概要
ウルトラマンタロウから連なる一連の師弟関係。
『ウルトラマンメビウス』にて、ウルトラマンタロウとウルトラマンメビウスが師弟関係にある事が判明し、その後もタロウと師弟関係を結ぶウルトラマンが多く現れ、先に親しまれてきたセブン一門になぞらえ、彼らをタロウ一門と呼ぶ事がある。
体育会系な修行が目立つセブン一門と比べると、
といった具合に、いい意味で生真面目かつクセのない優等生と呼べる顔触れであるため、タロウが宇宙警備隊筆頭教官を務めていることもあってか口頭での指導も多く、理知的な教育方針を取っているのが特徴(ギンガを除く)。
筆頭であるタロウ本人も、歴戦の大ベテランとはいえ人格面に甘さと呼べる部分が残っているため、逆に弟子から何かを教わるケースも少なくなく、師弟ともに高め合う、セブン一門とはまた違った師弟の絆を感じさせる場面が多い。
また合体適正も高くタロウ含めスーパーウルトラマンになる際にはその元になることが多い。
宇宙に大混乱をもたらしたエンペラ星人やダークルギエルといった強大な闇の存在を撃破する、ジュダの強大な眷属であるグランドキングの討伐(正史でも起こったらしい)など、一門に名を連ねるウルトラ戦士たちの功績も凄まじく、積み上げた実績はセブン一門にも引けを取らない。
また、一門共通の大技としてウルトラダイナマイトがある。
後に公式で使われたセブン一門と違い、あくまでファンが独自に考案した呼称であるため、混同しないよう注意されたし(なお円谷公式ではないものの、「タロウ一門」を使用したサイトがある)。
また、タロウの直弟子であるメビウスやギンガが正式に弟子(タロウにとっての孫弟子)を取った描写はなく、厳密には一門と呼べる間柄ではない事も明記しておく。
ちなみに、下記の4人は全員ぐんぐんカットは全員右手を開いて突き出しており、タロウ一門以外で開いているのはコスモスやジードくらいである。
一覧
ウルトラの父/ウルトラの母(師)→ウルトラマンタロウ/東光太郎(弟子)
タロウ一門の源流。
タロウは幼少期から父に厳しく鍛えられていたらしく、父に認めて貰えないタロウは度々反発していた様だ。
本編の『タロウ』ではどちらかと言うと父よりかは母がタロウの指導者の様な振る舞いをしており、人間態である東光太郎に度々助言をし、戦闘でも随所でサポートしていた。
よってタロウ一門は、厳密にはウルトラの父の本名に肖ってケン一門と言うべきかもしれないが、便宜上この様に記載する。
パラレル設定ではあるが、『ウルトラマン物語』ではその教育方針を覗く事ができる。
セブン一門が荒野などの野外でスパルタ特訓をさせるのに対し、タロウに対しては実技と座学を合わせた室内での特訓を課している。雰囲気の違いを端的に述べるなら、前者がブートキャンプでこちらは学校といった方がわかりやすい。
ウルトラの父自らが教官役となる事が多く、実技だけでなく、装置や過去のウルトラ戦士の映像を用いたり(地球に派遣する際にも同様の手段を用いた)、困った時には適切なアドバイスを送るなどしている。勿論、習得に成功すればきちんと褒めるなどのフォローも忘れない。
タロウ本人が真面目な事もあって、自主学習するシーンも見られ、その意気込みはウルトラの父も評価している(宇宙空間ではドローンを用いてストリウム光線で射的を行っていた)。
ここまで適切なトレーニングができたのも、ウルトラの父がウルトラ大戦争を勝ち抜いた戦闘のプロだからだろう。
なお、ウルトラの父がタロウに課した特訓は次の通りである。
球体をウルトラ念力で浮かせる特訓(参考元:ウルトラセブンVSイカルス星人/ガンダー)
こればかりは精神を統一し、集中力を高める他に上達の術がない為、説明が精神論になっているのはご愛嬌。
特訓に成功した際には球体をどこかへ消滅させるレベルにまで上達した。
敵のバリヤーを破る特訓(参考元:ウルトラマンジャックVSキングザウルス三世)
条件は「いかなる手段を用いても構わない」という自由制で、タロウはバリヤーを張る父にキックやストリウム光線を用いるも、破る事は出来なかった。そこでタロウは足にエネルギーを集中して蹴りを放つ事でバリアーの解除に成功するのであった。
まず、敗北例を見せてからすぐに実技に移らせ、タロウの思考力を養っているのがポイント。
高熱を耐える特訓(参考元:ウルトラマンジャックVSタッコング)
火柱を発生させ、高熱の環境下でも戦えるようにする特訓。
当初は慣れない環境に苦しむタロウであったが、見事に突破。
