「余は、暗黒の支配者ッ!!」
データ
『ウルトラマンタロウ』第25話「燃えろ! ウルトラ6兄弟」にシルエットのみ登場
『ウルトラマンメビウス』第48話「最終三部作I 皇帝の降臨」~第50話「最終三部作III 心からの言葉」に登場
概要
『ウルトラマンメビウス』のラスボスにして一連の事件の黒幕、ウルトラの星及び宇宙警備隊にとって不倶戴天の敵。元は『タロウ』本編で語られた設定のみが存在するキャラだったが、『メビウス』本編において『タロウ』放送から33年経ってようやく詳細が明らかになった。
歴代ウルトラシリーズでも屈指の強さを誇り、ウルトラ兄弟クラスの強敵が複数相手でもその場から全く動かずに撃破し、一度は主役ウルトラマンを完全に死滅させている。
太陽の消滅に伴い母星や同胞が滅び、その後闇の力を手にしたという過去から光の戦士であるウルトラマンとは正反対の存在、もしくはもう一つの可能性であるといえる。
『メビウス』以前から語られている強大な敵として相応しい大ボスとしての実力、存在感を放ち、内海氏の重厚なボイスもあり絶大なインパクトを放った。
なお、内海氏はアニメでは数多くの役に出演しているが特撮での名有りキャラではエンペラ星人以外は『海賊戦隊ゴーカイジャー THE MOVIE 空飛ぶ幽霊船』の『ロスダーク』のみの出演であり、生前内では数の少ないかつ初めての名有りキャラ採用であった。
人物像
性格は冷酷非情、意にそぐわなければ長年仕えた部下であっても無言で処刑する。
その一方、ウルトラ戦士とは逆で太陽の異常で自分のみが生き残り、それ故に闇の存在に落ちたという他平成シリーズのような設定が追加されており、単純な巨悪ではない悲しい存在であることが示されている。
必殺技・武器・装備
- レゾリューム光線
純粋なウルトラ戦士の肉体を分解する効果がある赤黒い破壊光線。これを他生物と融合していないウルトラマンが食らうと即死してしまう。
地球人と一体化しているウルトラ戦士に対しては効果は弱まってしまうが、単純な破壊力もメフィラス星人を一撃で粉砕してしまうほど強力。球状弾としても発射可能であり、これまで撃墜記録の無かったガンフェニックストライカーを宇宙空間から狙い撃ち、一撃で墜落させている。
アーマードダークネスも使用することが可能だが、同等の威力であるかどうかは不明。大怪獣バトルシリーズのゲームではエンペラ星人が放つ光線を「真・レゾリューム光線」と表記して差別化されていた。
- ダークネスディザスター
『大怪獣バトルNEO』で使用。巨大な暗黒エネルギーの塊を敵に叩き落とす大技。
- 念動力
強力なサイコキネシスを使用でき、その場から一歩も動かずにウルトラマンヒカリとザムシャーを触れること無く吹き飛ばしている。更にウルトラ戦士を動けなくするほど高い念動力を持ち、サイコキノ星人でも全く及ばなかった。
この能力があるためエンペラ星人は基本的に立ち回らず、相手の攻撃を真正面から受けてそれを粉砕する戦闘スタイルを好んでいる。
- *リフレクターマント
背中に羽織っている黒いマント。高い防御力を持っており、ウルトラ戦士の光線も無力化できる。
- エンペラブレード
かつてウルトラの父との一騎打ちに使用した剣であり、父の脇腹に生涯残る傷を負わせた。地球侵攻時には装備しておらず、回想シーンのみで見ることができる。
ウルトラギャラクシーファイトで使用された際には斬撃を放ち、数十人もの光の国の住人達を一閃で殺害する威力を見せた。
大怪獣バトルのゲームではアーマードダークネスのダークネストライデントと共に装備し、二刀流を披露していた。
- 闇
その特殊能力で近くにある恒星の熱と輝きを奪うことが可能で、劇中では太陽に巨大な黒点を広げて地球を暗雲に閉ざしている。
- ダークネスフィア
エンペラ星人が宇宙空間を移動する際に使用している宇宙船。ウルトラ一族が有する球体状の宇宙船と似たような存在であると言える。『メビウス』で登場する「皇帝が纏っている赤黒い炎」がこのダークネスフィアであり、見た目は50メートルほどの大きさだが内部には暗雲が立ち込めている1つの広大な世界が広がっており、皇帝が好む環境を作り出している。更に内部ではウルトラ戦士の必殺技の威力が弱められる。
