概要
本作は特撮番組『ウルトラマンメビウス』の公式ノベライズであり、『メビウス』内で著者の朱川湊人氏が執筆したシナリオ『怪獣使いの遺産』『無敵のママ』『ひとりの楽園』をオリ主のハルザキ・カナタの視点から描いた物語である。また、これだけではなく導入部となる第1話『魔杖の警告』と、第5話(最終話)『幸福の王子』が追加されている。(双方ともメビウス本編の没シナリオ『破滅の日時計』が原案。)
本作は「原作第30話でミライの正体がバレた後にハルザキがGUYSに研修生として着任した。」という設定で始まっており、原作第31話以降から分岐した世界線と言える。(ただし原作第30話はインペライザー戦であるため、暗黒四天王編〜最終三部作は多少の差異が有りつつも同様の出来事が起こると思われる。)
少なくとも『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』の事件がこの世界でも起こっている。(メビウス&ウルトラ兄弟が原作第23話と第24話の間の出来事である為。)
また、ハルザキ(メイン画像中央)はウルトラシリーズの主人公にあるまじきひねくれ者キャラであり、かなり剣呑な人物として描かれているのも特徴的。
登場怪獣
ここでは特撮版メビウスでも登場したソリチュラなどは割愛する。
魔杖
全長100m、直径10mの巨大な「杖」。中央部にはギラギラと輝く一つ目がある。
シルバーシャークすら全く通じない強力な外皮を持ち、地球の自転などを無視し完全に垂直にGUYS基地めがけて降下した謎の物体。
『新世紀エヴァンゲリオン』に登場するサハクィエルに酷似した設定である。
機械龍ナーガ
かつてウルトラセブンと戦った宇宙竜ナースの後継機。三つ首の東洋龍を模した姿をしている巨大ロボット。サーペント星人が操る。
地底怪獣マグラー
メイツ星人ビオが地球を訪れる少し前に山中から出現したが、GUYSにより撃退された。
暗黒星人シャプレー星人
該当項目参照。
核怪獣アルビノ・ギラドラス
シャプレー星人が操る白色のギラドラス。
ユーゼアル
翼開長200mのコウモリのような姿をした謎の宇宙怪獣。悪意は全く存在せず、宇宙で遭難している人々を母星へと送り届けているという伝説を持つが…。
小ネタ
作中では各円谷作品に纏わる小ネタが仕込まれている。
ストライクサンダー
GUYSUSA所属のガンフェニックストライカーの濃紺と赤で彩られた改修機体。
GUYSUSAの連中は機体名に「パワード」と付ける癖があるらしい事がジョージの口から語られている。
名前とカラーリングの元ネタは「ウルトラマンパワード」に登場した戦闘機「ストライクビートル」、機体名になんでも「パワード」と付けたがるというネタはそのまんま「ウルトラマンパワード」(というよりパワード登場怪獣の名前に付く「パワード〇〇」か)のパロディである。
無論、この世界ではウルトラマンパワードの事件は起こっていない。
尚、機体についてはUSA曰く「ブースター性能20%増し」らしいが、GUYS JAPANの推測では原型機と大差ないとの事。
護衛艦サンダーグリッド・キンググリッド
宇宙輸送船ガーベラの護衛をしていた2機の護衛艦。ブースター交換を行っていた宇宙ステーションの名前は「アクセプター77」という。謎の円盤群によって2機とも撃沈した。
名前の元ネタは「電光超人グリッドマン」に登場するサンダーグリッドマンとキンググリッドマン、変身ブレスのアクセプターに由来。
Project Blue 2'
「ウルトラセブン」に登場したバリアシステムプロジェクトブルーの発展計画。
月の裏側にある発電衛星「エメラルドA9」によってエネルギー補給が行われている。
このエメラルドA9はエメラルド星人と彼の作ったジャンボーグA、ジャンボーグ9が元ネタで、計画名もジャンボーグ9の変形口上である「ジャンファイト!ツーダッシュ!」に由来。
ちなみに、偶然にもジャンボーグAの最終決戦の場は月面だったりする。
地名
- 『一の谷記念公園入り口』(一の谷博士)
- 大手スーパー『カネダ』(加根田金男)
- 大型マンション『メゾン・ド・リトラリア』(リトラの学名「リトラリア」)
- 商業ビル『大山第二マリンファンタム』(マリン・ファンタム・ショー)
- コンビニ『ジュラン・ジュラン江戸川店』(ジュラン/江戸川区にQのヒロイン『江戸川由利子』を掛けたもの)
- バブ『アランカ』(アランカ帝国)
- 多々良川(多々良島)