概要
2019年から制作が開始された特撮ウェブドラマ。
主にYouTubeのウルトラチャンネルで配信されるウルトラシリーズの作品。
その名の通り、ウルトラ戦士たちの地球外での活躍を描く物語である。
雰囲気としては従来のシリーズよりも、かたおか徹治氏や内山まもる氏が手掛けた学年誌に掲載されていたウルトラマンとしての姿がメインとなる漫画作品やテレビマガジンやてれびくんといった児童雑誌に掲載されていたフォトストーリー(『バトル・オブ・ドリームNOA』や『超絶!!ウルトラリーグ』など)を映像化したような感じに近い。
メイン監督はウルトラファイトオーブ、ウルトラファイトビクトリー、ウルトラマンジードなどを手がけた坂本浩一、脚本は足木淳一郎のファイトシリーズのタッグである。
劇伴はウルトラマンフェスティバル2016以降、ライブステージの挿入歌を手がけてきた真鍋ひでたか氏等が担当している。
シリーズの特徴
国際色豊かな展開
海外版権問題を解決し、2010年代後半から本格的に英語圏や巨大市場であるアジア・中国圏への展開に力を入れ始めている円谷プロは、当作品制作にあたり英語と中国語の吹き替え版も製作している。ほかにも解説の字幕に英訳が添えられていたり、事前のコマーシャルもすべて英語になっている。
英語版の声優は日本在住の外国人ナレーター、外国人声優が起用されている。
作品の配信尺
いままでのファイトシリーズはテレビ放送の都合もあり、「約3分間」を売りにしていたが、ネット配信のため、3分以上の尺に伸びている。そのため、全話合わせると実質的に劇場版レベルの長編になっているといえる(ソフトの収録時間は『ニュージェネレーションヒーローズ』は約60分、『大いなる陰謀』は約90分)。
なお、実際にはキリの良いところで区切っているため、長い回もあれば短い回もある。
撮影方法
以前のファイトシリーズ同様、ミニチュアなどは用いない全編グリーンバック撮影(ただし一部シーンではオープンセットでの撮影も行われている)。また『ファイトビクトリー』『ファイトオーブ』では人間キャラクターが登場することもあったが、今作ではオリジナルキャスト及び声優によるアフレコのみで登場しない。これは海外展開に当たって、外国語吹き替え版を製作しやすくするという意図もある。
そのため変身シーンやインナースペースは登場しない。タイプチェンジ時の演出もカットされているが、一部では変身アイテムを使用した演出がある。
TVシリーズや他作品との連動
当シリーズは単体でも楽しめる作品だが、第1作と第2作は展開当時最新の現行作品の序章に位置付けられており、第3作も一部のエピソードに繋がっていく展開になっている。なので、視聴順としては第1作→ウルトラマンタイガ→第2作→ウルトラマンZ→第3作→ウルトラマントリガーの順に見るのが望ましい。
ただし、第2作以降は第1作以上にマニア向けな側面があり、本筋の映像作品(TVシリーズや劇場版)に加えて「ウルトラマンメビウス外伝ヒカリサーガ」や「トレギア物語/青い影」(「愛蔵版 ウルトラマンタイガ超全集」収録)、「ウルトラヒーローズEXPO THE LIVE ウルトラマンタイガ」(第2作で明言あり)といった映像媒体以外を含めた外伝作品の小ネタも拾っているシーンがあるので注意されたし。
なお第1作と「タイガ」は劇場版R/B、劇場版タイガを入れたある人物を中心にしたストーリーの一部でもあるため第1作の前に劇場版R/Bを、第2作の前に劇場版タイガを見るとより深く物語が楽しめるだろう。
この通り第1作は直近の作品と密接な関係性を持っていたが、第2作以降は独自のストーリーが確立された代わりに現行作品とは一部にリンクする要素を残しつつも距離を置いた形になった。
また番外編である『ギャラクシーレスキューフォース・ボイスドラマ』はウルトラマンリブットの初出となった「ウピンとイピン」登場回の序章にもなっている。
評価
元々海外畑な上にアクションやフォームチェンジを多用することに定評がある坂本監督の作風や歴代ウルトラ戦士が勢揃いするというゴージャスな展開が相性が良く、英語版の製作や字幕をつけられるyoutubeの機能をフルに生かすことで海外の視聴者への配慮なども完備した結果国内外で非常に高い評価を受け、公開後約10カ月で累計4000万回再生を突破し、中国国内に至ってはなんと1億回以上の再生を記録した。
続く第2弾の『大いなる陰謀』では良くも悪くも今まであまりフィーチャーされてこなかった海外ウルトラマン達やネオス、アンドロメロス、ジョーニアス、ジャスティス、メビウスなど、前作以上に幅広い年代のキャラクターが登場し、更にはベリアルやトレギアといった闇に堕ちたウルトラマン達の背景も掘り下げられた。そのうえ、予想外の展開やサプライズ出演がファンの間で大きな話題となった。
スケールの大きい舞台を用意する事で客演の機会が少ない彼らを違和感なく出演させる事に成功している。
『運命の衝突』では、設定上扱いにくいもしくは出しにくかったスーパーウルトラマン達や、マイナーな怪獣達も出演している。
また宇宙恐魔人ゼットやグリージョダークネスソラと言ったライブステージ限定の宇宙人や怪獣キャラクターが出てきておりライブステージの脚本も手掛けてる足木氏の作風に加えこれらのキャラクター達を映像作品に出すことでライブステージを触れたことの無い視聴者にグリージョダークネス達の認知度をあげるだけでなくライブステージへフィードバックされることでウルトラマンの話の輪を広げたいという思いが込められている。
