デットン
でっとん
第3話「恐怖の怪獣魔境」に登場。
テレスドンの弟とされる怪獣。ぐんにょりしたボディが妙にいい味を出していると専ら評判。
目立った能力は持たないが、地底怪獣らしく怪力の持ち主で、ブルドーザー2500台分のパワーがあるとされる。
また、劇中では披露していないが、あくまで怪獣としての種はテレスドンであるため、火炎放射能力やスクリュードライバーによる地底潜行能力は備わっていると思われる。
スーツは『ウルトラマン』にてテレスドンとして使用されたもので、当初はテレスドンを再登場させる予定だったが、元々当時は長期保存に向かない素材でできていたのと、『ウルトラファイト』やアトラクションショーでの酷使や保存環境の悪さにより、別の怪獣にしか見えないほどに劣化していたため、急遽「テレスドンの弟怪獣」という設定のデットンが生まれることになった。
特にボロボロになった顔を補修するために素材を盛った結果、テレスドンが眼から口先にかけスマートな直線的なのに比べ、デットンは鼻先がボコボコに盛り上がっている。
また、開閉の機構が壊れているのか、口も終始開けっぱなしである。
ちなみにスーツはアトラクション用の物なら現存している。
急ごしらえキャラの宿命か、設定にも穴が多く、公式からの説明も今に至るまで一切なされていないため、地味に謎の多いキャラとなっている。以下に顕著な例を記しておく。
- 体重は兄の1/6の2万tと、個体差で片付けるにはいささか、というかあからさまに不自然なスペックが設定されている。「テレスドンの本来の体重の三万tを一二万tと間違えた」説が濃厚だが、真相は不明。
- 弟怪獣と断定された経緯も、今に至るまで頑なにテレスドンと呼ばれない理由も、本編はおろか書籍等の資料でも触れられていないが、当初は見た目から別の怪獣と判断され、デットンなる名前を付けられたが、遺体を解析してみるとテレスドンと近縁、というより完全な同種族であると判明し、テレスドンに改める事が検討されたが、外見が別の怪獣にしか見えないためデットンに落ち着いた、と考えれば、ある程度筋は通る……はずなのだが、これも考察班の憶測でしかないため取り扱い注意。
誕生の経緯もあって冴えない扱いのデットンだが、フォローのつもりなのか当時の幼児向け怪獣百科では「兄貴よりもガッツがある」「地底人にコキ使われた兄貴とは違い、自由気ままに生きてきた」との記述も見られた。ただ、テレスドンの同族で、しかも血縁関係にある以上、地底人が侵略用に配備していた怪獣兵器の一体で、飼い主の全滅によって制御から解放されて野良に返った可能性も否定できない(後年の作品には野良テレスドンも出た事だし)。
相方のサドラや兄のテレスドンがその後の作品で再登場しているのに対し、デットンは一切映像作品に再登場していない。
『メビウス』第27話でトリヤマ補佐官がゼットンをデットンと言い間違える、『ウルトラ銀河伝説』でのベリュドラのパーツとしての登場、AC版『大怪獣バトル』のサドラのカードの端に倒れている姿が描かれている、といった扱いだったのだが……。
マウンテンピーナッツ
『ウルトラマンギンガS』のパラレルワールドを舞台とした外伝小説にてまさかの再登場を果たす。
本作では降星町の山中に出現し、久野千草がウルトライブした初代ウルトラマンと戦うが、エコテロリスト集団「マウンテンピーナッツ」がウルトラマンを集中攻撃して撤退に追い込んでしまい、その隙に市街地に出て破壊と殺戮の限りを尽くす。最終的にウルトライブが解除される寸前で無意識に放ったウルトラマンのスペシウム光線によって倒されたものの、その際にマウンテンピーナッツの戦闘員が発射したスぺシウム弾頭弾を受けたウルトラマン=千草は重傷を負ってしまった。
このデットンは物語の中盤や結末にて一連の破壊活動の元凶である何者かがスパークドールズを用いてモンスライブした姿であった事が示唆されている。
「ウルトラマンが人間からの攻撃を受けて怪獣を倒し損ねる」という展開はどこぞのスペースビーストを連想させる。また、同小説では「あくまでも種類はテレスドンで、デットンはその個体名ではないか」と推測されている。
ちなみに千草はバトル中「デットンだったのは不幸中の幸い」「もしゼットンだったら目も当てられない」と述懐している。見た目も実力もパッとしないとは言えあんまりな言われ様である。実際にゼットンと戦って苦戦した経験を持つ千草からしてみれば当然の感想ではあるのだが…(とは言え、上述した通り一筋縄で行って簡単に倒せる怪獣ではなかったことは留意したい)。
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第37回「サドラ&デットン」解説ナレーション書き起こし
(本編→https://www.youtube.com/watch?v=V1yLsDL-gIA)760文字pixiv小説作品