概要
日本の玩具業界最大手のバンダイとかつて双璧をなしていた玩具会社『トランスフォーマー』のタカラと『ゾイド』や『トミカ』のトミーといずれも東京都葛飾区の京成押上線沿線に本社を構える2社(タカラは青砥、トミーは立石に本社を構えていた)が2006年3月1日に合併した事で生まれた会社。トミーがタカラを買収した形となった為存続会社はトミー。そのため英語のコピーライト表記にはタカラの社名は入っておらず、TOMY COMPANY, LTD.となっている。
合併後は立石のトミー本社をタカラトミー本社として、青砥のタカラ本社は子会社のタカラトミーアーツの本社となった。
旧トミーの代表取締役社長は富山商事時代から続く富山家による世襲制となっていたが、2015年には初の富山家以外の人物にして初の外国人となるオランダ人のハロルド・ジョージ・メイ(タカラトミーの前には日本コカ・コーラ副社長を務めて、タカラトミーのあとには新日本プロレスの社長を務めた人物)が2017年に辞任するまで代表取締役社長として就任し、当時赤字経営だったタカラトミーの業績の回復に貢献した。2017年にメイが退任した後、三菱商事出身者の1代を挟んで2023年より旧トミー創業者の曾孫が第4代社長となっている。
タカラとトミーは両社ともに合併前から海外の玩具メーカーとの提携が盛んであり、かつてはディズニーやMARVELなどの関連商品を独占的に国内でリリースできる点がバンダイにはない強みと言えるがキャラクタービジネスにおいてはバンダイに大きく水をあけられている点も合併前から続く課題の一つ。またバンダイも近年ディズニーやMARVEL、スターウォーズ等を始めとした海外キャラクターの関連玩具をリリースするようになった為この分野でもバンダイと競合するようになっている。
また合併前のトミー側は2代目の富山允就社長の方針であえてそのような方針を取らず、玩具の商品としての質をセールスポイントとした売り方をしてきたのが裏目に出た形となった。その為、この分野の開拓も近年では盛んに行われるようになっている。バンダイとタカラトミーのキャラクタービジネスの違いはバンダイは主にアニメや特撮等の他社のキャラクターの版権を借りてスポンサーとなり玩具発売しメディア展開するのに対しタカラトミーはシンカリオンやゾイド等自社のキャラクターを中心にメディア展開している。(トミー側におけるこの一件の詳細はTOMYの項目を参照)
主な玩具
合併後
- WIXOSS
- カミワザ・ワンダ
- 新幹線変形ロボ_シンカリオン
- ビーストサーガ
- トミカ絆合体アースグランナー
- キャップ革命ボトルマン
- マジカパーティ
- プリティーシリーズ:2012年からは子会社のタカラトミーアーツ
- ガールズ×戦士シリーズ(旧称:ガールズ×ヒロイン!シリーズ)
タカラ発
- リカちゃん
- こえだちゃん
- ダイアクロン
- ダッコちゃん
- チョロQ
- テレコマ戦士どんぶりマン
- 電光超人グリッドマン:SSSS.GRIDMAN以降はバンダイでも発売。SSSS.DYNAZENONから参入、以降は両者での展開となる。
- 超電動ロボ鉄人28号FX:バンダイのカプセルトイ(ガシャポン)から発売されていたこともあり
- 電脳冒険記ウェブダイバー
- ビーダマン
- ベイブレード
- ミクロマン
- メダロット:2018年以降はバンダイでも発売。
- 勇者シリーズ:サンライズがバンダイナムコの子会社化以降はバンダイでも販売。以後もミクロマン版フィギュアも発売。
- 魔神英雄伝ワタル:サンライズが(ry
- 装甲騎兵ボトムズ:サンライズが(ry。ただし以後もミクロマン版フィギュアやガガンガン、アクティックギアなどを発売している。
- 機甲警察メタルジャック
- 魔弾戦記リュウケンドー
ハズブロ発
タカラがアメリカ企業ハズブロと提携して販売していたもの。大部分は2018年に日本法人のハズブロジャパンが再興された時に権利を譲渡したが、人生ゲームは旧タカラが商標登録していた関係上、トランスフォーマーは2社合同企画を発端とすることにより、現在もタカラトミーに残されている。
TOMY発
- 愛天使伝説ウェディングピーチ:TOMY初の女児向コンテンツ。
- エルドランシリーズ:サンライズが(ky
- カブトボーグ
- ゾイド
- 超特急ヒカリアン
- トミカ
- トミカヒーロー:上記タカラ発のリュウケンドーの後継作品でもある。
- トミカハイパーシリーズ
