DATA
別名 | 岩石怪獣 |
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英表記 | Rock Monster SADOLA |
身長 | 60m |
体重 | 2万4000t |
出身地 | 霧吹山 |
概要
『帰ってきたウルトラマン』第3話「恐怖の怪獣魔境」に登場。
霧深く転落事故が頻発しており、「遭難した人間は恐ろしい竜に食われてしまう」と伝えられる魔の山「霧吹山」に生息する怪獣。
いくつもの体節を持つ蛇腹状の外皮と逆三角形の頭部、そして両腕に備わった重厚なハサミが特徴。このハサミは「重層ベローズピンチ」と呼ばれ、鋼鉄を易々と切断しうる切れ味と、飛んできた岩塊を真っ向から粉砕するほどの頑丈さを持つ。
ちなみに足もハサミになっている。
体節の隙間から揮発性の液体を分泌し、「電磁セクリションフォッグ」という特殊な霧を発生させる。この霧は特殊な電磁波を帯びているため、強力なジャミング効果を持ち、通信機等の電子機器を軒並み麻痺させてしまう。
普段は自らのハンティングフィールドである霧の中に身を隠し、迷い込んだ動物や人間をハサミで捕らえては食い殺している。腕は伸縮自在で身長の5倍も伸ばす事が可能であり、狩りや攻撃に有用である。
両側頭部の突き出た部分は耳であるが、ここにはサメのロレンチーニ器官に似た構造体が存在するため、視界の悪い霧の中でも獲物を決して逃さない。この耳は同時に急所でもあり、潰されるとたちまち戦意を喪失する。非常に優秀な感覚器官であるだけに、潰されると生死に関わる特級の弱点である。
人食い竜伝承の大元は十中八九サドラであり、生理現象で発生させる霧が山の名前にもなっている事から、かなり大昔から霧吹山に生息していたと思われる。
劇中での活躍
霧吹山を闊歩していたところ、偶然居合わせたデットンとケンカをしていたが、割って入ったジャックを共通の敵と認識し、即席タッグを組んで襲いかかる。
デットンが倒された後、ウルトラスラッシュで首を刎ねられてあっけなく絶命した。
その後の作品での登場
ウルトラマンメビウス
第5話「逆転のシュート」、第8話「戦慄の捕食者」に登場。
スーツは新規で造型され、原典よりがっしりした体型になった。
そして悲しいかな、これ以降「かませ」の役回りが増える事になる(ぶっちゃけ戦った相手がどれも強豪揃いだったので運が悪かったとしか言いようがない)。
しかしながら、作中では幼い子供連れの一家や女子高生の集団を片っ端から食い殺しまくっており、その脅威の描写は初代に増してリアルである。
複数体登場するが、全てボガールの手で復活させられた個体である。
最初の個体はGUYSと交戦した後ボガールに捕食され、2体目はメビウスと戦いメビュームシュートを受けて倒された。直後に3体目と4体目が出現してメビウスに襲いかかるが、ハンターナイトツルギのナイトシュートで瞬殺。
5体目に至ってはボガールに捕食されている真っ最中の現場を発見され、映ったのは腕だけだった。
『ウルトラマンメビウス外伝超銀河大戦』(プレイムービー版)では怪獣墓場で眠っていたが、復活し、ガンフェニックストライカーと対決している。宇宙空間に浮かぶサドラの姿は少しシュールである。
ウルトラギャラクシー大怪獣バトル
本作での扱いは過去最低クラス。
第1話「怪獣無法惑星」
惑星ボリスに不時着したペンドラゴンクルーの前に単独で出現し、同時に現れたテレスドンと戦うが、その最中に乱入してきたレッドキングにテレスドン共々シバき倒された末に首を絞められ、口から泡を吹き窒息死した。
第5話「ベラルゴシティの罠」
ベラルゴシティに複数体が出現する。ケイトの操るファイヤーゴルザにねじ伏せられ、いとも簡単に全滅させられた。
第6話「もう一人の怪獣使い」
