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ウルトラマンコスモス

うるとらまんこすもす

2001年~2002年に放送された特撮ドラマのタイトル。 また、その作品に登場したヒーローの名称。
目次 [非表示]

「月のやさしさ・・・ 太陽の強さ・・・ 2つのモードを持つ新しいヒーロー誕生!」


キャラクターとしてのウルトラマンコスモス→コスモス(ウルトラマン)


概要編集

ウルトラシリーズ誕生35周年と初期のウルトラシリーズの監修を務めた円谷英二生誕100周年記念として製作されたウルトラシリーズの21世紀最初のTV作品。

当初、2001年10月に放映開始予定だったが、2001年7月7日が円谷英二生誕100周年に当たるということで3カ月繰り上げて放映開始された。


全作の『ガイア』とは1年10カ月10日間の空白が強調されがちな結果コスモスの直後に『ネクサス』が続いたといういわゆる『ハイコンセプト・ウルトラマン』の第1作に勘違いされがちだが、実際にはコスモスはネクサスとも2年と4日ブランクがあり、むしろこの2つの期間を比較すればネクサスとの期間の方が1カ月強の差でガイアとの期間より長い。


これまで一部例外を除いて倒すべき敵として描写されてきた怪獣との共存を目指しつつ、邪悪な敵には敢然と立ち向かう新しいウルトラマン像を作り出すべく製作された初のウルトラマン。

優しさと強さを兼ね備えた勇者、というテーマを平成シリーズお馴染みのタイプチェンジを使って効果的に描写。

このため従来よりも愛らしいデザインの怪獣が割と多く登場する他、わかりやすく倒すべき存在としてロボット怪獣の登場も多い。また、『ウルトラQ』『ウルトラマン』『ウルトラセブン』のオマージュ怪獣も多い。


上記の通りオマージュ怪獣こそ多いものの世界観的な繋がりはない。地球に来た理由がバルタン星人であるという設定があるが過去作要素はそれとオマージュくらいであり、本編には再登場キャラクターや他作品からの客演もないため、テレビ本編に限れば前作次作同様シリーズで数少ない「過去作要素皆無」の作品である。


「怪獣を倒すカタルシスがほとんどない」、「大河ドラマ形式と一話完結形式がかみ合わずに話の流れがつかみにくい」という意見もある一方で児童や親からは歓迎され、TVシリーズ1年強、劇場版3+α作を数える人気作となった。後述する通り、再編集番組である『ウルトラマン列伝』を除けばウルトラシリーズ最長の作品である。

また、ウルトラシリーズで初めて明確にウルトラマンと対立した組織「統合防衛軍」が登場した(今までの平成シリーズとしては『ウルトラマンガイア』に根源的破滅招来体を崇拝する集団がいたが高山我夢個人とは対立していない)。


ナレーションは前作『ガイア』で担当した磯部弘であり、2作連続でナレーションを担当するのは『ウルトラマンタロウ』、『ウルトラマンレオ』で担当した瑳川哲朗以来2人目である。


ウルトラシリーズでこれまでも、そしてその後も受け継がれているとある伝統を歴代で唯一引き継がなかった作品でもある。

詳細は下記を参照。



本作が最後となった要素編集

本作の音楽は『ウルトラセブン』、『帰ってきたウルトラマン』、『ウルトラマンA』、『レオ』、『ザ☆ウルトラマン』、『ウルトラマン80』、『ウルトラマンネオス』で数多くの劇伴音楽を担当した冬木透が担当した。現時点で冬木が関わった最後のウルトラマンでもある。


制作局はそれまでのTDG三部作と同様MBS。後述の通り、MBSが制作したウルトラシリーズの作品であると同時に、平成においてMBSが制作した特撮番組としても、本作が最後の作品となった。(一説ではTBSとしても本作を最後に特撮番組から撤退する予定だったとも言われている。)


また、本作ではドラマパートのみビデオ撮影になったが、特撮パートは引き続きフィルム撮影。ウルトラシリーズのテレビシリーズとしては16mmフィルムが使われた最後の作品でもある。