エンペラ星人の没後も地球の軌道上を周回していたようだが、後述するアーマードダークネスが起動した影響で本来の軌道を外れて地球に落下しそうになったため、GUYSが出撃する事態となった。
最終的にアーマードダークネスが破壊された後でヒカリの手によってウルトラの星へと運ばれ、そこで聖なる炎に投げ込まれ完全に焼き尽くされた模様。
エンペラ星人がウルトラの星に再び侵攻する際に装着する予定だった暗黒の鎧。一部でも身に着ければ強力な力を発揮できるが、エンペラ星人以外の者には鎧の力を使いこなせず、装着した者を逆に吸収してしまう。三つ又の刃を両端に付けた伸縮自在の槍「ダークネストライデント」や左腰にある長剣「ダークネスブロード」が主な武器。非装着時にもこれらの武器は使用でき、『大怪獣バトルNEO』では二刀流で敵を切り裂く「ツインダークスラッシュ」を披露。
来歴
もともとエンペラ星人は宇宙のどこかに存在していた惑星に住む知的生命体の1人であった。しかし、何らかの理由で自らの母星の太陽が失われてしまい、それがきっかけで故郷や他の同胞たちは滅亡。
唯一生き残った彼は失意と孤独の内に宇宙を放浪している間に強大な「闇」の力を身につけると共に、光あるもの全てに憎しみを抱くようになり、力尽くで滅ぼすようになっていった。後の暗黒四天王を始めとする多数の配下を従え、宇宙征服を目指して勢力を広げていったが、その過程でウルトラの星の存在を知り、自らとは逆の道を歩んで繁栄したウルトラマンの一族に激しい憎悪を抱くこととなる。
そして光の国へと侵攻し、後に「ウルトラ大戦争(ウルティメイトウォーズ)」と呼ばれる戦争が勃発。熾烈を極めた戦いだったが、最後はエンペラ星人が覚醒したウルトラの父との一騎打ちで深手を負って戦線を離脱した上、エンペラ軍団も大半がウルトラベルの力で壊滅して敗北に終わったため、この戦いで彼はウルトラ族に対して極めて強い憎悪を抱くことになった。
その後の動向の詳細は不明だが、表立った活動は行わなかったもののウルトラの星への再侵攻に備えてアーマードダークネスを造らせたり、テンペラー星人をけしかける、ヤプールに改造ベムスターを貸し与える、ウルトラマンレオに破壊されたブラックスターの破片を回収してロベルガーを作成するなど暗躍していた模様。
また、ウルトラ族に味方する勢力も憎悪の対象とするようになり、ウルトラの星への再侵攻前の前座も兼ねてか遂に歴代のウルトラ戦士が守ってきた地球への侵攻までも計画し始めた。メビウスの派遣された時代になってから長らく怪獣の出現や宇宙人の侵攻がなかった地球に、それらを誘発させる時空波の発生装置やインペライザーやロベルガー、サーペント星人、ババルウ星人等の配下を送り込み、戦いの様子を監視することで地球のデータを集めていった。更にUキラーザウルスを倒されて弱体化し、ディメンショナルディゾルバーで地球への時空間ゲートも封じられて途方に暮れていたヤプールに接触し、離反したアークボガールに変わって邪将として暗黒四天王に迎え入れた(なお、地球に侵攻を行った目的及び何故メビウスの時代に行動を開始したかなどの明確な理由については公式に明言されていないため不明)。
そして戯れと称して暗黒四天王を地球へと送り込んだが、メビウスやウルトラ兄弟の手によって次々と倒され、最後に残ったメフィラス星人も途中で戦いを放棄して勝手に撤収してしまったことから役立たずとして処刑し、遂に自ら地球に乗り込んできた。
世界中にインペライザーを送り込んで地球人へ宣戦布告し、3時間以内にメビウスを引き渡すように要求して地球側の内紛を画策。更には「要求を呑むならあらゆる脅威から余が地球を守る」と約束した上でタイムリミットまで与え、メビウスの引き渡しを促した。この時、地球側では蛭川光彦の告発によりメビウスの正体が全地球人に知られてしまっており、一時はエンペラ星人への恐怖から要求を呑んでメビウスを引き渡すよう求める動きもあったが、最終的にGUYS総監サコミズ・シンゴの演説によって人々が考えを改めたことで自身の要求は拒否され、これを口実に全面戦争を仕掛けた(もっとも、エンペラ星人は地球人がメビウスを引き渡すことなど最初から期待しておらず、あくまで地球人同士の結束力の低下と地球へ戦争を仕掛ける口実が欲しかったものと思われ、仮にメビウスを引き渡したとしても約束を破棄して地球を侵略したか、地球人を奴隷化していた可能性もある)。
