概要
真紅のファイター・ウルトラセブンから連なる一連の師弟関係を指す。
『ウルトラマンレオ』にて、セブン/モロボシ・ダンとレオ/おおとりゲンが師弟関係を築いたことを発端に、以降の作品で師弟関係が継承されるようになる。
武闘派かつ体育会系の気質が強く、特に現在のコンプライアンス的に間違いなくアウトであろうダンによるゲンへの壮絶な特訓(下のイラスト)は今も語り草となっている(Zボイスドラマでもゼロは「今やったら色々な意味でヤバい」と語った)。
一門のほぼ全員が宇宙拳法の技を継承している。また、意外にも専用武器を所有しているメンバーが多い(セブンがアイスラッガー、レオがレオヌンチャク、ゼロがゼロスラッガー、ゼットがゼットランスアロー)。その他にも、自分を顧みずに無茶をしでかす事が多いことも特徴と言える。
「セブン一門」という呼称自体はこれまで一部ファンによって使用されていたが、『ウルトラマンZ』の公式サイトにて同ワードが登場したことで、事実上の公式認定を受けたと思われる。
一覧
ウルトラセブン/モロボシ・ダン(師)→ウルトラマンレオ/おおとりゲン(弟)
一門の原点となる師弟。
『レオ』本編にて、ダンことセブンはマグマ星人との戦いで重傷を負い、変身能力を失う。その最中、故郷獅子座・L77星を滅ぼされ地球に来訪したレオことゲンと出会い、彼を一人前のウルトラ戦士として教育すべく、自身が隊長を務める防衛チームMACに入隊させる。
その特訓は、レオの宇宙拳法の技をよりパワーアップさせることと、ゲンを精神的に成長させることが目的であった。
特訓は苛烈を極め、特に第6話でダンが車でゲンを追いかけ回す特訓(通称ジープ特訓)に至っては、撮影時にゲン役の真夏竜氏がガチで監督に猛抗議したほど。
それ以外にも、ダンは『セブン』のときからは想像もできないほどの鬼軍曹ぶりを発揮する。ただし、裏話をあげると、ダン役の森次晃嗣氏もダンの性格の変化や過激な特訓については「ダンのイメージとかけ離れている」と次第に難色を示したと伝えられ、視聴者の評判も良くなかったため、15話の「免許皆伝」発言以降は、(19、21話など完全になくなってはいないが)こうした描写は徐々に控えられるようになった。
その後、MACは壊滅しダンも消息不明となり、ゲンは師匠の生死も分からぬまま円盤生物軍団と孤独な戦いを強いられたが、ダンの特訓によりレオ/ゲンは立派なウルトラ戦士として成長、後に弟のアストラとともにウルトラ兄弟の一員となった。
尚、ゲンも時には負傷しているのに無茶をしでかすと言うダンに似た行動をとる事もあった。
ウルトラマンレオ(師)→ウルトラマンゼロ(弟)
『レオ』本編後、『ウルトラ銀河伝説』にて関係の継承が明らかとなった師弟。
セブンの弟子であったレオが、今度は師匠としてセブンの息子ゼロを鍛えることとなった。
そもそも、かつてのゼロは力を求めるあまり光の国のプラズマスパークに手を出しかけてしまい、一時的に光の国から追放されるという未熟さ故の過ちを犯している。セブンが息子のゼロをレオに預けたのは、自身が手塩にかけて育てたレオに対する信頼によるものであり、レオもかつての恩義からゼロの教育を引き受けたのである。
今よりも尖っていた当時のゼロは、レオに対しても反抗的な態度を取っていたが、修行を重ねて実力を身につけたことと、修行でのアクシデントから小さな命を守る優しさを身につけたことからウルトラマンキングの啓示を受け、怪獣墓場にてウルトラマンベリアルとベリアル軍団を撃破した。
修行の過程でゼロはレオの宇宙拳法の技を継承しており、父親譲りの多彩な光線技と師匠直伝の宇宙拳法を駆使し、多くの修羅場を潜り抜けた。
なお、ゼロ自身性格が丸くなるにつれレオをいじる場面も増えており、師弟間の仲の良さを窺わせる。