複数体がペンドラゴンに襲いかかったたが、こちらもワイバーンミサイルの斉射で一掃されてしまった。
ウルトラ銀河伝説
ウルトラマンベリアルのギガバトルナイザーの力でベリアル軍団の一体として復活。光の国の生き残りとレイのゴモラに襲いかかるが、駆け付けたゼロのゼロスラッガーアタックで他の怪獣諸共あっけなく倒された。
また、終盤に登場したベリュドラには、右の角に『帰マン』のサドラが、胴体に『メビウス』のサドラが合体している。
AC版
拡張シート第1弾にて技カードとして収録。「攻撃に永続的に水属性が付加され、ラウンドを追うごとに威力を増す」という効果を持つ。水属性が弱点の相手に打って付けのカードである。
また、カードの使用時にフィールドが霧に包まれるという特殊効果が発生する。
ちなみにカードのイラストをよく見ると足元にデットンが倒れている。
ウルトラゼロファイト
バット星人グラシエが復活させた怪獣軍団の一体として登場。
グドン、ベムラー、テレスドンと共にゼロに襲い掛かるが、ストロングコロナの攻撃で反撃する暇もなく倒された。
しかしグラシエはさらに強力な怪獣達を集めた「地獄の四獣士」を用意しており、やはりこちらでもかませ扱いである。
ウルトラマンギンガS
第4話「強さの意味」に登場。
ワンゼロがモンスライブし、『メビウス』登場時と同様の能力を使ってビクトリーを苦しめたが、ギンガストリウムのウルトラショットで倒された。
やっぱりここでもかませ扱い──かと思いきや、終盤でスパークドールズを入手したヒカルが変身。グドンに襲われたレピを助けるという活躍を見せ、Vサインも披露した。加えて、スパークドールズの意義を体現し、ビクトリーの迷いを振り切って大金星をもたらすという大活躍を見せ、かませ扱いから見事脱却した。
後にスパークドールズはビクトリー=ショウに手渡された。
ウルトランスは攻防一体の鋏「サドラシザース」。ここぞという場面で活用され、今までの扱いの悪さが嘘のような大活躍を見せる。
能力は『メビウス』での設定を継承している。また、監督の石井良和は『メビウス』に助監督として参加しており、サドラの腕の操作も行っていた。
ウルトラマンデッカー
第10話「人と怪獣」に登場。
ナースデッセイ号のモニターに、市街地でネオメガスに撃破された後に投げ捨てられる映像が流れた。
今回は『ダイナ』第16話のオマージュ回である為、両手が鋏になっているという繋がりから、恐らくクローンシルドロンを意識した登場の可能性がある。
上記の通り『ギンガS』での活躍で見事かませ扱いから脱却出来たサドラだが、どうやらそれを最後に『メビウス』から使用され続けてきたスーツの限界が来てしまっていたようで、今作まで8年もの間、映像作品には登場していなかった。
また、今作ではアトラクション用と思しきスーツが使われており、造形的にアップでは映さない都合故か、作中での資料映像としてネオメガスに死体を投げ捨てられるだけの出番であり、挙句の果てには公式サイトにすら登場怪獣として記載されていないというこれまでのかませ以上に悲惨な扱いとなってしまっている(同話に登場したキングゲスラは僅かだがネオメガスと戦闘シーンが存在し、余計にサドラの扱いの悪さが目立つ形になってしまった)。
なお、短い出番ながら一応スーツアクターが存在する(担当したのは矢倉翔太氏)。
ウルトラマンアーク
特別総集編「SKIPミヤコ市分所にて」で、かつて日本各地に出現した怪獣の一体として他の怪獣とともに画像で紹介された。
番外編
レッドマン
本作ではサドラーと呼称されている。
第26、28、112、116~120、122、125~127、131、133~134話と、複数回に渡って登場。ペギラと並んで出番が多い。単独で登場したのは第131話のみだったが、他の怪獣を倒してレッドマンとのタイマンに持ち込んだこともある。
