概要
『ウルトラマン』第15話「恐怖の宇宙線」にて初登場。別名:「二次元怪獣」。
ムシバというあだ名の少年(演:川田勝明)が宇宙線研究所の近くにあった土管に書いた落書きがなにかしらの宇宙線を浴びて実体化した存在。
特に何かをするわけでもなく、ただひたすらいびきをかいて寝ているだけという騒音問題に目をつぶれば珍しく無害な怪獣である(フジ隊員から「怠け者」と呆れられるほど)。
形態にAとBが存在し、Aがムシバ少年の落書きでBはAの登場後にムシバ少年が友人らと共にもっと強そうな見た目に描き直したもの。誕生要因となった宇宙線は太陽光線と結びつく事で絵を実体化させる効果を得るため、夕方になると消えて落書きに戻ってしまう。
特に何もしないが、いびきのうるささに加えBは出現場所が東京の丸の内だったことから日本の経済力に影響が出てしまうために結局退治されることとなる。
退治に行く段階で原因が分かっていたことからイデ隊員が「落書きを消せばいいんじゃないか?」とシンプルに解決しようとしたが、「科学特捜隊が落書きを消しに行けるか!」(アラシ隊員)「つまらんことを考えないで明日に備えろ」(ムラマツキャップ)と周囲は正面から退治する気満々であった。
科特隊パリ本部によると同様の現象が海外では絵画などに起こっていた模様。
日本ではガヴァドン一体で終わったが、海外では怪獣が多く出現したのかもしれない。それならムラマツキャップの危惧もまだわかるが…。
各形態
結末
出生がただの落書きで、しかも子供たちの夢の具現体であることからウルトラマンがアウェー状態という前代未聞の回となった。
最終的にウルトラマンは「ガヴァドンを倒さないで」という子供たちの訴えを聞き入れ宇宙へ運び、7月7日の七夕に会えるようガヴァドンを宇宙の星の一つとすることでカタが付いた。しかし、「七夕の夜、雨が降ったら、どうなるんだよ?」というムシバ少年の冷静なツッコミには黙り込むしかなかった。
楳図かずお版
このようなシナリオだったからか、楳図かずお版ではちゃんと口から火を吐きながらビル街をぶっ壊す怪獣らしい怪獣として登場する。勿論、BはおろかAすら全く可愛くない(トカゲやサンショウウオが好きな人にとっては可愛く見えるかも)。
ガマクジラと間違えているのか宝石が好物。最後はウルトラマンに大空高く放り投げられ、落下した所を体当たりでぶち抜かれて木端微塵になった。
ウルトラマンギンガ
劇場スペシャル第二弾にA・B揃ってスパークドールズとして登場。ライブはされなかったが、物語の根幹に関わる重要キャラクターとなっている。
ウルトラマン倶楽部
Aが都市面の雑魚として登場。強化版はドンガバドン。
『2』ではAが第1章での雑魚として登場。カプセル怪獣としての効果はパーティーメンバーのHP全回復。
『3』ではガヴァドンAの名前が「コガバドン」、Bはただの「ガバドン」となっている。
カプセル怪獣としての効果はコガバドンがパーティーメンバーのHP小回復、ガバドンがパーティーメンバーのHP全回復。
漫画
ウルトラ忍法帖
第8話に登場。
物凄く狂暴であらゆる物を破壊し人々を食いまくる大怪獣として虫歯山の洞窟に封印されていた。姿がAとBの二通りある点に関しては、「封印されている間や覚醒直後は可愛らしいAの姿だが、封印が解けて完全に覚醒するとBの姿に変わる」という形で表現されている。
メフィラスがウル忍を生贄に復活を企んでおり、偽のクリスマスパーティーでウル忍を招待し料理の毒で動けない所を生贄にして復活させようとした。
結局めひらすによって罵怒を生贄に封印の札をはがされるが、「後5分だけ」と再び寝入り、腹を立てためひらすが無理矢理起こした事で怒り狂い遂に復活を果たす。
しかし物凄く寝起きが悪かったため、洞窟や朧党の飛空船を破壊したり怪夢瑠を食ったりめひらすを踏みつけたりと朧党が酷い目に遭ってしまう。最期は虫歯山が耐え切れず倒壊し、朧党共々生き埋めになった。ウル忍は山が崩れる寸前に脱出したが、パーティーは朧党の罠と主張したため八つ裂き光輪で拘束しておいたゾフィーに追いかけ回される羽目に。
酩酊!怪獣酒場2nd
7話にAとBが登場。漫画家としてデビューしたムシバ少年(本編と同一人物)のお祝いをしており、餃子をガヴァドンAと間違えて話しかけてしまうというコミカルな一幕も存在したが、お祝いの最中にムシバの母親であるサオリが逝去。ムシバのデビュー作をサオリに見せてやるという夢は叶わなかったが、サオリの「ムシバがマンガ家になれますように」という願いは叶ったのであった。
余談
- 名前の由来はひょっこりひょうたん島の「ドン・ガバチョ」から。
- 成田亨の画集や宇宙船誌に掲載された、全身落書きだらけでヘラジカの角が生えたセイウチのような没案が存在する。なおデザイン画ではイヤミラーという名。なおこの没案の容姿はスカイドンの脚本での描写に酷似する。
- ムシバ少年がガヴァドンを描いた土管の持主役で原保美氏(後に怪奇大作戦にて的矢忠所長を演じる)が出演している。
- 昭和世代のウルトラマン好きを公言し、円谷プロ公認マニアでもある落語家の柳家喬太郎は古典落語にウルトラマンのエッセンスを加えた改作噺「ウルトラマン落語」を幾つも作っており、その1つに『抜けガヴァドン』(『抜け雀』の改作)がある。
- 前作であるウルトラQにも温厚な性質を持った怪獣が登場したがそれらも結果として人類の味方になったリトラやあくまでも動物であるゴローやガメロン、人間やそれに近いカネゴンやラゴンでありピグモンもゴローやガメロンの延長線と言えるので明確に怪獣として温厚な性質を持っているのはガヴァドンが初と言える。
関連イラスト
関連タグ
ガバドン:表記揺れ(書籍の多くはこちらで明記されていることが多かった)
ピグモン:ウルトラ怪獣におけるマスコット仲間
ステゴン:同じようにウルトラマンに宇宙に連れて行かれ、星になった怪獣。そして同じく温厚な性質を持つ。
キングストロン/ゴンゴロス/デマゴーグ:同じく子どもが作った二次元から実体化した怪獣。
ナナシ(SSSS.GRIDMAN):同じくAとBの2タイプが存在する怪獣。ちなみに製作者はコラボ参戦したスマホゲームでガヴァドンを連れている。