概要
怪獣擬人化のジャンルにおいて高い評価を得ている、絵師の金栗氏による二次創作漫画。
『ウルトラマンオーブ』に登場した怪獣:魔王獣を擬人化(正確には擬女化)したキャラクターたちの日常(?)を描いたドタバタコメディ。
『オーブ』を視聴した者なら思わずニヤリとしてしまうような小ネタが多数仕込まれているほか、金栗氏特有の少々毒の利いたユーモアセンスも遺憾なく発揮されている。
登場人物
魔王獣(マガ一家)
大魔王獣。
一家の大黒柱にして本作の実質的な主人公。別名「ママオロチ」。
若気の至りでヤンチャしまくった結果、六児(ゼッパンドンやマガタノオロチも含めれば八児)の母となったが、女手一つで娘たちを育て上げている、逞しい母親。
粗暴な性格で口も悪く、怒ると死ぬほど怖いが(ただし、先輩であるキングオブモンスには頭が上がらないらしい)、何だかんだで面倒見は良く、娘たちに対してしっかり愛情を注いでいる良き母親である。また、自身の過去の失敗を踏まえてか、男性との交際については割と真剣に考えるよう娘に釘を刺すシーンもある(男性に対して「世の中遊び半分で子供つくってすぐトンズラこくろくでなしばっか」と辛辣な評価を下したことも)。ただ、本人は今でも結婚願望自体は持っているようだ。
赤黒い巨人のことが強いトラウマになっており、そのことを思い出すと情緒不安定になってしまう。
また子育てには慣れているもののじゃれついてきたセブンガーちゃんとレッグキャリアーちゃんに対する発言から他人の家の子供への手加減は全くないようだ。
※この漫画集の2枚目の漫画を参考
光ノ魔王獣にして一家の長女。母曰く、モンスター銀河で拾ってきた子らしい。
既に自立して北欧に移り住んでおり、あまり日本には戻ってこない様子であるが、最近になって「たまには家族の顔が見たい」と久々に帰省してきた(その際、どこで手に入れたのかオーブカリバーを母親への土産として持ってきた、後々登場した本物がオーブカリバーを所持していたためレプリカの可能性もある)。
表向きは誠実で気立ての優しい少女で、母親ですらも「自分の子どもとは思えない」と評するほどのよくできた娘だが、その一方で不特定多数の男性と関係を持つ(作中で本人が明言している限りでも10名が確認でき、その内バット星人に至っては兄弟丼までかましている上、他にも写真が見受けられることからそれ以外の男性も存在する可能性が高い)、涎を垂らし、頬を真っ赤に染め汗を浮かべて息を荒げて激しく興奮しながら、恍惚とした表情で)「お母さんさえ認めてくれれば…」「孫の顔をたっくさん見せられると思うよ…?」と(恐らくほぼ間違いなく全員と)子作りを望んでいる旨を明言するなど母親譲りのヤンチャっぷりも見せており、母親を絶句させていた。
デザインは円谷プロ公認の企画『ウルトラ怪獣擬人化計画』の“ゼットンさん”(ニトロプラスの大熊猫介氏のデザインした電撃版)をベースにしている。
以前はまんまゼットンさんの色違いといった出で立ちだった(上の画像)が、正式登場に当たってデザインが描き直されており、寒冷地である北欧で暮らしていることもあってか、足にショートブーツを履いていたり、マフラーを巻いていたり(室内でも外さない)、両手にミトンをはめていたりと暖かそうな服装へとアレンジされている。髪型もオリジナルとはやや異なり、もみあげのような部分があるほか、母親の様にリボンで先端部を縛って結わえている。
作中でも数少ない常識人で、自立した長女に代わって曲者揃いの妹たちをまとめ上げて何とか母親を助けようと奮闘しているが、物理的に暑苦しいのが玉に瑕。また、良かれと思ってやったことが大惨事を引き起こしてしまう原因になってしまうなど、トラブル体質の持ち主。
ジャッパの悪臭に耐性を持っている数少ない人物で、普通に接する分には特に問題ないらしい。寝室でジャッパを寝かしつけてあげるというシーンもあった。
風ノ魔王獣にして一家の三女。
良く言えば明るい、悪く言えば騒がしい人物で、一家のムードメーカー的存在。
巨乳の持ち主で、時折無自覚に強調しては母親からの理不尽な怒りを買っている。
両腕の翼を振るうことで強力な風を起こし、竜巻(マガ嵐)を発生させる能力を持つが、母親が洗濯物を干そうとしている時にうっかり竜巻を起こしてしまい、こっぴどく叱られたこともある。
鳥の怪獣であるため、鳥インフルエンザに罹ってしまったことがある。
引きこもりがちな暗い子で、無理に外へ連れ出そうとすると大暴れする。意外に力は強く、貧乏揺すりをするだけで地震が起きるほど。
体重を気にしがちなお年頃。二度ほど体重を計測しようとした(一度は母親に無理やり薦められた)が、体重計を壊して体が地面にめり込んでしまい、そのことにショックを受けてグレてしまった。
