DATA
概要
第20話「海底原人ラゴン」に登場。
2億年前に地球に存在した爬虫類が進化を遂げた海底原人で、水深5000mの深海に住み、泳ぐスピードは人間の10倍と言われている。
性格は基本的におとなしいがすさまじい怪力を誇る。
音楽を好む性質があり、ラジオの音楽にも興味を示し、聞き入っていたが音楽が止まるとラジオを叩きつけてしまった。知能はゴリラと同等らしく、新世代ヒーローズ以降は知能の高さがクローズアップされ、人間とコミュニケーションを取れる個体が複数確認されている。
目は乾燥を防ぐために油に覆われていて、瞬きをしないとされる。体から生えたヒレは鉄より硬く、毒が含まれている非常に危険な部位である。皮膚は深海の水圧に耐えるために頑強な作りになっていて、銃弾やサメの牙も通らない(出典:「ウルトラマンオフィシャルデータファイル」より)。
卵生でカエルに似たゼリー状の卵を産む。孵化した子供のサイズは人間が抱えられるほどに小さい。
岩根島の漁師が仕掛けた網に偶然卵が引っ掛かってしまい、それを取り戻すため島に上陸し島民を怪力で殺害したり民家を壊したりした。孵化した子供を返されておとなしくなり島から引き上げて行った(この出来事は島が地殻変動で海に没する前兆でもあった)。
ちなみに卵が成長し、孵化する過程はカエルと似ているらしい。
この個体は雌で、乳房が確認できる。爬虫類から進化した生物でありながら、哺乳類のような乳房を持っている事を考えるといわゆる収斂進化を果たしたのだと思われる。
名前の由来は環礁を意味するlagoon(ラグーン)とクトゥルフ神話のダゴンと思われる。
その後の作品での登場
ウルトラマン
第4話「大爆発五秒前」に登場。
詳細は巨大ラゴンを参照。
ウルトラマン(PS2)での活躍もこちらを参照。
ウルトラゾーン
ドラマパート第7、8、12、14~23話および第5、17話のアイキャッチに登場。
スーツは新造で、雄、雌、子供の3つがある。
「シャー」と鳴き声を出すことが多いが、普通に喋ることもある。声優は亜紗美。
口からはネバネバした液体を出すことも。こわい。
惚れたタカシに対しては深海に引き摺り込んだり、人工呼吸を迫ったり、恋のライバルとダンス対決した際には足を執拗に踏む、博史少年の家庭教師を務めるも宿題を荒らした挙句、昭夫老人にマッサージをしようとしてフルボッコにするなどコミュニケーションは非常に暴力的である。
しかしながら、善意を持っている存在であることには違いなく、博史の家庭教師を務めたのも住み着いた先の家族に食料を分けて貰っていたからである。特にアイスキャンデーをくれたアイスキャンデー売りとは心を通わせており、同居生活を送るが、アイスキャンデー売りと付き合いたいという女性・ケイコを突然殴ってしまったことから疎遠になってしまうが(実は宝くじを狙っていた詐欺師であった)、再会後にまた店の手伝いをしている。
M1号とケムール人と同居し、家族のような関係を築くが、雄のラゴンと相思相愛の関係になって以降は彼らの下を去った様子。やがて子供が生まれる。
子供は、野球友達である大輔との練習試合で心配になった両親が横槍を入れようとした際には正々堂々と試合に臨もうとする高潔さを持っており、誘拐犯から自分を助けてくれたM1号を親分と慕うように。
「名探偵M1号」ではM1号に惚れているラゴン婆さんとして2体が登場するが、事件の真犯人であり、M1号に敗れた。なお、被害者である五平は死体であるにもかかわらず動き出すなど謎が多い。
音楽を好み、特に70年代の曲が好みの模様。
ウルトラマンギンガ
身長 | 14cm~30m |
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体重 | 150kg~2万t |
第4話「アイドルはラゴン」に登場。
ひょんなことからグラビア撮影のモデルとなった美鈴に嫉妬した千草がダークライブしたもの。
