データ
別名 | 海獣 |
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身長 | 63メートル |
体重 | 2万6千トン |
出身地 | バルキー星 |
概要
『ウルトラマンタロウ』第53話(最終話)「さらばタロウよ! ウルトラの母よ!」に登場。
地球の海洋資源を狙ってバルキー星人が送り込んできたバルキー星の海に生息する怪獣。
武器は厚さ3mの鉄板を貫く鋭利な角と背びれで、タンカーを切断する威力がある。また、背中のイボは猛毒を含んでいる。陸上でも活動は可能であるが、海程機敏では無い。
気になる泳ぎの速度は「ウルトラマンオフィシャルデータファイル」によると200ノットまたは時速270km、海上では時速370kmとなっており、海底では10km先の視野を確保できるとされている。
活躍
ZATの東光太郎の下宿先である白鳥家の健一少年の父親が船長を務める「日々丸」等、航行する船舶を沈めて暴れていた(その際、光太郎は隣に人が居たため変身出来ず救助が間に合わなかった)。突如東京に上陸して暴れ回るが、タロウとの戦いではその猛攻に押され角をへし折られる。途中からバルキー星人が援護に加わるが、バルキー星人はZATの攻撃で撤退し、サメクジラはストリウム光線で倒された。
帯番組『ウルトラ怪獣大百科』では海を時速200ノットで進み、水陸両生と紹介されている。尚、同番組では「危険な」がつくとはいえペットともいわれ、主との極悪タッグぶりを見込んだジュダが共に復活させたと言われたブラックキングとは扱いが異なる。
激戦を勝ち抜いて来たタロウにはあっさりとやられてしまったが、主人公の恩人の殺害というあのナックル星人以来の悪行を成しており、父を喪った白鳥姉弟は心に深い傷を負い、また、タロウの力であっさり倒せた事で白鳥健一少年はそれにもかかわらずタロウが父親を救えなかった事を非難した。そして、光太郎はそんな彼を諭すため人間としての力だけで敵と戦う事を決意し、変身無しでバルキー星人の撃破を成し遂げるのだった。
これにより、単純な強さによるものではないストーリー的な役割は果たしたと言えるだろう。
新世代ヒーローズ
現在の所、登場しているのは幼体のみで、『タロウ』に登場した成体の出番はまだ無い。
ウルトラマンX
別名 | 海獣 |
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身長 | 50cm |
体重 | 5kg |
出身地 | バルキー星 |
第9話「われら星雲!」に登場。テレビシリーズへの登場は『タロウ』最終回以来、実に41年振りであると同時に、幼体の初登場でもある。
その正体は地球で平穏に暮らすため人間に擬態してアパートで住んでいたバルキー星人のペットで、名前はジョリーというらしい。今回は成長途中の幼体であったため妙にラブリーな姿をしていたが、『タロウ』本編を観てもらえばわかるように、成体に成長すると非常に恐ろしい生体兵器として扱える事から欲しがる連中も多い(ババルウに至っては「宇宙でも有数の怪獣兵器」と絶賛していた。海戦限定かどうかは不明)らしく、ジョリーを狙って悪の犯罪組織(?)暗黒星団チームが暗躍しており、劇中では(おそらく)彼らの手から逃れる為に母星から地球の元主の元へと逃げてきた模様(ちなみに飼い主は自分を慕って地球まで逃げてきていたと思いこんでいた…)。
最終的には暗黒星団チームがウルトラマンエックスによって地球から追い出された後、飼い主とその仲間たちと共に何処かへ(おそらくどこかの温泉街?)へと去って行った模様…。
というか、コイツを地球で飼って育てる事なんてできるんだろうか…?
