概要
2002年の映画『ウルトラマンコスモス2 THE BLUE PLANET』の同時上映として公開された映画で、初代ウルトラマンから当時の最新作のウルトラマンコスモスまでの28大ウルトラヒーローが共演する。
といっても明確なストーリーがあるわけではなく、歴代ウルトラヒーローをダイジェスト的に紹介する映像とウルトラヒーローが全員そろってダンスをするダンスパート、そしてウルトラ28ヒーローが怪獣天空魔と戦う新規撮影パートに分かれている。
劇中でウルトラ戦士たちが踊っているのは「ウルトラマン・エクササイズ」というのだが、子供が真似しやすいように簡単な振り付けになっている為、エクササイズとしての効能は無い。
このダンスパートは『トリビアの泉』で紹介されるほど有名で、視聴者からはかなり好評だったらしい。
アニメ作品である『ザ☆ウルトラマン』のウルトラマンジョーニアスや、『ウルトラマンUSA』のウルトラマンスコット、ウルトラマンチャック、ウルトラウーマンベスも実写で登場する。
歴代ウルトラマンのダイジェスト映像では布川敏和演じるパパとくぼかんじ氏演じるカンジ少年が紙飛行機に乗って歴代ウルトラマンの世界に行くだけでなく、援護までするというトンデモ展開になっている。
2024年現在、最も多くウルトラ戦士が登場し、怪獣と戦いを繰り広げた唯一の映画だったりする(総数28人)。
登場人物/登場機体
- カンジ
ウルトラマンが大好きな少年でウルトラマンコスモス・エクリプスモードの変身スーツを着ている。
パパと紙飛行機を作って遊んでいた所、謎の雷鳴が起こり、TVの世界に迷い込む。
迷い込んだ先の世界では防衛隊や登場人物の役割を与えられているようで、ビー玉で怪獣に砲撃を行ったり、手鏡で太陽光を反射させてウルトラセブンにエネルギーを分け与えたり、紙風船でティガやダイナを呼び出すなど超人的な活躍を見せる。
クレジットでは「ボク」となっているが、作中ではくぼかんじ氏の名前をそのまま使用している。
彼らを初めとする登場人物の役名が固有名詞になっていないのは視聴者とその家族の分身も兼ねているからなのかもしれない。ちなみにくぼ氏は『コスモス』の第26話、『THE BLUE PLANET』にもゲスト出演している。
- パパ
スーパーGUTSのユニフォームを着ているカンジの父で、カンジとはよくウルトラマンごっこをやったりしている。
作中ではペンダントからエネルギーを照射してセブンを復活させ、スリングショットでツインテールを撃破するなどカンジに負けず劣らず超人的な活躍を見せる。
演じたのが布川敏和氏なこともあってか、ダイナがバジリスに勝利した際にはサムズアップを贈るというファンサービスを見せた。
- ママ
TVの世界に迷い込んだ息子と夫を見守る。
木べらでウルトラセブンの真似をしたり、ウルトラマンごっこに参加したりとノリがよく、息子と夫が時空旅行から帰ってきても「おかえり」で済ませるなど肝が据わっている所がある。
- 紙飛行機
突如異世界に行く能力が備わった紙飛行機で、海の中でも問題なく活動できる。
パパとカンジの趣味で防衛隊のロゴのステッカーが貼られている。
TVの世界から帰ってきた後は元のサイズに戻るも、不思議な力は残ったままであり、カンジが空に翳してウルトラマン達を召喚する為に使われた。
登場ヒーロー
- 初代ウルトラマン
- ウルトラセブン
- ウルトラマンジャック
- ウルトラマンエース
- ウルトラマンタロウ
- ウルトラマンレオ
- アストラ
- ウルトラマンジョーニアス
- ウルトラの父
- ウルトラの母
- ウルトラマンキング
- ゾフィー
- ウルトラマン80
- ユリアン
- ウルトラマンスコット
- ウルトラマンチャック
- ウルトラウーマンベス
- ウルトラマングレート
- ウルトラマンパワード
- ウルトラマンネオス
- ウルトラセブン21
- ウルトラマンゼアス
- ウルトラマンティガ
- ウルトラマンダイナ
- ウルトラマンガイア
- ウルトラマンアグル
- ウルトラマンナイス
- ウルトラマンコスモス
彼らのうち、マンとジャックは援護してくれたカンジらにポーズを取る新撮映像が見られる。なお、一部のウルトラマンはどういうわけかネオスの掛け声が流用されている。
ダンスパートの順番は1期ウルトラ〜2期ウルトラ組→80〜ゼアス組→平成組の順。ただし、ナイスは少々立ち位置が特殊で、冒頭の走りこんでくるシーンや戦闘シーンではネオスやゼアスを始めとする番外組、ダンスパートでは平成ウルトラ組に入れられている。
