曖昧さ回避
- 2011年放送の円谷プロダクションのバラエティ番組
- ドイツの音響機器メーカー。ULTRASONEの項を参照
- スティーブ・ヴァイが1999年にリリースしたアルバム「ウルトラ・ゾーン」
- アメリカのSFドラマ「アウター・リミッツ」の日本放送時のタイトル
本項では1について説明する。
概要
「もしもこんな所に怪獣が現れたら…」をテーマにしたパラレルワールド、『ウルトラゾーン』を舞台にしたバラエティ番組。
コンセプトは「大人も楽しめるウルトラ」で、昭和シリーズの怪獣だけでなくザムシャーやガンQ等平成の怪獣も登場するため、親子で楽しめる内容となっている。また、登場する怪獣(およびその怪獣に関する用語)に関しては作中でもしばしば説明文が挿入されるため、その怪獣のことを知らなくても安心して視聴することが可能。
内容は、コントパート、ドラマパート、ウルトラゾーンチャンネルといったいくつかのコーナーに分かれている。
コントパートの制作は「戦国鍋TV」を手掛けたスタッフで、出演俳優も山崎樹範や津田寛治らが引き続き出演している。
ドラマパートやウルトラゾーンチャンネルは円谷プロのスタッフを中心に、『MM9』や『電人ザボーガー』の制作陣が参加。後に『ウルトラマンX』や『ウルトラマンオーブ』や『ウルトラマンZ』や『ウルトラマンブレーザー』のメイン監督を務めた田口清隆氏も参加していた。
古谷敏や星光子、関智一といった往年のウルトラシリーズ出演俳優や、須賀貴匡、北条隆博、神尾佑等他の特撮出演俳優も多数参加している。
ナレーターは『ウルトラマンティガ』のナレーションを演じた二又一成が担当。
楽曲は、宮内國郎が作曲した『ウルトラQ』および『ウルトラマン』の楽曲を福田裕彦が新たに新録したものを使用しており、一部は後に『ネオ・ウルトラQ』で流用されている。
今作以後、円谷プロでは「ウルトラマンの基本設定はいじくらないが、怪獣はいじくる」といった暗黙の了解が出来上がり、後の『ウルトラ怪獣擬人化計画』『ウルトラ怪獣散歩』『ダークネスヒールズ』といった企画・作品の制作へとつながった。
ちなみにウルトラシリーズにおける「ウルトラゾーン」の原義は怪獣墓場の存在する無重力地帯のことである。
登場人物
タカダ・リホ隊員
演:高田里穂
怪獣特捜隊の隊員で、スマートフォンをいじったり基地のコンピューターを使ってブログを書いたりしているが、都内に怪獣が現れるとアナウンスをする。だが内勤のため出動などはしない。ドラマパート「悪魔が降りた日」では人員不足に伴い出動する羽目になった。
掛け声は「セイヤァー!」。
宇佐美信
演:高橋一生
ドラマパートに登場。半纏がトレードマークの私立探偵。「ホシの招待状」以外のエピソードでは入院して休業という設定で登場していない。
本来ドラマパートの主人公になるはずだったらしい。
小早川真弓
演:波多野未希
ドラマパートに登場。宇佐美の助手で、よく宇佐美や松原から小林君と間違えられる。
オカルトマニアで、宇佐美の休業中は単独で依頼を引き受けている。左利き。
松原俊太郎
演:木村圭作
ドラマパートに登場。宇佐美に協力する警視庁捜査一課の刑事。(ウルトラシリーズに登場する宇宙人の中では弱い方とは言え)ダダに背負い投げを決めるなど格闘能力は高い。いつも口に爪楊枝(公式ガイドブックには金属製と記載)を銜えており、ピッキングで鍵をこじ開けたり、スフランを滅多刺しにして捕まっていた人を助けたり、気絶した相手のツボを突いて目を覚まさせるなど多彩な使い方をする(本人曰く「最期の武器」)。
高木透
演:イマニシケンタ
