「無理するな。お前も強くてカッコいい怪獣が好きなんだろ?」
「街を破壊し、大暴れする怪獣が大好きだ。でもそんなこと言ったら笑われるもんな」
「いい年して怪獣なんて幼稚な、ダサい、くだらない!」
「くだらなくて悪かったな! 今こそ見せてやる!怪獣の本当の凄さを!その恐ろしさを!」
「全て壊してやる! こんな世界全てブチ壊すんだ! 暴れろ、俺の最恐怪獣!キーングオブモーンスッ!!」
「無理するな。お前も強くてカッコいい怪獣が好きなんだろ?」
「街を破壊し、大暴れする怪獣が大好きだ。でもそんなこと言ったら笑われるもんな」
「いい年して怪獣なんて幼稚な、ダサい、くだらない!」
「くだらなくて悪かったな! 今こそ見せてやる!怪獣の本当の凄さを!その恐ろしさを!」
「全て壊してやる! こんな世界全てブチ壊すんだ! 暴れろ、俺の最恐怪獣!キーングオブモーンスッ!!」
概要
概要
映画『ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア 超時空の大決戦』に登場。
いじめっ子の少年・鹿島田浩が、何でも願いを叶えてくれる赤い球に願って出現させた怪獣。
元々は浩が粘土で作った王道な二足歩行型の怪獣人形であり、それに子分である中原耕平、小杉亘が作った怪獣人形の「作品コンセプト(by浩)」を取り入れることによって完成した。
複数の怪獣の特徴を併せ持つという点から、所謂合体怪獣の部類に含まれる。
本来の粘土人形は緑色だが、怪獣化した際の体色は何故か暗い青色を基調としている。
眼は3つ存在するが、額にある中央の眼は自らを生み出した赤い球に限りなく似ており、さながら赤い球自身が怪獣に姿を変えたとも言うべき姿である。
鹿島田少年の発言から、その造形には彼の強い怪獣愛が、凶暴性には怪獣オタクとして日々を過ごす中で堆積した負の感情が反映されていることが窺える。
戦闘能力
戦闘能力
口から発射する赤い超高熱光線「クレメイトビーム」が主な武器で、最大威力ではウルトラバリヤーをも貫く。
その他にも、怪力で相手を捕獲して腹部の鋭い牙で締め上げる拷問技「シャークファング」の他、背中の骨翼「ボーンウイング」はマッハ7の速度で空を飛行するだけでなく、フォトンエッジをも弾き返す強力なバリア「ボーンシールド」を発生させる器官でもある。
一方で、単純な戦闘能力はガイアV2と互角なくらいであり、格闘戦ではやや押される場面が多かった。
しかし、赤い球の所有者のマイナスエネルギーを吸収することでパワーアップし、終盤では単独でもガイアを追い詰めている。
最大の特徴として、「無限の増殖」という特殊能力により、分身となるバジリスとスキューラを誕生させることができる。
ただし、バジリスは翼、スキューラは腹と存在が連動しており、それぞれが倒されると対応するパーツが破損して(飛行能力やバリア諸共)使用できなくなり、急激に弱体化してしまう。
ちなみに、浩曰くバジリスとスキューラの「作品コンセプト」は自分自身で作り上げた怪獣をより強力にするための強化パーツとしての意味合いがあるようで、万が一2体が倒されても弱体化しなかった場合、事態はもっと恐ろしい局面、即ち「ウルトラマンが敗北する決定的瞬間」が実現していたことだろう。
劇中での活躍
劇中での活躍
浩が、まるでウルトラマンに変身するかのように赤い球を掲げると同時に実体化。
浩の鬱屈な感情と同調し、手当たり次第に街を破壊するも、時空移動メカ・アドベンチャーに乗って再び戻ってきた高山我夢と激突。
クレメイトビームと尻尾での殴打でアドベンチャーを大破させた後、我夢が脱出・変身したウルトラマンガイアとの戦闘に移る。