怪力での格闘戦のほか、口から光線を吐く(なぜかSEがゴジラの放射火炎と同じになっている)。
今作では等身大で現れる、音楽を聴くとおとなしくなるなど、『ウルトラQ』の設定も引き継がれている。
撮影中の美鈴に襲いかかり、止めようとするヒカル、健太を振り払い執拗に追跡する。
最終的に巨大化し、ヒカルがウルトライブしたキングパンドンと戦って圧倒するが、正体に気付いたヒカル達に説得された後、ウルトラマンギンガのギンガコンフォートによって元の姿に戻った。
なお、健太がラゴンの動きを止めようとするシーンで、スーツアクターの顔が一瞬映ってしまうミスが起こっている(DVD化の際に修正されている)。
ウルトラマンオーブ
第8話「都会の半魚人」、第24話「逆襲の超大魔王獣」に登場。
第8話では親子共々とある魚屋の店主の源さんこと戸松源三郎に匿われており、食料となる魚を分けてもらっていた。
子供の方は源さんから色々な玩具をプレゼントされ、彼に懐いている。
ある時近海の魚が捕れなくなり、魚を食べることができなくなったことで子どもが衰弱してしまい、母親が魚を捕りに行こうと無断で外出してしまったことで市民に存在が発覚、ビートル隊に通報されてしまう。
その後は源さんの手引きで廃屋に隠れていたが、近海の魚を食い尽くしたグビラが上陸した際に、グビラに餌として狙われてしまい、一度は子供が丸呑みにされてしまうものの、かけつけたオーブにより無事救出される。
最後は親子ともどもガイ、SSPの面々、世話になった源さんに見守られながら海へと帰っていった。
その後、第24話ではマガタノオロチの気配を察知したのか、かつて自らを捕食しようとしていたグビラの背に乗り、日本近海を離れていく姿が目撃されている(この時、親子そろってこちらに向かって手を振るという微笑ましい行動を見せている)。
今回は巨大化せず、終始等身大のままであった。音楽を好むという設定も踏襲している。
また、温厚で友好的な性格、人間と意思の疎通を計ることができる高い知性、魚を好んで食べる点など、『ウルトラマンSTORY0』に登場した水棲人間を思わせる設定が見受けられる。
ウルトラギャラクシーファイト ニュージェネレーションヒーローズ
第3話に子供の個体が登場。
水の惑星リクエターの現住生物で、冷気を吐いて暴れまわるペギラから逃げ惑っていたところを、駆け付けたウルトラマンリブットに助けられた。
今回も『オーブ』の時と同様、あくまで怪獣ではなく特別な力を持たないごく普通の生物として描写されており、巨大化もしなかった。
ウルトラマンデッカー
第20話「らごんさま」に登場。
今作では海童村(わだつみむら)に祀られている海の神「羅権様」という恵みをもたす存在であり、羅権衆(らごんしゅう)という集団に崇拝される土地神として登場する(作中では世界中の"半人半魚の伝説"との関連が疑われており、南太平洋の人魚伝説や旧約聖書の半人半魚の神ダゴン、更にアメリカ・マサチューセッツ州で起こったインスマス事件など、様々な場所で目撃された怪物「深きものども」の一種と推測されている)。
一応、科学的な分析によればこれまでのシリーズとほぼ設定は同じ。HANE2による粘液の分析結果は『海棲爬虫類と類人猿の中間生物』とのことである。
幸いにも、基本的には友好的な存在であり、心が綺麗で若くて美しい娘の前に姿を現すという。
かつて海に面していたものの、200年以上前に埋め立てられられた地方都市ワダツミシティにて謎の怪物が出現するという怪事件が発生し、イチカとカイザキ副隊長が調査に赴き、それにまつわる伝承に詳しい老女の郷土史家ウラサワ・ナギの元を訪れる。
そんな時、建設会社の関係者や市役所職員などが襲撃される(上述した粘液を顔面に塗りたくられる)事件が発生、二人は怪物を追いかけるが、捕まえたのは怪物に扮したナギだった。