当初はメビウスが連戦の疲労が蓄積していたことで既に肉体が限界に近かったことや、インペライザーの圧倒的な物量によって戦いを優位に進めていたがGUYSやザムシャーら協力者の奮闘でインペライザー部隊が次々に倒されて戦局が悪化しかけたために遂に自ら参戦し、圧倒的な力でこれらを蹴散らし、太陽の黒点を異常発生させて地球を闇で包んでしまった。
駆けつけたウルトラマンヒカリが加わっても触れることさえ出来ず、GUYSジャパン周辺施設及びフェニックスネストを大破させた上、これを庇ったザムシャーも殺害する。ザムシャーの残した星斬丸でヒカリに斬りつけられて左足を負傷するがそれすら物ともせず、遂にはGUYS隊員達の目の前でメビウスをレゾリューム光線で粉砕して消滅させた上、両者の死に激昂するヒカリ(リュウ)を呆気無く撃退し、勝ち誇る事でGUYS隊員達を絶望の縁へと叩き落とした。
しかし、これまでのメビウスやGUYSの戦いを見守ってきたウルトラ兄弟からの激励を受けたことでGUYS隊員達は再び希望を胸に立ち上がり、それまで培ってきた絆の力を糧に消失したメビウスの身体を再構築させると同時に、メビウス・ヒカリと合体した「メビウス・フェニックスブレイブ」へと変身するという奇跡を起こす。
すかさずレゾリューム光線で応戦するも、GUYS隊員達と2人のウルトラマンがひとつとなったフェニックスブレイブにはまったく効果がなく、ファイナルメテオール「スペシウム・リダブライザー」で強化されたメビュームナイトシュートを受けて苦しむ。さらに太陽を覆っていた闇(黒点)はウルトラ兄弟の攻撃で破壊され始め、状況は一転し、自らが押され始めることとなる。
その間、かつて壮絶な一騎打ちを展開した因縁の相手であるウルトラの父とテレパシー越しに会話し、「何故のうのうと太陽に照らされている命を救おうとする!?」と詰った上で「闇こそが永遠の世界なのだ!!」と自らの思想を主張するも「光があるからこそ闇もある。闇があればこそ、また光もあるのだ」と一蹴される。
そんなウルトラの父の言葉を否定するようになおもフェニックスブレイブの攻撃に必死に抵抗しスペシウム・リダブライザーを念動力で破壊しようとしたが、前線にゾフィーも加わり、サコミズと一体化したことで強化されたM87光線も同時に浴びせられて大ダメージを受ける。
最後はメビュームフェニックスを受けたことで致命傷を負い、遂に自らが光に敗北したということを認めながら、その肉体もまた光の粒子になって完全に消滅し、長きに渡るウルトラ一族との因縁にようやく終止符が打たれることとなった。
「余は、ウルトラマンに負けたのではない!そうか…人間のちっぽけな希望と光と、ウルトラマンと人間の絆に負けたのか…余が…余が…光になってゆく…」
なお、本編描写だけではフェニックスブレイブが登場した後はまともな抵抗もできず一方的に倒されたように見えるが、設定上はフェニックスブレイブとゾフィーがスペシウム・リダブライザーで増幅された攻撃を長時間加えてようやく倒せたギリギリの勝利であり、どれか一つでも要素が欠けていれば地球人とウルトラマンは勝てなかったとされている。
これ以外にも、
- 戦闘フィールドがウルトラマンの光線を半減するダークネスフィアで無かった
- エンペラ星人の戦闘能力を飛躍的に向上させるアーマードダークネスを装備していなかった
- ウルトラマンヒカリの星斬丸による斬撃でウルトラ大戦争の時の古傷が開いており、メビュームナイトシュートにより更にダメージを負う
- 上記のようにレゾリューム光線はウルトラマンには即死だが人間と一体化しているウルトラマンには威力が半減するため、一体化している人間の数が5人だったので半減を通り越して無効になった。
