※この記事は『シン・ウルトラマン』の重大なネタバレを含みます。
ゾーフィ「私は執行者として、"天体制圧用最終兵器"を伴ってきた 」
神永「…"ゼットン"なのか?」
ゾーフィ「そうだ。今より自立プログラムに切り替える。システムが整い次第、人類は恒星系ごと滅却される。」
「ゼットン…ピポポポポポ…ゼットン…」
概要
光の星が宇宙の秩序を乱す存在と判断した惑星を滅ぼす際に使用する「天体制圧用最終兵器」。
光の星の担当者のみが使用権限を持ち、作中にてある出来事が原因でマルチバース宇宙への脅威と見なされた地球に対処するために、裁定者が持ち込んだカプセルから出現する。
主な特徴と性能
- 形態
当初は初代ウルトラマンに登場したゼットン星人の円盤を二重に重ねた様な形状の片手で持てる程小さいカプセルだった。衛星軌道上に到達後球体状に変形し、ゼットンの特徴でもある電子音と共にフレームが展開。オリジナルの蛇腹状の箇所がディスク状のパーツを幾層も重なるなどして時間をかけてメカメカしいパーツが組み上がり、従来のフォルムが構成されていった。
完成形のデザインは、両手を広げた状態かつシャープさからパワードゼットンに似た印象を与える。また、両脚を垂直に、両腕を水平に伸ばしたそのシルエットは十字架を彷彿とさせる。
- 大きさ
特筆すべきはそのサイズ。ハイパーゼットンのコクーンやギガントはおろか、歴代劇場版の超巨大怪獣達と比較してもかなりの巨体で、衛星軌道上で展開している時点でその巨体が地上から肉眼で確認できる程。
正確なサイズは明かされていないが、本作のウルトラマン(リピアー)の身長は60メートル。ウルトラマンとゼットンの比率が人間とウルトラマンのそれをしのぐことから、ウルトラシリーズ歴代屈指の巨大怪獣であるベリュドラと同等か、それを大きく上回るほどの巨体ではないかと思われる。初代ゼットンが体長60メートルなので、100倍近いサイズアップを果たしたということになる。
- 性能
攻撃面でのメインウエポンは、初代ゼットン同様の1テラケルビン(=1兆度)の超高熱球。その威力は「放たれれば地球がその星系ごと蒸発し、数光年先まで影響を及ぼす」と言われるほど。実際はそれだけでは収まらず、庵野秀明氏の設定によれば「三次元空間の直径200光年を消失可能」とのことで、宇宙進出手段を持たないような未開の原始種族相手に使用する兵器としては明らかにオーバーキルな火力を誇る。おそらく、本来ならばリングワールドやダイソン球などを持つ高度な文明が宇宙の脅威と化した際に、文字通り細胞の一片まで残さずに根絶する用途で使用される兵器なのだろう。(それ程の技術力ならば少なくとも恒星系全体に植民している可能性が高い為。)
事実、庵野氏もコンセプト本に掲載されている設定では「天体制圧用最終兵器」ではなく「恒星間制圧用最終兵器」と定義していた。
熱球を発射する時には胸の発光体を展開するとともに四肢を前方に向け、上記イラストのような熱球の発射砲台の様な形へと変形する。ゼットン特有の連続発光も相まって四肢はガイドレールのように見える。ただし、熱球のエネルギーチャージには相応の時間がかかるらしく、起動から発射準備の完了までには日を何日か跨いでいる。
さらに、自分に接近する敵性存在への迎撃用光学兵器を全身に備えている。さながらそれは戦艦にハリネズミの如く迎撃火器が存在するようなもので、ウルトラマンとの戦力差を一言で表すなら、「人が単独で戦艦に勝てるのか」というレベルの違いである。
この迎撃兵器はバリエーションに富み、ウルトラマンの出す様々な技に対応する。
- 白粒子砲(名称不明)
白い粒子をCIWSのような弾幕にして放つ六角形状の浮遊砲台。ゼットンはこれを6基展開しウルトラマンに雨あられと放つ。威力はウルトラマンが一時的に動きを封じられる程であるが、弾速が遅く個々の威力は低いためウルトラマンの高速回転移動技(名称不明)により弾かれる程度。