実は70年前、子供だった頃のナギはラゴンと出会い友人となるも「今の時代に羅権様は出て来てはならない」として羅権衆によって引き離され、彼らの手によってラゴンは渦間山にある石舞台「海女の岩戸」に封印されてしまう。ナギもその後羅権衆に入り、長い年月の中で今では彼女一人になってしまう。そんな中地震によって地盤が緩み海女の岩戸が崩れかけてしまい、市街地に近いことから撤去工事が進められていることを知った彼女は、「自分が生きているうちにもう一度ラゴンに会って謝りたい」という想いから工事をやめさせるべく怪物に扮して建設会社の関係者や市役所職員らを脅かしていたのだ。※1
しかしそんな中、人間が海との絆を忘れたことや長い封印に怒りを駆られたラゴンが巨大な荒神と化してM7の直下型地震とともに復活。地底のプレート圧力の限界や白色光線でワダツミシティを地盤沈下で水没させていき、駆けつけたGUTSファルコンの攻撃も体液ではね除けてしまう。カナタはデッカーに変身するも、体液のせいで思うように攻撃できず、セルジェンド光線さえ力を削がれてしまい、そのまま口から吐く白色光線で町もろとも大地に沈められてしまう。
ナギは親しいものがこの世にいない孤独感とラゴンへの罪悪感から、羅権衆の踊り(重要無形文化財に登録されている模様)でラゴンと遊び、気持ちを鎮めるとともに海女の岩戸の中に開かれた常世の国への入り口にラゴンと共に行こうとする(※2)も、それを止めるべく飛び込んできたイチカに止められ、あわや二人とも閉じ込めらられるかと思われたが、ミラクルタイプにチェンジしたデッカーに救出され二人も無事に脱出。
そして直後に更なる地震によって崩れだした海女の岩戸からナギに別れの挨拶に手を振って、ラゴンは崩落の中へと消えていったのだった…。
ラゴンがナギへの片身として残した桜貝はイチカの手に託された。
今回の個体は「サブタイトルに名前が含まれている」「怪獣ではなく神様として扱われる」「開発が進む元々村だった町に現れる」「巨大化して暴れるが悪ではない」といったところから『ウルトラマンティガ』のオビコ(劇中では妖怪になっていたが、元々は神様であった)を思わせる。
『ティガ』をベースとした『ウルトラマントリガー』ではクトゥルフ神話要素が控えめであったが、まさかの『デッカー』で本格的に拾われることとなった。意外にもラゴンとクトゥルフ神話の関係性が直接示されたのは初めてである。ちなみにデッカーの基になった『ダイナ』でも半魚人兵士ディゴンが登場している。
また、冒頭ではラゴン初出作品であるウルトラQのBGMが使用されている。
※1.映像的には本物の等身大ラゴンが暴れているように見えるが、イチカと衝突して倒れたラゴンが次カットでナギの衣装に変わっていることから、『実際にはナギの変装だが、作中の人々には本物のラゴンと同じように見えていた』という演出の可能性が高い。
しかしそうなると、ナギは『海棲爬虫類と類人猿の中間生物』の粘液をどこで調達したのだろうか?
他にもイチカがナギの家の外に幼少期のナギと子ラゴンの姿を目撃したり、ナギの手をとったイチカが過去の出来事を見るといった不思議な現象が起きている。
※2.海女の岩戸の周辺では、いつの間にかナギは70年前の少女の姿に、巨大ラゴンは70年前の幼体の姿に戻っているという演出がなされている。
これは二人の内面を明示する為のあくまで演出上のものであり、『70年前に離ればなれになったその瞬間から、二人の心の時間は止まっていた』ことを表現している(つまり「オトナ帝国」の少年ひろしのシーンと同じ要領)
今回のエピソードは「ウルトラマン版すずめの戸締まり」と評する声もある。「風の谷のナウシカ」や「オトナ帝国の逆襲」を思わせるシーンもあるほか、「現世を儚んだ老人が古くから伝わる踊りによって土地神を鎮め、人身御供として常世へ去ろうとする」という終盤の展開は漫画「妖怪ハンター」のエピソード「闇の客人」に酷似している。
派生作品
ウルトラマンM78劇場Love&Peace