出典(登場順)
(内は本作に登場した怪獣)
- ウルトラマンコスモスTHE_FIRST_CONTACT(バルタン星人ベーシカルバージョン)
- ウルトラマン第36話「射つな!アラシ」(ザラガス)
- ウルトラセブン第40話「セブン暗殺計画(後編)」(ガッツ星人)
- 帰ってきたウルトラマン第6話「決戦!怪獣対MAT」(グドン、ツインテール)
- ウルトラマンA第30話「きみにも見えるウルトラの星」(レッドジャック)
- ウルトラマンA第50話「東京大混乱!狂った信号」(シグナリオン)
- ウルトラマンA第5話「大蟻超獣対ウルトラ兄弟」(ギロン人、アリブンタ)
- ウルトラマンA第1話「輝け!ウルトラ五兄弟」
- ウルトラマンタロウ第18話「ゾフィが死んだ!タロウも死んだ!」(バードン)
- ウルトラマンタロウ第19話「ウルトラの母愛の奇跡!」
- ウルトラマンタロウ第1話「ウルトラの母は太陽のように」(アストロモンス)
- ウルトラマンタロウ第37話「怪獣よ故郷へ帰れ!」(メドウーサ星人)
- ウルトラマンタロウ第15話「青い狐火の少女」(ミエゴン)
- ウルトラマンレオ第1話「セブンが死ぬ時!東京は沈没する!」(レッドギラス)
- ウルトラマンレオ第22話「レオ兄弟対怪獣兄弟」(リットル、ガロン)
- ザ☆ウルトラマン第19話「これがウルトラの星だ!! 第1部」(ゲラド)
- ザ☆ウルトラマン第21話「これがウルトラの星だ!! 第3部」(バゴン)
- ウルトラマン80第35話「99年目の竜神祭」(ファイヤードラコ)
- ウルトラマン80第49話「80最大のピンチ!変身!女ウルトラマン」(プラズマ、マイナズマ)
- ウルトラマンUSA(キングマイラ)
- ウルトラマンA第27話「奇跡!ウルトラの父」
- ウルトラマンタロウ第2話「その時ウルトラの母は」
- ウルトラマンレオ第39話「レオ兄弟ウルトラ兄弟勝利の時」
- ウルトラマンG第3話「魅入られた少年」(ゲルカドン)
- ウルトラマンG第1話「銀色の巨人」(ブローズ)
- ウルトラマンパワード第9話「復活!ニ大怪獣」(パワードバニラ、パワードアボラス)
- ウルトラマンパワード第2話「その名はウルトラマン」(パワードケムラー)
- ウルトラマンパワード第4話「闇からの使者」
- ウルトラマンネオス第6話「ザム星人の復讐」(ザムリベンジャー)
- ウルトラマンネオス第4話「赤い巨人!セブン21」(ノゼラ、サゾラ)
- ウルトラマンネオス第10話「決断せよ!SX救出作戦」
- ウルトラマンゼアス2超人大戦・光と影(ウルトラマンシャドー)
- ウルトラマンゼアス(コッテンポッペ)
- ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ光の星の戦士たち(クイーンモネラ)
- ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア超時空の大決戦(スキューラ、バジリス、キングオブモンス)
BGM
本作のBGMはウルトラシリーズのOPのアレンジであり、「ウルトラマンエクササイズ」とProject DMMの「空想少年」をリミックスしたものとなっている。
アレンジ元
- 光の巨人、ふたたび(1997)※ウルトラマンダイナの劇中BGM
- ウルトラマンの歌(1966)
- ウルトラセブンの歌(1967)
- 帰ってきたウルトラマン(1971)
- ウルトラマンA(1972)
- ウルトラマンタロウ(1973)
- ウルトラマンレオ(1974)
- ザ☆ウルトラマン(1979)
- ウルトラマン80(1980)
- 時の中を走りぬけて(1989)
- ぼくらのグレート(1992)
- ウルトラマンパワード(1993)
- ウルトラマンネオス TYPE 2001(2001)
- ウルトラセブン21 TYPE 2001(2001)
- シュワッチ!ウルトラマンゼアス(1996)
- TAKE ME HIGHER(1996)
- ウルトラマンダイナ(1997)
- ウルトラマンガイア!(1998)
- Spirit(2001)
ウルトラマンナイスの原作映像は組み込めなかった為か、主題歌「ウルトラマンナイス」はアレンジされず…。
余談①