極めて凶暴で好戦的な怪獣として描かれており、初登場した第26話ではレッドマンとの戦闘の前に既にダンガーと死闘を繰り広げ、倒してしまう。が、第28話では逆にゴーストロンに倒されてしまっている。
着ぐるみはおそらく『帰マン』で使用されたものの流用。
視聴者からは、焦点の定まっていない胡乱な目つきが不気味と評判。
ウルトラゾーン
CV:山本匠馬
第1話に登場。ウルトラゾーンに登場した最初の怪獣。ドラマパート「怪獣転校生」にて、とある私立小学校の6年1組に転校してきた怪獣として登場。
担任教師に能力、長所や欠点を説明されていた。
派生作品
ウルトラマンSTORY0
とある無人の惑星に3体の個体が登場。原典とは違う細身の獣脚類のようなフォルムにリファインされており、全長はウルトラマンと同じくらいだが、体高は彼の半分ほどになっている。
3体がかりでウルトラマンを襲うが、1体が投げ飛ばされて残りの2体に衝突し、怒りを買って共食いされる形で殺されてしまう。
その異様な光景を見て、プラズマ太陽を打ち上げ、彼らのような異形の生命体を生み出してしまった責任を痛感したウルトラマンは、キャッチリングで2体を拘束し、バリアに包んで光の国に運び、保護しようとするが、バルタン星人の放ったビームで2体とも爆殺されてしまった。
その後、光の国を襲った怪獣軍団の1体として別個体が登場。こちらは原典と同じ姿。
カラレスを襲ったが、彼の技「スラッシュバインド」で首を刎ねられた。
ウルトラマンフェスティバル2006
第1部で登場。ジュダ配下の怪獣として登場したが、ゾフィーのM87光線で撃破された。
原作同様に腕が伸びるギミックがあるらしく、ゾフィーに腕を引っ張られた際に伸びていた。
酩酊!怪獣酒場
さすらいの料理人として登場し、デットンと怪獣酒場で料理対決を繰り広げる。
ハサミを器用に使って刀削麺を披露する。対するデットンの料理は堅実すぎてイマイチインパクトに欠ける「鮎の塩焼き」であった為、なんとかインパクトのある料理を披露しようとしたところ、アクシデントによる偶然がヒゲダンスや口に咥えた包丁で落としたスマホのチェーンに引っ掛けてキャッチするといったパフォーマンスに昇華される…が、肝心の料理対決は時間切れでサドラの勝利に終わった。
その後も度々客として登場し、「2nd」第57話では「クビが恐ろしい」と言うサラリーマンの愚痴に共感し、かつてジャックに首をちょん切られた時の写真を見せた。
余談
モチーフはサソリ。そのため初期案での名称はサソラーだった。
『帰マン』初登場時は「サドラー」の名前でファンに定着していたが、後に現在の「サドラ」が正式名称になった。
怪獣図鑑等では「戦う事ばかり考えている」「弱い者いじめが大好き」などとレッドキングのコピペみたいな的外れもいいところの紹介をされている。
裏設定では喉に火炎袋が存在し、8万度の火炎を吐けるらしい。無論作中では一発も使用していない。おそらくこの設定は時と共に忘れられ、自然消滅したと思われる(『ウルトラゾーン』で一応触れられてはいたが、多分これ以上蒸し返される事はない)。
怪獣音頭では「なんでもコゴらす すごいやつ」と歌われており、当初は冷凍怪獣を想定していたと思われる。ちなみに、霧を操る能力から『大怪獣バトル』では水属性の強化要員という扱いであった。
水については妥当な線だとしても、他に岩だの火だのと不自然な設定を盛られたせいで属性がかなりブレている怪獣である。
70年代の学年誌の企画で、撮影後に破棄された着ぐるみが解体され、その切れ端が読者プレゼントの景品として使われたことがある。その際、「僕からはサドラーの切れ端のプレゼントだよ」というジャックのコメントが添えられていた。