概要
人格は通常、一人の人に一つしかない。人格とは、ある人が持つ、固有の人間性を指すからである。 人間は誰でも一つの固有の人格を持っている。
このことから、「あの人は人格を持つ」というような、自明なことを述べている場合、この人格は、「特に優れた人格」のことを指す場合がある。このような人を「人格者」と読んだりする。
他方、人間は、言葉や行動、考えや記憶に一貫性がある、「統一した全体的な特徴」を持っていると考えられ、これを心理学では、パーソナリティと呼ぶ。
このパーソナリティの「一貫性」や「統一性」が疑わしいような事例があり、これを二重人格と呼ぶ。
具体的な例
- 性格はパーソナリティの一部であるが、普段見せている性格と、まったく異なる性格の一面を持つ場合、このような人を二重人格と呼ぶことがある。これはパーソナリティの二面性を指す。「人格が豹変する」、「裏表が激しい人」、「腹黒い人」というような言い回しは、このようなパーソナリティや性格の二面性を指している。酒を飲むと、普段とまったく違う性格を示す人がいるが、これはパーソナリティの二面性によっている。
- 一方、何らかの理由により、パーソナリティの一貫性や統一性が失われる場合がある。一人の人間が、ある時期から全く違った性格を示し、過去の記憶を失うことがある(広辞苑第5版よりの引用)。二重人格は、このような場合を指すことがある。
- 上の 2)の「何らかの理由」が精神疾患による場合。例えば、解離性同一性障害による場合は、言葉や行動、更に記憶の一貫性や統一性が失われ、あたかも一人の人のなかに、二つの異なる人格が共存しているように見えることがある。
2)や 3)の場合は、人格が複数あるのではなく、パーソナリティの統一性が失われていると考えられる。そのため、二つの異なる人格(と見える状態)のあいだで、意識や記憶の連続性が失われている場合がある。
その場合、A)一方の状態は、他方の状態の記憶を持っているが、その反対では記憶を持たないことがあり、B)どちらの状態でも、違った状態のときの記憶を持たないことがある。
多重人格
パーソナリティの統一性が失われている場合、意識や記憶の連続性に疑問のある状態が、二つでなく、もっと多数あるように現象することがある。このような場合は、多重人格と呼ばれる。(多重人格は、精神疾患などで、パーソナリティの統一性が喪失している場合以外に、普段示しているパーソナリティとは異なる一面が、複数ある場合も、このように呼ぶことがある)。
参考サイト
https://www.weblio.jp/content/人格
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