メロスの客演は坂本監督が担当したファイトビクトリーとXでメロスの宿敵であるグア兄妹を出した際に打ち合わせの時にプロデューサーからアンドロメロスの熱弁を受けジードの年のウルサマのショーにメロスが出た際にいつか自分の作品にメロスを出したいと温めておいた物である。
加えてギャラファイシリーズの企画が立ち上がった2018年から色々とシナリオを考えており、2021年で坂本がメインを張るウルトラマントリガーにて大いなる陰謀以降のメインヴィランであるアブソリューティアンからアブソリュートタルタロス、運命の衝突に先がけてアブソリュートディアボロの顔見せやウルトラマンリブットの客演等下地を引いていき、そこから少しずつ回収していくようである。
このように、国内外で高い評価を得ているが、制作の中心人物である坂本浩一氏が多忙であることもあってか、2022年の『運命の衝突』以降、制作がいったんストップした状態になっており(番外編も含めれば、2023年にレグロスを主役とした作品が2作品作られているため、完全に停滞しているわけでもないようだが)、ファンからは一刻も早い制作再開を願う声が多い。
作品一覧
- 『ウルトラギャラクシーファイト ニュージェネレーションヒーローズ』(2019年)
- 『ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀』(2020年〜2021年)
- 『ウルトラギャラクシーファイト 運命の衝突』(2022年)
番外編
- 『ギャラクシーレスキューフォース・ボイスドラマ』(2021年〜2022年)
- 『ULTRAMANREGULOS』(2023年)
- 『ウルトラマンレグロスファーストミッション』(2023年)
その他
これらは『大いなる陰謀』以降の設定をベースとしているが、本編と繋がっているとは明言されていない作品群である(タルタロスの能力が各時空への介入なのでここでは断定しない)。
ここではアブソリュートタルタロス他、アブソリューティアンが介入しているという点で共通している作品のみを取り上げる。
- 『ウルトラ6兄弟 THE LIVE in 博品館劇場 -ウルトラマン編-』(2020年)※1
- 『ウルトラマンTHE LIVE ウルトラヒーローズEXPO2021 バトルステージ 「みんなの心でご唱和しようぜ!」』(2021年)※1
- 『ウルトラヒーローズEXPO2021 サマーフェスティバル』(2021年)※1
- 『NEW_GENERATION THE LIVE ウルトラマントリガー編 ~STAGE4 僕らが咲かす花~』(2022)※2
- 『TDG THE LIVE ウルトラマンダイナ編 STAGE1 ~新たなる光の勇者~ in 博品館劇場』(2022年)※1
(※1)アブソリュートタルタロスが介入。
(※2)アブソリュートタルタロス、アブソリュートディアボロ、アブソリュートティターンが介入。
地上波放送
2022年放送のウルトラマンセレクション番組『ウルトラマンクロニクルD』の第10話から数回にわたって放送が決定。第10話『宇宙警備隊からの指令』と第11話『ニュージェネレーションヒーローズ』において「ニュージェネレーションヒーローズ」を一括して放送、第12話「新たなる試練」でニュージェネレーションヒーローズのラストを放送後、大いなる陰謀を連続して放送した。
用語
本作初出のものを中心に取り上げる。
ニュージェネレーションヒーローズ
湖沼と美しい自然で構成された水の惑星。
原住民であるラゴンがペギラに襲われていたが、リブットにレスキューされる。
第3作ではデビルスプリンターに侵されたペスターがフーマによって撃破され、ギナ・スペクターとO-50四戦士における争奪戦が繰り広げられた。
湊兄弟がエタルガーに撃ち落とされて不時着した荒野の星。
リブットのレスキューによって脱出した。
第3作ではギンガとビクトリーがデビルスプリンターに侵されたベムスターと対決した。
ダークネス軍団との戦いで負傷したジードとエックスがダークルギエルと戦った惑星。
その異名通り、空が赤く染まっている。
禍々しい雰囲気の漂う惑星で、ウルトラダークキラーの根城であるダーク宮殿がある。
大いなる陰謀
惑星内部のマガオロチの卵によって急激に衰えており、調査にマックスとリブットが出向いた。
しかし、マックスはスラン星人に捕えられ、リブットは一時撤退。グレートやパワード、ウルトラマンゼノンの協力で怪獣軍団を撃破した。
『ウルトラ銀河伝説』から登場。時折磁気嵐が吹き荒れる荒野の星で、リブットの修行地として登場。
不気味な山岳地帯の星。
ナイトファングとアブソリュートタルタロスの介入でトレギアは行方不明となる。
『ウルトラファイトビクトリー』から登場。惑星グアの衛星で、本作ではウルトラ6兄弟とジュダ、モルド兄弟が激闘を繰り広げた。
『ウルトラマンタイガボイスドラマ』から登場。
タイガの修行地であった場所で、トライスクワッドの修行地あるいは合流ポイントとして使われている。
惑星カノンへ向かっていた光の国の宇宙船が不時着した星。
禍々しい雰囲気の惑星で宇宙恐魔人ゼット率いるゼットン軍団とウルトラリーグが激突した。
アブソリューティアンの本拠地。詳細は該当項目を参照。
運命の衝突
ベリアル銀河帝国の要塞が次元漂流で流されてきたもの。
デビルスプリンター回収に赴いたタイタス、エックス、ジード、ゼットがレギオノイド&ダークロプス軍団と激突した。
廃墟が広がる遺跡に似た惑星。ウルトラマンノアの伝説が語られている。
ザ・キングダムからのランデブーポイントとして選ばれた惑星。
その名の通り猛吹雪が吹き荒れる氷河の惑星。