、2人の間にはこれまで特に接点はなかった模様。


声優は、風巻ヨウ/マガバッサー役を寺田晴名竜波ユカ/マガジャッパ役を近藤玲奈がそれぞれ担当する(このうち、寺田は後年『ウルトラマンR/B』に声優としてゲスト出演した)。


また、アニメ放送終了後には、魔王獣コンビによるキャラソンも発売された


モン娘☆は~れむ編集

上記のアニメとの連動企画として、期間限定のコラボキャラとしてマガバッサーとマガジャッパがガッツ星人ミコノイズラーキングジョーガッツ星人マコの4体(+復刻ガチャで再実装された過去の『怪獣娘』のキャラ)と共に登場。

声優はアニメと同様、寺田と近藤が担当している。


このゲームはキャラクターに火・水・風・土の属性が割り当てられており、それらの属性が4すくみの関係になっているという『オーブ』や『フュージョンファイト!』と似た要素がある(ただし、『フュージョンファイト!』では属性の相性が赤<青<黄<緑<赤となっていたのに対し、『モンはれ』では赤<青<緑<黄<赤と微妙に異なっている。両方プレイしているという方は間違わないよう注意)。

当然ながらバッサーは風属性、ジャッパは水属性のキャラクターとして実装されている。


ちなみに、この作品は主人公が魔王となって、モンスター娘たちを集めていくというゲームなので、肩書が魔王獣の彼女たちは、ある意味最適解のコラボキャラ…と言えるのかもしれない(実際に、バッサーの台詞には「魔王っていい響き! (中略) ちなみに、わたしも魔王獣って怪獣なんですよ!」という台詞がある)。


関連項目編集

ウルトラマンオーブ ウルトラ怪獣

超獣 円盤生物 超古代怪獣 スフィア合成獣 根源的破滅招来体 カオス怪獣 スペースビースト:過去作品における似たようなポジションの怪獣。


デスガリアン:作中で明言されてないがその破壊活動で甚大な被害や多数の死傷者を出しているであろう同時期の特撮作品の敵繋がり。


楽しいマガ一家:魔王獣を題材とした二次創作作品。

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