などの条件が重なっていた事も勝利できた条件である。
つまりエンペラ星人はあの戦いでは本気を出してすらいなかったことになる(というよりエンペラ星人が本気を出す前にメビウス達が勝てたという方が正しいか)。
死後
ウルトラ戦士や地球人たちの奮戦で完全に滅ぼされたかに思われたエンペラ星人だが、死後も彼の影響力は根強く残っており、以降の物語の展開にも少なからず影響を与えることとなった。
- そもそもエンペラ星人は強大な闇の力があれば何度でも蘇ることができるらしく、後に幾度も復活が図られた事もある(ショーでは度々復活している)。
- 外伝作品である超銀河大戦では残党であるジオルゴンやエンディール星人が登場。更に皇帝の死によってアークボガールが復活を果たしている。
- 外伝作品『アーマードダークネス』では皇帝の後釜を狙おうと多数の宇宙人がアーマードダークネスの争奪戦を繰り広げて宇宙に混乱が広がっている。内山まもる氏による漫画版でも皇帝の死を知りジャッカル大魔王率いるジャッカル軍団や宇宙の帝王ジュダ率いるグア軍団などが再び活動を再開した。
- 外伝作品『ゴーストリバース』では復活した暗黒四天王がメカザムとギガバトルナイザーを使って皇帝復活作戦を始動させる。結果的にこの目論見は失敗に終わるが、この事件がきっかけとなって宇宙牢獄に幽閉されていたウルトラマンベリアルが脱獄し、ウルトラの星ひいては平行宇宙を大きな危機にさらすことになってしまう。
- 後にアーマードダークネスが遥か未来の世界でレイブラッド星人の野望達成のために悪用されたり、ベリアル再復活に利用されることとなった。
このように、エンペラ星人の死が引き金となって歴史的な大事件が幾つも引き起こされている。
主な配下
暗黒四天王
悪質宇宙人(知将)メフィラス星人
策謀宇宙人(謀将)デスレム
冷凍星人(豪将)グローザム
高次元捕食王(先代邪将)アークボガール…後に離反
異次元超人(2代目邪将)ヤプール…アークボガールの後任
暗黒魔鎧装アーマードダークネス(配下ではなく鎧)
暗黒機靱メカザム(配下ではなく、復活装置)
極悪宇宙人 テンペラー星人
無双鉄神 インペライザー
憑依宇宙人 サーペント星人
暗黒星人 ババルウ星人
岩力破壊参謀 ジオルゴン
知略遊撃宇宙人 エンディール星人
宇宙鳥獣 ガロウラー
宇宙苦無獣 ザラボン
要塞ロボット ビームミサイルキング
生体破壊メカ クラッシュライザー
他にもウルトラ大戦争にも使役した多数の怪獣軍団を有してるはずだが、本格的に活動した『メビウス』の時には上述の配下以外は投入した様子を見せていない(使役したならば『ウルトラ銀河伝説』のような描写になっていたことだろう)。
なお、ウルトラ大戦争時に使役していた怪獣は『タロウ』第25話で確認できる限りでは次の通り。
棲星怪獣ジャミラ
古代怪獣ゴモラ
宇宙怪獣エレキング
岩石怪獣サドラ
地底怪獣デットン
古代怪獣ダンガー(注1)
始祖怪鳥テロチルス
竜巻怪獣シーゴラス
宇宙大怪獣ベムスター
プラスチック怪獣ゴキネズラ(注1)
隕石怪獣ザゴラス(注1)
台風怪獣バリケーン
用心棒怪獣ブラックキング
雪女怪獣スノーゴン
古代超獣カメレキング(注2)
『ウルトラマン列伝』第21話の解説パートでは新たに
宇宙忍者バルタン星人
四次元怪獣ブルトン
青色発泡怪獣アボラス
宇宙スパイプロテ星人
地底怪獣グドン
暗殺宇宙人ナックル星人
ミサイル超獣ベロクロン
異次元超人巨大ヤプール
火炎超獣ファイヤーモンス
円盤生物ノーバ
戦闘円盤ロボフォー
無双鉄神インペライザー
が追加されている。
さらに『大いなる陰謀』では
三面怪人ダダ
反重力宇宙人ゴドラ星人
暗黒星人ババルウ星人
がナックル星人と共に参戦していたことが判明している。
(注1)怪獣軍団のシーンではなく、別のシーンに登場しているためか、エンペラ星人のWikipediaやアニヲタWikiでは『ウルトラマン列伝』で新たに追加された怪獣として記載されてる。
(注2)ブラックキングとスノーゴンの間に小さく顔が映っている程度のためか、こちらもエンペラ星人のWikipediaやアニヲタWikiでは『ウルトラマン列伝』で新たに追加された怪獣として記載されいる。