タロウ本編では白鳥少年の父親等の命を奪った加害者的な存在であるのに対して、今回は他の悪い宇宙人に狙われた被害者的な扱いを受けている。第9話は怪獣を一方的に悪と決めつけない『X』の作風だったからこそ描けた内容であったと言えるだろう。
ウルトラマンジード
第5話「あいかた」に登場。
バルキー星の海に住んでいる怪獣で、幼体ならば小さく可愛げがある為様々な星でペットとして飼われていたものの、成長すると恐ろしい生体兵器となるため地球を始めとした多くの惑星に遺棄されていた。
地球にも漂着し、ダンボール箱の中に入れられて捨てられていたところをシャドー星人ゼナと愛崎モアに保護された。
ウルトラマンタイガ
第15話「キミの声が聞こえない」に、チブル星人マブゼが怪獣を生み出す為の実験材料として捕獲した怪獣の一体として登場。
マブゼが管理するラボで檻に入れられた状態でヒロユキに発見される。
派生作品
酩酊!怪獣酒場2nd
第45話で登場。世間ではイケメン冒険家として通っている主人の帰りを待つ健気な怪獣のように思われていたが、実際は主人が有名なせいでマスコミやファン、密漁団に追われ続けてストレスが溜まっていて、主人への復讐の機会をじっと待っていただけであり、登山から帰還したバルキー星人に一撃見舞った(尤も主人以外に手を上げなかった点は賢いというべきか)。
実は彼こそ次元の穴と連動する「心の穴」の持ち主である「ラスボス」の一体であり、バルキー星人に復讐をした事で心の穴は塞がった。
戦え!セブンガー
『ウルトラマントリガーファンブック』掲載の特別編に登場。
続けて客船を襲おうとするものの、イナバ・コジローが操縦するセブンガー(この時千葉県海浜工業地域の倉庫にて、地球防衛博物館での展示に向けてセブンガーの(レッグキャリアーに寝かせて)整備が行われており、現場に一番近いということで緊急出撃した)の硬芯鉄拳弾の一撃を受けて怯んだところを丘に引きずり上げられて陸上での戦闘となる。
最後はここで初使用となった超硬芯回転鉄拳とノコギリの様に尖った鼻先の角の真正面からの突き合いとなり角を粉砕されて敗北、太平洋まで逃走した。
本種は本来バルキー星出身の怪獣であるが本個体が東京湾から出現したのは初代の様に宇宙人等に密かに兵器として送り込まれていたか、主人が音信不通となったか「ジード」時の様に地球に遺棄されるかして野生化したものであると考えられる。
漫画媒体という形だが、公式作品では約47年振りとなる敵役としての登場となった。
ギャラクシーレスキューフォースボイスドラマ
第11話「花と星と」にサメキチという名称の幼体が登場。
とある海洋惑星にてバルキー星人に飼育されており(曰く、「小さい生け簀で飼ったのでは可哀そうだから」とのこと)、事情を察したジョーニアスの提案により、リトル光線で恒久的に縮小された上でU40で暮らすことになった。
派生怪獣
コサメクジラ
氷の惑星コンルに登場するニンテンドーDS専用ソフト『怪獣バスターズ』及びそれの完全版『怪獣バスターズ パワード』に登場する小怪獣の一体。
その名のとおりサメクジラによく似た容姿をしているが、足が生えているという相違点があり、サメクジラとは全く関係ないし幼体でもない全く別種の存在。
突進攻撃やジャンプしてからのプレス攻撃や回転攻撃などでプレイヤーに攻撃を仕掛けてくるが、炎の攻撃に弱いという弱点を持つ。
なお砂の惑星モシリスにはコサメクジラの亜種が生息している模様。
海軍空母サメクジラ
『ウルトラマン超闘士激伝』に登場。エンペラ星人配下の海軍参謀バルキー星人が登場する巨大空母。
陸軍旗艦はドレンゲラン、空軍旗艦はサタンモアがモデルになっている。
余談
検討用デザインでは、四肢がヒレ状ではない四足歩行怪獣となっていた。
鳴き声は『帰ってきたウルトラマン』のエレドータスの流用。
第三日本丸の爆発、炎上シーンは『ウルトラマン』第13話からの流用。スカイホエールが夜の海をパトロールする映像は本編第7話からの流用。
平成以降の作品では幼体のみしか登場しておらず、しかもそこまで凶悪な存在としては描写されていないという共通点がある。
名前について
名前(サメ+クジラ)を直訳すると、「Whale shark」となり、英語ではジンベエザメの意味になる。
※「Whale shark」はクジラの様なサメという意味である。したがって、訳したいのであれば「Shark whale」の方が正しいと思われる。
なぜあっさり負けてしまったのか
劇中ではラスボス格なのに、タロウにあっさり負けてしまったわけだが、理由として一番考えられるのはやはり水陸両用とはいえ、サメクジラは水中の方が真価を発揮できる怪獣だったからであろう。
事実として海では甚大な被害を出していた彼だが、陸上では思うようにスピードが出せず、タロウに一方的に部位破壊をされてしまっている。
おまけにサメクジラには目立った飛び道具はなく、ジャンプ力に秀でているという設定もない為、空中から攻撃してくるZATとも相性が悪い(しかも、ZATは昭和シリーズでも屈指の怪獣撃破率を誇るので倒されていた可能性すらある)。この弱点を補完できるバルキー星人(飛び道具持ち/陸上でも素早い)が共闘に現れたのだが、こちらはZATの援護で妨害され、サメクジラはこの隙に倒されてしまった。
結論として地球が海洋惑星だという所に着目したサメクジラを連れてきたバルキー星人の判断自体は悪くはなかったが、サメクジラを陸上で暴れさせたのが致命的なミスだと言える。
- これはシリーズのほとんどの海生怪獣に言える事で空想科学読本でも「なぜ戦いに不利な場所を選ぶのだろうか?」と突っ込まれていた。ただし、サメクジラは野生ではないのだが。
水陸両用とはあくまで水上と陸上両方で活動できる事を指す言葉なのであって、どちらの戦いでも強いという意味ではない。例えるならば水中の方が早く動ける海獣に陸で狩りをするよう無理強いさせるようなものか。もし、彼が水中での活動に専念していたら、タロウでも危なかったのかもしれない(先述のババルウ星人の評価を信じるならば、サメクジラ自体は決して弱いわけではないのだろう)。