メイン画像はダンスの合間に挟まれる歴代作品ロゴが大量に映し出されるシーンのパロディ。
以前からスペシウム光線はウルトラヒーローの基礎技という設定は存在したが、この作品を機に平成シリーズを含めて全てのウルトラマンがスペシウム光線を使えるという設定が定着した。
ダンスのシーンで何人かのウルトラマンが振り付けを間違えるシーンがある。円谷プロ曰く、「普段は戦っているため踊りには不慣れで上手いウルトラマンと下手なウルトラマンがいた」とのこと。
また、ゼアスは初代ウルトラマンの親戚である為か平成チームには加わらずM78星雲パートに参加している。
ウルトラマンジャスティスは本作には出演せず、登場は次回まで待たねばならない。
- 当時発売されたテレビマガジンデラックスでは本作に登場したのはバードンであるにもかかわらず、エレジアの写真を使ってしまっている。
続編
2003年の映画『ウルトラマンコスモスVSウルトラマンジャスティス THE FINAL BATTLE』の同時上映としてまさかの続編『THE KING´S JUBILEE』が公開。
前作のウルトラマンエクササイズが好評だったため、ウルトラマンキングの誕生日ダンスパーティーという設定でダンスを中心に構成されている。
なんとこちらではウルトラマンゼアスの息子とレディベンゼン星人の娘が登場!ダンスチームの一員としてパーティを盛り上げる。
ウルトラファンクジャム
ウルトラヒーローや怪獣で構成されたダンスチーム。それぞれ得意ジャンルが異なる。全員ダンス衣装に身を包んでいるが、皆目に灯が灯っていない為ちょっと怖い気がしなくもない。
また、歴代ヒーローと同一人物かは不明(観客席にも該当ヒーローがいて反応している為。なお、ゼアスJr.とベンゼンJr.に関しては観客席にいた両親の反応から本人である事が分かる)。
ウルトラマンチーム
- ダイナ・ロックステディ:ロックダンス担当
- ガイア・エレクトリック:オールドスクールヒップホップ担当
- B-BOY・ゼアスJr.:彼こそゼアスの息子でヒップホップ担当。何気に平成で1番目の二世ウルトラマンだったりする。後輩達と違って見るからに子供体系という二世ウルトラマン唯一無二の特性を持つ。
- コスモス・エアー:フリースタイル担当。
- 80・スーパークール:ハウスダンスフロアーやスタンドなどで幅広く活躍。
- アグル・ブギーダウン:フリースタイル担当
- ティガ・スピニング:ニュースクールヒップホップ担当
- エース・ギャラクシーステップ:ハウスステップ担当
- セブン・シャッフル:ハウスダンス担当。
- ゼアス・ファンキーグループ:バランスタイプでオールマイティに活躍。
- ジャスティスポインター:ヒップホップ担当。
怪獣ダンサー
- バルタン・ビッグツイスター:フリースタイル担当。腕もきちんとハサミになっている。
- ピット・フラッシュ:ロックダンス担当。
- イザク・ワイルドスタイル:ヒップホップ担当。『ガイア』に登場したイザクの亡霊なのか、別世界のイザクなのかは不明。顔以外が人型に近づいた為、初見ではイザクとは気付きにくい。
- マグマ・フリーズX:エアートラックスとウィンオミル担当。
- ダダ・セクシー:セクシージャズが得意。名前からして女性の様子。平成の初め頃のダダは大体そんな役回りだった。
- レディベンゼン・ヒプノティック:様々なダンスをこなせるバランス型でオールマイティに立ち回る。
- ゴドラ・ポッピング:ヒップホップとロックダンス担当。次に客演するのはウルトラマンジードまで待たねばならない。
- ボンバーヘッド・ガンQ:ヒップホップ担当…本家に比べてスリムすぎる外見になっている。こわい。
- デバン・フロアークラウン:ニュースクールとヒップホップ担当…顔以外はより人型に近付いた。痩せたのだろうか。また、デバンは原典では興行経験者だったりする。
- カオスヘッダー・グランドマスター:ブレイクダンス担当。お前、『コスモス』最終回で浄化されなかったのかとかいうツッコミはしてはいけない。
- B-G-RLレディベンゼン・ドーター:ベンゼン星人夫妻の娘。互いの親同士は因縁深い反面、ゼアスJrとは非常に仲が良い。姿は母親似だが、可愛らしくデフォルメされている。
- Zカプセル光獣ミラクロン:楽曲の歌詞にも登場。彼はファンクジャムの衣装を纏わずに出演している。尚、ミラクロンの最後の客演作品が本作となる。
観客
