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概要編集

イデ隊員ありがとう

演者:二瓶正也

イデ隊員とは、『ウルトラマン』に登場する防衛チーム・科学特捜隊の隊員である。

フルネームは「井手光弘(イデ ミツヒロ)」。


劇中でのイデ隊員編集

科特隊では主に兵器開発などのメカニックを担当。

おしゃべりでお調子者だが、根は真面目で思いやりのある人物。同僚のアラシ隊員と行動する時は漫才のようなやり取りになる事も多かった。


基本的にふざけたギャグ発言の目立つムードメーカーであり、バルタン星人にビビる余りにハヤタに一々確認を取ったり、ベッドから落ちて目の周りに痣を作ったり、品種改良されたニンジンを見てテンションが上がったり、バケツを被ったりと三枚目的な言動には枚挙にいとまが無い(ギャグ的だが、フジ隊員がケロニアに襲われた際の現場検証も大体合っていた)。

科学者としては非常に真面目で有能な人物であり、様々な新兵器で科学特捜隊の危機を救い、ウルトラマンをサポートしてきた。この他にも壊れた通信機をヘアピン一つで直したり、木にワッペンを予め貼っておく事で救援を呼ぶ際の目印にするなどの活躍も見せている。


その一方で自らのミスが原因で科学特捜隊の面目を潰してしまった事に責任を感じるあまりに無謀な行動をとったり、ウルトラマンという強大な存在に頼らなければ怪獣を退治する事ができない自分達の現状を憂うなど、時に繊細な一面を覗かせる事がある。

また、シリアスなエピソードで存在感を発揮する事も多く、「故郷は地球」においては棲星怪獣ジャミラを抹殺することに反対したり、暴れるジャミラに向かって「ジャミラてめぇ!人間らしい心はもう無くなっちまったのかよ!?」と投げかけるなど、ストーリー面での主人公と言える活躍を見せている。「まぼろしの雪山」では幼いときに母親を亡くしていることを語り、雪ん子と呼ばれる少女の境遇に同情していた。


また、ハヤタ隊員とウルトラマンの関係を勘ぐる描写もあったが(なんと第2話ごろから。ウルトラマンがいる時に限ってハヤタがいない事にまで気がついている)、結局最後まで確信に至る事は無かった。


ちなみに、ハヤタが名付けた『ウルトラマン』の名前に太鼓判を押して定着させたのは誰あろう彼である。


語録編集

「イデは…科学特捜隊の隊員として失格であります……今日限り…退職します…」……自らのミスが原因で民間の石油コンビナートに甚大な被害を出してしまった責任を感じた彼がムラマツに対して言った台詞。そんなイデにムラマツは「何を言うか! 君は立派な科学特捜隊員だ」と激励した。


こんなこともあろうかと2丁作っておきました、マルス133」……彼の代名詞の一つ。この他にも様々な大発明を行う。


「鬼が出るか、蛇が出るか」……金星ロケットとの通信を妨害した交信の解析の際の台詞。結果出たのは、鬼でも蛇でもなくであった


「犠牲者はいつもこうだ、文句だけは美しいけれど」……宇宙開発のイメージ保持のため抹殺された宇宙飛行士の慰霊碑の前で呟いた台詞(長らく台本などの出典がないため台詞の全容は正確には分かっておらず、「犠牲者」ではなく「為政者」「偽善者」とする説などもあった)。


「人間ってズルい生物だ…太古の時代からこうやって我々人間だけが生き残ってきた秘密がわかったよ…」……自分達を追跡してきた怪獣別の怪獣同士討ちさせるように仕向けた作戦が成功し、喜ぶアラシに対して呟いた台詞。上段の台詞と共に、イデの時折覗かせるシニカルさを体現している。


「ウルトラマンが、今に来るさ」……どんなに凄い兵器を開発しても最終的にはウルトラマンが倒してしまう、と悩んでいたイデが、ジェロニモンの操る再生ドラコを前にして放った言葉。マーゴドン戦まで続くウルトラシリーズに共通する根源的な防衛隊の葛藤であり、シリーズを通して語られるテーマの一つでもある。


小説版にて編集

ウルトラマンメビウス』の小説版『アンデレスホリゾント』では、アライソ整備長の台詞の中で触れられており、「天才」「本当に優秀な人」「あの人自身が宇宙人じゃないか」と評されている。