- 赤粒子砲(名称不明)
ゼットンの腕部裏にある三角形状のモジュール三基から放たれる赤い粒子を収束させて放出する砲台。エフェクト自体は初代ゼットンがキャッチリングで拘束されていた際に口から放った赤い光弾に似ている。劇中の描写から一砲台につき毎秒二発発射可能。両腕にそれぞれ5セット配置されており、毎秒20発ほど放たれる。収束された粒子は恐ろしいまでの命中率を誇り、さらにウルトラマンの顔程の太さがあり見るからに威力が高くウルトラマンの高速回転移動やリバウンド光線を難なく打ち破った。
- 火球砲(名称不明)
胸部に浮き出ているオレンジ色の構造体内部から放出される火球。消耗して色が変わるまでに弱ったウルトラマンにダメ押しと言わんばかりに放たれ、ウルトラマンを成層圏に叩き落した。
防御面ではゼットンらしく「電磁光波防壁」という全ての物理攻撃を防ぐ強力なバリアを展開させる能力を持つ。これによって、ウルトラマンのスペシウム光線、八つ裂き光輪(ウルトラスラッシュ)を片っ端から粉砕している。ウルトラマンは弱体化していたが、前述した高度文明の粛清が目的ならばフルパワーのウルトラマンでも正面突破は無理だろう。
ただし、庵野氏によれば「重装甲を持たない」ことが示唆されているため、バリアさえ破れればそれなりにダメージは通るのかもしれない。だが、その防御力は作中世界における使用可能な熱核兵器(TNT火薬換算で200万kt、広島型原爆約13万発分)を全て投入したとしてもとても足りないと評されるほどである。尤もバリアありきでの話かもしれないが。
タチの悪いことに、これは使い捨ての兵器ではないようで、庵野氏曰く「再使用のため、一兆度の熱量に耐えられるシステムを保持している」らしい。ゾーフィの姿を捉えた外星人第0号メフィラスが即座に撤退を選んだことを踏まえると、少なくともそれほど前ではない過去にも起動された事例があるものと思われる。
劇中における展開
ウルトラマンが地球人類と融合したことと、メフィラスの所業によって、地球人類がベーターシステムによる生物兵器化に適応した存在であることがマルチバース全ての知的生命たちに知れ渡ってしまう。近い将来に人類が兵器として悪用されること、それを狙った知的生命体による人類争奪戦、そして「地球人類が光の星の生命体と同じ進化に至ることを防ぐため、地球を恒星系諸共廃棄処分とする」との決定を下したゾーフィによって自立プログラムが起動され、衛星軌道上でその巨体を生成する。
ウルトラマンは勝てないと分かっていながら、人類と地球を守るために立ち向かう決意をする。
浅見「あなた1人でゼットンに勝てるの?」
神永「為せば成る、為さねば成らぬ何事も。やってみるだけだ」
浅見「…うん。分かった、頑張って。ーー気合い入れてこ!」
ベーターカプセルを点火、変身し、浅見に見送られながらウルトラマンは飛び立つ。
宇宙空間に静かに佇むゼットンにスペシウム光線、分裂させた巨大な八つ裂き光輪を何度も放つが、電磁バリアに阻まれ無力化されてしまう。それどころか、八つ裂き光輪の破片を無数の光弾にして打ち返され、続けざまに火炎弾の反撃を受けるウルトラマン。防御のリバウンド光線を打ち砕かれ、とどめの熱球の直撃を食らったウルトラマンはひとたまりもなく弾き飛ばされ、エネルギーを失い大気圏へ落下する。
巨人体を維持できず、神永の姿に戻ったウルトラマンにゾーフィが静かに告げる。
ゾーフィ「無駄な抵抗は辞め、静かに人類の粛清の時を待て。ウルトラマン」
神永「いや、人間を信じて最後まで抗う。それが私の意思だ」
ウルトラマンは海に叩きつけられ、意識不明の重傷を負う。
浅見「…ゼットンに勝てないの、最初から分かってたんでしょ?神永さん…」
余談