- ウルトラマンキング
- ウルトラの父
- ウルトラの母
- ウルトラマン
- ウルトラセブン
- ウルトラマンジャック
- ウルトラマンエース
- ウルトラマンタロウ
- ゾフィー
- ウルトラマンレオ
- アストラ
- ウルトラマンジョーニアス
- ウルトラマン80
- ユリアン
- ウルトラマンスコット
- ウルトラマンチャック
- ウルトラウーマンベス
- ウルトラマングレート
- ウルトラマンパワード
- ウルトラマンゼアス
- ウルトラマンティガ
- ウルトラマンダイナ
- ウルトラマンガイア
- ウルトラマンナイス
- ウルトラマンコスモス
- ウルトラマンジャスティス
- カネゴン
- ケムール人
- ベムラー
- ダダ
- ジャミラ
- バルタン星人
- バルタン星人二代目
- メフィラス星人
- ギャンゴ
- シーボーズ
- ゼットン
- ザラブ星人
- ドラコ
- ギガス
- ピット星人
- ウインダム
- ゴドラ星人
- ペガッサ星人
- エレキング
- メトロン星人
- プロテ星人
- フック星人
- イカルス星人
- ゴース星人
- サドラ
- グドン
- スノーゴン
- サタンビートル
- メカバルタン
- ベンゼン星人
- レディベンゼン星人
- ウルトラマンシャドー
- カミーラ
- ダーラム
- ヒュドラ
- バルタン星人ベーシカルバージョン
- チャイルドバルタン
- ネオバルタン
- マハゲノム
- アルケラ
- かわのじ
- キュリア星人
- ザゲル
- ヘルズキング
- ザゴン星人
- ブースカ
- チャメゴン
余談②
ウルトラマン達が登場するシーンも非常にシュールで、ハイテンションな姿が想像できない戦士までハイテンションになっている。
- ウルトラマン、セブン、ジャック、コスモス、ジャスティスは従来通り、飛行しながら登場。コスモスは当時の現行ウルトラマンだった事もあり、画面の前の子供達に手を振ってくれる。
- ゼアス、レオ兄弟はサーフボードに乗って登場。ゼアスは乗りこなすのに必死だった為かポーズが腹筋を刺激してくる。前作の頃からかすっかりギャグ担当としてのポジションを確立しつつある。
- レオ兄弟は修行の成果からか楽々乗りこなしていた。
- 海外ウルトラマン勢、ジョーニアス、ネオス、セブン21はソーラーパネルで航行する帆船に乗って登場。
- エース、80、ユリアン:宇宙バイクと宇宙スクーターに乗って登場。乗ってるヒーロー達がやたら人形感が強いって?気にしてはいけない。
- TDG三戦士はヤマワラワが引く宇宙ソリに乗って登場。ダイナのテンションはほぼいつも通りである。
- 御者はティガが担当。
- タロウは一家揃ってミクラスが引く宇宙ソリに乗っている。御者はタロウ。ムルロア戦でウルトラベルを引いたからだろうか?。ちなみにタロウの息子は当時まだ未登場(というか設定的にまだ生まれてすらいない可能性がある)。
- ウルトラの父とウルトラの母はヒートアップしたヒーロー達を鎮める為に光線を放っている。
- 恐らく陛下は宇宙牢獄の中で留守番させられているものと思われる(当時、まだベリアルの設定は無かったが)。
- ゾフィーとアグルはキングが乗る宇宙ソリの御者を務める。
- このソリを引いているのはまだ敵キャラクターとして見られる事の多かったグビラ。よく見ると体にリボンが付いているのが特徴。『ウルトラマンサーガ』辺りからグビラの扱いは軟化傾向にある(尤もこの個体はゴメス同様バット星人に処刑されてしまったが)。
- この頃からゾフィーは青いウルトラマンとセットにされる傾向にあった様子。奇しくも2006年から青い剣士で科学者のウルトラマンが登場することになる。
関連タグ
ChooChooTRAIN:作中でこれをやるシーンがある。この曲のコーラス担当であった中西圭三氏はのちに大怪獣バトルNEOの主題歌を担当している。
ウルトラ・BootCamp!:本作公開から約19年後に誕生したウルトラなエクササイズ。(ただし、こちらもホントにエクササイズとしての効果があるのかは不明。)こちらに関しては、ウルトラシリーズ初のダンスエンディングである。
THE_FIRST_CONTACT←THE_BLUE_PLANET/新世紀ウルトラマン伝説→ウルトラマンコスモスVSウルトラマンジャスティス/新世紀2003ウルトラマン伝説THE_KING´S_JUBILEE→ULTRAMAN(映画)