また、エンペラ星人のWikipediaやアニヲタWikiでは参戦してないキングザウルス三世が記載されている。おそらく、カメレキングをキングザウルス三世と間違えていると思われる。
その後の作品での登場
ウルトラゾーン
ミニコーナー「怪獣漫才」ではジェロニモンとともに漫才コンビ「アパッチ皇帝」を組んでいる。
大皇帝というだけあって客に対しても相方に対しても尊大な口調で話し、褒美にマントを触らせようとしてくる。
復活させた60体の怪獣軍団で人類に総攻撃しようとして未遂に終わったのにもかかわらず、部族の長気取りのジェロニモンに対し、「死んだ怪獣を蘇らせると偉いのか?」「死ぬ前に救いの手を差し伸べることこそが人の上に立つものの運命ではないのか?」と返した。
決戦!ウルトラ10勇士!!
エタルガーの生み出した実体幻覚「エタルダミー」として復活。本作で再びメビウスと対決する。オリジナルより劣化していると言えど、メビウスと接戦を繰り広げ、彼が恐怖を抱くのも無理はない実力を再び見せつける(なお、ここで映像作品では初めて格闘する姿を見せている)。とはいえ、流石に激しい動きはせず、 少ない動きで相手の攻撃を交わしたり敵の動きを削いだりするといった、合気道のような格闘スタイルとなっており、皇帝にふさわしい殺陣と言える。
最終的にはバーニングブレイブとなったメビウスのバーニングメビュームダイナマイトで倒された(この際にメビウスは再生した時にカラータイマーが青のままという地味に凄いところを見せた)。
ウルトラマンジード
第18話「夢を継ぐもの」でウルトラマンベリアルが隠し持っていたエンペラ星人の怪獣カプセルが登場。ベリアルがジード・ロイヤルメガマスターによって撃破された際に街に落としてしまったものらしい。宇宙を支配した皇帝のカプセルなだけあって、非常に強力なエネルギーが秘められており、危険性を危惧したAIBによって回収され、同じくベリアルの所有物であったダークルギエルのカプセル共々基地内に厳重に保管されていた。
しかし、第22話「奪還」で、石刈アリエの協力を得た伏井出ケイによってダークルギエルのカプセルともども奪い取られてしまう。
第23話「ストルムの光」ではペダニウムゼットンにフュージョンライズしたケイが、これら2つのカプセルを自身のストルム器官に打ち込むことで一時的に大幅なパワーアップを遂げたが、フルパワーで放たれたロイヤルメガマスターのロイヤルエンドを浴びて敗北。その後は、石刈アリエに憑依していたベリアルによって強奪されてしまい、ベリアルのアトロシアスへの強化変身に使われてしまう。
なお、ストルム星人こと伏井出ケイとは、「母星を失い、それが原因で強大な力を渇望するようになり、悪への道を歩んでいった」という妙な共通点がある。
ウルトラギャラクシーファイト大いなる陰謀
「余は暗黒の皇帝。光の者共よ、漆黒の闇となり滅び去れ!!」
第2章の第1話に登場。
時系列としてはウルトラ大戦争の真っ只中に当たり、それまで『メビウス』劇中の回想シーンで断片的にしか描写されてこなかったウルトラの父との一騎打ちが描かれた。
圧倒的な力で迎撃に乗り出した光の国の住人達を次々に殺害し、かけつけたケンとベリアルアーリースタイルの攻撃もものともせずに追いつめる。
しかし、マリーが一族に代々伝えられていた聖剣:ウルティメイトブレードを届け、それを手にしたケンとの再戦では、黄金のオーラに包まれた空間内という『メビウス』回想シーンと全く同じ構図となり、力に覚醒したケンに互角の戦いを繰り広げられ、最後は互いに深手を負って相討ちとなり、
「光よおぉぉぉぉっっ……!」
と光に対する憎悪を口にしながら撤退していった。
一見すると脇腹の一部が浅く裂けた程度であり、そこまで深くなかった傷だが、それでも撤退を余儀なくされたのはウルティメイトブレードの何らかの力が影響したのかもしれない。
しかし、この時エンペラ星人の圧倒的な闇の力を目の当たりにしたベリアルは、後に強大な力を渇望するようになっていき…?