ウルトラマンネクサス』以降(正確には「ウルトラQ_darkfantasy」以降)、製作費が見直され予算が大幅に縮小したため、事実上採算度外視で制作された最後のウルトラマンである。


歴代最長作品編集

本作の特徴の一つに、歴代シリーズで唯一の1年を超えて放送された最長放送であることが上げられる。

『タロウ』の全53話を上回る全65話が制作され、後述する誤認逮捕騒動の影響で放送されたのは全60話となり5話がカットされたが、それでも断トツの歴代1位の長さであり、現在2位の『タロウ』の53話からも7話もの差が存在する。60話代にいったのも本作が唯一である。

この放送回数は今後暫く破られる事は無いであろう。


本来は従来通り4クールの予定だったが、後番組が製作遅れで延期したことに加え、上記の通り番組自体が好調だったことから追加予算による急遽延長が決定したからである。後に主演の杉浦太陽氏が『ガイア』主演の吉岡毅志氏との対談で「当初は52話の予定で(2002年)3月で撮影終わると聞いてたら制作陣に1月に「ごめんもう3か月時間くれない?」と言われました」と語っている。


物語編集

宇宙飛行士を夢見る少年・春野ムサシはある日、バルタン星人を追っている最中に戦闘のショックで地球に墜落したウルトラマンコスモスと出会う。

彼を助けたムサシは、「ウルトラマンに会った」という言葉を疑われながらも、友人との衝突やチャイルドバルタンとの出会いを経験し、もう一度ウルトラマンと出逢う事になる。

大決戦の後、ムサシは「真の勇者」の証である輝石を授かり、夢を信じることを忘れないと、またの日の再会を約束してコスモスを見送った

(劇場版第一作『FIRST CONTACT』)


しかし13歳の頃、宇宙船の事故をきっかけにSRCアストロノーツ養成学校が閉鎖。

コスモスと約束した「夢を信じる心」を無くしかけるも、コスモスと出逢った公園でギャシー星人のシャウに地球が異形生命体サンドロスと、その配下である怪獣兵器スコーピスによって襲撃される「未来」を見せられる。

もう一度コスモスと共に戦うという仮想体験をしたことで、ムサシは夢を信じる心を取り戻すのだった。

(『THE BLUE PLANET』ムサシ13歳編)


そして現在、逞しく成長したムサシはSRC宇宙開発センターのパイロット候補生になって夢に邁進していた。

ところがある時、ムサシの親友である怪獣・リドリアスが謎の『光のウィルス』に取り憑かれ暴走してしまう。

リドリアスを元に戻そうと奮闘するムサシのもとに、あのウルトラマンコスモスが帰ってきた。

そしてムサシの勇気に感銘を受けたコスモスは彼と一体化し、共に地球を狙う光のウィルス――カオスヘッダーと戦うのであった。


時系列編集

諸事情で作中の時系列と公開順が前後している場合があるが、本作の物語を時系列順に並べると以下の通りになる。


劇場版『THE_FIRST_CONTACT』(2001年)→劇場版『THE_BLUE_PLANET』(ムサシ(13才)少年編、2003年)→TVシリーズ(2009~2010年)→劇場版『THE BLUE PLANET』(正規版、2012年)→劇場版『THE FINAL BATTLE』(2015年)→『ウルトラマンサーガ』→『決戦!ウルトラ10勇士!!』→『THE_ORIGIN_SAGA』→『ウルトラギャラクシーファイト大いなる陰謀』→『ウルトラギャラクシーファイト運命の衝突



登場人物編集

ウルトラマンコスモスの登場人物一覧を参照。


主演俳優逮捕騒動について編集

2002年6月8日の第49話放送後、主演の杉浦太陽2000年の傷害・恐喝事件の容疑者として誤認逮捕される事態が発生。

次週以降の放送が不可能になったため、急遽穴埋めに劇場版アニメ『ウルトラマンM78劇場 Love&Peace』、最終回に至るエピソードをまとめた『特別編集編・前後編』、OV作品『ウルトラマンネオス』が放送された。ウルトラシリーズで放送が中断されたのは初めてである。