空間の歪みに耐える特訓(参考元:ウルトラマンエースVS巨大ヤプール)
装置で空間を歪ませ、異次元空間でも戦えるようにする特訓。
平常心を保たせる事で歪みが発する苦しみを緩和させた。
ウルトラ戦士の技を学ぶ特訓(参考元:ウルトラマンレオVSシルバーブルーメ/ウルトラマン80VSレッドキング(三代目))
スパーク光線やサクシウム光線のポーズを取るシーンがあるが、2022年現在、これらの技をタロウが実戦で使用するシーンはない。
押さえておくべきと判断した部分にはスロー映像を用いている。
なお、この作品では両者がタロウの先達という扱いであり、ウルトラ兄弟にはカウントされていない。
ウルトラホーンにエネルギーを集める特訓
最重要課題。ウルトラの父が放つエネルギー光線をウルトラホーンに集めてスーパーウルトラマンへの道を切り拓く特訓。しかし、途中でヒッポリト星人がウルトラ兄弟を全滅させた為、ウルトラの父が救援に向かった事で特訓はウルトラの母が引き継いだ。タロウを行かせなかったのは有事のために特訓を完成させる必要があった為である(流用上の都合ではない。断じて)。
なので、本作ではヒッポリト星人に敗れた理由がこの特訓による過労となっている。
この特訓を完遂し、見事にグランドキングを撃破したのは言うまでもない。
ウルトラマンタロウ(師)→ウルトラマンメビウス/ヒビノ・ミライ(弟子)
一門の原点となる師弟。
教官という敬称、宇宙警備隊筆頭教官というタロウの立場から、数いる生徒の一人といった関係。
しかし、メビウスの高い潜在能力を見込み、切り札中の切り札である超危険な自爆技を伝授する、ゾフィーと共に偉大な兄弟たちの地球での活躍を語るなど、メビウスには特に目をかけていたようで、その関係は師弟と呼んで差し支えない。
メビウスもタロウに憧れて訓練に励んでいたと語るなど、タロウを師として慕っており、ファイティングポーズやぐんぐんカット、体捌き等に師の影響が見て取れる。
自爆技を教えてはいるが、本人としては彼の若い命を簡単に散らしてしまう事を良しとしておらず、『メビウス』本編では、メビウスを光の国に帰還させるため、地球を訪問。
メビウスを窮地に追いやったインペライザーを撃退し、再度襲来したインペライザーに封印していたウルトラダイナマイトを使用するも倒すには至らなかった。
その後、メビウスに「命を賭けて戦うのは、笑顔でまた仲間たちに会うためです!!」という進言、メビウスが仲間たちとの絆で覚醒したバーニングブレイブの力でインペライザーを真っ向から撃ち砕いてみせたこと、アイハラ・リュウの説得を受けて認識を改め、地球をメビウスとGUYSに託すことを決め、地球から去っていった。
この時、メビウスとタロウの共闘の際に、動きがシンクロするというニクい演出が入っていた。
また、『メビウス』本編と同時期に親友が行方不明になっていた事実が発覚しており、これ以上大切な者を失いたくないという思いが、封印していた自爆技の使用を踏み切らせるに至ったのかもしれない。
余談だが、本作のパラレル前日譚である『ウルトラマン Fighting Evolution 0』のストーリーモード(タロウ編)ではタロウが力を奪われてしまい、ゾフィーをはじめとするウルトラ兄弟から戦い方を教わるという流れになっている。
メビウス編ではメビウスの訓練生時代の様子が描かれ、こちらでもウルトラ兄弟に訓練をつけてもらう流れとなっている。
ウルトラマンタロウ(師)→ウルトラマンギンガ/礼堂ヒカル(弟子)
『ウルトラマンギンガ』にて、新たに結んだ師弟関係。ゼロからも訓練を課された為、セブン一門とも解釈できる。
正確にはギンガというより礼堂ヒカルとの師弟であり、ギンガに変身して間もない状態ながら十分以上に戦えていたこと、タロウ本人が人形化していて戦線に立てなかったことが重なり、戦闘そのものよりウルトラマンとしての心構えなどを教え諭すメビウスとはまた違った師弟関係を築いている。
また、ヒカル以外にも闇の手先となっていた一条寺友也に自分の子供時代の事を語って彼を改心させる後押しをした。
ダークルギエルの出現でギンガが窮地に陥った時に人々の祈りで遂に復活し、ギンガ復活へと繋げた。
続編『ギンガS』では、窮地に陥るギンガの救援に現れ、自らウルトラ六兄弟の力を宿したストリウムブレスに変身して彼の左手に収まり、更なる力を与えた。
