概要
ヤマハ発動機のスクーター。名前はイタリア語でワインを意味するVINOから。
現在日本で発売されているのは原動機付自転車になる50ccモデル(VINOと前にかごが付いたVINO Molfe)と電動モデルE-Vino(これも法令上は原動機付自転車)だが、過去には台湾などで90ccモデルと125ccモデルも発売されていた。
歴代モデル
1997年に初代モデルが登場。
現在は2018年登場の3代目モデルが発売されているが、これは本田技研工業のジョルノを外見変更したOEMモデル。
初代
1997年発売。
同時期に起こっていたレトロスクーターブームに乗せる車種として登場。
デザインは昔のイタリア製スクーターを思わせるレトロなものだが、ヤマハらしくライバルとは一線を画す流麗な仕上がりである。
このモデルのみ、スピードメーターと燃料計が別々になっており、燃料計はフロントカウル内側に装備されている。
エンジンはジョグ由来の2ストロークを搭載。
宣伝には当時一世を風靡していたPUFFYを起用。
その愛らしいデザインから女性に圧倒的な支持を受けた。
二代目
2004年発売。
製造は台湾に移管された。
車体は初代の雰囲気を残しつつ刷新され、ホイールは専用設計のアルミ製となった。
エンジンはヤマハの原付スクーター初の水冷4ストロークを装備。
このエンジンは3バルブで高回転に強く、後にジョグに流用された。
2007年モデルから燃料供給がインジェクションに変更。
以降、モデル末期まで細かい環境規制対策を重ねていく事になる。
本モデルも女性を中心に人気を博したが、男性需要も考慮し、年度によって硬派なカラーリングもラインナップされた。
先述のエンジン特性や、油圧ショックになったフロントサスペンション、そして重心の低い設計から、見かけによらぬスポーツ性を秘めており、スクーターレースでも人気を得た。
三代目
2018年発売。
本モデルからホンダのOEMとなり、ジョルノの外装を変更したものとなった。
従って性能はジョルノと同等で、特徴的だったホイールもスチール製に戻ってしまった。
それでもスタイルは極力二代目の特徴を維持しており、素人目には見分けがつきにくい。
E-Vino
2015年には、EV仕様であるE-Vinoをラインナップ。
2017年からレギュラー放送が始まったテレビ番組『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』で出川哲朗一行が乗っているのはこのモデルである。
(特番時代の初期には別モデルの電動バイクを使用していた。)
この番組が幅広い世代で人気になると、後に記述するゆるキャン△とともに当機の知名度を上げることになったほか、電動バイクの人気を大きく上げることになった。
後に黄色の新カラーも登場している。
漫画『ゆるキャン△』で、主人公の志摩リンの愛車として二代目が登場。
同作の人気により、当機の知名度を一気に上げた。
ヤマハ側もこれを認知しており、二代目のモデル末期には、志摩リン仕様にそっくりなパールシアンブルーをラインナップした。
更に公式で『ゆるキャン△』とコラボした販促ポスターを販売店向けに配布した他、三代目をベースに志摩リン仕様に仕上げた車両を2台製造し、1台を抽選でプレゼントする企画を実施した。もう1台は、普段は身延町内の施設等で展示されており、2020年から放送開始したテレビドラマ版の撮影や、あきキャン△にも使用された。
pixivでも、志摩リンと合わせて描かれることが多い。
余談だが、2020年にはタミヤより発売された1/24プラモデルキット「キャンパスフレンズセットⅡ」にどう考えてもリンの愛車を意識したと思われるビーノがモデル化された他(しかも初心者マークのデカール付き)、2024年にはアオシマから1/12プラモデルキット「志摩リンのスクーター」が発売されることとなった(こちらはビーノの車名はないが、ヤマハへの版権申請はしている)。
関連タグ
ジョグ:兄弟車。