その後傷害については事件の一部が虚偽であったことが判明したため不起訴処分に、恐喝についても起訴猶予処分となったため放送再開が可能となり、無事番組は最終回まで放送された。


ただし、放送休止分の5話は未放送となり、後に発売された映像ソフトに収録される運びとなった(CSなどでの再放送では、未放送の分も全て放映されている)。

ちなみに収録されたソフトには先述の第59話〜60話(第1巻)、第63話〜最終話(第2巻)を再編集した特別総集編も収録されている。

上記のようなことがあっても最後まで優しさを貫き通した。


未放送となったエピソードのうち、第50話は『新ウルトラマン列伝』第84話で約13年越しに地上波で初放送を果たした。



放送リスト編集

コスモス怪獣を参照。


音楽編集

OP曲編集

作詞:松井五郎/作曲:KATSUMI/編曲:小西貴雄/歌:Project DMM

ウルトラマンコスモスという番組のコンセプトを凝縮したOP主題歌。ヒーローのフルネームは全く入っていない。


ED曲編集

作詞:松井五郎/作曲:鈴木キサブロー/編曲:京田誠一/歌:Project DMM

番組タイトルが入っているED。しかし、ヒーロー名は歌詞中に一切含まれない。

劇場版第1作と第2作では主題歌として使用。『新世紀ウルトラマン伝説2003』ではリミックスされるという形での使用となった。


作詞・作曲:KATSUMI/編曲:大門一也/歌:Project DMM

第42話からのエンディング。

実は第41話から変更される予定だったが、第41話のラストで前期EDのカラオケをするシーンがあったのでこのタイミングとなった。


挿入歌/イメージソング編集

劇中未使用の楽曲はのちにテーマソング集「ウルトラマンコスモスCOMPLETE SONG COLLECTION」にて収録された。


  • Touch the Fire

作詞:KATSUMI/作曲・編曲:大門一也/歌:Project DMM

コロナモードの戦闘曲。


  • 僕達のエネルギー

作詞・作曲・編曲:大門一也/歌:Project DMM


  • ワンダバ チームEYES

作曲・編曲:冬木透/コーラス:Project DMM

チームEYESのテーマソング。


  • ECLIPSE

作詞・作曲:KATSUMI/編曲:大門一也/歌:Project DMM

エクリプスモードのテーマソング。


  • 光の伝説

作詞・作曲:KATSUMI / 編曲:京田誠一 / 歌:Project DMM


  • Christmas for everyone

作詞:KATSUMI/作曲・編曲:大門一也/歌:Project DMM


  • Never Stop Dream

作詞・作曲:松原剛志(Project.R)/編曲:大門一也/歌:Project DMM


  • Can We Live? 〜手をとりあって〜

作詞:KATSUMI/作曲・編曲:大門一也/歌:Project DMM


  • JAST A HERO

作詞・作曲・編曲:大門一也/歌:Project DMM


  • Power of Love

作詞・作曲・編曲:大門一也/歌:Project DMM


劇場版主題歌編集

  • High Hope(「コスモスVSジャスティス」主題歌)

作詞・作曲:KATSUMI/編曲:大門一也/歌:Project DMM

タイトルの意味は「高望み」。歌詞中にはムサシのセリフが挿入されており、劇場版第1作のムサシのセリフで締めくくられる。


余談編集

怪獣との共存編集

『コスモス』では「人類と怪獣との共存」というテーマを打ち出しているが、このテーマについては何かと賛否両論。

怪獣が人類を襲ってくる以上、それと共存するのは「綺麗事」と言う意見は多かった。

また、「怪獣を倒さないのが優しいなら、これまでのウルトラマンは優しくないのか」と言う方面でも批判を受けた。


逆に怪獣保護のテーマ自体には好意的な視聴者の一部からも、「怪獣保護を絶対視しすぎて、市民の被害に無頓着ではないか」「怪獣保護が正義、怪獣駆除は悪、と言った視点に凝り固まっていないか」「人間の都合による怪獣の隔離は、本当に共存と言えるのか」「自身の都合で生態系を好き勝手しているだけではないか」「度の過ぎた理想主義」と言った意見が聞かれた。


