DATA
概要
ジャンボーグAに登場する正義の宇宙人。地球をグロース星人から守るため、主人公立花ナオキにジャンボーグAやジャンボーグ9を与えた。
特徴
放映当時、「銀河連邦」のカテゴリーで円谷ヒーロー作品を統一展開する動きが有った為、「銀河連邦星人」の別名を持つ。
ウルトラ族のように巨大化能力を有し、自身でも怪獣と戦う事が可能。また、地球上での活動時間には制限があり、カラータイマーを装備している者もいる。
宇宙の各惑星において、グロース星の侵略と戦っている。Aおよび9も、グロース星の侵略に対抗するため、自身の科学力で製造したもの。
ナオキ以外の地球人の前には現れておらず、その素性を語っていなかった。また、後にはナオキの夢の中に現れ、忠告したりもしている。そのため、マッドゴーネにその点を利用され、PAT隊が攻撃した事もあった。
劇中では、1話に登場しナオキにAを与えた星人、その息子・カイン、そして9を与えた星人の、計三名が登場する。3人目は1人目と声は同じだが、1人目にはないカラータイマーを有しているため別人らしい。
先述の通り、地球防衛の為にナオキにジャンボーグAやジャンボーグ9を与えたり、「平和を愛する宇宙人」と紹介される事から、戦闘能力が無いと一部で誤解されているが、決してそのようなことはない。
エメラルド星人・カインは、相打ちに近いがフリーザーキラーを撃退に追い込んでおり、劇中の活躍から判断するに、ウルトラ一族の宇宙警備隊員クラスの能力を有している。
※そもそも、フリーザーキラーに一時壊滅寸前に追い込まれたとは言え、マッドゴーネ率いる侵略部隊に「ジャンボーグ無しで」耐え抜いている。マッドゴーネも、PAT隊を情報戦で騙し、惑星破壊用ミサイルロケットにカインを狙わせている。弱い訳が無い。
長距離移動に際して「エメラルド色の光球」状の異空間を宇宙船代わりにしたり、新たな「命」を持って来てナオキに与える等(※)、ウルトラ一族寄りの特徴を有している。上述の通り、地球上での活動時間に制限があり、カラータイマーを付けている事も、ウルトラ一族に近い。
なお、Aをナオキに与えた星人とカインは親子の関係に有るが、9をナオキに与えた星人がカインの父と同一人物かは定かでは無い。
※ジャンボーグ9譲渡に関する件より。この時の星人は「3つの命を持って来た」と言っており、どうもナオキはジャンキラーに特攻した際に一度落命したと思われる。
ちなみに「3つの命」の内訳はジャンボーグ9、ナオキ、ジャンボーグA。但し、Aのそれについては、星人がナオキに「君が生み出すのだ」と発言し、ナオキがエンジンの大破したジャンセスナを懸命に修理して遂に復活させている。
この事から、ナオキの「ジャンをもう一度飛ばしたい」と言う強い思いを、「命」と称する情報=エネルギー集積体に変換した物と考えられる。
スーツ
スーツに関し、米谷佳晃氏が自著「華麗なる円谷特撮デザインの世界 ミラーマン☆ジャンボーグA 米谷佳晃デザインワークス1971~1973」他のインタビューで言及する所では、
「『帰って来たウルトラマン』の、ウルトラマンスーツの改造」「マスクは新造」とされている。
しかし実際のスーツは、ミラーマンやジャンボーグAのスーツと同様、「ベルトの下部分で、上下に分割されるツーピース形式」の物である(米谷氏の証言が、実際のスーツの構造と異なっている理由は不明)。
この構造の為に、カインが等身大時と巨大化時で、下半身が前後逆になる事案が発生している。
これについては、デザイン草案の時点で下半身の模様が2パターン描かれているため、「一つのスーツで2パターンの下半身を再現できるように」と、造形サイドが想定していた様子(カインの頭部の原案も、同デザイン画に記されている)。
先述の事案はその弊害とも言える。
しかし制作サイドからも、「同一キャラの下半身の状態を、何らかの意図で変える」「それに意味を持たせようとしていた」という可能性も無い訳では無い。
余談
「地球の兄弟星」と故郷を名乗った件についての事情は不明だが、本来エメラルド星にしか存在しない「エメラルド花」と、それに関する伝承が地球(それも日本!)に存在する事が劇中で判明しており、何らかの形で過去にも「時間と空間を越えた」交流が有った可能性が示唆されている。