一応臭いことは自覚しているようだが、そんなことはお構いなしにやたらと抱きついてくる。しかも、最近ではすっかり開き直ってしまい、周囲を戦慄させている。
まだ幼いこともあってかかなりのお母さんっ子であり、姉妹の中では一番母親を慕っている。
一番風呂が好きらしいが、風呂の水が臭くなって後が困るという理由で母親から最後に入るよう命じられて悲惨な思いをすることになった。
また、ダムで水浴びしている所をナイトレイダーに襲撃された事がある。
海水浴へ行ったきり帰ってこず、長い間留守にしていたが、遂に帰宅し姉妹の中で最後に本編登場と相成った。
デザインは『ウルトラ怪獣擬人化計画』の「ガタノゾーア」(デザイン:娘太丸)をベースとしているが、肌が日焼けし、より“海の子”のイメージが強くなった。
デザインだけでなく「頭でっかちでひっくり返りやすい」という『擬人化計画』の設定も引き継いでいるが、ひっくり返ると大変面倒臭い事態となる。長い間(出番もなく)深海で一人きりで過ごしていたせいか、マガグランドキング以上にいじけた引きこもり体質になってしまったらしい。
ただし、ひっくり返りさえしなければ、天真爛漫な良い子である。
なお、しゃべり方が“のじゃロリ口調”だが、これは金栗氏のオリジナル(金栗氏の『ウルトラ怪獣擬人化漫画』シリーズのガタノゾーアの設定をそのまま流用したもの)である。
切り落とされたマガオロチの髪から作り出された合体魔王獣。外見を見ればわかるように、マガゼットン同様、デザインは『擬人化計画』の電撃版“ゼットンさん”をベースにしている。
作り出した人の影響を受けたのか、バッサーの肩に顎を乗せたり、薄ら笑いを浮かべて話したり、何かと挑発めいた口調で接したり、地団太を踏みながら駄々をこねたりと素行は悪い。また、一人称は「私」だが、興奮すると「オレ」と言うこともある。
初登場時から調子に乗って「お母様より強い」と発言してしまったために、彼女を褒めちぎっていた他の魔王獣共々、マガオロチにしばき倒されるという憂き目に遭う。
一応、魔王獣姉妹とは一緒に暮らしているようだが、少々特殊な経緯で誕生したからなのか、一家ではどちらかといえば「親戚のお姉さん」のようなポジションに収まっている。また、年下であるはずのマガジャッパに対しても「ジャッパ姉様」と呼んでいる。
マガパンドンからは(主に外見的な意味で)キャラ被りを危惧されていた一方、帰省してきたマガゼットンに対しては逆に「自分とキャラが被る」と憤慨していた。
内心ではオーブに対して恋心を抱いているらしく、マガオロチが赤い球の力でオーブを呼び出してしまい、これをフルボッコにしていた際には、「ガイを倒すのはオレの役目なんだからなぁ…!!」というツンデレのテンプレのような台詞を(なぜかジャグラーのような泣き顔浮かべながら)述べた上で彼を助け出した、あまりにジャグラーを彷彿とさせる言動故にオーブも「ジャグラー…?」と滅茶苦茶困惑していた(最終的には赤い球が消失すると同時にオーブも消えてしまったのだが)。
超大魔王獣にして(おそらく)一家の七女(末っ子)。
かなりの大食漢で、食べられそうなものなら何でも口にする(ただし、さすがにマガゼットンの一兆度の火球は食べられず、口から煙を吹き出しながら寝込んでしまったほか、マガタノゾーアが体から発した闇も「まずい」と言って吐き出してしまった)が、食べ過ぎで太ってきてしまったので、ダボダボの服を着ることで体のラインを誤魔化している。体型のことを言われると気を悪くするほか、お腹がすくと不機嫌になり暴れだすという少々面倒くさいところもある。
食レポをするなど、意外にも語彙力・表現力の高い、感性豊かな少女である。
弱点は顎の下であり、ここを触られると力が抜けてしまう。
長女のマガゼットンとは面識がなかった(マガオロチは「お前は初対面だったな」と言っていたことから、恐らくマガタノオロチが生まれる前に既に自立して家を出ていたようだ)ようで、彼女が帰省してきた時には怪訝そうな表情を浮かべていた。
その他
魔王獣たちの宿敵。
マガオロチはとある事情から彼のことがトラウマになっている。
マガオロチの傷は相当深い模様で、マガゼットンが交際相手を紹介するといった際、「おかしな風来坊とかだったら絶対やめとけ そういうのは将来ヒモになるからな! マジで!」と言うシーンがある、なおマガゼットンが持っていた交際相手の写真にはオーブのものもあった。後に思いがけず再会(再対決)した時にも、「ヒモトラマンロープ」という、あまりにあんまりな罵声を浴びせていた。