ドラマパートに登場。松原の助手を務める平凡な巡査。小早川に想いを寄せている。その為か、彼女の名前を一度も間違えた事がない(松原が「小林君」と呼ぶと「小早川さんです」と訂正している)。
「スフラン島の秘蜜」で誤って地雷を踏んでしまい、一度は死を覚悟して小早川に想いを伝えようとしたが、ピグモンに助けられ急死に一生を得た。その後中々想いを伝える勇気が出ず、「いつも隣にホーがいる」では小早川への恋心を捨てようとラブレターを破ろうとして破れず悶々とした様子を見せており、そんな彼の側にはホーが憑いていた。
田口監督は宇佐美がドラマパートのレギュラーとして登場できなくなったため急遽レギュラーに昇格したと語っている。
主な内容
コントパート
「有名中学に毎年合格者を出す、親の平均所得もそこそこ高めの私立小学校」に怪獣が転校してくる。
登場怪獣
「都心から電車で30分、閑静な住宅地に立つ瀟洒なマンション」の住人に訪問業者として怪獣が勧誘をしにやってくる。
登場怪獣
「結構強めに揉んでくれると評判の溜池山王のマッサージ店」に怪獣が客としてやってくる。店の名前は整体師役の俳優の名字が取られている。
『オーブ』第2話にてSSP公式サイトの広告に「結構強めに揉んでくれると評判の溜池山王にあるタイ古式マッサージ ザラブ・デスレム」として逆輸入された。
登場怪獣
「読者モデルもたくさん通う、中目黒の目黒川沿いから一本入った所にある美容室」にカリスマ美容師として働くババルウ星人とマグマ星人の様子が描かれる。
登場怪獣
「宇宙区星雲七丁目8番地」にある「実は子供嫌いと噂のおばあちゃんが一人でやっている、夕方5時を過ぎると不良のたまり場になる駄菓子屋」に不良達とそのパシリであるゼットンがやってくる。このコーナーのみ連続したストーリーになっており、人間のレギュラーキャラもいる。
登場怪獣
「去年の夏に変質者が出て、それ以来警察の巡回が強化された新興住宅地」の夜道を通りかかった怪獣が警察に職務質問される。場所は不良怪獣ゼットンに登場する駄菓子屋近くの自販機前。
登場怪獣
ドラマパート
ウルトラQを思わせる新規撮影のパート。
全編田口清隆監督作品。
登場怪獣
登場怪獣
登場怪獣
登場怪獣
登場怪獣
- テレスドン
- アロン(鳴き声のみ)
- エレキング
- ガッツ星人(声・人間態:松田優)
- 地底人(演:和田成正)
- ピット星人(声・人間態:中原知南)
- モングラー(鳴き声のみ)
- ペギラ(鳴き声のみ)
- シルバゴン(鳴き声のみ)
- デッパラス(鳴き声のみ)
- ジラースに似ているが襟巻きが確認できない怪獣(鳴き声のみ)
登場怪獣
登場怪獣
登場怪獣
ウルトラゾーンチャンネル
ナレーターは板尾創路。板尾が主演を務めた『電人ザボーガー』の井口昇監督作品で、同作の出演者も多く参加した。
ちなみに3体の映像作品の出演は45年振りの登場となる。
この時新造された着ぐるみは、後に『ウルトラマンギンガ』以降の各作品でも流用されている。
短編コーナー
ソフビ人形や怪獣消しゴムを使った人形劇。後の作品に似たようなコーナーが登場した。
- キャタピラ地獄(アントラー/恐竜戦車)
- 団体行動(ギガキマイラ/ベリュドラ)
- おかっぱシルバー(ダダ/ウインダム)
- アパッチ皇帝(エンペラ星人/ジェロニモン)
- M1ゴローズ(M1号/ゴロー)
- n&ms(ナメゴン/モングラー)
- 牙羅奈(ガラモン/ナックル星人)
- ジェネレーションギャップス(ジャミラ/キリエロイドⅡ)
- ナースのジョー(ナース/キングジョー)
