概要
軟骨魚綱・テンジクザメ目・ジンベエザメ科・ジンベエザメ属に分類されるサメ。
現代における「世界一の巨大魚」として有名であり、れっきとした魚でありながらどこかクジラっぽくもあるフォルムが印象的(なので英語でWhale shark(クジラザメ)、インドネシア語でもHiu Paus(クジラザメ)と呼ばれる)。
ちなみに硬骨魚ではリュウグウノツカイやマンボウ、ピラルクといったやつらが最大級とされているが、いずれも数メートル程度であり、ジンベエザメがいかに大きいかがわかるだろう。
名前
ジンベ「イ」ではなく「ジンベ「エ」がただしい。
学名表記はRhincodon typus。
ジンベイザメは標準和名ではないので注意。地方名としてエビスザメやミズサバなどがある。
エビスザメの名は出現すると豊漁を齎すという伝承から漁の神である恵比寿に由来する。宮城県でもジンベエサマという怪異が伝承されている。
ミズサバはウチナーグチの名前だが、サバとは青魚の鯖ではなく鮫を意味するので注意。
体長
最大18mくらいとされることもあるが、確認されている限りは14m程。体重は最大15t。体長に関しては諸説ある。
濾過食性なので歯は小さく退化しているが、数百本の細かな歯が口の中にびっしり生えている。
かなりの長寿でもあり、一説によれば成熟まで30年もかかるが、150年以上生きるともされる(生物の寿命は成熟年齢×5倍とされ、人間の場合はそれが「20歳」とされているため計算上は寿命100歳となる)。なお基本は卵胎生だが、稀に未熟な卵を生むこともあるという。
皮膚は10cm以上の厚みでタイヤのように頑丈、正確かどうかは不明だがライフル弾が貫通しないらしい。
生態
ウバザメやメガマウスザメと同じく、主食はオキアミなどのプランクトンで、これを大量の海水と共に呑み込み、水だけを排出する。それに適した横長い口が大きな特徴である。また積極的なのか偶発的なのかは不明だが、イワシといった小魚も一緒に吸い込んで食べる。
その大柄な体とは裏腹に気性はいたって温厚でやや臆病。動きも緩慢なため人にとっての危険性はかなり低いが、非常に大型化するためとんでもない打撃を与える尾鰭の一撃などに注意しなくてはならない。これはクジラやウバザメといった10mを超える大型海洋生物共通の注意事項である。
水族館では
大きな体や特徴的な模様、世界最大の魚類というネームバリューから展示効果の高い動物で、飼育・輸送技術向上により飼育館は増えているが、元々環境の変化に弱いデリケートな性質を持っていることから、飼育は非常に難しい。
近年でもおたる水族館が飼育に挑戦したが餌を食べず放流した事例もある。
沖縄県の美ら海水族館や大阪府の海遊館など飼育経験が豊富な水族館では多頭飼育されるなどして目玉生物にもなっている。ほかに、石川県ののとじま水族館、鹿児島県のいおワールドかごしま水族館でも飼育されている。
特に美ら海水族館は現在進行形でジンベエザメの飼育最長記録を更新中で、飼育下では数少ない成熟個体を飼育しており、繁殖に向けた研究を進めている。
国外ではアメリカのジョージア水族館が台湾から4尾の超長距離輸送に成功し、人工海水で成熟に近い大きさまで成長させている。
人にも馴れやすく愛嬌のある顔つきをしているのでかわいらしくデフォルメされたぬいぐるみもたくさん売っている。
ゲーム作品では
ジンベエザメが登場するゲームとして著名なのはやはり『とびだせどうぶつの森』であろう。
この作品ではなんとジンベエザメを釣り上げる事が可能で、博物館の展示水槽へ寄贈したり自宅で飼うことができる。
しかし釣り上げたジンベエザメを片手で軽々と持ち上げ、何事もなかったかのように懐へしまい込む主人公も凄まじい。
『あつまれどうぶつの森』ではサイズが更に巨大化しており、ますます村人の腕が心配になってきている(一応あつ森以前が片手持ちだったのに対し、あつ森では両手持ちになっている)。ちなみに展示される巨大水槽は本物の水族館に匹敵するほど本格化しているので必見。
※「ジンベイザメ」タグもほぼ同数使われている。
表記揺れ
関連タグ
ヘイラッシャ:『ポケモンSV』に登場するポケモン。ナマズがモチーフだが、部分的にジンベエザメのイメージも取り入れられている。
ジンベエ:ジンベエザメの魚人。しかし巨人並みにデカいというわけでもない。
ギャラクシャーク:「爆釣バーハンター」に登場するモンスター。星座のようなコズミックな模様のサメ型モンスターである。
山崎宗介:モチーフアニマルがジンベエザメ。
ヤッタージンベエ:ヤッターマンのヤッターメカ。巨大母艦でヤッターメカ等を乗せて移動する。
リードシクティス:史上最大の硬骨魚とされる魚。かつては14~27メートルと推定されていたが、近年の研究では16~17メートルくらいと考えられている。