- ファービー:アメリカのタイガーエレクトロニクス社製
- プラレール
- 伝説巨神イデオン:サンライズが(ry
- 聖戦士ダンバイン:完成品玩具のみ。プラモは当時からバンダイが担当
- アメリカ横断ウルトラクイズ
コンピュータゲーム事業
長寿かつ今も衰えぬ人気を持つ玩具を作り続ける一方で据え置きゲーム機やアーケードゲーム、更にソーシャルゲームなどの各種コンピューターゲームの製作も他のゲーム制作会社と共同で行っている。
が、クソゲー率が高すぎて「ダカラゴミー」とも揶揄されていた。
1990年代においては前身であるタカラ・トミー両社ともセガサターンフォーマットにおけるソフト開発をメインとしていたためセガ(セガゲームス)との関係が強かった。
特に最末期のタカラの親会社となったインデックスグループはセガと良好な関係を持っていた。またトミー側もセガの依頼によって下請開発を行った上でトミーブランドとして出したゲームがある。そのため、旧タカラと旧トミーの合併の橋渡しを行ったのもセガである(その際に間接的にだがバンダイも合併に協力している)。しかし当時はセガ側もセガグループの瓦解とセガサミーホールディングスへの再構築の最中であり、これが進んだことでセガとの関係は希薄になり、以降は独自路線に舵を切る事となった。
2012年より、ゲーム開発事業を子会社のタカラトミーアーツ(旧:ユージン)へと移管したが、実際はゲーム開発部門は残されており、2019年に再びコンシューマーゲーム事業に参入した。
タカラトミーモール
通称TTモール。タカトミ版プレミアムバンダイ(プレバン)といえるサイトだが、限定色の強いプレバンに対し一般販売商品も扱っているのが特徴(プレバンも一応扱ってはいるがごく少数)。モール限定商品も存在しており、特にダイアクロンやトランスフォーマーといった男児ものは数多い。ただしプレバンと違い玩具以外の限定品は少なく、特にアパレル商品関連は皆無に近い。
合計5000円(税別)を超えると送料が無料となる。別々に注文した商品のおまとめはできないが、発売月の異なる商品を同時注文してもきちんと同梱して配送してくれる。
専用のサイトも存在するが、Yahoo!や楽天の出張店があるのもプレバンとの違いであり、それぞれのサイトでは専用のポイントも付く。
最近ではプレバン同様、一般発売でもおかしくない商品がモール限定となっているケースが多く、販売を疑問視する購入者も少なくない。しかしプレバンと異なる点はリデコやリカラー商品が多い点で、完全新規の商品が少ないことであろう。これは商品展開の姿勢の違いから来ているのかもしれない。とはいえ、最近ではクラウドファンディングという形で完全新規のアイテムを出す形を取る商品も出始めているため、少しずつではあるがプレバンに近づいていると言えなくない。
2023年8月、仮想復刻『ミッシングリンク』をスタート。生誕40周年のトランスフォーマーからコンボイが2種類予約開始された。⇒トランスフォーマーミッシングリンク公式サイト
X(旧Twitter)
公式X(旧Twitter)アカウントを開設、情報発信を行なっている。
後述の騒動以前はSHARPやタニタと並ぶ公式が病気アカウントであり、企業公式のアカウントとは思えないほど自由なツイートやフレンドリーな対応から人気を博していた。
しかし自社ブランドに対する侮辱とも捉えかねない発言など企業アカウントにふさわしくないツイートが稀にされることもあり株主総会などでは懸念の意見も出ていた。
そのうえアカウントでは、ライバル玩具会社が似たような玩具を発売するとそれに反応して共通する玩具のツイートを行ったり(例:騎士竜戦隊に対するツイートに最後の騎士王を持ち出したりする、ウルトラマンZに登場した車両と同じトミカを初回放送時に便乗で宣伝する)意外とお茶目なところがあった。対するバンダイ側もそれに返答することもあり、実際バンダイナムコゲームスとアーケードゲームを行う様子が投稿されていた。
このような行動から、「親しみやすい近所のおもちゃが好きな兄ちゃん」というイメージとともに「いつかやらかすのでは…」と心配されており、タカラトミー側は「懸念が出たこと事態は真摯に受け止める。ツイッターによる広報は重要でこれからも創意工夫していく。懸念されていることについては事前にチェックする対策をしているが、それは今後も継続していく」と回答していた。