- 人間(ミイラ人間/セミ人間)
怪獣をたとえに使った英会話。
イラストで怪獣にちなんだことわざを紹介。
- おぼれる者はダダをもつかむ/ババルウは一見にしかず/かってガボラのヒレを締めよ
- ガヴァドンには旅をさせよ/ほね折りグドンのくたびれもうけ/かんにん袋のウーが切れる
- かねの切れ目がテペトの切れ目/ビーコンの猫を噛む/おびに短しダークザギに長し
- 壁に耳あり、障子にデッパラスあり/さわらぬザニカに祟りなし/ごうに入ればゴーストロンに従え
- はやおきはパンドンの得/たつ鳥アーストロンを濁さず/のこり物にはフック星人がある
- つるは千年ゴモラでまんねん、ロンよりな証拠、コダイゴンには蓋をしろ
- そで振り合うもタッコングの縁/すきこそもののボーグ星人なれ
- ミクラスっこ世にはばかる/遠くの親戚よりも近くのダリー/にどあることはザンドリアス
- ころばぬ先のチンペ/マーゴドンにも衣裳/喉元過ぎればアギラを忘れる
- ぼうず憎けりゃゲスラまで憎い/にかいからケムジラ
- わらう門にはクプクプ来る/うそつきは泥棒のバクタリ/むりが通ればドラゴリーが引っ込む
OLがカフェで上司の噂話をし、外見にちなんだあだ名をつける。
アイキャッチ
コーナーの間やCM前後に入る一枚絵のアイキャッチで、怪獣がごく普通に日常生活を送っているというシュール以外の何物でもない風景が描かれている。シリアスなドラマパートの最後に流れて台無しになるのもお約束。
ちなみに、『ウルトラマンR/B』第4話ではこのアイキャッチ時に使われていたBGMが使用されているシーンがある。
第1話
第2話
第3話
第4話
- 耳のセットをするメフィラス星人
- 体質のせいで海でキャッキャウフフできなかったジャミラ
- お祭りで射的の景品になっているキングジョー
- ガソスタ店員のガッツ星人
- 競技で細いワイヤーを使いインチキをするダダ(棒高跳び編)
- 神社でお祓いするを受けるエースキラー
- 寺のお香の煙を吸引するベムスター
- HAIRSALONマグマ&ババルウ
第5話
- 謝罪会見をするエンペラ星人
- 不良と友情を築くゴルザ
- スーツの採寸をするゼットンとお客のゼットン星人
- サンバを踊るジェロニモン
- 子供に拾われる子供のラゴン
- 帰郷するテンペラー星人
- ティッシュ配りをするミクラス
- 競技で細いワイヤーを使いインチキをするダダ(スケート編)
第6話
- キャンプファイヤーで「マイム・マイム」を踊るゴドラ星人
第7話
第8話
第9話
- 車のバッテリーから電気を食べるエレキング
- マッサージチェア代わりのツインテール
- 人間に化けてデートするザラブ星人
- 早撃ち対決するキングジョーブラック
- 工事現場で働くピグモン
- 桃太郎のお供をしているガルベロス、バードン、M1号
- 絶叫マシンに乗る巨大ヤプール
第10話
第11話
第12話
第13話
第14話
- 刑事ドラマのバット星人
- 七夕の日のガヴァドン
- バックコーラスをするフック星人
- バレーボールの練習で先生に怒られる寸前のガボラ
- 漫才のオーディションを受けるクール星人、チブル星人、ビラ星人
- 彼女とスケートをするペギラ
- ピンポンをしているギガキマイラ
第15話
第16話
第17話
第18話
第19話
第20話
第21話
第22話
第23話
この回は「タカダ隊員の日常」というテーマで全てタカダ隊員が描かれている。
- 通勤電車で黄昏るピグモン
- 食堂のマグマ&ババルウ、その裏でダダのお金を食べるレジ係のカネゴン