格闘では当初ガイアに押され気味になるものの、シャークファングやボーンシールドを駆使して形勢逆転。
さらに新星勉が浩を攻撃し、赤い球のコントロールが浩から平間優に渡ったことで、自分を束縛する“この世界”の破滅と再編を願う優のマイナスエネルギーを吸収してパワーアップ。
スキューラとバジリスの2体を生み出し、3体がかりでガイアを苦しめるが、勉が命懸けでキャッチした赤い球に「光」を願ったことで出現したウルトラマンティガとウルトラマンダイナが参戦し、他の2体と分断される。
それでもエネルギーが残り少ない状態にあるガイアを追い詰め、スプリームヴァージョンにヴァージョンアップしたガイアに飛行しながらのトドメの特攻を仕掛けるが、ティガにスキューラ、ダイナにバジリスを各々倒されたことで、シャークファングとボーンウイングがそれぞれ破壊され墜落。
近接武器や翼を一気に失ってグロッキー状態となり、苦し紛れにクレメイトビームを放つもガイアのウルトラバリヤーで完全に防がれてしまい、最後はフォトンストリームを受けて爆発四散した。
その後の登場
その後の登場
本来は「かしまだくんのかんがえたさいきょうのかいじゅう」という特殊な位置付けにあったが、『大怪獣バトル』などの後続作品では普通に宇宙人が使役したり、野良怪獣として出現することもある。
現在のウルトラシリーズは、製作当時以上にパラレルワールド間の関係性が密となったためであろう。
大怪獣バトル
AC版のストーリーモードでは、レイオニクス抹殺を企むババルウ星人が使役する怪獣としてバジリスと共に登場。
ババルウ星人がアラドスを使って『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』時点の惑星ボリスにタイムスリップし、覚醒したばかりのレイモンを抹殺して歴史を改変しようとしたが、主人公達の活躍でババルウ星人共々敗北し、計画は破綻した。
後述のコミカライズ『大怪獣バトル ウルトラアドベンチャー』(無印編)では、ババルウ星人が使役する怪獣はバジリスのみとなっており、キングオブモンスは未登場。
惑星ボリスでの戦闘シーンでは、怪獣を召喚すらしていなかった。
なお、両作品に共通してババルウ星人はレイオニクスの資格を有していない。
こんな凶暴で強力な怪獣をどうやって彼は手懐けたのだろうか…?
大怪獣バトル ウルトラコロシアム
最初に出会う個体は、バトルコロシアムの4つの試練の内の一つとして主人公の前に出現する。
この闘技場の管理者はメフィラス星人であり、彼の口ぶりから察するに999体いる手持ち怪獣の内1体とされ、高エネルギー反応を発していたことから並の怪獣の比ではない強さを有すると考えられる。
勝利後にプレイヤーキャラとなるのはこの個体である。
二度目に出会う個体は怪獣が絶滅したはずの地球にバジリス、スキューラを引き連れて出現。
丁度休暇に訪れていた主人公が撃破し、消滅した。
なお、発動する技バトラーは応援バトラーを復活させるシーリザーとなっている。
主人公によれば、「昔、赤い球の力で3体が暴れ回った」と語っているが、そもそもこの作品は『大怪獣バトル』シリーズの未来を描いた作品(M78スペースの話)のため、何故主人公がそんなパラレルワールドの出来事を知っているのかは謎である。
ギャラクシークライシスの影響を考慮するにしても、原作では赤い球の影響を受けた人間を除いて事件の記録は一切残っておらず、キングオブモンスによる被害も無かったことになっているため、この展開には矛盾が多い。
今回の出現もまた赤い球の力が使われたらしいことが示唆されているが…?
