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概要編集

第10回「崩・壊」に登場。


次々と怪獣をグリッドマンに倒され、バジャックが作り出した夢の世界ですら裕太達から拒絶され、完全に心を折られた新条アカネが制作した最後の怪獣。

この怪獣と合わせて4体の怪獣が制作されたが、その内の1体として適当に選ばれている。


お世辞にもクオリティの高い作品とは言い難く、既にアカネの精神がまともな怪獣のデザインもできないくらい追い詰められている状態が窺え、いつもは彼女の作品を褒めるアレクシスですら「これで完成? いいのかい? こんなので?」と心配するような言葉を投げかけていた。実際にこの時のアカネは「何で怪獣を作らなきゃいけないんだっけ……」と力無く呟く始末で、その姿はかつて怪獣による破壊を楽しんでいた彼女とは到底思えなかった。


形態編集

ナナシA編集

蛮・勇 ナナシA

データ

別名****怪獣
体長77m
体重2万t
誕生日2018年11月4日

一応は怪獣らしい形をしているが、その姿は不自然にうなじ部分が盛り上がり、首が傾いた不細工な怪獣のぬいぐるみな外見で、どこかとぼけた様相ではあるものの、正中線からずれた位置にある顔が生物としての不自然さを醸し出している。

顔は深海ザメのような造形だが丸みを帯び、歯も造形されず単なるペイントで済まされている等、いまいち迫力に欠ける。しかしその鳴き声は人の咽び泣く声に聞こえ、その造形も相まって強さこそ感じられないが、得体の知れない不気味な印象を与えている。

ピンク色と肌色が混ざったボディに、昭和の怪獣フィギュアのような薄緑と薄ピンクの丸い模様が胴体部分を彩っている。

全体的にその造形は怪獣……よりも着ぐるみに近く、首元にのぞき穴があったりと、他の怪獣に比べてあからさまに「作り物」のような外観をしている。

戦闘力はかなり低いが、口に該当する部分から電撃を放てる。

だが、その死体は倒した後も爆発せずに残り続けており、色味が肉っぽいのもあって雨に濡れた姿は、さながら腐乱死体のような様相を呈していた。


ナナシB編集

ナナシBくん

データ

別名****怪獣
体長65m
体重1万8千t
誕生日2018年11月5日

動きを止めていたAタイプの中から、その外皮を破るようにして現れた怪獣。

Aタイプと打って変わって、豆のサヤのような細い胴体に管状の繊維で構成された手足を持ち、体の中心部から縦に走っている亀裂から目と思しき赤い発光体が覗いている。怪獣よりは宇宙人に近い前後があいまいな姿。

Aタイプをよく見ると、うなじ部分の盛り上がった部分がBタイプの頭頂部と同じなのが分かる。

恐ろしく俊敏で、高速で突進しつつそこから瞬間移動じみた、人間離れしたアクロバティックかつ予測不可能な動きで相手を翻弄し、相手の攻撃をかわしながらの肉弾戦を繰り出す。更に目からは強力な破壊光線を発射する。

バルタン星人ガマガエルを混ぜたような、不安感を煽る笑い声に似た鳴き声を発する。


尚、デザイン案時点でBタイプに対し「カインロッグ」の名称案が付けられており、公式で名前が明かされる前の字幕放送でもその名が付けられていたが、最終的にナナシで一貫された模様。

特徴的な鳴き声や後述の考察から、仮名のカインロッグの由来は『貝+フロッグ(カエル)』の可能性がある。


活躍編集

昼間にAタイプとして出現して町中をのし歩くも、最初に戦った相手がフルパワーグリッドマンだったのもあり、鎧袖一触で瞬く間に撃破され活動を停止する。だが、その死骸は消えずに不気味に立ち尽くしていた。