- 2012年の映画『ウルトラマンサーガ』以来10年ぶりとなる、劇場作品のラスボスとしてのゼットン。これまでゼットン星人やバット星人等様々な存在に使役されてきたゼットンだが、シリーズ初の光の星(≒光の国)が持ち込んだゼットンとなった(出自が不明な『ウルトラマンメビウス外伝 ゴーストリバース』に登場するEXゼットンを除く)。
- これまでゼットン星人やバット星人など様々なものがゼットンを作ってきたが一番やばいのはウルトラマンが作ったゼットンという何とも皮肉なこととなった。
- その異様な容姿は従来のファンが本当にゼットンか疑うほどであるが、ゾーフィがゼットンと言及している他、「『ゼットン...』って鳴いているんだからゼットンだろ」と納得させるに至った。
- 元ネタは「謎の宇宙人ゾーフィがゼットンを操っていた」という当時の児童誌の誤植。
- また、熱球の威力については以前に柳田理科雄氏が『空想科学読本』において計算を用いて検証しており、その記述を今作で活用しているのではないかと推測される(半ばネタ的ではあるがとある物理エンジン好きYouTuberも2019年にゼットンの炎について検証した際「地球で放ったら太陽系も相当危険」という結論に達していた)。
- 作品のキャッチコピーが「そんなに人間が好きになったのか、ウルトラマン。」であり、公開三か月前には公式Twitterで『さらばウルトラマン』にて科学特捜隊が最後の出撃をした時刻の画像が投稿されるといったこともあり、予告の段階から『ゼットンも出てくるのでは?』という声もあったが、まさかの光の星からの死刑宣告として斬新な登場を果たすこととなった。
- 本作における単一の怪獣ではなく“特定の文明を滅ぼすための超巨大惑星破壊兵器”という設定は、本作から約20年前に公開された『ウルトラマンコスモス』の劇場版第三作目に登場したギガエンドラの立ち位置に近い。
- 偶然ながら、作品公開日翌日の2022年5月14日には劇場版で当初宇宙正義側だったウルトラマンジャスティスのソフビ人形が発売予定であった。
- ウルトラマンとの戦力差がさしずめ戦艦というのはあながち間違いでもなく、デザインのコンセプトがイージス艦であるため。原典のラインを踏襲しつつ、成田亨が影響を受けたロシア構成主義のラインが取り入れられた。デザイン案の一つとしては、身体中に一兆度の火球が入れられた爆弾がいくつもあって、それを放つための爆撃機をイメージしたものも存在していた。
- プレミアムバンダイより、『ムービーモンスターシリーズ ゼットン(シン・ウルトラマン)』として、全高約300mmのフィギュア化が決定。2023年4月25日より予約開始となり、価格は9350円の予定。
- 更にS.H.Figuartsでもゼットン(シン・ウルトラマン)が発売決定。価格は16500円とかなり割高だが、全高約340mmとムービーモンスターシリーズのゼットンより大きく、劇中の1テラケルビンの火球の発射態勢を再現可能。更に巨大ウルトラスラッシュのエフェクトパーツや劇中でのゼットンとウルトラマンの大きさを比較できる小さな人形が付属する。お財布に余裕がある方は、是非にこちらをお勧めしたい。
関連タグ
ハイパーゼットン:同じく劇場作品のラスボスとしてのゼットン。
以下、作品の最終盤のネタバレ注意
宗像「そうか…総理の決断は各国も含め、ゼットン案件の真相は一切を公表せず、か。このまま何もせず世界は何も知らないまま終わるのが一番の幸せだということだな。…それもよかろう」
船縁「班長、ゼットン案件に関して上からの指示は?」
田村「…"何もするな"だ…」
船縁「…そうですか」
滝「希望?バカバカしい!無知な僕らが何をしたって無駄、無駄…無駄でしょう!」
ウルトラマンが敗北。政府関係者に絶望が広がる。
ウルトラマンを返り討ちにし、制圧の域を超えた圧倒的な力を前に、日本含む各国政府はゼットンに関して国民への報告を行わず、何も知らないまま破滅の時を待つという選択肢を取る以外になかった。
