概要
ウルトラマンタロウが使う必殺技の一つであり、タロウの技ではコスモミラクル光線等の合体攻撃を除けば最大の破壊力を持っている。
発動プロセス
- 「ウルトラダイナマイト!」の掛け声と共に両腕を組む
- 腕を開き胸を張ると共に全身が炎に包まれる
- そのまま目標に突進し自爆する
- 光とともに肉体が再構成される
『ウルトラマンタイガ』第1話では、全身が炎に包まれる直前にストリウム光線のように七色のエネルギーに包まれる描写があった。
上記の通り完全に自爆技であり、初めて見せたカタン星人戦では、「自爆したタロウの肉片」が画面手前まで飛び散っている様な有様であった。タロウはウルトラ心臓が無傷なら再生できるから死なない……ということだが、自爆で心臓が無事なのかは甚だ疑問である。
爆発や使用の際に体が炎に包まれる様子、タロウの力を宿した火属性の戦闘形態バーンマイトなどで火属性的なイメージが強いが、この技は「自分をも巻き込む強力な自爆で相手を吹き飛ばす」という技の為、あくまで爆発自体には火属性はなく、再生系の相手には相性が悪い(この為インペライザーを破壊には成功したが再生されてしまい、反対に「炎で焼き尽くす」形式の技のバーニングブレイブのメビュームバーストやバーニングメビュームダイナマイトでは再生できずに焼き尽くされた。
とは言え、『フュージョンファイト』でのタロウの属性が「火」だったり、バーンマイト自体が炎系の技を多用したり、タロウクリスタルで変身するウルトラマンロッソフレイム/ウルトラマンブルフレイムが火属性の戦士である事等もあり、近年では火属性の技として捉えても良いかもしれない(尚、タロウより火属性要素が強いメビウスはフュージョンファイトではなぜか「剣」という属性となっている。しかしメビウスはメビュームブレードやライトニングスラッシャーなどの技を使うため、間違ってはいない)。
また、タロウにはウルトラ水流のポーズで炎を噴き出す「タロウファイヤー」や全身から炎を一直線に飛ばし相手を焼き滅ぼす「ファイヤーダッシュ」(またの名をタロウジャンファイヤー)という火を使う技があるので、そのイメージが強いのだろう。
二回使うと寿命二十年分
使用するだけでエネルギーを大幅に消耗するらしく、カラータイマーが青の状態で使用すると確実に赤になってしまう。更に二回使うとタロウの寿命が20年縮むらしい。
しかしそもそもウルトラ族の寿命は20万年近くあり、高々20年の寿命は微々たるものであるので、1000回使ってやっと1万年分の寿命といった感じである。
仮にタロウが、現在ウルトラ族最高齢であるウルトラマンキングの年齢20万歳(なお、現設定では30万歳となっている)まで生きると仮定すると、タロウの年齢が1万2千歳なので残り18万8千、死ぬまでに18800回も使えることになる。人間に置き換えた場合、仮に寿命が80年だとすると、2回につき大体3日寿命が縮むことになる計算である。
さらに言うなら寿命が縮むのは「更に二回使用した場合」なので大抵一度の使用で敵を木っ端微塵に出来る為特に支障はないと思われる。
平成以降も何だかんだで結構使っており、インペライザー戦では使用した後も戦闘を続行できていた。弟子であるウルトラマンメビウスも、見様見真似で同様の自爆技(後述)を結構使っているので、あまり危機感が感じられない。(もっとも当初は本人が「カッコイイから」という安直な理由で習いたがっていたので、流石に物凄く怒っていたが…)
さらにぶっちゃけてしまえば放送時にはここまで危険な技扱いではなく、後の児童誌や漫画版などでえらく危険な技にされたのが大元の原因なのである意味必然と言える。
結局のところ、この技の重要な点は「どれくらい寿命が縮むか」ではなく「寿命が縮むほど消耗してしまう」という点であり、どれほど寿命が減るという点はそれほど重要な点ではないと言える(まぁ、人間換算で数日でも寿命が減るのは普通嫌だろうし、父も母もそんなに多用はしてほしくはないだろうが)。
後述の通り近年では使用後にカラータイマーが青である事も多く、現在では半ば死に設定になってるかも……。
ただ、タロウの力を受け継いだ戦士が多くなった今でも、この技をオリジナルと同じ形で使っているのは判明している限りメビウスだけである点を踏まえると、安易な使用は危険な技である事は間違いないかもしれない。
また、劇場版『タイガ』でもタイガが使用した際はヒロユキに「見様見真似だ」と発言している事から、その危険性故かタロウはこの技を息子には教えていなかった様である。派生作品も含めると、再生能力以外は比較的真似しやすい技である様子(その分、当然危険とも言えるが)。
