概要
政治に職業として携わる人。特定の企業や団体の立場から政治活動を行うロビイストや、個人的に政治・言論活動を行う人(政治活動家)も政治家と呼べなくもないが、一般的には議員(国会議員、地方議員)や地方自治体の首長(知事、市長、町長、村長)が政治家と呼ばれる。国の舵取りを担う閣僚もその多くは国会議員であり、日本国憲法では「国務大臣の過半数は、国会議員でなければならない」と定められている。
日本で議員という役職につくには、選挙で当選しなければならない(同じ選挙区に立候補者がいなかった場合は、無投票で当選する場合もあるが)。
議員の前職としては、政治活動家の他、
などが比較的多い。国会議員であっても落選すれば「ただの人」となるため、サラリーマンなどの勤め人が仕事を辞めて選挙に出馬するのはハードルが高く、地方議員では自営業者や零細企業主(商店や農家などを含む)割合が多め。
小選挙区制・比例代表並立制となってからは落選リスクが高まったため、いわゆる世襲政治家(後述)、タレント議員、政党人気・党首人気にのっかって当選する陣笠議員(「◯◯チルドレン」などと称される)の割合が増えつつあり、このような形で政治家となることに疑問を呈する意見もある。
世襲議員
日本における公職選挙で必須の3要素は「ジバン(地盤=地域における支持組織)、カンバン(看板=知名度)、カバン(鞄=政治資金)」と言われ、このためお金も知名度もない若い政治家が政治家になろうとしても政党などの公募を通らない限りは困難であるが、親の後継者として出馬することができれば三バンがそのま手に入るため、大幅に有利となる。これを俗に世襲議員(世襲政治家)という。
一方、親が政治家であっても別の選挙区から出馬した場合は、「〇〇先生の子」という「カンバン」こそ手に入るかもしれないが「ジバン」と「カバン」は自力で何とかしないといけないので一般に世襲とはみなされない。
なお、世界には爵位に付いてきた議席に座る、本当の意味での世襲議員のいる国がいる。イギリスでは805人の貴族院の議席の一部が世襲貴族に割り当てられている(貴族代表議員)。貴族代表議員は終身任期制で選挙の洗礼を受けることがないため、時代錯誤の貴族特権と度々批判を浴びており、貴族院の世襲枠は1999年に大幅に縮小され、大部分が一代貴族で占められるようになった。
日本でも貴族院があった時代はこうした華族・皇族の世襲議員がおり、公爵・侯爵は自動的に議員になった(人数が多い伯爵・子爵・男爵は同爵者間の互選)。