実際、あまりに挑戦的なこのテーマは、『コスモス』本編において上手くいっていたとは言い難い。

これは視聴者のみの意見と言う訳ではなく、制作側ですら、脚本家の川上英幸(『メビウス』までの平成ウルトラマン(『ネクサス』を除く)に参加。本作では9本執筆)が「動物だって人に危害を加えれば駆除される」「コロナモードがある以上、『殺しても良い怪獣』が必要となる」「にもかかわらず『全部助ける』の一点張りで理解に苦しむ」と、かなり否定的なコメントを残している。

川上以外の脚本でも、本編の一部のエピソードでは「本当にこのやり方の怪獣保護は正しいのか?」と言った問題が提起されている……にもかかわらず、その辺りのテーマが結局掘り下げられる事なく終わってしまった点についても、制作側の迷いを感じられる所である。

また終盤のカオスヘッダーとの関係や劇場版など、当時発生した同時多発テロを背景として人間の戦争批判や警鐘といった方面が強く押し出されるような形になり、元々現実で意見が分かれやすい生物の共存問題と一緒になりやすいという事情も合わせファン同士の議論が複雑になりやすい要因の一つである。


ただ、そもそもご存じの通り、『コスモス』以前にも、初代ウルトラマンの怪獣墓場を始めこうしたエピソードは散見されていた。『コスモス』のテーマ自体も『ティガ』から始まり前作『ガイア』で出た答えをさらに発展させたものである。

そう考えれば、これは怪獣保護のテーマが悪かったと言うより、「挑戦的なテーマに対して、ストーリーがついていけなかった」と言うべきであろう。

川上も「怪獣の保護についての定理は、絶対に最初に作っておくべきだった」と、テーマそのものよりも、その作り込みの甘さに苦言を呈している。


そのため、結果的には上手くいかなかったものの、『コスモス』の挑戦は後の作品に(時代の流れや価値観の変容なども考えられるため一概には言えないものの)、大なり小なり影響を及ぼしている。


もっとも直接的な理念の継承者は、2015年に放送され『ウルトラマンX』だろう。

この作品でも、『コスモス』と同じように怪獣保護を理念としている。ただ、「怪獣本来の生息地を尊重しつつも、人間に危害を加えた場合は殺処分する」と言う、現実の動物保護や害獣駆除に近い設定が取られる事で、『コスモス』の教訓を生かして、現実主義な作品となっている。

その『X』第14話では「怪獣と人類が共存する理想郷を実現させた戦士」として礼堂ヒカル大空大地にコスモスのことを教えるシーンがあるほか、『新ウルトラマン列伝』の最終回でも、ガモランとの戦いを振り返る前に、ゼロがエックスに対して「この戦士の戦いはよく見ておいた方がいいぜ」と言い、エックスも戦いを見終わった後で、「彼の戦いは、私と大地も見習うべきものだった」と述べている。


また「怪獣保護」のテーマこそいまいち上手くいかなかったものの、そこから派生した(というよりは本来のコンセプトである?)「強さと優しさを兼ね備えた戦士」と言うテーマについては、十分に評価されている。

総じて言えば、「成功だったかはともかく、価値ある挑戦だった」と言う所だろう。


後年のシリーズ出演者との関わり編集

『ウルトラマンギンガ』、『ギンガS』で礼堂ヒカル役を演じた根岸拓哉は子供の頃は『コスモス』をリアルタイムで見ており、『決戦!ウルトラ10勇士!!』の製作発表会でムサシ役の杉浦と出演した際には、「ウルトラマンコスモスを観て育った世代なので、子供の頃のヒーローと共演できて光栄です」と喜びを語っていた。また、杉浦とは家族ぐるみで付き合いがあるらしい。