大怪獣バトル ウルトラアドベンチャーNEO
何故かガッツ星人が実験場にしていた惑星の鍾乳洞で眠っており、レッドキングとナースの戦闘によって復活。
スキューラとバジリスを生み出してレッドキングを追い詰めるが、巨大化して加勢に入ったカネゴンによって他の2体と分断されてしまい、2体が倒された後にレッドキングのアースクラッシャーで倒された。
なお、原作となったAC版のストーリーモードで同じポジションに位置しているのは、ガッツ星人の操るグランドキングである(なお、本シリーズではグランドキングは無印編のラスボスという扱いで登場済み)。
ウルトラマンオーブ
ジャグラスジャグラーの所持する怪獣カードの1枚として登場。
カードの属性は闇。
なお、怪獣カードは怪獣の怨念をカードに定着させたものという設定があるが、どこで元となるキングオブモンスの怨念を調達したのかは不明(ギャラクシークライシスの影響で出現した並行同位体なのだろうか?)。
ティガ・ダイナ&ウルトラマンガイア~超時空のアドベンチャー~
「俺達にはまだ、とっておきの切り札がある。その力で、この街を守るんだ!」
「戦え!俺達の最強怪獣!キングオブモーーンス!!」
『超時空の大決戦』の20年後の世界を描いた続編小説では、回想シーンで度々登場。
その後、街を襲うカイザーギラレス13世の暴虐を止めるために、大人になった浩、耕平、亘の3人が赤い球に願って本物を出現させた(本来はウルトラマンを呼ぶつもりだったが、現在の赤い球の持ち主である久地俊介が赤い球に願ってウルトラマンを呼べなくしたため、代わりにキングオブモンスを呼び出した)。
しかし、クレメイトビームをシールドで塞がれた上に剣と鉄球の攻撃で次々とダメージを受けていき、浩達の声援も虚しくカイザーギラレス13世のビームを受け、断末魔の悲鳴を上げながら爆散した。
ほとんど良いところ無しで倒されてしまったが、これに関しては俊介曰く「小学生の頃から変わらない怪獣愛の浩達に対し、大人としての怪獣愛を注いだカイザーギラレス13世が負けるはずはない」とのこと。
しかし、そんなカイザーギラレス13世もこの世界で最初に誕生したウルトラマンガイアのV1の形態に圧倒された挙げ句、V2のガイアに瞬殺されてしまった。
かつてのキングオブモンスはガイアV2とほぼ互角だったため、今回のキングオブモンスはカイザーギラレス13世に対して相性が悪かっただけかもしれないし、浩達も正気だったため以前よりも弱体化していたのかもしれない。
TSUBURAYA CONVENTION 2023
『ウルトラマンガイア』25th記念を祝し、新規造形のスーツで登場。
根源的破滅招来体の生き残りである根源破滅紳士なる存在が赤い球を用いて召喚、ウルトラマンガイアSSV、ティガ、ダイナを相手に激闘を繰り広げる。
ゲーム関連
ゲーム関連
大怪獣バトル
AC版『EX』第6弾から参戦。
必殺技は原典通りに「クレメイトビーム」だが、何故か弱点がすごい毒となっている(原典にはそんな描写は無いが…)。
その他の技として、クレメイトビームの強化版「ファイナルクレメイトビーム」、尻尾で敵を打ち付ける「モンステールアタック」などが存在する。
初登場の第6弾では最高位のウルトラレアが収録されており、ゴモラ同様にバランスがよくアタックが若干高めだが、4つのステータス値が全て1000を超えている高性能怪獣。
その代わり、リーダー怪獣にすると応援怪獣は1体しか出すことができないというデメリットも存在する。
『NEO』以降はこれまでのデメリットを反映し、スタミナ(連続で戦えるステータス)が1と少なく、1ターン戦わせると次のターンは戦えないようになった。
「クレメイトビーム」は高熱属性となり、TDG三戦士が敵だったことを反映してか、すごい闇属性に耐性があり、弱点がすごい光属性となった…が、弱点がすごい毒となっている点は変更されていない。
『NEO』第4弾では、技カード「紅い球への願い」が登場。
プレイヤーキャラにはできないものの、その効果は3ラウンドの間かつスタミナが2の時だけ、アタック、ディフェンス、スピードを700ずつ上昇させるというもの。
条件付きかつ3ラウンドのみとは言え、実質ステータス合計2100アップという、ノーマルカードなのが信じられないくらい強力なカードとなっている。
