タッコング
たっこんぐ
『帰ってきたウルトラマン』第1話「怪獣総進撃」、第2話「タッコング大逆襲」に登場。
ただしタコの割に触手は持っておらず、球体のような体に爬虫類型の小さい頭と手足がついた奇妙な姿が特徴。また、体表や指の先端には吸盤がある。また、指の先は毒の爪になっているらしい(出典:「ウルトラマンオフィシャルデータファイル」より)。
武器は口から吐くオイル「オイルシャワー」。
書籍で「火炎を吐く」とよく書かれているし、ゲームや漫画でもしょっちゅうボーボー火を噴きまくっているが、劇中で吐いたのはオイルのみで火炎を吐いた描写は無い(あくまで裏設定的なものだろう)。
大伴昌司によれば、皮膚は核兵器にも耐えうるほど頑丈らしい。おまけにタコの怪獣なので柔軟でもあるようだ。
第1話
勝鬨橋を破壊しながら同じく出現したザザーンと戦い、ザザーンが苦手とする陸へと追い込んで打ち負かす。その後、街を破壊し主人公の郷秀樹に瀕死の重傷を与えたが、謎の光を浴びて海中へと退却した。
この謎の光の正体は、既に地球に来ていたウルトラマンジャックのスペシウム光線で、この時のジャックは地球人と融合していなかったため肉体が見えない状態だった。また、タッコングの襲撃から子供と子犬の命を救った郷の勇気を見たジャックは、彼と融合する事を決意した。
ウルトラマンタイガ
第22話「タッコングは謎だ」に登場。
TVシリーズにタッコングが登場するのは『帰マン』の放送から48年ぶりであり、パゴスと同様これまで出番を何度も見送られてきて漸くの再登場となる。
本作では『帰マン』では使用されなかった火炎を吐いており、炎を纏って高速回転しながらの体当たり「タッコングファイヤーボール」や保護色で姿を隠す能力も追加された(姿を隠す能力のSEは『ウルトラマンオーブ』に登場したマガジャッパが姿を隠す能力のSEと同じ)。また、体中にある吸盤で地面に張り付くことも可能で一度張り付くと簡単に引き剥がす事はできない。威嚇目的なのか、興奮した際には身体上部の吸盤から潮を噴くこともある(その際には虹が出来ていた)。
工藤ヒロユキが「そこそこ強かった」と評し、シンジ少年が「(トライスクワッドでは)全然歯が立たなかったじゃないか」と指摘するほどの実力を持っているが、これでもかなりの老体であり、かつてほどの能力は発揮できなくなっている。
また本作では餌として重油を飲んでいた事を除けば、あくまで目的はギーストロンを封じ込める事が目的であって基本的に無差別に破壊活動をすることのない悪意のない怪獣としての扱いである。
夜の港に突如として現れ、上陸阻止を試みるタイガと対峙したが、タッコングは戦う意志を見せず、吸盤でその場に踏み止まって抵抗した。更にタイタス、フーマをも多彩な特殊能力を駆使して翻弄し、トライスクワッドを時間切れで変身解除に追い込む。
その後は重油を飲んで呑気に街中で眠るという(宗谷ホマレ曰く)危機感の無い振る舞いを続けたが、大地の怒りの化身ギーストロンが現れると、シンジ少年の指示で怒りを鎮めるために攻撃を開始する。老体が祟って力不足で押され始めてしまうが、加勢したタイガと共闘してギーストロンを撃破。タイガとハイタッチして勝利を祝った。全てが終わった後はシンジ少年とともに海へと帰って行った。
炎を纏っての体当たりはウルフェス2014のライブステージで使用されたウルトランス『タッコングファイヤーボール』のオマージュ(技名も同じ)、またはたこ焼きからの連想と思われる。
前々作『ウルトラマンジード』第1話のスカルゴモラ戦以来2年ぶりとなりプール撮影でもあり、令和ウルトラマンシリーズでは初めてである。また、港のプール撮影は『ウルトラマンマックス』第16話の宇宙化猫タマ・ミケ・クロ戦以来14年ぶりである。
本編第6話で『ウルトラセブン』のBGMが使用された時のと同様、BGMの一部は『帰マン』のBGMが使用されている。特にタイガと並び立って共闘する際には『帰マン』の戦闘テーマである「夕陽に立つウルトラマン」が流れ、完全にヒーローのような扱いになっていた。
同話監督の辻本貴則氏はTwitterで『今回はもう個人的にはタッコング登場回ではなくて、タッコング客演回って思ってます。』とツイートしているため、完全に狙った演出の様である。ちなみに『帰マン』のBGMの一部は次回作『ウルトラマンA』でも流用されている。
ちなみに偶然か否か、前回登場したパンドンと同様、放送日と同じ日に配信された『ウルトラ怪獣大百科』はタッコング回だった。
『タイガ』第22話で出現してロケ地になった場所は平成ウルトラマンシリーズで数多くの舞台になったお台場フジテレビ湾岸スタジオ周辺である。