『ニュージェネレーションヒーローズ』で再会した際には、フランクで親しげな会話を交わすなど気安い関係を築いており、最終決戦では自身の力の一部をストリウムブレスにして再び託したことでギンガストリウムへの変身を可能としている。
ウルトラマンタロウ(師)→ウルトラマンタイガ(弟子)
タイガとは親子であり、師弟でもある。
タロウはかつての自分に似て自信過剰になる性格を持つタイガを諫めるなど、厳しくも暖かく指導し、成長を期待している。
タイガも、偉大な父であり、偉大な師であるタロウに認めてもらう為に訓練に励むなど、タロウを強く慕っている。
本人たちの関係はタロウ親子の方に記載されている為、詳しくはそちらを参照してほしい。
ウルトラマンメビウス(兄弟子)→ウルトラマンタイガ(弟弟子)
メビウスとタイガは、兄弟弟子の関係にある
メビウスにとってタイガは師の息子であり、タイガがトライスクワッド結成前からタイガの鍛練に付き合うなど、後輩として世話を焼いていた。
タイガも、大いなる陰謀で、タロウから来るべきアブソリューティアンとの戦いに備えて鍛錬を命じられた際にも、すぐさまメビウスの元に行くなど、良好な関係を築いている。
メビウスはタイガに事あるごとに地球でできた大切な仲間にタイガに話していたようで、後に父からチームを作れと言われた際に、トライスクワッドの結成の後押しにもなっている。
ウルトラマンギンガ/礼堂ヒカル(兄弟子)→ウルトラマンタイガ(弟弟子)
新世代の先輩と後輩でギンガことヒカルはタイガの父であるタロウが、ギンガの世界の地球に訪れた時に、出会い色々と教わった経験がある。
そして、ウルトラリーグのメンバー集めのためにギンガとギンガの相棒であるビクトリーに合流し、ニュージェネレーションの任務であるデビルスプリンターを回収した。
戦いの後、タイガはかつてニュージェネレーションの総力を持って倒したグリムド以上の強敵であるアブソリューティアンの脅威に不安を感じていたが、ギンガはかつてタロウにかけて貰った言葉をタイガにかけて、タイガを鼓舞し、新たな戦いに備えて、ギンガとビクトリーと共にアブソリューティアンの脅威に立ち向かうことを決意した。
また、運命の衝突1話では、ギンガストリウムとフォトンアースになり、ファイティングポーズも左右で取り、とどめを刺す際もダブルストリウム光線で倒した。
一時的な師弟関係、他の側面も持つ関係
ウルトラマンメビウス(師)→ウルトラマンゼット(弟子)
メビウスはゼットにとってゼロに続く「もう一人の指導者」のような存在である。
初対面したボイスドラマにて、ゼロの弟子(自称)であることを知らなかったメビウスは、ゼロは頑なに否定するのを見て、「ゼロは昔から素直じゃないからな」「このままゼットを弟子に取っちゃおうかな」と冗談交じりにからかい、ゼロを手玉に取っていた。
これを見たルーキーであった頃の彼を知る当時からのファンからは、成長を驚かれると共に「隊長に似てきた」と彼が身につけた強かさを感慨深く思ったとか。
続く『大いなる陰謀』では、ゼロの弟子を目指すゼットの指導を買って出ており、組み手をしながら「無駄な動きが多い」と指摘している。
ヒカリから「将来有望な若者」と聞かされていたことやルーキーであった頃の自分に重ねている節があるのか、危険な現場への同行を許すなど、彼の潜在能力を高く買っているようだ。
ゼットの方も「メビウス兄さん」と呼び、どこまでも飾らないメビウスを「できたお人だ」と心からの敬意を以って接している。
これについても、「ルーキーだったメビウスが後輩を指導している」と長年ウルトラシリーズを楽しんできたファンが感慨深く思ったとか。
ウルトラマンメビウス(師)→ウルトラウーマングリージョ(弟子)
『運命の衝突』にて、新たに生まれた師弟関係。
ゾフィーより、迫るアブソリューティアンの侵攻に備えて宇宙警備隊の戦術指南役となったジョーニアスと共に後進達の指導を任されたメビウスは、グリージョの自分を鍛えて欲しいとの申し出を快諾。
その後、コロセウムにて稽古に励む二人の様子が映し出されており、この時にメビウスはグリージョにレオキックを伝授させた模様。
なお、メビウスには種族が異なる妹がおり、『お兄ちゃん』がいるグリージョの申し出を快諾したのは、その出自にどこか思う所があったためとも取れる。
メビウス自身、ウルトラ兄弟に憧れ、自らも後進に慕われる兄になった者であり、グリージョも自分の正体を知られてもなお、兄たちに家族として認められ、妹になれた者である。