海底でサンゴに光る珠で飾り付けを行っていた。ウルトラマンを探して迷子になっていたドドンゴに懐中電灯の代わりになる珊瑚を与えた。作中オリジナルのカラーリングがなされている怪獣勢では珍しく原作とほぼ同じ色になっている。
ウルトラ忍法帖
第2話に朧党の忍獣「羅諢」として登場した。別名「板前忍獣」
愚比羅と一緒に海の魚介類を悉く捕まえ、漁師や将軍を困らせていた。肩書通り料理が得意。
しかし愚比羅が津波に遭って溺れ海水を飲んでデブになったマンとセブンを変な魚と間違えて砦に連れてきてしまったことでウル忍と戦う羽目になる。串を使った技「千本乱れ打ち」を喰らわせるが、「身代わりの術」で首領のめひらすに当たってしまう。それが原因でめひらすの怒りを買い、謝罪するも許されず破壊光線で上半身を吹き飛ばされて死亡した(直後にめひらすは「しまった、怒りの余り部下を殺してしまった」と後悔していた)。
酩酊!怪獣酒場
酒場の仕入れ先である魚屋「魚ゴン」の店長。音楽の道に進もうとする息子がおり、学費を稼いでいる良き父親として登場。
特別編にて「ウルトラマン」に登場した巨大ラゴンその人であることが判明している。
ウルトラマン_アロング・ケイム・ア・スパイダーマン
第5話にて登場。
従来通り一見凶暴そうに見えて音楽を好み、弱いものに優しいおとなしい性格で、夫婦は仲睦まじく一生を添い遂げ、家族同士で集まりコロニーを作って暮らしている。
また、ラゴンが好きな少女・チコ曰く、純粋な子供だけにしか聴こえない「ラゴンの歌」というものがあり、大人には集団が合唱してようやく聴こえるほど。
しかし、最近では海上太陽光パネル拡張の影響でラゴンの生息域が奪われて人の住む海域に出没するようになり、遭遇すれば握力1t以上もの怪力で襲うため人々から過剰に恐れられ、デモ隊による怪獣狩りなどラゴンを一斉駆除で討伐する国も出てきており、保護しなければいずれ近いうちに絶滅する運命に立たされている。
そのため駿河湾にあるウルトラ警備隊管轄施設の海洋研究所では、多くの海洋生物や絶滅危惧種の怪獣とともに保護が行われており、科学特捜隊も食糧となる魚の捕獲や駆除からの保護などに協力しているが、世間からは「科特隊が人間より怪獣(ラゴン)を守るなんておかしい」と批判され、保護に多くの税金が使われることから上層部からも否定的な意見が強い。
海洋研究所にてハヤタ隊員が一緒に遊んでいたラゴンの幼体に急に尻を噛まれていたが、スパイダーセンスで意志を伝えたピーター・パーカーにより外される。その後先日一斉駆除やデモ隊による怪獣狩りからなんとか保護した成体のラゴン1体が怪力を危惧して全身を拘束された状態で輸送される。
時を同じくして、怪獣墓場にてメフィラス星人が怪獣復活を披露した際にラゴンの魂が甦る。弱く優しいため手駒に使えないとして再び消されそうになるが、Dr.ドゥームがその「優しさ」を利用してわざと地球に戻し、その魂を傷ついた仲間と思い多くの仲間が駆け寄ってきたところを、「所詮滅びる運命の怪獣に最後に大きな花火を上げさせてやる」として彼の力で巨大&凶暴化して復活した巨大ラゴンの巨大竜巻やうずしおが発生するほどの暴れぶりで虐殺され、一帯は血の海と化した。
それでもまだ多くの生き残りがおり、巨大ラゴンの暴走やその拘束&隔離に多くの金が使われることから世間から「研究所の個体を含めたすべてのラゴンの抹殺」が挙げられるデモ隊が発生するなか、変わり果てた同族を見捨てることなく駆け寄り「ラゴンの歌」を合唱するが、10日もウルトラマンや巨大ラゴンに動きがないことにメフィラス星人が痺れを切らせ、直接出向いたドゥームに「耳障りなラゴンの歌よりもっと甘美な悲鳴を聴かせろ」と再び力を与えられて暴走した巨大ラゴンにより虐殺されてしまい、海洋研究所も壊滅。もはや暴れることしか出来なくなった巨大ラゴンは市民やラゴンを守るためにウルトラマンが放ったスペシウム光線で速攻で爆散された。
その後、崩壊した研究所内の空の水槽内でたった一匹だけ生き残っていたラゴンの赤ちゃんが発見され、『ラゴンの唄』を歌うのだった……。