また、アニメ『怪獣娘〜ウルトラ怪獣擬人化計画〜』の2期でガッツ星人役を演じた声優の松田利冴は、幼少時に平成三部作と『コスモス』を視聴していたと語っている。


ウルトラマンデッカー』の主人公のアスミ・カナタ役の松本大輝も幼少期に『コスモス』をリアルタイムで見て育ったと語っている。


この他にも現在の作品に携わっている出演者やスタッフでも本作を見ていたという人は多い。

なお、他作品では「TDG三部作を見ていた」、「ネクサス、マックス、メビウスのハイコンセプトを見ていた」のように複数作品で挙げられることが多いが、コスモスの場合は前後それぞれに2年のブランクが存在しているためか、本作のみ見ていたという人も多い。

また、コスモスのスーツアクターを務めている寺井大介は『ギンガ』では根岸が演じるギンガのスーツアクターとして松本が出演したデッカーではアクション監督を務めているため、何かしらの形で縁がある。

本作終了後編集

『ティガ』から本作までは毎日放送のTBS系列土曜18時枠で放送してきたが、後番組の『機動戦士ガンダムSEED』からはアニメ枠となり、次回作『ネクサス』は中部日本放送へ移行した。これによって毎日放送は一度特撮番組から撤退することとなった。

上記の通り、本作以降毎日放送がウルトラシリーズを制作することはなくなったが、2018年に放送された『SSSS.GRIDMAN』に参加し、特撮番組も2021年に深夜枠の一部地域限定ながら『ガールガンレディ』で19年ぶりに復活している。


浮いた扱い?編集

ウルトラシリーズは、平成シリーズでもTDG三部作」(『ティガ』、『ダイナ』、『ガイア』)」ハイコンセプト・ウルトラマン(『ネクサス』、『マックス』、『メビウス』)」新世代ヒーローズ(『ギンガ』以降)」と言った公式の括りが存在するが、コスモスだけはいずれの括りにも入っていない。

ハイコンセプト・ウルトラマンと誤認する人もいるが、公式ではコスモスは含まれていないため、これは誤りである)

その理由として、前作『ガイア』と次作『ネクサス』との間で前後ともに2年のブランクがあったからとされる。放送時期が独立し丸1年以上前後両方に作品がなかったのは2023年現在、本作が唯一である

※前後それぞれ作品との空白期間があるのは、『セブン』、新世代ヒーローズも同じだが、『セブン』では『ウルトラマン』終了から半年に放送を開始、新世代ヒーローズも概ね前作品の終了から半年後に新作を開始する上、各作品の間をウルトラシリーズの再編集番組で繋いでいる。また、特撮作品に限れば『ウルトラマン80』も独立しているが、『80』は前年にアニメとはいえ正式にTVシリーズにカウントされる『ザ☆ウルトラマン』が放送され、シリーズ作品としては単発ではないため、2作あわせて第3期ウルトラシリーズとされる。

放送時期はハイコンセプト・ウルトラマン同様2000年代であるが、制作局はTDG三部作と同じ毎日放送であり、さらに、その後の映像ソフトでも扱いにバラつきがあり、良くも悪くもどっちつかずの状況になっている。

また、本作はドラマパートはハイコンセプト・ウルトラマン同様のビデオ撮影だが、特撮パートはTDGと同じフィルム撮影であり、その点においてもどっちつかずである。

強いて言うなら、両方の要素を持っていると言えるだろう。


また、平成ウルトラマンはプロテクターなどの装飾が多いのも特徴だが、平成のTVシリーズではコスモスは唯一プロテクターなどの装飾を一切つけていない。そして2024年現在、最後の無装飾の主人公ウルトラマンである(厳密に言うと、ウルトラマンベリアルが最後の無装飾ウルトラマンである)。ちなみに、基本形態のボディに限定すれば、平成以降のTVシリーズでは唯一、シリーズ全体を通せば最後の2色のみのウルトラマンである。なお、他の平成ウルトラマンで無装飾であるのは、オリジナルビデオや映画限定の戦士、およびタイプチェンジ後を含めても、ゼアスネオス、およびダイナミラクルタイプストロングタイプが加わるだけである。