やっぱり怪獣は負けるために生まれて死ぬのかな……

アレクシス「おお、中の人が出てきてしまったぞ? いいのかなあ……」


しかし、夜中になると脱皮してBタイプへと変化、アカネの意思に関係なく町の管理怪獣を次々と断頭(劇中直接的に攻撃する描写はないが、設定によると手刀で切断したとある)しながら全滅させ、ツツジ台の維持機能を喪失させた。

そして、フルパワーグリッドマンとの再戦ではその俊敏さと怪力、更に強力な光線でフルパワーグリッドマンを圧倒。合体しているアシストウェポンを強引に引き剥がして窮地に追い込む。


グリッドマンの窮地にアンチが乱入し、ナナシからグリッドマンを救い出すが、ナナシはアンチを相手にしても優勢に戦いを進めていった。


ところが “自分の命の意味” を「グリッドマンを倒す為にグリッドマンと戦う」と定義したアンチが、新たな戦士・グリッドナイトへと覚醒。アカネの感情……すなわち怪獣の動きが分かるグリッドナイトに完全に動きを読まれて形勢を逆転され、最後はグリッドナイトサーキュラーで真っ二つにされて爆散した。


第11回ではアレクシスが召喚させた怪獣軍団の1体として、Aタイプが再生産ナナシAとして召喚され、ツツジ台で破壊活動を行う。

再生産ゴングリーと組んでグリッドナイトと戦うが、何故か再生産ゴングリーを突き飛ばし単身で向かっては電撃を放つも、いとも簡単に回避されてフランケンシュタイナーのような技で、再生産ゴングリー目掛けて投げ飛ばされてしまい、さしたる活躍もできないままゴングリー共々グリッドナイトサーキュラーで切り裂かれ、Bタイプに変化する間もなく撃破されてしまった。


余談編集

デザインはキャラクターデザインを務める坂本勝氏が担当。坂本氏の担当怪獣は今回のナナシで2回目だが、人間と変わりない姿をしていたアノシラスとは、かなりベクトルの異なるデザインの怪獣となっている。


ナナシの名前は恐らく、アカネが適当に仕上げたせいで決まった名前も付けずに実体化した事態に由来すると思われる。その為か「ナナシ」の名は個体名よりは文字通りの「名無し」の意味合いが強いらしく、英語表記も名無しを意味する「ANONYMOUS」となっている。


Bタイプはアレクシス・ケリヴ曰く中の人。……つまりこれまで倒してきた怪獣にも、Bタイプのようなモノが潜んでいた可能性が示唆されるに至った。


またアンチ曰く「怪獣は新条アカネの心そのもの」であり、今回のAとBで大きく戦闘力が変化した事実も、見方を変えれば「人前では『人畜無害な美少女』だが、中身は『破壊衝動に突き動かされて暴れる』」アカネの本質を再現したものとなっていた(実際設定では、Bタイプの正体はAタイプに隠れていた、自暴自棄になったアカネの悪意・失意が剥き出しになった存在とされている)

管理怪獣を撃破し、アシストウェポンを真っ先に剥がしたのも、前者は「自分の思い通りにならない世界は壊れてもいい」、後者は「フルパワーグリッドマンは邪道」とするアカネの深層心理が反映されていたと考えられ、またBタイプの体は二枚貝(特にシャコガイ)の要素が入っているように見え、亀裂から見える発光体及びアンチの言葉を合わせると『「殻に閉じ籠ったアカネの心」を具現化した』ようなデザインとも言える。

第7回でアレクシスが「憎しみが強いほど強い怪獣が生まれるからねえ」との発言があったが、正確には憎しみでなくとも怪獣の強さは負の感情(この場合は深い絶望)全般に影響するのかもしれない(この事実から、再生産時にBタイプにならなかったのは、アカネを介さずに復活させたのが関係していると思われる)


尚、CG技術を使うかアニメでないと実現できないBタイプの動きから、某トラウマ怪獣の実質最強形態を連想した特撮ファンは多かった模様である。また、この形態と対決したグリッドマン達からも「今までの怪獣とは何かが違う」と同じような評価を受けていた。


