概要
学名はMegachasma pelagios、英名はMegamouth shark。
学名の意味は沖合に住む大口のサメ。和名の由来はメガマウスザメの英名であり、巨大な口のサメの英語表記でもある、Megamouth sharkから。
メガマウスは俗称であり、標準和名はメガマウスザメ。
確認されている最大全長は709cmとかなりの大きさ。
分布
太平洋、インド洋、大西洋などの熱帯や温帯の表層から水深200mまでに生息しているらしい。発見例が少なく生息地域はある程度の予想や想像も入っている。深海性のサメと思われがちだが、実際は水深200mより深く潜ることは少ないと考えられている。捕獲例は2017年8月までのデータで、全世界でも約120件と大型のサメのわりに少ないため生態も未解明な所が多い。ちなみに、日本はかなりのホットスポットで2017年8月までに約20個体が捕獲されている。
生態
なんといっても特徴的なのはその巨大な口である。その大きな口で何でも無差別に飲み込むブラックホールと思いきや実際はプランクトンを飲み込み濾過(ろか)して食べるという濾過食者(フィルターフィーダー)である。下顎の皮膚は伸縮性に富むため風船のように膨らませる事が出来る。そのため、口の容積は5mの個体で約600ℓ、実にドラム缶3本分の水を1回で吸い込むことができる。歯はウバザメやジンベエザメのように小さく、上唇にある白いバンドは発光させられるのではないかと考えられている。
間違えてプランクトン以外の生物を飲み込んだ記録もあるが、非常に少ないので誤飲と考えられている。
昼間は水深200m付近ですごし、夜間に表層に上がってくるとされる。
胎生であるとされ、最小176.7cmの個体は大西洋の赤道付近で、大型の個体は太平洋の中緯度海域などで捕獲されていることから、赤道付近で出産し、中緯度海域で周年交尾していると考えられている。
ちなみに、肉はジンベエザメ以上に淡白、というか水っぽく美味しくないらしい。
不味いという点では、同じく巨大な動物であるダイオウイカやリュウグウノツカイ、オンデンザメなども似ている。いずれにしろ、食べる事前提で生物を語る事には賛否あるが。
世紀の大発見
メガマウスザメの第一号は1976年にハワイのオアフ島沖、水深165m、アメリカ軍調査船のシーアンカーに引っかかっていた4.5mのもの。
このサメの発見は当時、世界中の魚類学者を驚かせたという。
というのも、このサメが発見された水深200m前後という浅い海域は当時、知りつくされたと考えられていたからだ。そこにいきなり5m近くになる大きなサメが見つかったとなれば、学者たちは大慌て。
当時、この発見を魚類学者は「新種の象がフラフラと裏庭に入ってきたようだ」と表現するほどだったという。
関連タグ
ヘイラッシャ:『ポケモンSV』に登場するポケモン。ナマズがモチーフだが、部分的にメガマウスのイメージも取り入れられている。