顔も見たくない相手だったはずだが、ママ友(後述)から借りた赤い球が、マガオロチの「子供を大切にしてくれる強くて優しいイケメンのダンナが欲しい」という願いに応じて、うっかり本物を召喚させてしまう(赤い球曰く、「今一番旬だから」とのことだが、マガオロチからは「旬とっくに過ぎたわ!」とツッコまれた)。当然の如く、マガ一家総出撃の大騒動となったが、最終的に赤い球が消えると同時に消失してしまった。
グレたマガグランドキングとつるんでいた。
別のエピソードでは、兄と姉にマガグランドキングを紹介している。
『オーブ』に登場した個体。
ジャッパにフリーハグをねだられるが、臭いに耐え切れずに拒否していた。
主人であるシャプレー星人カタロヒと共に登場。
ジャッパにフリーハグをねだられるが、やはり拒否していた。
デザインは『ウルトラ怪獣擬人化計画』においてニトロプラスのminoa氏のデザインしたベムラーをベースにしている。
ジャッパが(よりによって第3支部基地「フォートレスフリーダム」のあるダムの湖で)水浴びしている所をスクランブル発進で襲撃される。
どうにか命からがら逃げ果せたものの、ジャッパは深いトラウマを植え付けられてしまった。
タバコを吸っていたところジャッパに遭遇してしまい、「おじさんのくわえてるそれ、へんなにおいがする」と言われてしまうが、「お前ほどじゃねぇよ化け物が…!」「汚ねぇ腐敗臭がうつるだろ」等と散々罵った挙句、ジャッパの様子を写真に撮って「悪臭女現る」という見出しと共にSNSに投稿するという、相変わらずのクズっぷりを見せつけた。
その後本人は未登場だが禍々アークベリアルの浮気を蛭川砲ですっぱ抜いていた。
マガオロチのママ友の先輩。
マガオロチが子育てに苦労していることを知ると、「聞き分けの良い子を授かれるようにお願いしてみたら?」と赤い球を貸し出す。
持ち主の願い事を何でも叶えてくれる不思議な球。
しかし、「旬だから」という理由で既に放送の終わった(しかも魔王獣にとっては宿敵に当たる)オーブを呼び出したりと少々ぬけているところもあり、マガオロチを憤慨させていた。
最終的に、錯乱したマガオロチが「こんな球もういらん!」と言ったのを受けて消滅してしまった。
伏井出ケイという奥さんがいるにもかかわらず、マガオロチと浮気をしていた(おそらくマガゼットンとも関係を持っている)。
マスコミにすっぱ抜かれ、コメントを求められて「だ……ダークグレーです…」と普段の威厳も皆無な姿をお茶の間にさらしてしまうのだった。
それ以前にも通常のベリアルがマガゼットンの交際相手として写真のみ登場していた。
通称:ベリアルおじさまで「荒っぽいけどワイルドで男気のある方」らしい。
マガゼットンの交際相手
全員写真のみの登場。
いずれもシリーズで何かしらゼットンと関わりを持ったキャラクターである。
ここに挙げた以外にも、サイコバルタン星人やマグマ星人の名前が挙げられているほか、「etc.」という発言もあったことから、実際にはこれ意外にも交際相手がいる可能性がある。
兄(左)の方は「頭脳明晰、紳士的で素敵な方」とのことで、マガオロチも思わず見惚れてしまったほどの美男子。
一方の弟(右)は「見た目はアレだし頭脳もアレだけど料理が美味しい」とのこと。
牧場経営者。「ちょっと抜けてるところもあるけど頼り甲斐のある方」らしい。
「口数の少ない方」「面倒くさい性格の方」「女装癖のある方」等がいるが、マガゼットンにとってはみんな魅力的だったらしい。
注意点
「マガ一家」の擬人化怪獣家族は、全て金栗氏のオリジナルデザインで、円谷プロ公認の『ウルトラ怪獣擬人化計画』とはまったくの別物である(一応、マガゼットンとゼッパンドンは『擬人化計画』の“ゼットンさん”を、マガタノゾーアは同企画のガタノゾーアをそれぞれベースとしているが、これも「独自のアレンジ」であって、公式公認ではない)。
マガバッサーとマガジャッパは『擬人化計画』のいわゆる“公式絵”もリリースされており(上掲のイラスト参照)、特にマガバッサーは公式と見まごう完成度の高さ(しかも、偶然にもアップロードされたのが公式絵発表の約1ヶ月前と時期もほぼ一致していた)だが、あくまで“私家版”なので、特にタグ付けなどの際は混同に注意が必要である。
関連イラスト
二次創作でありながらファンも多く、この作品を題材にした三次創作イラストも投稿されている。
関連タグ
北川怪獣アパート - 同じく怪獣の擬人化を題材とした特撮二次創作作品。
帰ってきたウルトラ怪獣 - 同上。
ウルトラ怪獣擬人化計画 - 公式公認の擬人化企画。一部のキャラクターデザインはこちらの影響を強く受けている。