概要
タカラ(現在のタカラトミー)の、ぜんまいばね駆動のミニカー。
小沢さとるの企画会社「サンテグ」が持ち込んだ企画で、1978年にタカラが買い取った。
1980年9月に『豆ダッシュ』としてテスト販売され、12月に『チョロQ』として正式販売。
名前は「チョロチョロ走るキュートな車」の略。車体は前後方向を短縮し、丸っこくデフォルメされた形をしている。
車体を後方に引くことで発条が巻かれ、手を離すと勢いよく走りだす仕組みの「プルバックカー」で、後部のホルダーに10円硬貨をはさむとウィリーする。
価格は2000年ごろの時点で350円程度と安価で、トミカと共に子供のおもちゃの定番であった。
タカラトミーは語呂にかけて「9月9日はチョロQの日」と称している。
ホビー化
発売時から多大な人気を得たチョロQも、時代の流れと共に少子化やゲームの普及が加速すると競争力を失っていく。
若干値上げしたり、ラインナップを整理したりと生き残りにかけるも効果はなく、2009年にはついに通常仕様のチョロQが生産終了。
29年の歴史に終止符を打った。
その2年後の2011年、タカラトミーのホビー部門であるトミーテックから新シリーズとして『チョロQ Zero』を発売。
これは子供向けの「おもちゃ」だった今までのチョロQとは違い、大人をメインターゲットとした「ホビー」に進化させたもの。
車種は現行車より旧車をはじめとした絶版車を中心とし、塗装や造形の作り込みを観賞用に耐えうるレベルにまで向上させている。
その分価格も大きく上昇し、2019年現在で定価が2,000円を超えているが、概ね好評なようでコンスタントにラインナップを拡大中。
2022年には同じくトミーテックより『チョロQ Q’s』を発売。
これまでのチョロQとは異なりプルバック走行はせず、車軸にボールジョイントを採用して様々なポーズが取れるようになっている。
パッケージイラストはさとしおが手がけている。
こうして、チョロQは新たな道を歩み始めている。
様々なチョロQ
短命であったが直線特化の全長の長いドラッグレーサーチョロQ、水陸両用のサブマリンチョロQ、ゼンマイを前後に搭載しFF・RR・4WDで走れるチョロQ等、車に限ってもバリエーションは豊富であった。
また、車に限らずバイク、ボート、遊覧船、青函連絡船、戦車、飛行機、電車、ロープウェイなども発売された。このうち遊覧船や電車、ロープウェイなどは、船舶会社や鉄道会社が記念品や自社車両(船舶)のグッズとして発売する機会が多く、これまでに様々なものが製品化されてきた。
キャラクターものもきかんしゃトーマス、ダグラム、ボトムズ、トランスフォーマー、ディズニー、ポケットモンスター、マリオカート、進撃の巨人、リラックマ、ハローキティ、LINE、ルパン三世、モルカー、東宝との怪獣コラボチョロ獣、爪楊枝の刺さった大阪のたこ焼き、さらにはゆるキャン△のゲームの特典としてスクーターに乗る志摩リンも登場した。
これらのほか、2000年代には玩具メーカーのタルガより、入浴剤が同封された「浴玩」として、2001年ごろのJR東日本の首都圏で活躍する通勤形電車や東京メトロと都営地下鉄の車両を模したものと、日本全国のタクシーで使用されたトヨタクラウンコンフォートと日産クルーを模したものなどが発売されたこともある。
ゲーム作品
チョロQをゲーム化したもの。
ただし、「ぜんまい」の概念は一部を除き存在せず、エンジンで走る設定となっている。
最近の作品のやチョロQWiiと、PS.PS2以外の機種で発売された作品は、漢字が登場しなかったり挙動がリアルで無かったりするなど、子供向けに発売したと思われる物もある(チョロQワークスでは漢字にふりがながつく)。
またゲームについての詳細は「チョロQシリーズ」へ
関連タグ
中村安広(チョロQのコンセプトデザイナー)