また自社に関わるツイートに関してひたすらふぁぼ登録をしていたが、バンダイを批判しタカラトミーを持ち上げる内容をふぁぼを行うという公式アカウントとはあるまじき行為を行っており、特にこの事が起きた2018年は戦隊シリーズの売り上げの低迷とシンカリオンの売り上げ好調により玩具ファンの間で両作品での対立とそれによるバンダイ叩き(プレバンの不満など)が起きており、意図したものではないとはいえ公式が対立煽りに近い行いがされており両方のファンからもこの件に関して少なからず苦言をする者が見られた。
後に2020年2月頃にもニチアサ枠とアースグランナーが重なる事で仮面ライダービルドの三国対立に見立てた対決ネタツイートに対し公式アカウントが返信を行って話題になった結果、テレマガ公式アカウントが「商売してる大人たちはお互い良い意味でライバルだけども、子どもを楽しませるって意味ではワンチームでいたい」と反応する事態にまで至った。
そして2020年10月21日についに大きな問題が起こる。
当該のツイートは既に削除されたが、10月21日に公式アカウントが当時ツイッターにてトレンド入りしていた「#個人情報を勝手に暴露します」(これは診断メーカーによるもの)に便乗し、「とある筋から入手した、某小学5年生の女の子の個人情報を暴露しちゃいますね!」という文面でリカちゃん公式サイトに掲載されているプロフィール画像を添えたツイートを投稿。さらに続けて「久しぶりに電話したら、昨日の夜はクリームシチュー食べたって教えてくれました。こんなおじさんにも優しくしてくれるリカちゃん……」(原文ママ)と投稿した。
これが、「子供の人権を無視している」「性暴力を助長している」「実際にリカちゃんと同世代である小学生の女の子、そしてその保護者が見る可能性があるアカウントでこのような表現は不適切である」などの批判を集め、騒動となった。また、これ以前にも「小学生の女の子の電話番号を入手しました」とリカちゃん電話(あらかじめ設定された音声を電話で聞くことができるサービス。サービス自体はかなり前から行われており、問題ではない)の番号を掲載したり、リカちゃんのパンツセットについて茶化すような文面で紹介する、アニメ『新幹線変形ロボ_シンカリオン_THE_ANIMATION』のとある回について「水着回です。小学生男児たちの水着が見れます」と宣伝するなどのツイートが確認されており、指摘されても「だってー!タカラトミーのリカちゃんのHPがー!ぼくじゃないもんー!」「せんせーわたしおじさんじゃありませーん20歳のOLです」(いずれも原文ママ)と顧客を馬鹿にしているとしか思えないふざけた返答を行っていたことが発覚し改めて批判されるようになった。
24日にタカラトミー公式がTwitter上で「不適切な表現がありました」と発表し、一連のツイートを削除。また、この後からツイートの文体が変わり商品の告知のみとなったため、これまで運用していた「中の人」が変わったことがうかがえる。
30日になって改めて謝罪文を投稿。「社員教育の改めての徹底と、運用ポリシー(コンプライアンス遵守・運営管理体制等)を全面的に見直してまいります。」とした上で、当面Twitterの更新を停止すると発表した。
年が明けた2021年2月26日、約4ヶ月にも及ぶ自主凍結を破り代表取締役社長の小島一洋の署名付きで謝罪文を投稿「2021年2月1日付で社長直轄部門としてCSR推進室を発足させました。また、同室内にSNS改革推進課を新設し、ソーシャルメディアにおける表現基準の見直し、周知徹底を行ってまいります。」「ソーシャルメディアの運用に携わるメンバーに対しては、コンプライアンスおよびモラルについての教育プログラム策定と研修の実施、並びに新たな運用ガイドラインを設定いたしました。」としたうえで、2021年3月3日にTwitter更新を再開することを発表した。今後は商品の告知特化に力を入れていくと発表されたように以降は所謂中の人は全く表に出ず純粋な商品の宣伝のみにとどめている。
再開後SNSアカウントは特に問題は起こしていないが上記の騒動などの原因は公式アカウント関係無しにファンに距離が近すぎたり配慮が足りていないタカラトミーの企業体質的な問題点だという部分を指摘する声が多い。
実際公式アカウント炎上から1年後の12月3日のデュエチューブ公式で自社で販売したカードに関わらず「キリコを救いたい」とネタにしたり、デュエプレのホロライブコラボでのアンケートで参加したvtuberに対して名指しでつまらないなどコラボ相手への配慮に欠けた内容で炎上する事態が発生している。