布団を干す主婦、公園で無邪気に遊ぶ子供たち、工場での勤務に励む工員、定食屋で食事をとる客、スマホを見ながら信号待ちをする若者。滅びの運命が待ち受けてると知らない人々は、いつもと変わらない日常を送っていた。
いつしか、天空に不気味に佇むゼットンのことなど誰も気に留めなくなっていた。
一方、禍特対班長の田村君男はゼットン案件について「何もするな」と命令を受け、対策を練ることもできず気力を失い、そして禍特対一の頭脳を持つ滝明久もまた、外星人と地球人の科学技術力の差を目の当たりにして意気消沈し、神のようなウルトラマンでも敵わない相手に人類ができることなど何もないと、希望を捨てる直前まで追い込まれて自暴自棄になってしまっていた。
しかし、船縁由美だけは何か突破口を見つけようと必死に分析を続けていた。それすら無駄だと吐き捨て、ぶつけようのない怒りと悔しさを吐露する滝だったが、船縁からあるものを指し示される。
デスクに置かれたUSBメモリ。それには、ベーターシステムの基礎原理と高次元領域に関する関係式を地球の言語と方程式に置き換えたデータが記録されていた。そして、ベーターシステムを人間自ら考えて新たに生み出し、それを自由に使ってほしいとのウルトラマンのメッセージも。
「僕は、君たち人類の全てに期待する。滝、あとをよろしく」
メッセージはそう締めくくられていた。
地球の科学力では解明できないはずの超技術が地球の言語に変換された結果、人類が積み上げてきた知識を集結させることで読み解く事が可能となったのだ。方程式を読み進め、ウルトラマンがベーターカプセルを起動する事でプランクブレーンのゲートを開き、本体を今いる次元へ召喚するのと同じように、ゼットンをプランクブレーンに飛ばす事ができる可能性を見出した。
滝「そうか…平行宇宙の移動原理を利用すれば、ゼットンが放射する熱エネルギーを丸ごとプランクブレーンに移すことができるかもしれない…!」
ウルトラマンの想いを受け取って立ち直った滝は、世界中の科学者を招致して「ゼットン攻略国際会議」を開催。ベーターシステムの方程式を読み解き、ゼットン打倒に向けて日夜研究を続けた。
船縁と田村は昼夜問わずベーターシステムを読み解く滝を見守り、浅見もまた、昏睡状態の神永に寄り添い、人間のしぶとさをあなたに見てほしいと言葉をかけ続けた。
そしてーー
ついに発射準備を整えたゼットンは、衛星軌道を離脱し、地球へ向けて降下し始めた。四肢を地球に向け、1兆度の高熱エネルギーが充填され始める。
ゼットンが最終発射体制に入った報告は日本政府にも伝わり、大隈総理らは静かに最期のときを受け入れようとしていた。
神永「ーー!いかん、もう時間がない…」
それを察知した神永は昏睡状態から目覚め、すぐさまベーターカプセルを取り変身しようとするが、付き添っていた浅見に「見てもらいたいものがある」と止められる。
滝は物理学のみならず、あらゆる分野の権威を招致してベーターシステムを解明・発展させ、遂にゼットンを倒せる作戦を導き出すことに成功したのだ。
その作戦とは「ウルトラマンが変身後にもう一度ベーターカプセルを起動した際に1ミリ秒だけ発生するプランクブレーンのゲートに1兆度の熱エネルギーを利用してゼットンを押し込む」、簡単に言うと「変身後1ミリ秒でゼットンを殴り飛ばす」というものであった。
これは作中でスペシウム133という物質、及びそれを基にした身体強化システムを運用してきたどの外星人も発見してこなかった、いわばバグのような特性を利用したものであり、最後の一手はウルトラマンに託すことになるとはいえ、正真正銘地球人が平和を自らの手でつかみとるための価値ある作戦であり、人間を信じたウルトラマンの想いに人類が全力で応えた結果ともいえる。
しかし、ここで田村がある疑問を口にする。
この作戦を実行した場合ウルトラマンはどうなるのか?