また、『VSダークロプスゼロ』にて、ゼロのピンチにレオが駆けつけ、合体技のレオゼロダブルフラッシャーでニセウルトラ兄弟を撃破した。
後にレオは、危険な任務を負うゼロのために専用のウルトラゼロマントを授けている。
ウルトラマンゼロ(師)→ウルトラマンゼット(弟)(0Z師弟)
『Z』において、ゼロにも目出たく(?)弟子が誕生。それに伴い、レオはゼットの大師匠にあたることになる。
二人の邂逅やその後のやり取りはYouTubeでの『ZZボイスドラマ』にて公開されている。
ゼットはかねてからゼロを尊敬しており、彼を目標に宇宙警備隊に入隊、自らゼロに師事した。これまでの師弟関係は、師匠が相手に先見性を見出し関係を構築していたが、こちらでは真逆となった。ただし、実際はゼットの一方的な押しかけ入門に近く、ゼロは「弟子を取った覚えはない」と否定している。この対応については、ゼロ自身が自分が弟子を取れる立場ではないことを理解しているが故の行動である。
ゼットについてゼロはその才能やポテンシャルを認めているものの、当初の評価は「半人前どころか三分の一人前」と非常に手厳しく、さらには「親父の直系を名乗るなんざ2万年早えよ」と一蹴したほど。
それでもゼットはめげることなくゼロのもとに赴き、弟子として認められようと奔走している。もっとも、ゼロもゼットと気が合う場面も多々あり、良い怪獣の知識をレクチャーするなど師匠らしい対応も取っていたり、メビウスが冗談半分で「ゼットを弟子に取る」と発言した際には明らかに妬いているような態度を示すなど、なんだかんだで関係自体は良好である。そして、第19回において…。
ちなみにゼットはレオを大師匠、セブンを大大師匠と呼んでいる。
また、ボイスドラマにおけるゼロとゼットのやりとりを聞く限りでは、現時点ではゼットはレオ兄弟との面識はないようである(セブン・レオとは後に対面を果たしている)。
運命の衝突では、セブンを除く一門が全員集合している。
因みに、ゼロ15周年展の展示物の1つであるゼロの人物相関図では、鍛えたことのあるギンガやビクトリーは特訓とかかれた中、ゼットは師弟となっており、YouTubeで公開されたツアー動画で、畠中祐が確認したところ公式も公認しているとのこと。
関連形態
アルファエッジ:ゼットの形態の一つ。一門のゼロ・セブン・レオのウルトラメダルで変身する。「宇宙拳法、秘伝の神業!」という前口上を持ち、師匠譲りの宇宙拳法で戦う。また、「アルファチェーンブレード」なる大師匠の戦い方を彷彿とさせる戦法も披露している。なお、ゼットは力を借りている三戦士を「歴代の師匠」と呼んでいる。
関連人物
アストラ
レオの弟であり、L77星のもう一人の生き残り。レオのピンチに駆けつけることがたびたびあったが、普段はどこにいるか兄のレオも知らないとされている。おそらく普段は一人で修行に励んでいるものと思われる。実際レオとの連係プレーにより、多くの怪獣を撃破した。
また、レオがゼロを鍛えている場にも一緒におり、師範代としてゼロの特訓を見守っている(『Z』のボイスドラマによるとゼロ曰く「気が散ってた」らしい)。このため、あまり言及されることはないもののアストラもまたゼットにとっては大師匠にあたる存在と言える。
ドリュー
漫画作品『ウルトラマンSTORY0』(オリジナル設定ありではあるが)で描かれたL77星でのレオとアストラ兄弟の師匠で、アルス王ら王家に仕える家臣。
M78星雲ウルトラの国から来たウルトラ戦士で、バルタン星人に細工されたプラズマスパークの影響を調べていた所でディファレーター光線を浴びたL77星王家と出会う。蹴り技を得意としており、レオがレオキックを編み出したのはこのドリューに師事していたためとされる。
マグマ星人がL77星を爆破した際に惑星の崩壊に巻き込まれ、そのまま死亡したと思われていたが…?
