丸い地球の水平線に 何かがきっと待っている
概要
ミュージカルを取り入れ、笑えて泣けて風刺も効いているそのストーリーで大人気となった。
初放送は1960年代で製作側にほとんど映像が残っていない(後述)という貴重な作品だったが
1990年代にリメイクされ、現代でも主題歌がカバーされるなど親しまれている。
人形劇団ひとみ座が製作に関わっている。
ストーリー
ひょうたん島へ遠足に行ったサンデー先生と子供たち。
しかし、ひょうたん火山が噴火し、そのエネルギーで島が海を走り出してしまった。
どんどん海原を進んでいくひょうたん島。取り残された一同はそのまま冒険をはじめることになる。
突然へんてこな人が現れたり、いろいろな島に流れ着いたり、新たな住民が加わったりと
不思議な事件の連続のひょうたん島での毎日が描かれている。
登場キャラクター(サンデー先生と子供たち)
サンデー先生
子供たちの世話をする美人教師。心配性で教育熱心。ダンディのことを慕っている。
普段は優しいが、怒ると薙刀を振り回し手が付けられなくなってしまう。
博士
眼鏡をかけた天才少年。成績は脅威のオール6。百科事典を丸暗記しているほど博識。ライオンと仲良し。
子供たちをまとめるリーダー的存在であり、物語の語り手でもある。
ダンプ
がっしりした体格のやんちゃな少年。勉強は苦手だが、力持ちでスポーツ万能。
テケ
細身の少年。料理が得意で、体型とは裏腹にとても大食いである。料理には一端のプライドを持っており、一口も食べていないのに調味料を追加されることをものすごく嫌う。その為魔女リカの思惑が外れたことがある。
チャッピ
三角形の顔のおてんばな少女。夢はサンデー先生のような教師になること。
プリン
おとなしく優しい美少女。夢は看護師になること。玉の輿に乗りフェードアウトした。
登場キャラクター(加わる仲間たち)
ドン・ガバチョ
テレビの画面からこぼれ落ちてきた政治家。島の初代大統領となる。大らかで楽天的な性格。島で使う紙幣を芋版印刷で作っていた。
物語の中心的人物で、NHK開局50周年の際にはマスコットキャラクターに選ばれた。
トラヒゲ
島にイカダで盗み目的でやってきた海賊。今までの盗品全てを筏を組んでそれに載せ運んでいた。その盗品でデパートを経営している。ヘタレ。ガバチョとは名コンビ。
マシンガン・ダンディ
護送中の飛行機から脱出してきたシカゴ・ギャング。島では一転して保安官となる。クールなイケメン。高所恐怖症なのだが、飛行中の飛行機から蝙蝠傘をパラシュートがわりに飛び降りたり、木の枝にロッキングチェアを置いてくつろいだりしているので、真相は定かではないが、後にそれを突かれて高く張られた綱の上での決闘に負けている。
ライオン
ライオン王国の王様ライオンだったが、その生活に飽きて島の住民となった。気弱な性格。
ムマモメム
トラヒゲが盗んだ金庫の中に閉じ込められていた医師。腕は良いが性格が悪いため、製作スタッフにリストラされたと言われているが、本当の理由はスタッフの一人が「ムマモメムって面白くないね」と言ったからで、ある日突然なんの前触れもなく画面から消えた。リメイク版ではレギュラーに復帰している。
酋長
タムレ族の酋長。リメイク版には登場しない。
ガラクータ
元・貴族で、海賊四人組のリーダー。理知的で博士が分からない事を教えたりした事がある。
トウヘンボク
元・馬賊で、ラーメンが好物。それ故、海賊達の食事は、自分の好きなラーメンを作る事の方が多い。
ドタバータ
元・人足。
ヤッホー
元・山賊。その為、海が苦手でよく船酔いをする。炭焼きが得意で甘いもの好き。彼だけ、山賊大学卒業。
リトル・キッド
ガラクータ達が探していた海賊キッドの残した宝箱から出てきた少年。いたずら大好きなお坊ちゃま。
裏設定
実は「ひょっこりひょうたん島」は、死後の世界の物語である。
最初の火山の噴火によって先生と子供たちは全員死亡してしまったのだという。
これは都市伝説ではなく、原作者自らが講演会で公表したもの。
漂流する島で過ごすという設定上、どうしても不可避な食糧問題をスルーするための設定だという。
ストーリー中では明言されていない裏設定だが、意図してほのめかしてはいる。
また、当初はもっと人形がグロテスクだったなどの逸話もあり、死後という設定に関する要素も物語から大幅にカットされた。
…と言われていたが、冗談半分で言ったものだったことが判明している。
また、原作を担当した井上ひさしと山元護久、そして番組ディレクターの三人はみんな
「親に頼れない環境で育ち少年時代は学校の先生が親代わりだった」という共通点を持っていて
親がいなくても生きていけるんだという思いから、作品中に子供たちの親は登場しない。
こちらは冗談ではないと思われる。
余談
5年間にわたりカラーで1244話作られ、絶大な人気を誇った本作であるが、ビデオテープも録画機器も貴重だった時代ゆえ大半のマスター映像が現存しておらず、NHKで確認されているのは8話のみ、しかもカラーで現存するのはそのうちたったの2話である。そのためTVの懐かしの映像特集などではその数話だけを繰り返し放映するハメとなる。
(出典動画:誰のための著作権か(国際電子出版EXPO 2014/7/2) 26分18秒~)
これは、1970年代終わりまでのNHKの番組では良くあることで、60年代の全作品が最大でも3話しか現存しない大河ドラマや本編散逸作品がある連続テレビ小説などと比べれば8話残っている地点で快挙ともいえる。
1990年代にリメイクが作られたのはこれが原因で、当時の人形がひどく老朽化しているのは作り直しでなんとかできるものの、映像どころか台本さえも1/4が散逸しているため難しい…と思われたが、放送時のセリフを一言一句記録していたファンのおかげで一部回ながらリメイクができた。
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