また、上記の通りシリーズでは数少ない「過去作要素を一切含まない作品」の一つでもある(『コスモス』以外での過去作要素皆無の作品は、『ガイア』『ネクサス』のみ)。ただしコスモスは、本編の前日譚である劇場版で、バルタン星人が、がっつり本編の重要な設定に関わっている。むしろ諸般の事情で長らく避けられていた、成田亨怪獣の封印を解いた最初の作品が『コスモス』だったりする。


この他にも、『コスモス』は放送終了後も他の作品と比較しても、

  • ソフビ人形が他のウルトラマンとは違い、握りこぶしではなく平手。これは平成ウルトラマンでは唯一である。

  • メビウスまでの実写テレビシリーズのウルトラマンはCBC制作の作品に何かしらの形で登場しているがコスモスのみは登場していない。そのためか『メビウス』以前の平成ウルトラマンはCBCにより『ティガ』、『ダイナ』、『ガイア』の専用公式サイトが新たに作られたのにもかかわらず、『コスモス』だけは存在しない。加えて円谷プロ公式サイトからも放送当時の毎日放送のサイトにすら移行できないため移行できないのは『ネクサス』も同じだが、その理由はURLの変更であり、ホームページ自体は存在し閲覧可能。コスモスに至っては、移行クリックすらない)、事実上専用公式サイトが存在しない扱いになってしまっている『ダイナ』、『ガイア』にも一応毎日放送版の公式サイトは存在するが、円谷プロ公式サイトから飛ぶとCBCのサイトに移行する)。ちなみに、新世代ヒーローズも公式サイトが存在するため、平成以降のテレビシリーズでは唯一ホームページが存在しない作品となってしまった。

  • 決戦!ウルトラ10勇士!!』では独特な立ち位置となったため唯一エタルダミーが登場していない。また、その10勇士の中で唯一独自の十字型光線もL字型光線も存在しない厳密に言えばネイバスター光線はL字を組むと言われるが、実際には少し異なっており、加えてこの光線も基本形態の技ではない。基本形態で打てないのは10勇士ではコスモスのみ)。

  • ULTRA-ACT』では他の平成主人公ウルトラマンは店舗販売された中、コスモスだけ唯一魂ウェブ限定の通信販売となってしまう。商品化されたのもシリーズ展開の末期である。

  • ULTRAMANのスマートフォンアプリゲーム『BE_ULTRA』ではメビウス以前の平成各ウルトラマンのスーツは実装化されたものの、コスモスだけは現時点でデザインすらされていないこれにいたっては『ネオス』、『ゼアス』、『ナイス』など海外ウルトラマン以外のTVシリーズ以外の作品の主人公ウルトラマンですら実装化されている)。

  • ウルトラマンボーイのウルころ』では、当時最新のヒーローだったにもかかわらず出演していない(この時点で『コスモス』は既に放送を終了している)。 おそらく『コスモス』が放送終了してまだ1年目だったため、権利関係による事情と思われる。

  • 劇場版含め、『ティガ』~『メビウス』までと『デッカー』やその他一部の作品に出演した堀内正美氏が唯一、一切出演していない。

  • そのコンセプト故か、後年の作品における別次元での再登場怪獣及び戦闘はなく(戀鬼カオスウルトラマンを除く)、しかもコスモス本人が本作の怪獣と客演で戦ったことはない。これも平成唯一である。

  • 等身大になったことはあるものの、この時はムサシがミクロ化した状態での変身だったために実際には巨大化しており、ニュージェネレーション以前の平成ウルトラマンとしては唯一「サイズの変わらない変身」をしていない

以上のように、他のウルトラマンにはあるもののコスモスだけには存在しない要素が多く、他とは明らかに異なる扱いがほとんどで、客演などこそ多いものの、グッズなどで1人だけハブられたりと、扱いが一定ではなかったりすることも多い。上記の通り客演自体は多く、人気も低くないため、決して不遇とも言えないので、客演とグッズ展開のバランスが不安定であると言えるのかもしれない。


一方、その後の作品での展開から、逆に、


  • 『マックス』以降の昭和作品の要素や怪獣登場する以前の平成ウルトラマンでは唯一、映画内とはいえ昭和怪獣であるバルタン星人と戦っている。ちなみに、平成のTVシリーズのウルトラマンで初めて昭和怪獣と戦った。ちなみにバルタン星人と戦った光の国以外の戦士は、コスモスのみ。