派生作品における扱い
ザ・ウルトラマン「友情は永遠に」
タロウが使うほか、かつてタロウの親友だったレッド族の戦士エルフが使用。
エルフはウルトラの星を裏切りバルタン星人側に着いてウルトラ族を滅亡させようとしていたのだが、タロウとの戦いの果てに自分の心がウルトラ戦士を裏切れないことに気付いてしまい、バルタン軍に命を狙われる。タロウは押し寄せるバルタン星人をウルトラダイナマイトで蹴散らすも、それを見たエルフは「俺にも教えろ」と懇願。タロウはウルトラダイナマイトについて教えつつ「しかし復元は練習しないとできない」と遠回しにやめるよう示唆するも、雲霞の如く押し寄せるバルタン星人の軍勢を目にしたエルフはタロウの制止を振り切り、動力炉でウルトラダイナマイトを決行。核爆発を起こして円盤は吹き飛び、「バルタンの王」だった「ウルトラ戦士」は消えていった…。
と言う感動的なエピソードなんだがネット上ではコラ画像のせいでエラいことになっているのは内緒である。
ウルトラマンSTORY0
山よりも巨大なザンボラーを跡形も無く吹き飛ばし、自爆させればビッグバンが起こるとされた宇宙戦艦アイアンロックスの動力炉を臨界させるよりも早く蒸発させるなどの離れ業を見せた。
なお、こちらでは使用後にカラータイマーが点滅しているような描写はない。
ULTRAMAN
この状態の光太郎の姿は『炎態』と呼ばれている。
侵略異星人たちが市井の人々に配布していた薬物をたまたま摂取したことで超人的な力を得た光太郎が、ドルズ星人が目の前で友人を殺害したことによる感情の昂ぶりによって力を覚醒させ、発動。
体を超高温の炎に包んで相手に突撃し、強力な爆炎で爆殺する技で、どちらかといえば、後述するメビュームダイナマイトやストビュームダイナマイトに近い技となっている。
やはり体力の消耗は激しいらしく、この技を使った後、光太郎は意識を失ってしまい、ドルズ星人を倒した時のことも一切覚えていなかった。
CGアニメ版ではスーツを着た状態で披露しており、スーツ胸部および背部の排熱口から炎を収束して放出(この際、炎の色は収束とともに青に変化)、その後自身を中心に超高熱の爆発を起こすというものになっている。
大規模な爆発すら相殺してしまうほどの威力を持つがこちらでも体力の消耗は激しく、1回目は技を使った直後に気を失い(この際一瞬とはいえ心臓が止まっていた)、2回目で1度命を落した(その後ベムラーによって復活した)。
ロストヒーローズ
タロウの第一ヒーロースキル(必殺技)として採用され、全体に強力な爆発攻撃をお見舞いする。ただ、原作再現の為か使用後体力が1になってしまうのでトドメをさせる自信がある時以外は使用する事をおすすめしない。尚、オーズと組んで使うクロスオーバースキル「タジャドルダイナマイト」は体力が1になるリスクがない上に、消費ヒーローゲージが3個から2個になってるのでタロウのウルトラダイナマイトを魅せたい人は是非こっちを使ってみよう。
続編ではタロウはスパークドールズになってしまい、プレイアブルからアシストに降格してしまった為ダイナマイト系統をお披露目することは出来なくなった。(因みにゲームクリア後では、オーズにタジャドルダイナマイトをする事が出来なくて申し訳ないと謝る一面が見れた。)
派生技
メビュームダイナマイト
タロウの弟子であるウルトラマンメビウスがウルトラダイナマイトを参考に編み出した技。
初使用は第43話のメビウスキラー戦。
メビウスはウルトラ心臓がないためにメビウスブレスの力で代用することで使用できているが、消耗はタロウ以上に激しく、威力もタロウのものよりもやや劣るなど、性能面では完全にウルトラダイナマイトの下位互換である(とはいえ、メビウスキラーと同化していたガディバ諸共跡形もなく粉砕するほどの威力はある)。
またバーニングブレイブの力で威力を倍にしたバーニングメビュームダイナマイトも使用しており、こちらはバーニングブレイブの力で炎属性が追加されタロウのウルトラダイナマイトでは倒せなかったインペライザーも倒せるようになったがさらに自分への負担がかかり、使用後に倒れてしまった事もある。そのため、ピンチの時の最後の切り札的な技として使われる事が多い。