担当声優はウルフェスでもエンペラ星人を担当した関智一氏(本作ではウルトラマングレートの声も担当している)。
ライブステージ
ウルトラマンプレミアステージ
暗黒四天王の暗躍で初の復活を遂げ、衰えぬ戦闘力でメビウス達を苦しめたが、ウルトラ戦士達の合体光線で地獄に送り返された。
ウルトラマンフェスティバル2009
ザラブ星人の手で何とアーマードダークネスを装着した最強最悪の状態で復活。ウルトラ戦士複数人(ノア含む)を相手に設定通りの強さで無双するも、一時的に復活したウルトラマンベリアルによって瞬殺される壮絶な最期を迎える。
ウルトラマンフェスティバル2018
CV:関智一
ライブステージ第一部ではボスキャラとして復活を果たし、ダークネスブロードを手にして激しいアクションを披露したほか、「暗黒の宴」と呼ばれる歌を熱唱しながら次々とウルトラ戦士を斬り捨てる姿を見せ観客を驚かせている。宇宙警備隊の女性隊員の首を折って殺害するシーンは中々のトラウマもの。
戦闘力もかなり高く、ロイヤルメガマスターを変身解除に追い込んでいる他、闇の力で生み出したイーヴィルティガ、ダークザギ、ジャグラスジャグラーの闇の三巨人のコピー(エンペラ星人曰く「意思の無い木偶」)やカミソリデマーガを配下に持ち、ウルトラ戦士たちと戦う様子を玉座で見守るなど皇帝としてのカリスマは健在である。
湊兄弟の参戦にも臆することなく、ゾグ(第1形態)を召喚するが、ウルトラマンガイア・ウルトラマンアグル(オリジナルキャスト)まで登場し、形勢が逆転。合体光線を浴びてついに倒された。
ウルトラ6兄弟 THE LIVE in 博品館劇場 -ゾフィー編-
本作のラスボスとして後編から登場。ヤプールを背後から操っていた黒幕。
ゾフィーを一度は破り、ウルトラ兄弟を捕らえるほどの恐ろしい戦闘力、怪獣軍団を従えるカリスマ性は健在。
ゾフィーとの二度目の対決ではコスモテクターを装着していた為に撃破に失敗するが、復活させたグリムドと融合するとウルトラ兄弟たちと合流したゾフィーを圧倒するなど終始ラスボスとしての格を保ち続けていた。
最期はゾフィーがウルトラ兄弟を支えに放った最大威力のM87光線たる「ビッグM87光線」を受けてようやく撃破に追い込まれた。
漫画
酩酊!怪獣酒場
怪獣酒場がある次元とは別次元に存在する王政国家に反旗を翻した思想集団のリーダーでダークルギエルを王子の座から追放し、新政府を樹立。侵略行為を繰り返す恐ろしい独裁国家へと変貌させた。
怪獣酒場のある次元にも魔手を伸ばしており、亡命していたダークルギエルは自分を助けてくれたケムール人の恩に報いるべく、旅行者を装って地球に侵入した刺客達をスパークドールズ化、母国へ強制送還している。
なお、怪獣酒場のある次元とは「ウルトラQ」から「ウルトラマン80」までの怪獣が存在する世界、エンペラ星人らのいる次元は平成ウルトラマンシリーズ(「平成ウルトラセブン」、「ウルトラマンネオス」を含む)の怪獣が存在する次元となっており、度々彼らは新世代と呼ばれる。つまり(原作の世界観の繋がりを問わず)生まれた年号によって怪獣達の住む世界が分かれているというわけである。
ウルトラヒーローからのメッセージ《SPECIAL LIVE MOVIE》
孤独な少女の心の闇に引き寄せられた怪獣軍団の一体として登場。ウルトラマンメビウスとウルトラマンリブットを相手に戦い、強大な力で二人を苦戦させる。最後はライトニングカウンター・ゼロとリブットパンチを受けて退散した。
バトルスピリッツ
コラボブースター『ウルトラヒーロー大集結』にて参戦。