- ダークザギに負けて落ち込むゼットンと励ますゼットン二代目
- 司令室で雑誌を読むバルタン星人
- 恐竜戦車に乗るタカダ隊員と先輩職員に連れて行かれるピグモン
DVD/BD5巻のパッケージはこの後日談としてタカダ隊員とケムール人、ラゴン、M1号、ゼットン、ダダ、ザラブ星人、レッドキングがケーキと寿司を囲んで打ち上げをしているイラストになっている。
怪獣特捜隊
『ウルトラゾーン』世界の地球上に出現する怪獣たちに対抗すべく組織された防衛チーム。
怪と刻まれた岩山の近くに科学特捜隊を思わせる基地があり、ロゴはMの軌跡を描く流星。設定ではケーブルカーで通勤する。
マスコットキャラはリムエレキング。
コントパートでは基本的に出動しないが、ドラマパートでは出動し、怪獣と交戦する。
名前が分かっている所属者ははタカダ・リホ、白石深月(隊員)、オモト(監理課)の三名。第23話アイキャッチで描写されるタカダ隊員の日常風景ではピグモンを初め多くの怪獣・宇宙人が勤務している様子。
『悪魔が降りた日』時点では怪獣災害が連続したために補給が間に合っておらず、タカダは最低限の装備でベムラーと戦うことを強いられる。
怪獣が出現しない日は地下道場で戦闘訓練を行うが、エア怪獣シリーズ(ゴモラとエレキング)を使った素手によるタイマンを想定したものであり、コントパートはともかくドラマパートでは全く役に立ちそうにない。
しかもライドメカの類も全く確認できず(後述のように一応巨大装備はあるほか、基地のデザイン画には宇宙ビートルらしき機体が描かれている)、怪獣と戦うにはあまりにも力不足に思える(頼りになるのはむしろ防衛軍の方である)。
装備
- 通信機
腕時計型の通信機。トランシーバーも利用されている。
設定上は文字盤を開けるとモニターが出てきてビデオ通話も可能とされている。
- 通常光線銃
スーパーガンのように稲妻状の光線を放つ光線銃。威力はそこまで強くない。
タカダ隊員はノーコンだったのであらぬ方向に光線が曲がってしまった。
- 高性能時限手榴弾
ビルのウィークポイントに設置することでビルを倒壊させるほどの威力を持つ時限式の手榴弾。怪獣を倒せるほどの性能はない。
一般隊員の武装。防衛軍隊員の武装でもある。
第23話のアイキャッチに登場。怪獣特捜隊によって鹵獲されたらしく、怪獣特捜隊のロゴがある。
このほか劇中未登場だがボウガン型の狙撃銃やバズーカ砲、さらには接近戦用の電磁さすまたなどの装備も構想されていた。
防衛軍
怪獣特捜隊と共に戦う防衛組織。メインで登場するのは「最後の攻撃命令」のみ。
装備は現実の自衛隊のそれに準拠しているが、怪獣対策のためか特殊な装備も散見される。
- 戦車
- 戦闘機
第302飛行隊所属のF-4と第305飛行隊所属のF-15が確認できる。
移動用車両として配備されている。三菱ジープと同型の1/4tトラックも配備されている様子。
- 89式5.56mm小銃
防衛軍隊員の武装。
- 超高性能地雷
スフラン島に敷設された対怪獣用の高性能地雷。半径10mを木っ端みじんにする。
- 対怪獣機関砲
M60機関銃をそのまま巨大化させたような巨大機関砲。防衛軍本部の地下からせり出して怪獣を攻撃する。
- 新型ミサイル
防衛軍で新たに開発されたミサイル。先端がドリルになっており目標を貫通し爆発する。
撮影用模型は「ウルトラマンガイア」の地底貫通ミサイルにドキュメンタリー「ロックドリルの世界」で使用されたドリルの模型を型抜きしたものを結合したもの。
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