この作戦にも重大な欠点が存在した。
その欠点とは、ウルトラマンもプランクブレーンのゲートが消滅する際の重力に巻き込まれ、ゼットンと共に不明の平行宇宙に飛ばされてしまうというものだった。
人類がその叡智を結集させた作戦の代償は、故郷の掟に背き、同胞と敵対することになっても、人間を信じ続けた1人のヒーローを犠牲にするという残酷なものだった。
船縁「そんな…」
田村「ならばその案は却下だ!人類のためとはいえ、君を犠牲にはできない!」
神永「問題ない。君たちの未来が最優先事項だ。私の命はそのために使い切っても構わない」
作戦成功の顛末を聞いた禍特対メンバーは即座に反対したが、神永の強い意志によって作戦は実行に移されることになった。
ゼットンの火球発射まで、残り38秒。
浅見「あなたを信じている。必ず帰ってきて」
ビルの屋上、最後の戦いに挑む神永と帰還の約束を交わす浅見。
火球発射まで、残り15秒。
浅見「ーーいってらっしゃい」
神永「ああ。行ってくる」
見送る浅見に微笑んで答える神永。ベーターカプセルを取り出し、天空で火球を発射しようとしているゼットンを見据え、点火ボタンを押す。
火球発射まで、残り5秒。
右拳を突き上げたポーズのままプランクブレーンから宇宙へ飛び出すウルトラマン。
ちなみに、この一連のシーンでは画面下に火球発射までのタイムリミットが表示されているが、映像は等速で流れているのに対して秒読みは徐々に遅くなっていくという演出となっている。(神永がベーターカプセルを点火し、ぐんぐんカットに切り替わる時点で発射まで残り5秒前、2度目の点火は残り1秒前である)これは即ち、この時のウルトラマンは人間に知覚不能なレベルの超高速移動でゼットンに突進しているという事になり、1度きりのチャンスに全能力を集中させた捨て身の一撃である。
ゼットンへギリギリまで接近したところで、ウルトラマンはベーターカプセルをもう一度点火、同時にプランクブレーンのゲートが開いた。高速で回転しながらウルトラマンの拳は光の玉となり、火球を放たんとしていたゼットンに届く。
刹那の拮抗ののち、バリアが破られゼットンの巨体は大破。まるで最初から居なかったかのように綺麗さっぱり消え去る。
ゼットンに敗れたウルトラマンはリベンジを果たした。
しかし――
プランクブレーンのゲートは強力な重力でゼットンの残骸を吸い込みながらその口を閉じようとしていた。
必ず戻るという約束を果たすため、エネルギーを使い果たしながらもウルトラマンは必死に重力に逆らう。だが、徐々に引き込まれていき……
異空間のゲートに飲み込まれたウルトラマンは、二度と地球に戻ることはなかった。
禍特対のメンバーは作戦の成功を見届けたが、喜ぶ者は誰もいなかった。地球滅亡の危機は回避されたが、その代償はあまりにも大きすぎたのだ。
ゼットンが消えた空を見上げ、涙を流す浅見。田村、船縁、滝の目にも涙が滲む。
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暗黒惑星グランスフィア:ゼットンと同じく規格外の大きさを持つ生命体であり、圧倒的なスペックでウルトラマンと人類を苦戦させた点、人類の英智とウルトラマンの力によって撃破されたが、撃破後に巨大なブラックホールを発生させ、ウルトラマンを呑み込んでいった点が共通している。