もともと活躍の少なさの割に知名度は高かったタッコングだが、『タイガ』での活躍を機に子ども人気が上がったらしく、イベントにタッコングのソフビを持参する子どもが増えたという。
スーツは新造であり、内部から顔を動かすギミックが備わっている。
辻本監督はタッコングが好きだったことから、スーツが新造されたことを聞いて、他の監督に取られないよう脚本を担当した柳井祥緒氏へ早々にプロットを依頼したという。柳井はタッコングありきの着想でうまく落とし込めたと述べている。また、当初柳井はギーストロンともども正体を謎のままとし、それがサブタイトルの由来にもなっていたが、チーフプロデューサーの北浦嗣巳氏から「オチがほしい」と要望され、人類に警鐘を鳴らす存在であることが描写された。
吸盤や透明化などの新能力は、タコの要素を活かしている。
当初、本編第20話の初期案でもタッコングがタンカーを襲って石油が上がりしてインサイダー取引が行われるという展開が検討されていた。
ウルトラマンZ
第23話「悪魔へのプレリュード」に登場。
ウルトロイドゼロの起動実験の影響で目覚めた怪獣の一体として登場。
地球の脅威となるD4を搭載しているウルトロイドゼロの存在によって暴走状態となっており、その破壊を目的として鶴河湾からキングゲスラと共に出現。ウルトラマンゼットアルファエッジと戦闘になる。
キングゲスラとは終始息の合ったコンビネーションを見せ、火炎放射の同時発射や巨体でゼットにのしかかる形で海中に沈めて背後から高速で泳いできたキングゲスラが襲うという連携攻撃でゼットに善戦し、そのまま葛葉山でウルトロイドゼロと激突しているパゴス・デマーガ・ゴメスの3体に加勢しようとするが、駆け付けたゼットがデルタライズクローにチェンジした後はベリアロクとM78流・竜巻閃光斬の二刀流に押された上にデスシウムファングの一撃を食らった後は正気を取り戻したのか、キングゲスラと共に元の住処に戻って行った。
昼間の港のプール撮影は『マックス』第16話のタマ・ミケ・クロ戦以来15年ぶりであり、12月の放送としては『A』第35話のドリームギラス戦以来48年ぶりである。プール撮影でウルトラ戦士が2体以上の怪獣と戦うのは、『ウルトラマンレオ』第2話のマグマ星人とギラス兄弟戦以来46年ぶりなほか、昭和第2期シリーズに登場した怪獣でゼットと戦うのは、バラバに次いで2体目である。
今回の相方とも言えるキングゲスラは、前作『タイガ』においても単純な敵ではなく少々特殊な待遇を受けた怪獣という繋がりがある(キングゲスラ共々倒されなかったのは恐らくファンの間で『タイガ』の時のイメージが残っていたために配慮がなされたのと、ウルトラマンであり悪意のない怪獣は殺さないゼットと、兵器であり怪獣は容赦なく殲滅するウルトロイドゼロの対比を描く意図があったためと思われる)。
ベリアロクとM78流・竜巻閃光斬の攻撃を喰らっても倒れなかった辺り、キングゲスラも含めて中々にタフな個体であったと言えなくもない(あくまで暴走を止めることが目的だったため、技の威力を抑えていただけなのかもしれないが)。
また、第22話に登場したナカシマ・ヨウコの履歴書に名前のみが登場。
2018年ごろにヨウコの乗ったセブンガーの活躍で捕獲されたと記載されており、『Z』世界の地球では既に確認されていた怪獣のようである。
第23話でタッコングとキングゲスラを演出した坂本浩一監督とメイン監督でシリーズ構成を務めた田口清隆監督の対談内にてこの回の裏話が語られており、当初はゼットがばっさばっさと怪獣を倒していく展開だったが、坂本監督は第23話の台本を呼んだ時前半戦のレッドキングとグルジオライデン回で過去のトラウマが起きたハルキの行動から得た印象が違ったため、修正しないとダメだと思い田口監督に直接連絡を取り話し合って、「ゼットはばっさばっさ倒すのではなく逃がすのがいいんじゃないですか?」と提案した事で路線変更することになった。『ウルトラギャラクシーファイト運命の衝突』にゼットが客演した際も、倒す敵はレギオノイドやダークロプスと言ったロボット怪獣となっている。
また、ゼットが2体以上の怪獣とプール特撮で戦うという画も、坂本監督が『ウルトラマンレオ』の大ファンであることからも来ている。
ウルトラマンオーブクロニクル
エピソード2-2「深淵より出づる者たち」に登場。
水の惑星ヌオックにてペスター、ガマクジラと共に水の魔神として封印されていた。
しかしヌオックを二分する勢力の一つシロッコ族の族長の娘サラムニの手により、シロッコ族とギブリ族の戦争を回避するための共通の敵となる第3の脅威として他の2匹と共に復活した。