コスト7/軽減コスト3という重めの紫スピリットであるが、トラッシュにいればベリアル陛下(BSC24-X03)の効果で召喚コストを踏み倒せる。
召喚時の2ドロー効果は言わずもがなであるが、レベル2〜3では怪獣や星人を名前に含むスピリット、レベル3ではウルトラマンを名前に含むスピリットをアタック時に破壊する凄まじい戦闘力を有する。
これは原作でメフィラス星人を処刑し、一度はメビウスを敗退させたエピソードが元ネタなのだろう。
公式デザイン発表前の登場
ゲーム作品
ファミコンのアクションゲーム『ウルトラマン倶楽部 怪獣大決戦!!』ではラスボスとして登場。 しかしデザインが全く存在しなかった時代のため、人型のシルエットそのままの姿で登場するという苦肉の策でしのぎ切っていた。故にどう見てもショボい。
ウルトラマン超闘士激伝
漫画作品であるウルトラマン超闘士激伝の第四部のラスボスにあたる。 外見は、当時はまだエンペラ星人は名前だけの設定だったため、その姿もメビウス登場時のものとは異なり、様々な宇宙人の特徴に似た姿をした鎧を着こんだようなデザインであり、肩書も皇帝宇宙人になっている(一応これが当時の円谷プロ公式デザインだったが、何故『メビウス』に登場した時に違うデザインになったかは不明)。また、今作では「ウルトラの父はエンペラ星人の送り込んだ怪獣軍団を撃退しただけで本人の姿は見ていない」という設定になっている。
闇闘士やメタルモンス達で構成されたエンペラ軍のリーダーで、ザム星人、バルキー星人、ブラック指令といった三将軍や暗黒司祭ジェロニモンといった幹部と共に銀河を侵攻。ウルトラセブン21によりブラック指令が倒され、彼と手を組んでいたジェロニモンが追い詰められた時に巨大な幻影として登場。ジェロニモンを救い、ウルトラ戦士たちに宣戦布告をすると消えていった。漫画版はここで終了している。
その目的はウルトラの星の三大秘宝であるウルトラキー、ウルトラベル、ウルトラミラーを奪い、それらが揃った時に誕生する鎧「ウルトラクロス」を入手することだった。
その後は玩具展開である超闘士鎧伝で語られ、ウルトラクロスの復活には成功するが超古代のウルトラ戦士によってウルトラクロスは正しい心を持ったもの以外は装着できないようになっていたことが発覚。そこで三体のギガメタルモンスグランドキング、アクアキング、エアロキングの悪のパワーを使ってクロスを闇に染めようと企んだ。
そこに太陽神の使者であるウルトラマンゼアスが登場。太陽の棺というアイテムでクロスをもとの三大秘宝に戻そうとするも一歩遅く、ウルトラクロスの装着に成功。三体のギガメタルモンスが合体したグレイテストキングと共に、新たな軍勢を率いてパワーアップを果たしたエンペラ軍と共に大暴れするが、闘士ウルトラマンの正義の心にウルトラクロスが反応し、善と悪の二つのクロスに分離してしまう。善のクロスを装着したウルトラマンと激しい激闘の末、敗れ去った。
しかしこの戦いが原因で次元の歪みを生んでしまい、ダークベンゼン軍団を登場させることとなってしまった。
その後、WEB漫画『ウルトラマン超闘士激伝新章』でウルトラマンとの決戦では完全には滅んでいなかった事が発覚。ウルトラマンとの最終決戦で敗北し崩壊する肉体の中からエネルギー体のような正体を現すと、ウルトラマンの胸の傷へと憑依。ウルトラマンこそが宇宙最強の男であることを認めながらも、いずれ自身がそれを超える最強の皇帝となることを宣言しながら姿を消したことが明かされた。