彼の発明したマルス133が公式では人類初のメテオールとして扱われている事や、バリアーマシンの改良型がウルトラ警備隊ポインターのバリアとして実装されたことが語られたが、同時に彼の発明品がデリケートな構造をしているハンドメイドの一品もので量産に向かず、装備が後継組織へ受け継がれなかったことも明かされた。

なお、作中時点での安否・消息は描かれていない。


初代ウルトラマンの後日談を描いた小説『ウルトラマンF』では、事実上の主人公として活躍。

ウルトラマンが光の国に帰った後、本人にも解析ができないメテオール技術とルパーツ星人からの技術提供を合わせて新たな怪獣・宇宙人対策用にメテオール「ウルトラアーマー」を製造すると同時に本人の希望もあってハヤタに人体実験を施し、彼の中に残るウルトラマンの痕跡を捜索していた。

国連軍からの依頼で巨人兵士開発プロジェクト「F計画」に関わるが、自らのダークサイドとも言える非人道的な科学者インペイシャントとの確執や、巨大化能力に目覚めてしまったフジ・アキコ隊員を危険に晒すことへの葛藤、そのほか様々な「科学の暗黒面」に苦しみながら地球を襲う侵略者達と戦いを繰り広げていった。

また、ウルトラマンの顔が何度か変化した事に関して、Aタイプは格闘戦、Bタイプは特殊能力、Cタイプは光線技と状況に応じて姿を変えているのではないかという仮説を提唱している。ウルトラマンの戦闘能力に関しては格闘戦の比重も大きいと考えており、ある強敵との戦いでは自ら格闘術を披露してそれを実証して見せた。


ULTRAMAN編集

CV:江原正士(モーションコミック)、魚建(アニメ)

モーションアクター:曽世海司


ハヤタの息子である早田進次郎をサポートする上司として登場。

ハヤタと進次郎を守るべく表向き解散扱いとなっている科特隊を自ら運営しており、ウルトラマンスーツを開発、進次郎にそれを与える。

ハヤタとウルトラマンの関係については、(TV本編の最終回後か本編中のいずれかは不明だが)気付いていたことを、記憶を取り戻したハヤタに告げた。


原作コミックとアニメとでは容姿がだいぶ異なっている。


ウルトラ忍法帖編集

「THE_KOROSHI」の巻に湯煙署所轄でムラマツ警部の部下「イデ刑事」として登場した。最初の事件現場からダイイングメッセージと現場にあったマンの手裏剣を発見し、殺人事件の容疑者として逮捕されたマンを湯煙署名物の関取責めで拷問した。

役者への風評被害を避けるためか、上司揃って原典の2人にはあまり風貌が似ていない。


ウルトラ作戦編集

生粋の科特隊員ではなく、元々は科学センターに所属している研究者であり、岩本博士の愛弟子で若手のホープとされていた優秀な青年科学者だった。科学特捜隊日本支部を設立する際に、人材補強の為に科学担当スタッフとして出向した。


ウルトラマン怪獣伝説40年目の真実編集

ウルトラセブン』以降とは異なるパラレルワールド。科学特捜隊の後身である地球防衛軍に所属している。

こちらではマルス133やマッドバズーカの量産化に成功し、現在でも地球防衛軍の主力装備として運用されているらしい。


余談編集

科学特捜隊ベムラー』の企画書時点で名前があるが、この時点では通信隊員の名前であり、完成作品のイデに相当する発明家のムードメーカーの名前はアラシだった。


当初は『ウルトラQ第10話にゲスト出演していた歌手の石川進が演じる予定で、実際に撮影にも参加していた。第2話の脚本上でイデ隊員が痣を作るのは目の周りではなくおでこであり、これはおでこがトレードマークだった石川氏に合わせてのものだった。第7話でイデ隊員がおでこを負傷するのもこの名残である。

しかしスケジュールか出演料の都合でたった2日で降板。同じく『ウルトラQ』にゲスト出演していた二瓶正也に交代した。

その後石川氏はイメージソング『ウルトラ怪獣音頭』の歌唱でウルトラシリーズに関わっている。

イデ隊員の繊細な一面は二瓶氏に合わせて追加した要素とされており、そのまま石川氏が演じていたらイデ隊員の人物像は違ったものになっていただろう。


関連項目編集

ウルトラマン 科学特捜隊 こんなこともあろうかと


トベ博明:二瓶氏が後年演じた防衛チームのキャラクター。役割もイデ隊員に近い。


滝明久リメイク作品に登場する、イデ隊員の系譜を受け継ぐ人物。

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