共同戦線を張った二大勢力を蹂躙し、遂にはサラムニの手に負えなくなって暴走し、文明すらも滅ぼさんとするが、現れたウルトラマンオーブと交戦し撃破された。
ウルトラ警備隊空想特撮ゲーム
『帰ってきたウルトラマン』ステージに固定砲台として登場。
原作での死亡シーンを再現したのか、震えながら四方に弾幕をばら撒いてくる。
難度が上がってくると弾の数も凄まじい事になるので早めに倒さないと危険。
ウルトラマン(PS2)
特殊な条件を満たしてゼットンを撃破すると解禁される「帰ってきたウルトラマンモード」最初の敵として登場。
原作よりも若干尻尾が短く、ダウン復帰時に転がったり飛び蹴りを繰り出すなど軽快な動きを見せる。必殺技は口からのオイル噴射。またゲージ溜め時には踊るような仕草を見せる。
「怪獣天下モード」ではプレイヤー自身が操る事も可能。
怪獣バスターズ
本編には登場していないが、下記に示すロックンという名のタッコングをモチーフにした小型の怪獣が登場している。
ロックン
火の惑星アヌペイ、砂の惑星モシリスに棲息しているタッコングに似た姿の小型怪獣。
[岩石に顔、足、尻尾が生えたような容姿をしており、突進やジャンプしてからのプレス攻撃。そして回転攻撃でプレイヤーに襲いかかってくる。
スーパー特撮大戦2001
石油を身体に溜め込んでいる為、倒された際に周囲1マス内のユニットに対して強制的にダメージを負わせる「誘爆」という特殊能力を持っていた。
ウルトラ警備隊モンスターアタック
『帰ってきたウルトラマン』シナリオの第一回に登場するほか、ノンマルトが操る怪獣として6体がシーモンス・シーゴラスとともに登場する。
ウルトラ怪獣バトルブリーダーズ
『帰ってきたウルトラマン』枠で参戦しているが、必殺技として「タッコングファイヤーボール」を使用したり、勝利時に潮を噴いて虹を作ったり、後述の固有スキルで味方を庇うなど、タイガ版を意識した要素が多い。
ステータスはHPと防御力の値が高く、周囲にいる味方が攻撃を受けると固有スキル「タッコングは壁だ」を発動して防御力が超アップした状態でダメージを肩代わりすることが出来る。
ナビゲートキャラのナヴィからは、タイガで明かされた設定と大量のオイルを他に大量に保有している国がありながら日本に上陸したことから、『帰ってきたウルトラマン』に登場した個体は若い個体であり、怪獣が複数出現した場所へ引き寄せられたのではないか?と考察されている。
ウルトラ忍法帖
朧党の忍獣として登場したが、初登場話が饅頭の話のため饅頭の皮で身体を覆い「饅頭怪獣(饅獣?)マンジュロン」と呼ばれていた。当然ウル忍には「こんな奴ウルトラシリーズに居たか?」とツッコまれ、直ぐに化けの皮を剥がされてしまった。
戦闘では口から火を吐く他、饅頭の皮で包んだ石を食わせたり投げたりする朧忍法「饅頭石地獄」、ただ踏みつけるだけの「踏みつけの術」で攻撃する。
エースを口中血だらけにし、夏バテで力の出ないマンやエースを追い詰めるが、タロウが栄養点滴を行ったことで逆転。額に画鋲を刺された(身体の都合上自分では抜けない)挙げ句、メタリウム光線で倒された。
後にタロウによって合体忍獣のボディにされた。
動物のお医者さん
第37回でハムテルと二階堂の想像の中で診察待ちの怪獣として登場した。
- 容姿
タコの怪獣なのに足が少なくとても丸っこい理由は、デザイナー曰く「タコは茹でると丸くなる」「たこ焼きも丸い」という理由らしい。
そのユーモラスなフォルムによりツインテールと並んで、怪獣デザインの概念を覆した存在とも言えよう。
ウルトライブ大募集のてれびくん賞では「タッコングファイヤーボール」として選ばれた。
『「いまの子どもたちは『モンハン』で怪獣を見ている」──特撮のプロが見た『モンスターハンター:ワールド』【カプコン藤岡要×『ウルトラマンオーブ』田口清隆監督対談】』では、着ぐるみなどについて裏話が明かされている。
当初、『オーブ』第3話で水の魔王獣は、タッコングが登場する予定だったが、着ぐるみが倉庫の中に現存していなかった。
また、タッコングの着ぐるみは元々大きいため保管に向いておらず、加えて放送当時のソフビ人形の売上もあまりよくなかった過去もあって商品化の予定もないため、登場は断念され、結果的に新怪獣のマガジャッパに変更された。
そんなタッコングだったが2019年の『ウルトラマンタイガ』にてようやくの再登場と商品化の機会がやってきた。
- 鳴き声
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