心からの言葉
こころからのことば
サコミズ「ファイナルメテオール、解禁!」
北斗「聞こえるはずだ。仲間の声が」
ダン「人間がいたから、我々はどんな強敵とも戦ってこられた」
次回、最終回『最終三部作Ⅲ心からの言葉』
ミライ「ありがとうございました!」
(本放送版)
エンペラ星人の力で、太陽の光すら届かない地球。
誰もが諦めかけた時、ウルトラ兄弟の声が新たな希望を生み出す。
立ち上がれメビウス。そしてCREWGUYS。愛する地球を守るために!
次回、新ウルトラマン列伝『はばたけメビウス!心からの言葉!!』
(列伝版)
正式なタイトルは「最終三部作Ⅲ心からの言葉」
『ウルトラマンメビウス』の最終話であると同時に、約40年に渡り展開された光の国の物語に一つの区切りが付けられた重要回である。
エンペラ星人の攻撃でリュウの乗ったガンクルセイダーMXは撃墜された。しかしリュウはウルトラマンヒカリとなってエンペラ星人に挑むも、その力の差は歴然。苦戦を強いられる。
ミライはボロボロの体に鞭打ってメビウスに変身する。変身する力が残っていないにもかかわらず変身が叶ったことにカコは驚くが、サコミズは「最後まであきらめず、不可能を可能にする、それがウルトラマンだ」と語る。
メビウスとヒカリのメビュームシュートとナイトシュートが炸裂するも、エンペラ星人には効果がない。
エンペラ星人「まだ刃向かう力があるとはな。戯れに仕向けた四天王を退けただけのことはある。しかし、もう終わりだぁ!」
エンペラ星人のレゾリューム光線を受け消し飛ぶように消滅するメビウス。ヒカリが助けようとするもエンペラ星人の念力で動きを止められてしまう。
ヒカリのカラータイマーも消えてしまった。トリヤマ補佐官はリュウとミライの救出を命令。瓦礫の中からリュウを発見するも、ミライは見つからなかった。
リュウ「また……何も守れなかった」
ジョージ「もう……ミライもいない」
コノミ「終わりなんですね……」
マリナ「地球も、太陽も……」
諦めムードが漂うGUYS。しかしその時、
「本当に、そう思うか?」
北斗「君たちになら聞こえるはずだ。今はそばにいなくとも、勝利を信じて共に戦って来た仲間の声が」
マリナ「仲間……?」
ウルトラマンジャック/郷秀樹も言う。
郷「目をそらしてはいけない。地球の未来は今君たちに託されたのだ!」
ジョージ「地球の未来が?」
ダン「君たち人間がいたから、我々はどんな強敵とも戦ってこられた。 君たちなら、そのことを教えられる」
コノミ「私たちなら……?」
ハヤタ「そして必ず救ってくれ。弟を。君たちが培ってきたものがあれば必ずや地球は守り切れる!」
テッペイ「はい、必ず!」
ウルトラ兄弟たちの必殺光線で、太陽の黒点が次々とかき消されていく。
ジョージ「リュウ、顔を上げろ!」
テッペイ「守り抜くんです!」
コノミ「ミライくんと一緒に!」
マリナ「聞こえるはずよ、ほら」
リュウの腕にナイトブレスが現れ、そこからミライの声が響く。
ミライ『もう一度力を貸してください。僕たちの、最後の戦いのために!』
リュウ「ミライ…… ミライなのか!?」
金色に輝く空間の中で対峙するミライとリュウ。
リュウ「お前、どうして!?」
ミライ「ナイトブレスは、奇跡の力を持つ伝説の超人、ウルトラマンキングから授かったものなんです。それに、ヒカリが言ってました。来るべき戦いのとき、このナイトブレスが必要になると」
リュウ「俺たちにはまだ、やれることがあるんだ…… わかった。一緒に行くぜ!」
「俺達…5人も!」
駆けだすGUYSのメンバー。リュウの差し出した腕にテッペイが、マリナが、コノミが、ジョージが、次々と手を重ねていく。
最期に光に包まれたミライの手が重ねられた。
サコミズ「GUYS、sally go!!」
ミライたち「GIG!!」
ミライたちは空に向かって手を伸ばして叫ぶ。
「メビウーーーーーーーース」
灼熱の炎のようなエネルギーが6人を覆い、メビウスフェニックスブレイブが現れる。
エンペラ星人「言ったはずだ。ウルトラマンは決して余に勝てん!」
エンペラ星人は臆することなくレゾリューム光線を放つ。
ミライ『まだわからないのか!? エンペラ星人! 今の僕は、もう1人じゃない!』
エンペラ星人「光の者たちよ、なぜ闇を恐れない!? 全ては静寂に支配された、素晴らしい世界を!」
宇宙空間ではウルトラ兄弟に加えれウルトラマンレオとアストラも加勢していた。
サコミズはタケナカ参謀から託されたカードを手にしていた。
サコミズ「ファイナルメテオール、解禁!」
上空から巨大な物体「スペシウム・リダブライザー」が下りてくる。スペシウムエネルギーを増幅できるファイナルメテオールだ。
ミサキ「メテオールはそもそも我々人類が……」
サコミズ「──我々人間が、ウルトラマンの心に応えるためのもの!そう、この日のためにあったものだ!みんな!メビュームナイトシュートで、スペシウム・リタブライザーを撃て!」