レイ/レイモン
レイブラッド星人の遺伝子を持つ地球のレイオニクス。しかし仲間との出会いやウルトラマン、セブンの陰ながらの尽力でそのレイブラッドの支配と運命に抗い正義の為に戦った(同じくレイオニクスであるベリアルからはレイブラッドの恥と罵られた)。またゼロとも何度か共闘しており、レイもまたセブン一門の関係者とも言える。ゼロが初登場したウルトラ銀河伝説では、ゼットを除くセブン一門の全員と共闘している。
ウルトラマンレグロス
コスモ幻獣拳を使うウルトラマン。レオ兄弟とは、D60で修行をしてた時からの付き合いで共に鍛えあった親友でありライバル。運命の衝突にて再会し、因縁の敵であるアブソリュートディアボロを共に倒した後、光の国でレオ兄弟の弟子であるゼロとゼットとも会合し、レグロスは手合わせをしたゼロの実力を認めている。
ウルトラマンデッカー
主にライブステージで共闘する事が多く、先輩ウルトラマンのトリガーもゼットと共闘する機会が多い。
一時的な師弟関係
ウルトラマンレオ/おおとりゲン(師)→ウルトラマンメビウス/ヒビノ・ミライ(弟)
リフレクト星人の前に惨敗を喫したメビウス/ミライをゲンが呼び出し、ウルトラマンに変身して容赦なく猛攻を仕掛ける。全く太刀打ちできずに惨敗を喫し、悔し涙を流すミライにゲンは語る。
「その顔は何だ……その眼は!その涙は何だ!?そのお前の涙で、この地球が救えるのか……?」
それはかつて(一部省略しているが)ツルク星人に負けたゲンがダンから投げかけた言葉そのものであった。
その後、ミライは山に籠もって1人修行を積み、再び出現したリフレクト星人とのリターンマッチに臨む。修行の成果もありリフレクト星人と対等な戦いを繰り広げるメビウスだが、思わぬ反撃に焦ったリフレクト星人は仲間を人質に取るという暴挙に出る。
メビウスは進退窮まり動けなくなり、とどめを刺されそうになるも、そのとき、獅子の瞳が輝き、怒りに燃えて変身したレオとメビウスのタッグにより形勢は逆転。最後はレオとメビウスのダブルキックによりリフレクト星人は撃破された。
戦いの後、ゲンはミライに「(本来の故郷を失った)自身にとっての第二の故郷である惑星」の未来を託した。
この回以降レオは師匠ポジションが定着し、後に師匠の息子を弟子に取ることになったのである。
ウルトラマンゼロ(師)→ウルトラマンギンガ/礼堂ヒカル&ウルトラマンビクトリー/ショウ(弟)
ゼロはエタルガーとの戦いにおいてウルトラマンギンガに変身する礼堂ヒカルとウルトラマンビクトリーに変身するショウと出会う。
ウルトラマンタロウから彼らの事を聞いていたゼロはエタルガーに勝つ為の特訓を二人に課す。だがこの特訓は、ウルトラマンが変身前の生身の人間に試練を与えるというかなりシュールかつハードなもので、崖を昇るヒカルとショウの上から容赦なく岩を落とすと言う親父譲りのスパルタっぷりを見せた。
そして特訓を乗り越えた二人にキングから渡されたウルトラフュージョンブレスを授けた。
後にヒカルとショウはヤプールの引き起こした騒動でレオ兄弟と共闘した。またショウはモルド・スペクターに敗北した大空大地を鍛える事となった。
ゼロも『ウルトラファイトオーブ』にて、復活したジュダ・スペクターに対して「俺の師匠と弟子達にちょっかい出したんだって?」と二人を弟子扱いしている様子(ゼット涙目である)。
ちなみに、『ウルトラギャラクシーファイト』にてビクトリーは湊兄弟に対し「レオ兄弟に鍛えてもらった方がいいんじゃないのか?」という冗談混じりの発言もしている。
ウルトラマンビクトリー/ショウ(師匠)→ウルトラマンエックス/大空大地(弟子)
グア軍団との戦いでエックスの世界に連れてかれたショウは、ゼロからエックスの事を聞いていた。
先のモルド・スペクターとエックスの戦いから、大地がエクスラッガーを使いこなしてないことを見抜き、大地を連れ出して『ウルトラマンの強さは変身者の能力がダイレクトに伝える』ことを教え、大地に剣術を叩き込んだ(途中で大地が諦めかけた際には「立て大地!休んでる暇はないぞ!」と言って容赦なく組手をしている)。
ウルトラマンゼロ&ウルトラセブン(師)→ウルトラマンオーブ/クレナイ・ガイ(弟)
オーブはムルナウが起こした騒動において、ハワイでゼロ、日本でセブンの援護を受けた。
その際、レイバトスを倒すためにシャイニングフィールド内でオーブは親子からの10年も特訓を受け、エメリウムスラッガーの力を扱えるようになった。
実際には師弟関係ではないもの
ウルトラマンゼロ、ウルトラマンジード/朝倉リク
ゼロとジードの関係も,一部では師弟関係と言われているがジード本人は弟子になった事は無いとコメントしており、実際には師弟関係ではなく戦友、もしくは先輩後輩の関係である。ゼロの弟子志望のゼットはジードの事を兄弟子と呼んでいる。
宿敵ベリアルとの大戦争オメガ・アーマゲドンで傷ついたゼロはベリアルによって引き起こされたクライシス・インパクトのどさくさで何者かに盗まれたウルトラカプセルを捜しにサイドアースの地球へやってきた時に彼はベリアルに酷似したウルトラマンジードこと朝倉リクと出会う。
