注意
※呂蒙ファンの方は無視なさってください。
概要
1982年10月2日から1984年3月24日まで、毎週土曜18:00 - 18:45に全68話が放送された人形劇作品。
中国の明代に成立した時代小説『三国志演義』をベースとし、同作のうち「桃園の誓い」から「五丈原の戦い」までを描く。日本制作の『三国志』関連の映像作品で、五丈原までを描いた作品は2022年現在、本作が唯一である。
画面構成自体は他の人形劇作品と大差はないが、一方では人形の操演に機械仕掛けやコンピューターを導入したり、本物の炎や水などを用いた演出も盛り込まれており、重厚な歴史物語である「三国志」を題材にしているだけに留まらず、これらの様々な試みや、後述する人形の造詣美の高さも相まって、一種独特の品格を持った名作として高く評価されている。
特徴
作中に登場する人形の制作は川本喜八郎が担当。その造形美には定評があり、本作を子供だましの人形劇ではない本格的なもの足らしめている。この人形の大半は、番組終了後に長野県飯田市に寄贈され、当地に設立された「川本喜八郎人形美術館」にて展示された。
また、番組の司会者兼作品解説として、当時漫才コンビとして人気を博していた紳助・竜介(竜助)が起用されており、彼らを模したキャラ紳々・竜々も作中に登場。彼らによる解説パートではニュース番組のパロディのような演出も度々盛り込まれた。
登場人物の声は本職の声優ではなく、谷隼人や森本レオといった俳優が起用され、一人二役三役はあたりまえで全話通して10人足らずで演じきっているのも特徴のひとつである。一例を挙げると、森本レオは孔明や呂布、郭嘉に呂蒙などを演じており、場面によっては同じ俳優が二役で会話するというシュールな場面も度々あった。
本作の制作にあたって、前出の紳々・竜々以外にも独自の登場人物が追加されたり、一部の登場人物の性格や顛末が変更されるなど、原典である『演義』より様々な脚色・改変もなされている。
中でも呉将の呂蒙の扱いについては、そうでなくとも蜀寄りなきらいのある『演義』から、さらに勧善懲悪を強調する方向性が追求された結果、その煽りをモロに食らう格好となった。簡潔に言えば、「蜀贔屓の演義ですら公明正大な名将と扱われたのに、手段を選ばない極悪非道な悪党として描かれた」その改変ぶりについては、後年田中芳樹が自著『中国武将列伝』にて批判を加えた程である。
関連タグ
細野晴臣 - オープニング・エンディングテーマの作曲を担当