メビウスブレスとナイトブレスが輝き、新たな必殺光線、メビュームナイトシュートが放たれる。
メビウスの赤、ヒカリの青の2色の光線が スペシウム・リタブライザーで増幅され、エンペラ星人に浴びせられる。
宇宙では新たにウルトラマンタロウとウルトラマン80も駆けつけ、黒点を破壊していった。
太陽はすでにほとんど光を取り戻していた。
ウルトラの父「エンペラ星人、地球を照らす太陽の光は消せはしない!」
エンペラ星人「えぇい!な、なぜだ、ウルトラの父!?なぜ、のうのうと太陽に照らされている命を救おうとする!?闇こそが永遠の世界になるのだぁ!」
ウルトラの父「光があるからこそ、闇もある。闇があればこそ、また光もあるのだ」
マリナ『私たちは今日まで、勝利を信じて共に戦って来た!』
ジョージ『あぁ、地球の未来が今、俺たちに託されているんだ!』
コノミ『どんな強敵にも、負けずに戦って来れた私たちなら!』
テッペイ『地球も、必ず守り抜ける!』
リュウ『そう、俺たちに叶えられない夢なんてない。たどり着けない未来もない!』
サコミズ『信じるんだ、我々の力を! 我々の未来を!』
するとサコミズに謎の声が語り掛ける。
「サコミズ、ともに行こう。今こそ君の力が必要だ」
サコミズは呼びかけに応じ光の中へ。フェニックスネストから現れたのはゾフィーだった。
ゾフィーはメビウスと共にM87光線を放つ。
スペシウム・リダブライザーで増幅させられた二大光線の威力はすさまじく、エンペラ星人の体から血しぶきのように光がほとばしる。
サコミズ『今だ、みんな!!』
エンペラ星人「よ、余は、暗黒の皇帝!光の国の一族になどに、やぶれはせぬ──!」
メビウスは炎の塊と化し、巨大な火の鳥のように突進。スペシウム・リダブライザーを貫き、エンペラ星人を貫く。
メビウスフェニックスブレイブ最大の必殺技、メビュームフェニックスが炸裂。
あまりの威力にスペシウム・リダブライザーが爆散する。
エンペラ星人「なぜだ……!? なぜ余がウルトラマンごときに……!? 余はウルトラマンに負けたのではない!……そうか……人間のちっぽけな希望という光に、ウルトラマンと、人間の絆に負けたのか…… 余が、余が…… 光になってゆく……」
エンペラ星人の体中の傷から、両目から、口から光が漏れる。
そしてその全身が光で溢れ、ついには全身が光となって消滅していった。
ウルトラ兄弟たちの尽力により太陽も完全に元の姿となり、地球上を覆っていた暗雲が晴れ、陽の光が差し込む。
地下の避難所から地上へ出て来た人々が喜び合う。
ミサキ「太陽が……!」
ミライは変身を解除し、地上に降り立つ。
『聞こえていますか? ウルトラの父。僕自身にしか見つけられないこと── 大切なものは今、確かに僕の胸の中にあります』
ミライは心の中でウルトラの父へ語り掛けた。
残ったゾフィーの姿を見上げるGUYS一同。頷くゾフィーにサコミズは笑顔で返す。
ゾフィーはヒカリと共に宇宙へと飛び去って行った。
サコミズ「これで君も、ウルトラ兄弟の仲間入りだね」
ミライ「最後の戦いが終わった今、僕には新しい使命が出来ました。この星の人たちと共に得た大切なものを、光の国の新たなウルトラマンたちに、伝えていきます」
ミライはそう告げる。いよいよミライが地球を去る時がやって来たのだ。
ジョージ「……いい顔してるぜ、アミーゴ!」
マリナ「しっかりやんなさいよ」
テッペイ「君と出逢えて、本当に良かった」
コノミ「ずっと応援してるからね」
リュウ「……行けよ」
目から涙をこぼしながら、ミライは別れを告げる。
「さようなら……今まで、ありがとうございました!!!」
メビウスに変身するミライ。しばしGUYSを見下ろした後、宇宙へと飛び去って行った。
口々に別れの言葉をいうGUYSの面々
リュウ「ミラ──イ! ありがとう──!!」
テッペイ「体に気をつけて──!」
コノミ「頑張ってね──!」
マリナ「ミライくん──! 元気でね──!」
ジョージ「ミライ──! 頑張れ──!!」
ヒカリとゾフィーに続き、メビウスもまた遠く輝くウルトラの星へと帰っていった。
一連の戦いを見守ったカコとファントン星人もまた、故郷へ帰っていく。
いつまでも空を眺め続けるGUYS。コノミの腕に消えたはずのリムエレキングが一瞬現れる。一同の顔に笑顔が戻った。
その後。
ジョージはスペインリーグに復帰し、必殺稲妻シュートを決める。
マリナはロードレーサーに復帰し、シャンパンボトルを振りまいていた。
テッペイは父の跡を継いで医者となり、子供たちを診察している。
コノミは保育士に戻り、園児たちに囲まれていた。
一人GUYSに残ったリュウの私室。そこには焼け焦げた「俺たちの翼」の寄せ書き。
GUYSの隊長服に身を包んだリュウが、笑顔で部屋を去る。
棚の上には、ミライやGUYS一同たちの笑顔の記念写真が飾られていたのだった。
ウルトラマンメビウス 完
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