そんな二人が教師と教え子という関係になったことは、ある意味で運命と呼べるかもしれない。
episode1では、訓練描写が描かれており、必死にメビウスに食らいつこうとするも軽くあしらわれ、メビウスは「真似をしているだけでは強くなれない」と指摘したうえで、自分の戦い方を見つけるよう諭した。
その後、近くで訓練してたウルトラマンゼアスとウルトラマンナイスが熱中しすぎて、パンチがクロスカウンターの形で互いの顔にあたり、痛がってるところを見ていたグリージョが駆け寄り、グリージョチアチャージで回復する。
その一連の場面を見守っていたメビウスは、グリージョの回復能力が今後の戦いで戦況を変えるかもしれない、と可能性を見出だしていた。
そして、グリージョは嘗てのメビウスと同じく怪獣墓場で心を通じ合えた人物との悲しい別れを経験することになる…。
このように、成長したメビウスが後進を育成する描写も増えてきている事から、もしかすると本当に公式でタロウ一門と呼ばれる日が来るのかもしれない────キミたちはちょっと落ち着こうね
ウルトラマンタロウ(師)→ウルトラマンリブット(弟子)
リブットは訓練生時代タロウから戦闘訓練を受けており、リブットをギャラクシーレスキューフォースのメンバーに推薦したり、『ニュージェネレーションヒーローズ』ではウルトラサインを送って、静止を聞かずに飛び出して行ったロッソとブルを光の国へ連れ戻させたり、事件の黒幕の捜査を依頼するなど深い信頼を置いている。
ウルトラマンリブット(師)→ウルトラマントリガー/マナカ・ケンゴ&シズマ・ユナ(弟子)
リブットがトリガー世界の地球に訪れた時、エタニティコアの防衛とコアの力を得るも上手く制御出来ずに苦悩するケンゴに「君もウルトラマンなら、下を向いては行けない」と諭しつつ青年リブットの姿で現れた。
同時期にケンゴが所属してるGUTS-SELECTがアブソリューティアンのエネルギーであるアブソリュート粒子を元に母船であるナースデッセイ号の強化の準備をしており、エネルギーチャージまでの時間に加えて隊長はウルトラマンであることを明かしてないため嘘の報告をしてリブットの特訓をしてることをごまかしてるのもありあまり時間もないことからかつて師匠から受けたように少し手荒な方法でがむしゃらに向かってくるケンゴをシラットで組み伏せた。
その後、次の段階としてケンゴに同伴してたユナも参加させる形でダンスの特訓を課す。ケンゴも特訓の内容に戸惑う様子を見せるも、彼に対し「あれこれ考えずに心を無にするんだ」と説き、心を無にさせ2人の心を1つにさせることに成功させた。
その後、最後の仕上げとして、ケンゴを1度昏睡状態にさせ、ユナが持つユザレの力でケンゴに一つの答えを出させることに成功。その後のディアボロとのリターンマッチでは、リブットはセコンドとして付きケンゴのアシストに回っている。
余談
どういうわけか、タロウ一門のウルトラ戦士は出番こそ多いものの、人間態としての客演が滅多に無いという共通点がある。
父と母はそもそも人間態としての登場は一度切り、タロウは東光太郎役の篠田三郎氏が自身のポリシーによる理由で客演を固辞、メビウスはヒビノ・ミライ役の五十嵐隼士氏が芸能界を引退、タイガは工藤ヒロユキと分離した事による設定上の理由とタイガの声を井上祐貴氏ではなく寺島拓篤氏が担当しているからである。
グリージョもアサヒ役の其原有沙女史はアフレコやイベントへの出演こそ多いもののアサヒとしての客演は未だ果たせていない。
例外はギンガの変身者である礼堂ヒカル役の根岸拓哉氏でアフレコ含めて客演が多い印象があるが、こちらは逆にギンガが寡黙な性格故に声を担当する杉田智和氏が別役でのウルトラシリーズへの出演はそこそこあるものの、ギンガ役と出演することはウルフェスなどを除いて滅多にない。
ゼットはまだ出始めなので何とも言えないが、人間とウルトラマンのコンビである都合上、無愛想になってしまった前例を考慮すれば、今後の客演次第でどちらかの出番が減ってしまう可能性は十分にあるといえる。
関連タグ
ウルトラシリーズ ウルトラマンタロウ ウルトラマンメビウス ウルトラマンギンガ ウルトラマンタイガ
石動美鈴、渡会健太、久野千草、一条寺友也:ヒカルの友人達でありある意味タロウの教え子とも言える。
ウルトラマントレギア:タロウに連なる一門だけあって、一門に名を連ねる戦士たちは彼とも間接的に深い関わりがある。というか、揃いも揃って見事にトレギアの地雷を踏み抜いている。