特徴的なAタイプの泣き叫ぶような鳴き声、Bタイプの笑い声のようなものは、アカネ役の上田麗奈氏の声を加工したもの。


アノシラスを除いた各怪獣に四字熟語の別名は、ナナシには設定されていない。


派生作品編集

イベント用にBの着ぐるみが作られており、各種イベントに出演している。

アニサマ2019編集

3日目のOxTの場面にて、「アニメのイベントよりも怪獣のイベントのほうがみんなが喜ぶ」と性懲りもなく企んだアカネによって、アニサマをぶち壊す為にアンチと共に送り込まれた。

この時、普通にBの姿で出ているのだがそれで良いのかアカネ君…

グリッドマンを苦戦させたが、OxTの歌うUNIONと会場の観客達の応援に押されたグリッドマンによって倒される。



グリッドナイトファイト編集

第2回で初登場。当初はグリッドナイトの過去の姿であるアンチの姿で現れ、戦闘中に正体を現す。

アニメ版同様のグリッドナイトがスロー(人力)に見えるほどの高速移動(人力)や、不可思議な動き(人力)でグリッドナイトを苦しめたが、途中で躓いて転んでしまい、そのままグリッドナイトにマウントポジションで何回も殴られた末、崖下に投げ飛ばされ爆死した。

スーパーロボット大戦30編集

AとB両方登場(Aは演出のみ)。本作ではエクセレント社の決戦序章で休戦を取ったアンチの始末要員として送り込み、最初のAタイプで現れ早々に撃破すると即座にBタイプに変貌し追い込まれるが、割って入ったアンチがグリッドナイトになり1体撃破して以降本陣に加わる。

その後最終決戦の再生産怪獣軍団のように運用するが、運用してくるは常時Bタイプのみ使う。

尚、武器は格闘と頭部の光線のみだが、戦闘能力に苦戦を強いられる。

ULTRAMANSUITと戦わせてゼットンへのリベンジごっこをしたり、ACESUITと戦わせてメトロン星人Jr.の様にするのも面白い。


関連タグ編集

怪獣 怪獣(SSSS.GRIDMAN)

きぐるみ 中の人


スカボーン特撮版での最後の怪獣。Aタイプと同じシンプルかつ不恰好な姿が特徴。

チドゲラー:特撮版に登場した創造主の負の感情が詰め込まれた怪獣

ザイオーン次回作に登場する「外れの怪獣」、Aタイプ同様顔にのぞき穴があり、その下には目玉が存在する。


ガヴァドン:同じくAタイプとBタイプが存在する。また、ナナシAタイプの顔面はどことなく楳図かずお版のガヴァドンAに似ている。


ゼットンハイパーゼットングリーザ:普通の怪獣とは異なる不気味な挙動と圧倒的な攻撃力によって、ウルトラ戦士を打ち破った人型怪獣。特に、ハイパーゼットンとグリーザとは相手の方が頭数では有利だったにもかかわらず、ほぼ一方的な攻撃で完封した共通点がある。


サタンビゾーレギュラン星人:Bタイプに姿が似た怪獣。


メツオーガ近年のウルトラシリーズに登場した脱皮する怪獣。但し、ナナシは外観が変わっていったが、こちらは着ぐるみそのものが変わってしまった


名無し(ゲゲゲの鬼太郎)同年に放送されたアニメに登場した同名の敵。2つの姿を持つ、巨大化して街を破壊する、生まれた経緯が悲惨といった共通点がある































謎の男

本編終了後の世界を描いたGRIDMANSHOW02に登場した、「彩」JUNKSHOPでアルバイトする気だるげな雰囲気の男。演者は裕太役の広瀬裕也

アカネを「古い神」と呼んで見下しており、自らを新たな神と名乗ってアカネが去った後のツツジ台の支配を宣言。突如ナナシBへと変身した。

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