『NEO』第7弾では、新技「キングオブクラッシャー」が追加された。
その威力は最上位カードの「ファイナルクレメイトビーム」を上回る3700。
全身にエネルギーを纏って空から突撃した後、ダメ押しにクレメイトビームでトドメを刺すという、なかなか豪勢な技となっている。
派生作品である体感型TVゲーム『Let'sTVプレイ 体感大怪獣バトル あやつれ!ウルトラ大怪獣!』にも先行参戦している。
ウルトラ怪獣バトルブリーダーズ
レアリティ☆3の「力」属性の怪獣として登場。
弱点は「光」属性の攻撃。
攻撃を受けると2ターンの間だけ攻撃力と命中率が上がる「破壊衝動」を有する。
このスキルを覚醒させると、1回攻撃または必殺を受けるまでの間だけ受けるダメージを大幅ダウンさせたり、自分をリーダーに据えている状態で「速」・「技」属性の怪獣が揃っていると攻撃力をアップさせることが可能。
要は、原作通りにバジリス、スキューラの2体と組ませることを前提としたスペックというわけである。
イベント「恐嚇の超時空魔神」では、エタルダミーの1体として参戦。
立体物
立体物
後述する人気の高さから商品化にも恵まれており、ソフビ人形「ウルトラ怪獣シリーズ」では定番ラインナップとして、初商品化からブランドがスパークドールズ化されるまでの間、長きに渡って商品化枠に君臨し続けていた。
その後、(『ウルトラマンギンガ』放送開始の2013年から数えて8年後の)2021年の令和の時代に、『ウルトラマンクロニクルZ ヒーローズオデッセイ』での『超時空の大決戦』の放映に合わせて、完全新規造形かつ以前よりもサイズアップした「ウルトラ怪獣DX」枠で発売された。
2024年には、TDG三部作の怪獣としてはゴルザに続いて2体目の快挙となる、S.H.Figuartsでの発売も決定。
同年6月26日より、プレミアムバンダイにて予約が開始された。
お値段はなんと17600円と、まさかのゼットン(16800円)超えである(流石にハルクバスター(35200円)には及ばないが、近年の材料費高騰を考えても高額の部類なのは間違いない)。
余談
余談
- 名前の由来はおそらく「king of monster」、即ち「怪獣の王」だと思われる。なお、初期案の名称は「キンググロノス」だった。
- デザインは丸山浩氏が担当。氏の『ウルトラデザイン画集』によれば、裏モチーフは「△」。
- 特徴的な鳴き声はその後、TV本編のモキアン、『ウルトラマンコスモス』のバデータ、『鉄人28号』(2004年版)の鉄人27号、『恐竜キング』のフタバサウルス、『のび太の恐竜2006』のスピノサウルス、『のび太と奇跡の島』のサーベルタイガー、『騎士竜戦隊リュウソウジャー』のティラミーゴ、『仮面ライダーガッチャード』のケミーなど、作品の垣根を越えて多くのキャラクターの鳴き声に流用されている。
- また、『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』のオベリスクの巨神兵の必殺技「ソウルエナジーMAX!!」が発動する時にも、鳴き声として流用されている。
- 『超時空の大決戦』でティガとダイナがスキューラ、バジリスと戦った場所は、地味にそれぞれの最終回での戦いの舞台となっており、これは後にガイアも踏襲した。
- 『超時空の大決戦』で浩がキングオブモンスを生み出す際に「さいきょうかいじゅう」と言っていたが、キングオブモンスの別名が「最強合体獣」のため、長らく「俺の最強怪獣!」と言っているものだと思われていた。しかし、前述の続編小説でその時の台詞が項目冒頭の表記、つまり「俺の最恐怪獣!」と言っていたことが20年越しに判明した。
- 実写作品では長らく『超時空の大決戦』1作のみの出演ではあったものの、その王道な容姿とウルトラマンを追い詰める戦闘スタイルから人気は非常に高く、『全ウルトラマン大投票』では『ガイア』の関連怪獣の中では最上位の第23位にランクインしている(ちなみに、次に順位が高いのは第34位のガンQ)。
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