概要
元々は単に「形を変える」という意味だが、芸術の分野で「意図的に対象を変形させて表現すること」を指して使われようになった。これは変形であれば、どんなものでも該当し、その方向性は限定されていない。
アメリカなどの英語圏では一般的に、この言葉は芸術や表現と無関係なところで全く違った意味でも使われている。デフォルメ(英語発音でディフォーム)という言葉は「本来の形から変わってしまっている」「形が損なわれている」という悪い意味合いで使われる事がある。
例えば Deformed fighter で「廃兵」、すなわち戦闘の負傷で障害を負い戦えなくなった兵士を意味する。
そのため英語圏でこの単語を使うことに対して慎重になったほうが穏便に済む。
ちなみに「デフォ」と言われる場合は、本項ではなくデフォルト(default)の略と思われる。こちらは「何もしない」という意味であり、普通の状態を指す。
日本でのデフォルメ
デフォルメの日本での認知は、「対象の特徴を誇張化させる」=強調あるいは単純化という意味合いで通っていることが多い。
つまりイラストレーションに落とし込む段階で対象の個性を大きく取り入れ、それ以外を削ぎ落して描写するという画法である。これにより、見る者に伝えたい情報を絞り込み、キャラクターの魅力や特徴を掴み易くするという狙いがある。
例えば外見的特徴なら、周りよりも背が高い人は巨人のように大きくし、逆に背の低い人は小人のように小さくする。目の大きい人はあえて輪郭線からはみ出すほど大きくし、逆に目の小さい人は一個の点だけでするなど。
仕草であれば、悲しんで大泣きしている人の涙を有り得ないほど大量に出させたり、大口を開け怒鳴っている人の口を普段の絵柄の骨格を無視し、その時だけ大きく描いたりなど。
また「キャラクターの頭身を極端に下げ、小さくて可愛い印象を与えるよう表現する事」として「スーパーデフォルメ」(SD)という言葉も生まれた。
pixivにおいて
表記揺れでディフォルメタグが付けられたイラストも相当数存在する。
人物
多くが下のようにキャラクターの頭身を低くしたものである。
デフォルメキャラの再デフォルメ
らき☆すた等の元から頭身が低くデフォルメされた画風(左の絵。これは元の画風に忠実な絵であり、デフォルメタグはつけられていない)の作品のキャラを、さらにデフォルメしちびキャラにしたイラスト(右の絵)も多数存在する。ただ、この手の絵ではちびキャラタグだけでデフォルメタグは無い場合もある。
実況パワフルプロ野球シリーズを象徴するデフォルメ。(逆にリアル頭身はリア体と呼ばれる。)
パワ体で他作品のキャラなどを描く場合はパワプロ風と呼ばれることも。
製作者によると、選手の仕草を分かりやすくするために表現したのがこのデザインとのこと。
丸い体系で口や鼻がなく、近年の作品では耳もないため描きやすいが逆に表情やポーズでどういう状況かをうまく表現できるかという点が少し難しい面もある。
メカ
ロボットをデフォルメした絵ではSDタグ併用、あるいはSDタグだけの絵も多いもよう。
ロボ以外に下のような自動車や戦車などをデフォルメした絵もある。
関連タグ
関連イラスト
pixivision
- デフォルメのコツがわかる! SDキャラ・ちびキャラの描き方特集 - pixivision(2024年3月31日)