  • 『10勇士』ではメインのギンガ、ビクトリー以外では唯一変身者が登場したほか、TVシリーズ本編に登場した全てのタイプチェンジをゼロ以外で唯一行なっている。また、本編以降では唯一明確に分離シーンが描写されるウルトラマンである。

  • ゼロ以前の10勇士では唯一エタルガーと戦う描写があり、また他の戦士がエタルダミーと戦う中、ギンガビクトリーと共に唯一エタルガー本人と2度以上戦った。


  • 上記にもある通り、冬木が平成ウルトラマンで唯一関わった作品である。 ただしワンダバの音楽を含めれば『メビウス』が最後である。

  • ウルトラシリーズで60話以上放送されたのも、4クールを超えたのも歴代唯一である。

  • 平成ウルトラマンの中で唯一、本作の怪獣の派生キャラクターが声付きでかいじゅうステップワンダバダに登場している。ちなみにコスモスも本人ではないものの、間接的に登場している。

  • 「大いなる陰謀」では基本的に人間態は登場せず、かつて人間と一体化していた本作に登場する戦士も皆人間とは分離しているが、何気に台詞のあるウルトラマンでは唯一人間と一体化、意思が出ているキャラクターである。

  • ウルトラシリーズでは、客演時の声優が本放送時と異なるという場合が少なからずあるが、コスモスの場合は、最新ヒーローとしての展開中であるにもかかわらず、映画によって声優が変わるというかなり珍しいウルトラマンである。ただコスモスの人格としての声は一貫して佐藤佑暉が担当しているため、そういう意味では統一感はあるという何とも珍しいタイプでもある。

…と、『コスモス』だけの要素もいくつか存在する。


そして、特筆すべきは、人気、知名度の高く、名前は知っていてもあまり詳しくない人から「赤と銀の巨人」イメージを持たれやすいウルトラシリーズで2024年現在、それまでの、そしてその後を含め本作以外では全ての作品では必ず受け継がれている「基本形態には赤色が含まれる」というほぼお約束事を続けているシリーズで、

唯一、基本形態に赤色が一切入っていないウルトラマンが主人公の作品」であること

である(※)



20周年記念配信編集

2021年5月13日より、放送20周年を記念してYouTubeのウルトラマン公式チャンネルにて配信が開始された。20周年の節目で配信されるのは、『ガイア』以来3年ぶりである(『ネクサス』と『マックス』は15周年記念で配信された)。

これまでの『ザ☆』、『80』、『G』、『ガイア』、『ネクサス』、『マックス』の配信は毎週1話ずつだったが、本作は(話数が多いためか)東映特撮Youtubeチャンネルではおなじみとなっている毎週2話ずつの配信を初めて行っており、良くも悪くもここでも「違い」を見せつけた(ただし、東映特撮は同じ日に2話同時に配信しているが、本作は火曜と木曜の2回に分けて更新)。

配信の最後にはなんとコスモス本人(しかも声はオリジナルキャストの佐藤佑暉)が登場しチャンネル登録の宣伝をする。また、本編の間に流れるTSUBURAYAIMAGINATIONのCMにも宣伝役として登場している。


なお、配信時期がコロナ禍の真っ只中だった事もあり、宇宙ウイルスと戦うウルトラマンの配信はなかなかにタイムリーなものとなった。




関連イラスト編集

【10周年】ウルトラマンコスモス【慈しみの青い巨人】「ウルトラマンシリーズ」50年記念 VOL.37 コスモス

「ウルトラマンシリーズ」50年記念 VOL.38 コスモス「ウルトラマンシリーズ」50年記念 VOL.39 コスモス


関連タグ編集

土6

ゾイド新世紀スラッシュゼロ(2001年冬春)→本作(2001年夏秋、2002年冬春夏)→機動戦士ガンダムSEED(2002年秋、2003年冬春夏)


TDG三部作ウルトラマンコスモスハイコンセプト・ウルトラマン


主なゲスト出演者編集

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