なお、エネルギー体のシルエットとして復活し、ウルトラマンの前に現れた後の姿はメビウス準拠の物へと変化している。要するにオーバーボディであり、超闘士版のデザインは仮の姿でしかなかったわけである。現時点ではウルトラマンを捕えつつ、ウルトラ戦士と配下の戦いを見物している。さらに言うとメビウス版の姿もオーバーボディであり、その正体は幾星霜に亘って数限りなく生体装甲を纏い己を強化し続けてきた存在。本人曰く「もはや最初の姿は覚えていない」。
完全復活後は片腕のジェロニモンと宿敵であるウルトラマンを喪ったことへの哀愁を見せつつ、闘士ウルトラマンメビウスと交戦。メビウスが変身したメビウスブレイブと実は生きていたウルトラマンのブレイブ・ギガントブレイクを受けて重傷を負ったことで現在の生体装甲も崩れ始めた為、四天騎星の天騎甲を纏って、旧エンペラ星人も思わせる姿の闘士エンペラ星人となる。
ウルトラ戦士たちを次々と一撃で戦闘不能にしていくがレオ兄弟や80も加わって合体変身した闘士メビウスインフィニティーが誕生すると形勢が逆転。獅子王連破弾やバックルビームでダメージを受けていき、最終的にはウルトラ十連合体波と突撃形態からの炎の翼で敗北。「強さにゴールはなく、終着点は定められない」ことを悟り、己が最強という慢心こそが敗因と認めるも自らがウルトラ戦士の最大の敵であることへの矜持から、皇帝空間と共にウルトラ戦士たちを無に還すと言い残して消滅した。
余談
その姿は『タロウ』第25話に登場した内山まもる氏が手掛けた黒い人型のシルエットを元に、黒いウルトラマンを意識してデザインされている。当初はプロデューサーの渋谷浩康の案で鎧を着たウルトラマンのようなイメージでデザインされていたが、特技監督の原口智生の要望により鎧を着ているように見えない形に修正された。また、初期案では更に重厚な鎧を身に着けた姿も存在していたが没となり、そちらは後のアーマードダークネスへと転用されている。
第48話のサブタイトルは「皇帝の降臨」であるが、第49話冒頭ではまだエンペラ星人が地球に降りていないことになったため、第48話での降臨は見送られた。
『メビウス』最終回の35年前の3月31日は『帰ってきたウルトラマン』最終回が放送されていた。
ウルトラマンベリアルが闇落ちした原因の一つとして、エンペラ星人の強大な闇の力に惹かれたという設定がある。ウルトラ大戦争を引き起こしたり悪のベリアル誕生のきっかけになったり、更に闇堕ちする以前のウルトラマントレギアが興味を示す対象になったりと、光の国の歴史に大きく関わる存在とも言えよう。
当初、『ジード』第18話でケイが召喚するのはエンペラ星人だったが、ザイゴーグに変更された。
声を演じた内海氏と『メビウス』第49話、第50話(最終話)でファントン星人の声を演じた川津泰彦氏は、フジテレビ版『きかんしゃトーマス』でも共演している。また、ヒカリの声を演じた難波圭一氏とは同じ誕生日であり、難波氏とはア二メ『ゲゲゲの鬼太郎』3期第42話でも共演している。 ちなみに内海氏とゾフィーの声を演じた田中秀幸氏とはアニメ『タッチ』では兄弟役で共演し、難波氏も主人公役で共演している。
内海氏は『メビウス』以前にも『ザ☆ウルトラマン』第11話や『ウルトラマンG』の2代目ナレーションの出演経験がある。
ちなみに第48話の時間軸はこのエピソードが初回放送された2007年3月17日という設定である(作中での掲示板の描写から)。
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暗黒四天王 ウルトラの星 ウルトラ大戦争 アーマードダークネス ウルトラマンベリアル
黒幕 ラスボス 高性能じいちゃん 皇帝 暴君 最強の敵 悪のカリスマ 悪の美学 哀しき悪役 勝てる気がしない