彼はその風貌からジードがベリアルの息子である事を即座に見抜いたが、その運命に逆らおうとする彼の事情を見極め共に戦いへと身を投じていく。これは恐らくかつてレイとの出会いからリクはベリアルとは違うと見なしたからだと思われ、また自分も当初は本当の父親を知らなかった事もあった為か「お互い変な親父を持つと大変だよなぁ」と、ある種のシンパシーを感じるようになった。
この時はかつての戦いで傷つき、ウルティメイトブレスレットも破損してタイプチェンジも出来ず、活動時間も2分程度にまで制限されてしまっているなど、能力を十分に引き出す事もできない状況(かつての父親と同じような立ち位置)で時には敵の罠で一時的に消滅してしまった事もあったがそれでも復活し、さらに飛来したウルトラマンヒカリからジードライザーとウルトラカプセルを授かりゼロビヨンドへと強化変身を遂げ、それ以降からジードと共にベリアルの陰謀や様々なアクシデントに立ち向かった。結果的にゼロとの交流がベリアルの息子(実際は模造品)であるジードの運命を変える事になった。
ちなみにクルトの騒動でシャドー星人ゼナと行動した時には彼とクルトの師弟関係に対して『師匠と教え子…か。きっと好きだったんだろうな、あんたの事を』と言う師弟関係に関して感慨深い様なセリフを言っていた(シャドー星人はかつてゼロの父セブンを痛めつけた侵略宇宙人であり、その同族とこうした会話をすること自体中々に感慨深いものであると言える)。
ウルトラマンジード、ウルトラマンゼット
ゼットからは兄弟子と呼ばれてるが、ジード本人はゼロの弟子ではないと否定している。
『ウルトラヒーローズEXPO THE LIVE ウルトラマンゼット』にて、二人のなりそめが描かれているが、ジードがゼロとセブンの親子と共に惑星ロインでデビルスプリンターの対処してる時、警備隊の任務で惑星ロインに赴いたゼットがジードをデビルスプリンターで凶暴化した宇宙人と勘違いして襲いかかるというものであり、ゼロが止めに入ってジードの事を話したことで誤解は解け、ゼット本人も直ぐに謝った。
その後、黒幕であるバット星人によって作り出されたカイザージードダークネスとの戦闘で、ゼロやセブン、途中で合流したロッソとブルが倒れてくのを見て責任感に押しつぶされていくなか、ゼットは「ジードの苦しみを分かってはあげられないが、ジードがここまで戦って来られたのは、仲間達がいるからだ(意訳)」と励ました。その後再び奮起したジードは自らの闇を倒した。
それを見たゼットは、無暗に名乗るのではなく、みんなからウルトラマンと呼ばれることに意味があることを学び、みんなからご唱和されるようになるという目標を見つけた。
ある意味ゼットの原点とも言える存在となる。
『ウルトラギャラクシーファイト運命の衝突』では行動を共にしてる描写が多く見られる。
ウルトラマンゼロ、ウルトラウーマングリージョ
『ウルトラギャラクシーファイトニュージェネレーションヒーローズ』にて対面。
最初ゼロは、ウルトラダークキラーからの護衛としてグリージョと近づくが、惑星テンネブリスに幽閉されてしまう。
闇が充満した空間に閉じ込められた影響で徐々に光が吸い取られていく中、ゼロは密かに自分の光を分け与えており、ウルトラウーマンに成り立てで不安がっていたグリージョにウルトラマンとしての心得を教えている。
ダークキラーを倒した後、ギンガ達が黒幕を追いかける際に、兄達の判断でルーブ兄妹の住む綾香市のある地球へと送り届けられ、彼女の強くなるという意思にエールを送った。
続編の『大いなる陰謀』では、新たな敵への対抗戦力としてゼロがグリージョを勧誘し、仲間集めのために惑星O-50に向かわせている。また、再会した際に兄達がしてるルーブタッチをしたりとファルコン1案件の報告がいちばん高い。
メタ的な師弟関係
本編では一切絡んだことがないため疑問に思われても仕方がないが、実はティガのアクションが試行錯誤を繰り返し、スタッフの関係もギクシャクしていた中で、レオのスーツアクターであった二家本辰己氏が参加し、ノウハウを伝えていったことで関係も丸くなり、その結果団結、名シーンが作られた。あのゼペリオン光線もまた、二家本氏が考案したものである。
このためメタ的にはなるが、ティガもまた、惑うことなくレオの弟子なのである。
関連形態
ソリッドバーニング:ジードの形態の一つでセブンとレオのウルトラカプセルを使ってフュージョンライズした。合体元の二人の意匠もある為か二人の身内であるゼロも一目見ただけで「あの姿は親父と師匠!?」と口にした。
デルタライズクロー:ゼロとその戦友であるジードそして二人と深い因縁のあるベリアルのメダルが変化したライズメダルでウルトラフュージョンしたゼットの最強形態。ジードの野生のような荒々しさとゼロ譲りの技のレパートリーに加えベリアルの顔をしたそっくりさんの剣で戦う。
関連タグ
タロウ一門:対をなす(?)一門
セレブロ(ウルトラマンZ):実質的な宿敵。彼らが地球や宇宙を守っている時にはセレブロによって被害を受けたであろう星の住人が多く登場した。最初的にゼットによって倒された。