概要
絵師とは、絵を描く事や版画を彫る事を生業にしている職人のこと。転じて、イラストの描き手に対する俗語(スラング)的な敬称としても用いられる。さらに敬った言い方で「絵師様」という言葉もある。
特定ジャンルに長けた絵師を「◯◯絵師」と呼ぶ事もある。
「浮世絵師」といえば浮世絵を専業にする者、もしくは浮世絵に定評のある絵師である。
転じてゲームの公式絵師なら「(タイトル)絵師」、エロジャンルに特化した絵師なら「エロ絵師」などと呼称される。
自称、他称両方の文脈で使われるが、少なからず蔑視的表現にもなるため使用場所には気をつけるべきであろう。
俗語とはいえ敬称だが、プライベートの会話やサブカルチャー系の掲示板などでは個人が絵師を自称したり、自身を含むイラストの描き手をまとめて絵師と呼ぶ人は多い。しかし、絵師を自称したり、アマチュアを絵師と呼ぶのはふさわしくないという動きもあり、最近では、特に自称する際は「絵描き」という言葉に置き換われつつある。
とはいえ、イラストの描き手に対する敬称としては定着していて、サブカルチャー系の情報交換の場などでは描き手の相手に対し絵師や絵師様などという表現が用いられる事が多い。話す相手に失礼の無いように使い分けよう。
なお、絵師も絵師様も絵描きも俗語的表現なので、あらたまった場面で使わないように注意。
海外では「Artist」がこの「絵師」や「絵描き」とほぼ同じニュアンスで使われる。
同じく「Artist」を自称する人も多い。海外では絵が描ける人と描けない人の落差が激しいため、絵が描ける者であればそのことを積極的に主張する必要があるからである。
4chanのような匿名性の強い場所では「Drawfag」という言葉も使われるが、
これはArtistと比べると蔑称的な意味合いが強く、自称する際も自虐的な意味合いで使われることが多い。
プロのイラストレーターと遜色がない絵を描く人は「神絵師」と呼ばれる事も。
『絵師』呼び名の起源
ここはPixivであるので ここらしく現代のイラスト投稿者について解説する。
別称としての「絵師」を使う流れを作り出したのは、おそらく『悪魔絵師』こと金子一馬氏である。
90年代中盤はゲーム機の性能向上やPCの一般化によりイラストや高精細CGを(ドット絵化せず)直接ゲーム内で表現できるようになり、専業イラストレーターの重要性も高まった時期である。
金子氏はこの頃より電脳悪魔絵師(悪魔絵師)を自称するようになる。
ただ氏のイラストジャンルの特異性からなのか、氏以外で絵師を自称していたものはそれほど多くはなかった。
その後ミームとして定着しはじめたのはインターネット黎明期を過ぎた2000年前後に登場してきた『お絵描きBBS』が濃厚である。
webサービスが充実してきて無料・有料のホストサービスが後押しになり、
不特定多数の投稿者と閲覧者が共存する繁栄期が存在した。
要するに『名無し』デフォルト名での利用者が大半で有った為、
↓ 1. ポニーテールを好んで描いて投稿してる名無しさん
↓ 2. 『ポニーテールをよく描かれるひと』など(表記ゆれ多数になり)
↓ 3. 『ポニーテールの絵をよく描かれる◎◎さん』など敬称が付くようになり
↓ 4. 『ポニーテールの絵をよく描かれる絵師さん』では長すぎた為
↓ 5. 『ポニーテールの絵師さん』などの様に推移して定着した。
【推移の背景】
名無し掲示板では長文が嫌われていた事(簡潔なコメント以外は嫌われやすかった)
『絵 師』だと『絵(e) 師(si)』と簡易にタイプが出来たので好まれたのだと思われる。
『~さん』と『~師』が複合した『絵師さん』と言った
呼称用語が日本語的におかしいのはこの為だと思われる(だが何故か定着した)
『絵師さん頑張れ!』