が、『決戦!ウルトラ10勇士!!』に客演した際には、バーニングメビュームダイナマイト使用後もカラータイマーが点滅している描写がなかった。鍛錬の賜物なのか、復活の際にシェパードンからもらったエネルギーが膨大だったのか、はたまた威力を抑えたためにエネルギーの消耗も少なくて済んだのかは不明(相手がメビウス自身の恐怖のイメージから作られたダミーとはいえエンペラ星人なので、メビウス視点から見ても威力を抑えたとは考えにくいが)。
ストビュームダイナマイト
ウルトラマンオーブがメビウスとタロウの力を受け継いだ形態であるバーンマイトで使用する必殺技。
こちらは単なる体当たりとされており、あくまでも相手を大爆発させる技で自分が爆発する訳ではない(ウルトラマンティガのウルトラヒートハッグに近い)。よってエネルギーの消耗は少ないようで、使用後もオーブのカラータイマーは点滅していない。
第16話では爆発の際に発生する炎を煙幕代わりに用いて相手の視界を奪い、その隙に撤退するという忍者のような変わった使い方もしている。
発動時の決め台詞は「俺に触ると、火傷するぜ!!」
…なのだが、初使用した第3話とウルフェスのオリジナルステージ以外では使用していない。
ウルトラマンオーブダークも「ダークストビュームダイナマイト」という同様の技を使用できる。
ウルトラレオナマイト
内山まもるが『小学二年生』に連載していた漫画版『ウルトラマンレオ』に登場。
レオの思い出を踏み躙り、同郷のL77星人を殺した冷酷非道のバットン2匹に対して使用し、空中に飛び上がって大爆発を起こし消し飛ばした。
どういう原理なのかは不明。
スーパーウルトラダイナマイト
タロウがウルトラ5兄弟の力を受け取った状態で繰り出す強化版。
『ウルトラギャラクシーファイト』の回想にて、ウルトラダークキラーを倒す際に用いられたことが語られている。
因みに遊技機の物語では5兄弟と合体したスーパータロウでウルトラダイナマイトを繰り出したことになっている。
ニュージェネレーションダイナマイト
同じくタロウの弟子であるウルトラマンギンガストリウムがビクトリーナイト~グルーブまでの新世代ヒーローズの力を受け取って繰り出す必殺技。
上記のスーパーウルトラダイナマイトのニュージェネ版といった内容で、ウルトラダークキラーに引導を渡しダーク宮殿ごと爆破した。超巨大化した状態のダークキラーに放ったため、体当たりした勢いで弾丸のように敵の身体を突き抜ける技となった(なおまったくの余談だが『ギンガS』の主題歌を担当したTHE ALFEEの楽曲で「ジェネレーション・ダイナマイト」という曲があるが意識したかは不明)。
カオスダイナマイト
PS2専用ソフト『ウルトラマン Fighting Evolution Rebirth』に登場するタロウの戦闘データを元にカオスヘッダーがコピーした姿『カオスロイドT』のフィニッシュ必殺技。
ウルトラダイナマイトのコピー版であり紫色の炎を纏い、高速低空飛行して頭から突っ込んで行く。
カオスヘッダーの能力で容易に肉体再生が可能な為、自爆に躊躇が無い。
ストーリーモードにあたるウルトラモードではタロウがウルトラダイナマイトを使用するとカオスダイナマイトとの押し合い(ボタン連打)合戦の限定演出が入る。
結構真剣に連打しないと普通に負けてしまうので要注意。
余談
大怪獣ラッシュではバルタンバトラー・バレルも似たような自爆技シャドーエクスプロージョンを使用するが、こちらも「そういう技なんだろ」とガルムに言われてる辺り、やっぱり危機感が感じられない。
ちなみにRPG『ヒーロー戦記』では、必殺技に至るまで単体攻撃のみであるウルトラ族が使用できる唯一の全体攻撃である(当然だが戦闘不能になるため乱用は控えたい)。また、タロウ以外にもウインダムがウインダムダイナマイトを使用している。
この他、ウルトラマントレギアも『タイガ』第1話でのタロウとの戦闘でウルトラダイナマイトと似た技を使用しているが、こちらの詳細は不明。
またタロウの息子であるタイガもウルトラダイナマイトのような技を持っているほか、上述したように劇場版でウルトラダイナマイトそのものを見様見真似で使用した。このときは爆発までいかず、あくまでタロウに取り付いている邪気を炎で払うかのように使用していたが、ヒロユキたちのいるインナースペースにまで炎が広がっていた。
これによりタロウ一門は全員ウルトラダイナマイトを使用した事になった。
特に関連性はないが仮面ライダーウィザードの第33話では仁藤攻介が訪れた宝くじ店の名前がウルトラダイナマイトくじという名前であった。
関連項目
グリムド:ウルトラダイナマイトを逆手にとってタロウに取りついた